たまにテニス

データで見る全仏女子決勝戦オスタペンコVSハレプ

このエントリーをはてなブックマークに追加

2017全仏女子決勝戦も非常に印象的な試合でした。 オスタペンコVSハレプ。スコアはオスタペンコからみて4-6/6-4/6-3でした。 非常に対照的なプレイヤーの対決ということも面白かったのですが、分析してみるとオスタペンコのスタッツが特異的なものでした。

得失点表から見ていくと、負けたはずのハレプのSCR%が高く、勝ったはずのオスタペンコのSCR%の方が低いことになっています。しかも結構な開きがあります。 SCR%(実質支配率)は得点からエラー(UE,FE区別なし)を差し引き、試合に有効に働いたポイントの割合のことです。通常はSCR%が高い選手が勝ちます。また、SCR%が低い選手が勝つこともありますが、その場合の多くは接戦です。しかし、この試合の場合は試合展開よりもオスタペンコのプレースタイルが原因でしょう。 オスタペンコは超ハイリスク-ハイリターンタイプです。とんでもなくウィナーを量産する代わりに、とんでもない量のエラーも生み出します。普通の選手であればここまでリスキーなプレーは恐ろしくてできないでしょう。何せ自分の調子が良い時はウィナーの数でエラーを帳消しにできますが、少しでも調子を落とすとエラーが上回ります。また効率が良いプレーとも言い難いです。EP対TPWは1つのエラーからどれだけ得点を生み出せるかという、ポイントの効率性を測る指標ですが、オスタペンコは1.19で、ハレプは1.96です。オスタペンコの効率が悪いのは明らかです。

テニスのプレーは攻撃型・守備型を問わず、得点を伸ばしつつエラーを最小化することが常識です。攻撃型は守備型より相対的にリスクを取らなければなりませんが、オスタペンコほど極端ではありません。何故なら、どんな選手にも調子が良い時と悪い時の波があるからです。試合に勝つためには、リスクを許容範囲に抑える必要があります。 しかし、オスタペンコはその常識に逆らいました。それも最初から最後まで逆らい続け、自分のプレーを貫き通し、ノーシードから全仏優勝を成し遂げました。

自ポイント内訳表のOwnPoints%を見ると、なんとオスタペンコは終始7割を超えており、ハレプは3割未満です。この試合においていかにオスタペンコ由来のポイントが影響力を与えていたかが分かります。この試合の7割以上がオスタペンコ由来のポイントで構成されていたのです。

また、得点内訳表を見るとその選手の主たる得点源が何であったのかが分かります。注目すべきはハレプの得点源です。ハレプの得点の6割近くがオスタペンコのUEによるものでした。自分のウィナーと相手に強いたミスを足しても4割程度です。主たる得点源が相手のUEによるもので、自分から奪っていった得点が多くなかったということです。 逆にオスタペンコの得点源は自分のウィナーであり、セットを重ねるごとに増えていき最終的には52%に達しました。自分のウィナーと相手に強いたミスを足すと驚異の9割越えで、得点の殆どを自分の攻撃的なプレーで奪っていたということになります。 スタッツを見ると、オスタペンコの怒涛の攻撃がハレプの守備を粉砕したということが浮き彫りになります。結果から言えば、GP(ゲームパワー)はオスタペンコがハレプを上回りました。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
試合分析
タグ:
テニス

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

【week preview】2017week25ドロー解説【two-set-down】

データで見る全仏決勝ナダルVSワウリンカ【たまにテニス】

ハレ1Rはベルダスコ。錦織はややタフなドローに。【Fight!! Kei NISHIKORI】

ブロガープロフィール

profile-icontamany365

テニスを愛しています。
テニスの試合をスタッツ分析するのが趣味です。
新しいスタッツ分析指標、実質試合支配指数(SMCI)を発案しました。
Twitterもやってます。
ブログの方もぼちぼちやってます。
「たまにの暮らし―tamany」
https://tamany365.com/
実質試合支配指数(SMCI)
実質試合支配率(SMCR)
ポイント実質支配レーティング(SCRP)
優勢指数(AI)
試合優勢率(MAR)
ポイント優勢レーティング(ARP)
劣勢指数(DI)
試合劣勢率(MDR)
ポイント劣勢レーティング(DRP)
ゲームパワー(GP)
サービスゲームパワー(SGP)
リターンゲームパワー(RGP)
過剰ゲームパワー(EGP)
過剰サービスゲームパワー(ESGP)
過剰リターンゲームパワー(ERGP)
総点数(TPP)
総得点(TPW)
ウィナー(W)
対戦相手のアンフォーストエラー(OUE)
対戦相手のフォーストエラー(OFE)
攻撃的得点(AP)
積極性差益(AM)
得点差益(GM)
合計失点数(TPL)
失点(PL)
アンフォーストエラー(UE)
フォーストエラー(FE)
獲得率(GR)
ポイント獲得性(GOP)
積極率 (AR)
ポイント積極性(AOP)
精度率 (PR)
ポイント精度性(POP)
効率(ER)
ポイント効率性(EOP)
損失率(LR)
ポイント損失性(LOP)
不正確率(IR)
ポイント不正確性(IOP)
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:163769

(06月26日現在)

関連サイト:「たまにの暮らし-tamany」

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 西岡選手 IW大会 激闘とあと1ポイント
  2. 実質試合支配指数(SMCI)の提案と概要
  3. リオオープン SMCI指数から見る錦織初戦敗退の要因
  4. 過去52週のTOP30選手のゲームパワー指数と世界ランク
  5. 錦織選手 IW大会 3回戦 完勝!
  6. キリオスvsフェデラーとゲームパワーの推移
  7. 西岡選手IW大会2回戦突破!実質試合支配指数(SMCI)分析
  8. 錦織選手 マイアミ大会 2回戦 好発進!
  9. 新たな指標 ゲームパワー(GP)指数
  10. 実質試合支配指数(SMCI)の使い方と実例

月別アーカイブ

2017
06
05
04
03
02

このブログを検索

Twitterもやってます。テニスや人生のことを呟いています。 Tama@tanany365 https://twitter.com/tamany365

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年06月26日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss