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西岡選手 IW大会 激闘とあと1ポイント

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BNP Paribas Open 4回戦、6-3、3-6、6(4)-7で西岡選手は惜しくも世界3位のワウリンカ選手に負けました。 惜しかった。その一言に尽きます。 西岡選手とワウリンカ選手の総得点の差は僅か1ポイント。

smci41

実質試合支配指数(SMCI指数)に至っては、西岡選手の方が上回っています。それも僅差ではありません。SMCI指数とは、どちらの選手が試合の主導権を握っていたのかを示す指数です。つまり、西岡選手の方が全体を通してこの試合を優位に進めていたのです。それをSMCI指数が物語っています。数字上で言えば、本来ならば勝っていたのは西岡選手でした。 しかし、勝ったのはワウリンカ選手の方でした。それが事実です。試合を優位に進めることと、試合に勝つことは異なります。そして、それがテニスの魅力でもあります。 惜しい試合だったとは思いますが、惜敗だとは言いたくありません。何故なら、惜しくも負けた訳ではないからです。潜在性においては西岡選手が勝っていました。惜しいところまでは行ったけど、僅かな差で劣っていた訳でもありません。そのようなネガティブなことは言いたくありませんし、西岡選手のプレーを見れば明らかです。 しかし、負けたという事実は受け入れなければなりません。それもポジティブに。おそらく西岡選手は今回負けたにしても、自分のプレーの持ち味に自信を深めたはずです。それはSMCI指数的に言えば劣勢指数の数値の小ささです。

smci42

劣勢指数の数値が小さいということは、ラリーを繋ぐ力、アンフォーストエラーを少なく抑える力、プレー自体の安定性が高いことを意味しています。優勢指数が高い選手に見られる、積極性、攻撃性、爆発力はありませんが、逆に守備性に優れている、プレーの質が極端に崩れにくい、チャンスを生かす能力に優れているという特徴が劣勢指数が低い選手にはあります。 西岡選手は明らかに、優勢指数重視の選手(ワウリンカ、デルポトロが代表的)ではなく、劣勢指数重視の選手のタイプです。この特徴を更に特化させて欲しいと思います。 この自分の特徴をさらに特化させて欲しいと期待しています。 このIW大会で感じた確かな手応えと負けた悔しさを糧に更なる飛躍を期待したいと思います。少なくとも、その潜在性の高さは十分にあります。

【記事についての長い捕捉】 実質試合支配指数(SMCI指数)が西岡選手:0.88でワウリンカ選手:0.42でした。そして本記事では「西岡選手の方が全体を通してこの試合を優位に進めていた」と書きました。西岡選手が優位であったのは数字上間違いありませんが、捕捉しますと西岡選手の得ていた優位はあくまで「相対的」優位に過ぎませんでした。絶対的ではありませんでした。何故なら、西岡選手のSMCRは0.88で、この数値は負基準点(=この値を割り込むと明確に悪い)である0.63以上でしたが、正基準点(=この値以上で明確に良い)には遠く及んでいません。ワウリンカ選手とのSMCRの差は小さくはありませんでしたが、有意な差(1.2以上の開き)があったわけでもありません。 つまり、西岡選手はワウリンカ選手に対して相対的に優位であったものの、絶対的優位ではありませんでした。SMCRの値が互いに低いと、片方の値がやや高くともそれは相対的な評価に過ぎません。 ですからSMCRの値が互いに低い試合の場合、実質的な試合の支配、試合の主導権という観点から言えば、勝敗はどちらにも転びます。何故なら、SMCRの値が互いに低いということは、どちらも主導権を握れていなかった、あるいは主導権が行ったり来たりして定まっていなかったということだからです。 ですので、SMCRの値が互いに低い試合の場合、A選手がやや高くとも、数値が正基準点や有意な差が無い限り、それは相対的に優位であったに過ぎません。

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この記事へのコメントコメント一覧

西岡選手 IW大会 激闘とあと1ポイント

tenniswatchholicさん
コメント頂きありがとうございます。
記事で書ききれなかったのですが、全く私も同感です。ご指摘の通り、サービンフォーザマッチを迎えるのと、マッチポイントを握ることは、色々な意味で一段違うと思います。相手をあと1ゲームまで追い詰めるのと、相手をあと1ポイントまで追い詰めることは大きな開きがあると感じます。
私は指数を用いて、他のブロガー様とは少し異なる視点で分析することを心がけておりますが、やはり数字では表しきれない場面や状況があることも痛感しています。特に、tenniswatchholicさんが仰ったように、経験の差がものをいう状況などがその最たるものです。
しかし、数字では表しきれないものがテニスにあることが、テニスの面白さでもあり、魅力であると感じております。
西岡選手が得た自信、それが更なる強さと経験に繋がることを期待したいと思います。

西岡選手 IW大会 激闘とあと1ポイント

tamany365さん、いつも投稿ありがとうございます。
SMCR,SCRP切り口としては非常に興味深いですが、俺には難しすぎます。

調子は落としてますが、2015年まではミスター順当勝ち(私が名付けました)と称されるほどに取りこぼしが少なかったベルディヒに勝ち、dead or arive(一回戦負けか優勝か)のワウリンカに、4回戦でサービンフォーザマッチを2回も握る快挙を成し遂げました。
ただ一つ残念なのは、一度もマッチポイントが握れなかったことです。サービンフォーザマッチのプレッシャーと、マッチポイントのプレッシャーはまた一段違うと思います。

テルセルでのナダル戦以降、西岡選手の中で、何かが変わったと思います。トップ選手と互角に渡り合う自信がついたと思います。でも、ワウリンカに対して、サービンフォーザマッチを迎えた、と、マッチポイントを握った、の、経験値の差って、すごく大きいと思うんですよ。

それでも、今回の経験を生かしてさらに上に行ってくれることを期待します。

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*SCR%はSMCIの改訂版です。
現在はTSA(テニススタッツ分析)の基本7表を用いて分析しています。
*TSA基本7表とは「得点内訳表」「失点内訳表」「得失点表」「自ポイント内訳表」「ゲームパワー表」「アタック評価」「ポイントパフォーマンス」のこと
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TPW 総得点、獲得ポイント
* TPWは【TPW=W+OUE+OFE】
W ウィナー
OUE 相手のアンフォーストエラー
OFE 相手のフォーストエラー
OW 相手のウィナー
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OEP 相手のエラー
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