3度の飯よりドラゴンズ

野球が壊されている現状・・・コリジョンルールを正しく理解する必要性

このエントリーをはてなブックマークに追加

 もう我慢ならない。これが今季から導入されたコリジョンルールに対する個人的な感情だ。17日のに行われた阪神タイガース対福岡ソフトバンクホークスの一戦、9回裏に俊介がホームベースに滑り込み、タイガースにサヨナラ勝利をもたらしたシーンを見てこのように感じた。

 誤解のないように書けば、このシーン自体はコリジョンルールは適用されていない。しかし、今季から突如取り入れられたこのルールが全く無関係だったとは思えない。ホークスの捕手、鶴岡慎也はレフトの中村晃からの返球を受ける際、明らかに俊介の走路を避ける形をとっているように見える。そしてこの「ランナーの走路を避ける」という行為自体、コリジョンルールの適用を回避することを意図した行動である。昨年までであれば、恐らく鶴岡はホームベース左に逸れた中村の送球をライン上で受け、ベース手前で俊介をブロックする形をとったのではないだろうか。

 要するに、「現在認識されている」コリジョンルールは実際に適用されていないケースでも選手の行動に影響を与えている。スコアリングポジンションにランナーを置いたケースでは外野手は極端な前進守備を敷くようになった。それでも、ほとんどのケースで送球がホームベースの真上に届けられなければランナーを刺すことはできない。そのため、3塁コーチは躊躇なく腕を回し、ランナーを本塁に送り込むケースが大幅に増えた。犠牲フライやランナー2塁からのシングルヒットの際にワクワクするようなクロスプレーはもう存在しない。開幕前に西本聖氏(59)が日刊スポーツに対して予想した「外野手の最高のプレーが消える可能性があります。『外野フライを捕ってバックホーム。レーザービームで本塁タッチアウト』という場面がほとんどなくなるかもしれません。野球の醍醐味の一つなんですけどね」というシナリオが現実になっている。

 結果的にこの新ルールは、今までの野球を壊してしまったように思う。

■「怪我防止」は「ルールの書き換え」に値するのか

 そもそも、なぜコリジョンルールは導入されたのか。私の知る限りNPB(日本プロ野球機構)はその理由を明かしていないが、明らかに選手を重度の怪我から守るためだろう。NPBに先立ってMLB(メジャーリーグ)が導入していた同ルールもこのような理由で採用された。同リーグでは2011年にサンフランシスコ・ジャイアンツのキャッチャー、バスター・ポージーがクロスプレーでタックルを受け、大怪我を負うアクシデントに見舞われるなど、以前から議論が交わされていた。実際に日本でも昨シーズンにマット・マートン(当時タイガース)が本塁上でヤクルトの西田明央捕手を突き飛ばすシーンなどが見られている。

 確かに、選手を危険なプレーから守るのは重要なことだ。ポージーが負ったような大怪我を見るのは決して気持ちのいいものではない。同選手は奇跡的な復活を果たし、2012年にはナショナル・リーグのMVPを獲得する大活躍を見せたが、同じようなプレーで選手生命を絶たれる選手が出てくる可能性は確かにあった。しかし、果たして「現在認識されている」コリジョンルールがこの問題に対する解決策なのか。私はそうは思わない。

 前述したように、同ルールが野球というスポーツ自体を変えてしまっている現実がある。本塁上でファンがワクワクするようなクロスプレーはほぼ姿を消した。外野手は極端な前進守備を敷き、ランナーは迷いなくホームベースに突入する。何でもない浅いフライが犠牲フライになる。こんなものは、長年のファンが知っている野球ではないのではないだろうか。少なくとも、私が愛する野球ではない。

 このような事実がありながら、選手を無理に守る必要があるのか。残念ながら野球を含めた全てのスポーツに怪我は付き物である。選手の負傷を防げるのであればそれに越したことはないが、100%の怪我を避けることは現実的に不可能だ。ルールを書き換えてまで、野球自体を変えてまでこの難題に挑戦する必要があるのか。私は「ない」と考える。

3ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
プロ野球2016
タグ:
交流戦
プロ野球
コリジョンルール

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

野球が壊されている現状・・・コリジョンルールを正しく理解する必要性

多分、シーズン終了後に、少なくとも今後の運用に関する「話し合い」は持たれると思います。
ただ、いくら「おかしい」と思っていても、シーズン半ばで規定や運用を変えるとは思えませんし、してはいけないと思います。
来季、今よりも守備側に少しだけ「緩い」ルールになると予想しますが「コリジョンルール」自体が絶対悪だとは思ってはいません。

昨年まで、ホームベース前にレガースで防御した足を投げ出して、走路上での捕球体勢が「正しい」とは思えませんから。
ひどい時は、ブロックで走者を止めてから捕球してタッチアウト、、、なんて事もありましたからねぇ、、、あれって「走塁妨害」だと思います。

コメントの中に「コリジョンルール」に助けられた側の意見、、、と、ありましたが、少し的外れかと、、、。
守備側は全てが、その影響を受けている訳で、現状、(ルールに)抵触しない守備でみすみすランナーの生還を許している場面もありますから、目に見えて「コリジョンルール適用」で恩恵を受けた、、、と、する論調は違う気がします。
「コリジョンルール適用で、アウトがセーフになった」その事例だけで「被害者」と「加害者」に分けられない問題だと思いますよ。

「野球が壊されている現状・・・コリジョンルールを正しく理解する必要性」へのコメント

野球が壊されてる現状・・ですか。はっきり言って野球を知ってる人ならシーズン前からこういう風になるのは容易に想像できたと思うんですよね。私から言わせれば「今さら何を騒いでんの?」って感じです。

ま、ここまで審判によってコリジョンの適用範囲がバラバラだとは思ってなかったですけどね。そこはNPBが早期に導入し過ぎたということでしょう。

でもですね、こうまでなってもまだ「選手が怪我するよりいいわ」なんて人も結構いるんですよね。私は「怪我が怖いんならベンチに座っとけ」というコリジョン超反対派ですが・・・。捕手はホームベースの一部を空けること、ランナーは危険なタックル(足裏を捕手に向けてスライディング含む)をしないこと。これだけでもいいんじゃない?と思うのは私だけですかね??

長文失礼しました。

野球が壊されている現状・・・コリジョンルールを正しく理解する必要性

こんにちは
個人的にコリジョンの恩恵を受けた側からの抗議が出てほしいところでしたが(ファンを含め)、実際には被害を受けた側だけが文句を言っている現状になってしまっていますね。

ルールだから仕方ないという意見が意外にも多く、うーんそこは日本人だなあと思うところです。
納得いかないなりにも判定が一貫していると思ったのも束の間、ここ数日の判定は酷いですね(これは五月にあったコリジョンとの乖離という意味合い)

ルールに対する抗議が負け惜しみとしてしか見られない現状をもう少し打破しないためには、おそらく知らん顔で来年も同じような状況になりそうです。

コリジョンに助けられた側の日ハム巨人広島辺りからなにか意見がほしいですね。

恩恵受けた側⇒ルールだから仕方ない
被害を受けた側⇒おかしい

だと、善への動きがない、止まりなのですよね。
言ってしまえば
・文句を言う人 と ・見て見ぬふりをする人
で、本当にごくわずかの・正論を言っている人
に分かれています。
この内訳を大きく変えて正論層を増やし、かつ抱え込まれた側(恩恵を受けルール承認してしまう立場、つまり審判側)をもう少し正論側に近づけないといけません。


五輪招致投票などでもそうですが、抱え込まれてしまった票が一番厄介ですね
議論に参加しないという意思がある位置になります。
そこをなんとか崩していく動きが選手からなりファンからなりが欲しいところですね。

こんな記事も読みたい

誠也のサヨナラホームラン! カープファンの夢【ミーハーなカープファンのブログ】

観戦記0617 チームに活力!若い力の躍動!(1人除く)@夜のハマスタ【これからの「鷲」の話をしよう】

敗戦。切り替えられるか。【ベイスターズファンの慟哭】

ブロガープロフィール

profile-icontalkabout-baseball

1994年生まれの社会人。幼い頃から中日ドラゴンズを応援している。
一方、海外生活を通じて「批判」の少ない日本のスポーツ報道に危機感も。
  • 昨日のページビュー:6
  • 累計のページビュー:32648

(11月26日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. イチローの1278本は価値なし? 我々が覚えておく事実は一つだけ
  2. 野球が壊されている現状・・・コリジョンルールを正しく理解する必要性
  3. 【リーグ戦再開前分析1】帰ってきたエース…竜の先発ローテの充実度

月別アーカイブ

2016
06

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月26日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss