フシ穴の眼 〜スポーツ編〜

ボクサーは嘘をつく

このエントリーをはてなブックマークに追加

ボクサーは嘘をつく。

リング誌に「Best I’ve faced(過去最強の相手)」というコーナーがあり、主に引退した選手が自身のキャリアを振り返り、パンチ力やスピード、ボクシング技術など10項目に渡って最強の対戦相手を挙げています。数々の強敵と激戦を繰り広げたシュガー・レイ・レナードが難なく圧勝したフロイド・メイウエザー(マネーのお父さんですね)を「ショルダーブロックを完成させていた」と絶賛、最高の防御技術を持った選手に挙げるなど、意外な告白もあります。

     【リング誌:I’ve faced】

ここではレナードは嘘はついていないと思いますが、嘘をつくボクサーも結構目につきます。サーマンvsガルシアで争われる無敗のウエルター級王者統一戦の元祖、ドン・カリーはミルトン・マクローリーを粉砕したその試合のリング上で「(マクローリー自慢の)ジャブは予想以上に遅かったから簡単にカウンターを返すことが出来た」と豪語していましたが、最近掲載されたこのコーナーでは「マクローリーのジャブが速さ、強さとも最高だった」と語り、総合的に見ても(BEST OVERALL)マクローリーが最強だったと最上級の評価を与えています。恐らく、後者が真実でしょう。試合後は普通の精神状態ではないでしょうし、勝利に酔ったボクサーは観客やインタビュアーが喜ぶ言葉を選びがちです。

カリーのキャリアではマイク・マッカラムの強さが際立っていたように思えますが、マッカラムをナンバーワンと評価しているのは、BEST PUNCHERの1項目だけです。「あのパンチが飛んでくるのは予想できなかった」と認めてはいますが。

ファン・マヌエル・マルケスのケースはまた別の動機からついた嘘でしょう。マルケスと言えばパッキャオと4戦に及ぶ激闘を繰り広げたレジェンド。彼は「パッキャオは過大評価、強くない」と常々ライバルを腐して来ました。しかし、第4戦で劇的なKO勝利を収めた後からニュアンスが変わってきます。それまでは「メイウェザーが一番」と断言していたのに、このコーナーでは10項目中でなんと7項目でパッキャオを上げ、総合力でもパッキャオが最強だと認めているのです。

そして、大差判定で敗れたメイウエザーとの1戦については「いきなり2階級も上げた上に、メイウエザーは契約体重をオーバーしてリングに上がってきた。コンディションは最悪だったし、体重は不公平だし、まともな状況ではなかった」として、メイウエザーにはただの1項目も与えていません。確かに、腹回りに贅肉が残ったあの試合のマルケスはパッキャオと戦ったときの肉体美とはかなり差があったとは思いますが。・・・。

激戦・接戦続きで勝ち星がない宿命のライバルを素直に称賛できないというマルケスのちょっとひねくれた心理も何となく理解できるような気もします。



1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

観戦記1278 Krush.73 67kg級王座戦 塚越仁志vsモハン・ドラゴン 【人生マイペンライ】

四横綱はひとつの時代の終わりの始まり【スポーツ24/7 一日24時間週7日間スポーツ!】

ボクシング 夢の対決 2017<ヘビー級>【運動科楽からスポーツ再考!!】

ブロガープロフィール

profile-icontanutan

出張が多い仕事柄、移動の合間に書き込ませていただいています。

新幹線の車窓に流れる日本の郷愁あふれる街の風景や、夜の航空機から暗い雲間の隙間に現れるきっと訪れることのない知らない街の光に、えもしれぬ感傷に耽りながら大好きなスポーツの試合を独断と偏見で書き綴るのは、最高にリラックス出来る贅沢な時間です。

健康診断のたびに「運動せねば」「酒は控えねば」と自戒しつつもまた翌年の診断を迎える怠惰な中年ですが、アスリートの美しい躍動に、歓喜と感謝と精一杯の拍手を送っていきたいと思います。
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:412037

(05月25日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 日本人の身体能力は黒人に劣るのか?①
  2. ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜①
  3. ロマゴン敗北で考える〜複数階級制覇〜②
  4. 大迫、東京五輪を2時間2分02秒で走るってよ!
  5. VIVA MEXICO! メキシコ史上最強は誰か!?
  6. 【世界評価】村田諒太vsアッサン・エンダム③
  7. 【カウントダウン】村田諒太vsアッサン・エンダム①
  8. 【オッズと予想】村田諒太vsアッサン・エンダム④
  9. ロマゴン陥落で考える〜パウンドフォーパウンドとは何か?テディ・アトラスの抗弁〜
  10. マラソン日本は復活するか?〜血と生いたちと環境〜①

月別アーカイブ

2017
05
04
03
02

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年05月25日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss