2009年07月16日
FC東京 2009前半戦総括
開幕戦で新潟にボッコボコにされて始まった2009年のFC東京。 浦和に負け、鹿島に負け、ガンバに負け・・・・・、 試行錯誤を繰り返しながら攻撃志向を見つめ直し、 ナビスコでもメンバーを落とさず自分たちの戦いを貫いて、 その結果、6月以降、リーグ戦4連勝、公式戦7連勝。 新潟、川崎の “STOP THE 鹿島グループ” の尻尾との勝点差は4。 序盤の不調が嘘のような快進撃で後半戦を迎えることになった。 というわけでFC東京を愛してやまない当ブログなりに、 FC東京の前半戦を振り返ってみます。 ◆救世主 開幕ダッシュに失敗したFC東京。 上昇の兆しがやっと見られたのは第9節、味スタでの大宮戦。 この試合からチームの救世主となったのは、米本拓司です。 ・・・・・・・。違う名前を期待していた人もいるでしょうが、 SEXYSPORTS的には、まず米本なのです。 多くの方がご存知の通り、FC東京はジャーン移籍以降、 センターバックがアキレス腱となっております。 今季は開幕以降、茂庭照幸、佐原秀樹に、水戸から新加入の平松大志、 そして苦肉のコンバート今野泰幸と、メンバーが固まらない状況が続いた。 第8節、アウェーでガンバに2-4で敗れ、この時点で J1最多失点チームの称号を与えられるはめになったFC東京。 守備の建て直しが叫ばれる中、城福監督は違った発想で “東京が本来持つ攻撃性をもっとアグレッシブに出す” という部分に重きを置いた。その結果、大宮戦では 今野とブルーノクアドロスがセンターバックでコンビを組んだ。 スピード不足のブルーノには不安があり過ぎる。 現に石原直樹、佐藤寿人、ジュニーニョといったタイプに、 その後苦戦している。 それでも今野の鬼神の如きケアで、徐々にコンビが板についていく。 今野のいない中盤の底で頭角を現したのが米本だ。 一度食い付いたら離れない粘りのマンマーク、 運動量、判断力、危機察知能力、どれもルーキーの域を脱する。 長きに渡り東京の中盤を支えた今野を鏡に映したようなプレーぶりだ。 第9節大宮戦で先発デビューすると、 第11節京都戦くらいにはロングフィードのセンスを見せつけ始めると 16節の神戸戦あたりからは中盤の底を梶山陽平に任せて サイドを駆け上がるシーンが増え始めた。 ついには15日のナビスコカップ名古屋戦でプロ初ゴール。 日本代表監督も名前を挙げて賛辞を送るまでになってしまった。 管理人的にも、ねちっこい守備と、広いストライドの走りを見て 恥ずかしながらもパトリック・ビエラっぽいなと思ってしまった。 コンブルとヨネカジ。 開幕からゴールマウスを守る権田修一もこれに加え、 かくして東京の最近の好調を支えるセンターラインが完成した。 この布陣には実は伏線がある。 2月22日のプレシーズンマッチ札幌戦のメンバーを見ていただきたい。 近藤 赤嶺 羽生 梶山 今野 ブルーノ 長友 徳永 茂庭 佐原 権田 (ちなみにカボレが家庭の事情で、石川が負傷で不在) 4-2-2-2のブロック型。中盤がワイドに開き気味の今とは少し違う。 注目していただきたいのはボランチ。現在のCBコンビが配置されている。 大宮戦以前は羽生がボランチをやることも多かったことを考えると、 開幕前に想定していた中盤がそのまま後方へ移動した形になる。 ボランチで繋ぎが出来るようなコンビがセンターバックにいる、 これで最終ラインからのビルドアップが安定しないわけがない。 守備の不安よりも攻撃性。これこそ城福監督の求めたサッカーなのだ。 その上で米本というピースはチームの状況にとてもフィットした。 ◆昨季からの継続 攻撃性能を求めた結果、安定した守備。では攻撃は? ということで、ここで真打、石川直宏にご登場いただく。 最近は雑誌を見ても新聞を読んでもテレビをつけてもナオのことばかり。 ただ、よく言われている “プレースタイルの変化” は今に始まったことではない。 以下は2008年9月30日、J1第27節札幌戦後の当ブログより。 どーでも良いけどナオがナオじゃない。 ウイングじゃなくてセンターFW。「播戸かよ」ってくらいに裏を狙う。 でも赤嶺とナオで交互に札幌の最終ラインに圧力をかけていたのが ジワジワ効いたらしい。 ロナウジーニョのようなプレーメーカーがウイング的な位置にいるご時世で 右ウイングとしてタッチラインを踏むような位置が適性だった選手が 中央にポジションを移しただけで成功するなんてことはない。 ロナウドもユナイテッドでの地位を不動のものにするのに3年はかかった。 最近のナオのインタビューを拝見した人ならお分かりいただけるだろうが ウインガー石川直宏は、サイドに張り付いているだけの自らのスタイルに 「このままではいけない」 とプレーの幅を広げる心づもりでいた。 そこへ 「ボールも人も動かそう」 と言いながら城福浩がやって来た。 城福流ムービングフットボールの中で石川直宏は、ウイングだけでなく パサーとしても、2ndストライカーとしても、ポスト的な役回りも、 さらにその上での守備も課せられ、もまれていった。 1年3ヶ月が過ぎたぐらいで、それが良い意味で弾けただけなのだ。 ケガに悩み、監督も代わり、持ち場を失うことも多かった石川を変えたのは ほんの少しの気持ちの変化と、シュートへの意識、継続性だけだと思う。 かく言う自分も “ウインガー石川” に惚れて、FC東京に惚れた人間。 長年、石川直宏を見て来て、こう思う。 これ程のわずかな変化で、選手は覚醒するのか―、と。 当然、ナオの覚醒は自分独りで成し遂げたわけじゃない。 ナオが調子を上げたのに比例して調子を上げているのが平山相太だ。 前述した昨シーズンの当ブログの引用部分。 >赤嶺とナオで交互に札幌の最終ラインに圧力をかけていたのが ジワジワ効いたらしい。 「赤嶺」 の部分を 「平山」 に置き換えて成立しているのが現在だ。 城福体制1年目の昨季と今季で比べてみると 単純に赤嶺真吾と平山相太の違いが浮き彫りになる。 赤嶺は城福体制下ではポストプレーヤーとしての役回りが強い。 前線でボールをキープしてタメをつくり、中盤以下の選手を押し上げる。 それは平山も同様だ。 ただ、赤嶺は平山と比べても体格やフィジカル面で劣る。 足元にボールを収める技術も平山に軍配があがる。圧倒的に。 だから赤嶺がくさびのパスを受けるには カボレや石川、羽生ら周囲のサポートなしでは成し得なかった。 だが赤嶺にはポスト以外に最大の武器を持っている。決定力だ。 ボールを中盤にさばいてからのゴール前への動きと得点力。 この赤嶺の真骨頂が、昨季のチームに勝利をもたらした。 では今季はどうか。 好調を維持するナチュラル・ボーン・ポストプレーヤー平山は 赤嶺ほどゴールをもぎ取る力に長けてはいない。 だが、独りでボールを収め、独りでボールをさばくことができる。 第17節名古屋戦の2得点目、中盤でくさびを受けて反転、 右サイド裏を突く石川へ絶妙のスルーパスを通したプレーのように。 タメをつくる作業に労力を注ぐ必要がなくなったカボレと石川は フィニッシュの作業に余力を使えるようになった。 そして、キャンプを途中離脱した影響で不調に陥ったカボレ、 ポストプレーという自分の生きる術を突き詰めている平山の分まで ゴールを決めているのが石川、というだけなのだ。 そして、この “前線の3人の流動性” という要素は 昨季からFC東京が積み上げているシステムの一環なのだ。 もちろん、それを1列後ろで支えている羽生直剛は陰の司令塔なのだが。 FC東京は2008年、8月から9月にかけてリーグ戦5連勝を飾り、 優勝争いに少しだけ割って入った時期がある。 この頃のサッカーは相当に良質なものだったと記憶しているが、 リーグ戦4連勝中の現在展開しているサッカーも これに近いパフォーマンスとセクシーさを伴っている。 優勝争いに加われるクオリティを持つサッカーを 昨年より2ヶ月も早くできているのは非常に心強い。 首位鹿島とは勝点差14と、少し背中が遠いが、この好調を夏場も維持し まずは2番手グループ=ACL圏内を維持してほしい。 FC東京が開幕序盤苦しんだように、 今ガンバや名古屋、広島も苦しんでいる。 これまで大きな綻びのない上位陣にも、いつか破綻する時期が来る。 その時までじっと我慢して、最後の最後で一番上に立っていてほしい。 そのうち後半戦の展望もやりたいと思います。
posted by tacleau7 |22:38 |
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