今日も神宮

『ビッグデータ・ベースボール』トラヴィス・ソーチック (著)角川書店

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20年連続負け越しのピッツバーグ・パイレーツを復活させた革命的なデータ活用法。 ホームランをたくさん打ってくれるスラッガーや三振でアウトを重ねてくれるピッチャーをFAなどで獲得できない貧乏弱小球団の対抗策は守備力。 その戦術「3本の矢」が、①大胆な守備シフト②ピッチングフレーム③ゴロを打たせるためのツーシーム・ファストボールの多投。 ①大胆な守備シフトと言えば日本では「王シフト」、アメリカでは「テッド・ウイリアムズシフト」などが有名だが、パイレーツの採用したシフトはその根拠となるデータと回数がケタ違い。 ②ピッチングフレームとはジャッジがセンシブルなボールをストライクにするキャッチャーの技術。その才能をパイレーツの分析官によって見出されたのがラッセル・マーティン。ヤンキースで直前のシーズンの打率が2割1分のマーティンをパイレーツは他のどこの球団よりもいい条件でFAで獲得する。この強肩ではあるが打てない捕手は2007年から2011年までにそのピッチングフレームの技術でメジャーで2番目の70点の失点を防いでいたからだ。その時期のパイレーツの正捕手は逆に65点を失っている。ちなみに参考資料を見ると、マリナーズの城島健司も33点失っている。 「3球以下」でバッターを打ちとることにフォーカスして③ゴロを打たせるためのツーシーム・ファストボールの多投で①大胆な守備シフトでアウトにする。  この「3本の矢」を支えているのがボールを追跡するシステムPITCHf/xなどで集められたビッグデータとそのデータを分析し生かす分析官である。どれだけたくさんのデータを集めてもそれを生かせなければ宝の持ち腐れ。パイレーツは、ダン・フォックス、マイク・フィッツジェラルドという2人の分析官が大きな“戦力”して活躍した。少なからず抵抗のあった現場をおさめたクリント・ハードル監督のマネージメント力、データ重視を導入したフロントの決断力を忘れてはならない。  今後は心理学なども導入したソフト・サイエンスの部分も数値化してデータ活用していく可能性もあるのだとか。楽しみであるが、選手の“play”の余地が少なくなり、“work”の色合いが強くなり過ぎはしないかという危惧もある。



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