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データで見る ウィンブルドン2017女子決勝 ヴィーナスVSムグルッサ

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 ウィンブルドン2017 女子の決勝 ヴィーナスVSムグルッサの試合が行われました。結果はムグルッサから見て7-5/6-0のストレート勝ちでした。

 ポイント推移から見ていきます。

 グラフを見ると、第1セットは非常に拮抗した状態でしたが、第2セットはムグルッサがヴィーナスを突き放した展開となっています。  前投稿でQP移動平均を紹介しましたがここで使用したいと思います。

 QP移動平均はプレーの質の時間変動を測る指標です。0に近いほどプレーの質が高く、0から離れるほど質が悪かったということを示します。(*QP移動平均についての詳細は前投稿『プレーの質の時間変動』を参照してください)これで見ると第2セットは明らかにヴィーナスが調子を落とし、ムグルッサのプレーの質が高まっています。QP移動平均を見ると勝敗を分ける可能性があった場面がいくつか第1セットにあったことが分かります。  まず第1セット第7ゲームです。ここでヴィーナスとムグルッサのQPが一気に増加します。ここは実に14ポイントのやり取りがあった場面でヴィーナスが耐えてサービスキープをした場面です。ムグルッサからすると競ったもののチャンスを逃した場面でした。しかし、その後も高い集中力を維持できたことが後の展開に繋がりました。場合によっては気を落として自分のプレーの質が低下したままだったかもしれない場面でした。  次に第1セット第10ゲームです。今度は逆にヴィーナスにブレークのチャンス、即ちセットポイントのチャンスがありました。しかも2回です。QPで見てもムグルッサよりもヴィーナスの方が調子のよかった時間帯です。しかし、ムグルッサが凄まじいメンタルで危機を乗り越え、なんとかキープに成功します(なんと15-40から4ポイント連取でセットポイントをしのいだ)。ここから一気に試合が動きました。ここが別れ目でした。ヴィーナスはこの大チャンスを取り切れなかったことが影響したのか、第11ゲームで急激にプレーの質を低下させます。逆にムグルッサはピンチを乗り越えたことでギアを更に上げました。ムグルッサがついにブレークに成功し、次いで第12ゲームをキープして第1セットをものにします。  その後の展開は一方的でした。ヴィーナスはQPを回復できずに4~5のあたりを漂います。ムグルッサは試合が進むたびにQPの質を高め3→2→1とどんどん0に近づいて行きます。QPが2や1は相手にデュースにももつれさせないほど自分のプレーが良い状態だったことを表しています。 第1セットの拮抗した展開の中、互いにチャンスを掴み切れなかったゲームが1つありました(*正確にはヴィーナスには第6ゲームでもう1回あったが)。しかし、その後のメンタルの切り替えが、集中力を維持できるかどうかの違いに繋がりました。ムグルッサはプレーの質を高め、ヴィーナスはプレーの質を低下させてしまいました。  さて、動的な分析はここまでにして、次は静的な分析に移ります。

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試合分析
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テニス

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TPW 総得点、獲得ポイント
* TPWは【TPW=W+OUE+OFE】
W ウィナー
OUE 相手のアンフォーストエラー
OFE 相手のフォーストエラー
OW 相手のウィナー
EP エラー(アンフォーストエラー、フォーストエラーの区別なし)
OEP 相手のエラー
UE アンフォーストエラー
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*OwnPointsは【OwP=W+UE+FE】
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EP対TPW 1つのEPからどれぐらいのTPWが生まれるかの効率 得点効率
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