2007年04月26日
リカルド・カルバーリョと聞いて思い出すのは、
CL04/05シーズンの決勝ラウンド1回戦、
スタンフォード・ブリッジで行われたバルセロナとのセカンドレグ。
後半31分、CKからテリーのヘディングが炸裂。
が、リプレイを確認すると
カルバーリョがビクトルバルデスを抑え付けているように見える。
バルサ好きとしての「キーパーチャージじゃないか!」という想いと、
一サッカーファンとしての「あれぐらいでファウルとってたら試合にならない」という想いが交錯した結果、
主審がコリーナさんだったということで結論は後者にしたわけですが、
沸々と込み上げるカルバーリョへの憎悪は増していきました。
まぁバルサは翌年、見事リベンジしてくれたので良かったですが。
カルバーリョの見方が変わったのはドイツワールドカップ。
元々良いディフェンダーだと思っていたけど、
スピードはあるし、高さもあるし、カバーリングも巧いし、
1度くっついたら離れないねちっこさもあるし、ロングフィードも出来るし。
すぐ横にテリーという素晴らしい選手がいるから地味に映るけど、
僕の中では世界の五指に入るセンターバック。
CLの準決勝で2シーズンぶりの対戦となった今日のリバプール戦。
1対0の勝利に貢献したのがカルバーリョだ。
自陣ゴール前でボールを掻っさらうと、ドリブルで前進。
前線の動きを見計らってドログバへロングパス。
J.コールのゴールの起点となった。
その後もカイト、ベラミー、途中出場のクラウチらリバプールFW陣と
ジェラードの飛び出しにも無難に対応し、アウェーゴールを許さず完封勝利。
攻守に大活躍を見せ、文句無しのマン・オブ・ザ・マッチじゃなかろうか。
カルバーリョの相棒・テリーに派手な動きは見られなかった。
だが、もちろんそれで良い。
センターバックが地味な印象ということは、
如何に守備が安定しているかということだ。
セカンドレグはリバプールのホーム、アンフィールド。
今日は途中出場だったクラウチを先発で使い、
リバプールは積極的に攻めに出るだろう。
それに対し、持ち前の固い守備で応戦してカウンターを狙うという、
チェルシーにとっては得意とする試合展開が予想される。
こういうゲームでこそ、ポルト時代に欧州制覇を経験した
カルバーリョのポテンシャルが生きてくるだろう。
リバプールにとって、ひょっとしたら、その存在はテリー以上に嫌かもしれない。
……とチェルシー目線で書きましたが、
個人的にはユナイテッド対リバプールの決勝が見たいんですがね……。
posted by takuro7 |06:55 |
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2007年04月25日
ファーストレグから、こんな試合をしていいのだろうか?
セカンドレグは間違いなくCL史に残る名勝負の予感……。
ロナウドのゴールでも、ジーダのオウンゴールでもどっちでもいいけど、
ユナイテッドの先制点は、7点取ったローマ戦の勢いを
そのまま持ち込んだような取り方だった。
ただ、今日の相手はローマじゃない。
老獪さではローマの数倍上を行くミランだ。
このブログのタイトルにあるように、
僕はどんなスポーツでも、魅力的なものを好む。
だから、4バックの前に3ボランチ&セードルフがズラリと並び、
きっちりゾーンを作ってユナイテッドの攻撃を寸断すると、
「あとはヨロシク、カカ!」というような攻撃ばかりの
ミランはSEXYではない。そもそも僕は守備的なサッカーが嫌いだ。
ただ、カカはもの凄くSEXYだ。
1点目は、老獪ミランの象徴・セードルフからのパスを
絶妙なトラップで抜け出して技ありのゴール。
2点目は、現地テレビ局のスイッチングが間に合わないほどの早業でゴール。
今季CL得点王もほぼ決まりだろう。
90分通してユナイテッドに対して危険であり続けた。
で、カカがボールを持てればDFラインも押し上げられる。
ピルロを起点にボールもよく回る。
良いことづくめで、完全にミランペースの前半戦。
後半に入ると、立ち上がりからユナイテッドがじわじわと攻勢に出る。
そんな中で起きてしまったガットゥーゾの負傷。
結果論で言えば、ミランはこれが相当響いた。
ルーニーの同点弾は、ガットゥーゾ交代から6分後。
ゴール前の密集の中からスコールズの洒落たスルーパスによるもの。
この試合のスコールズは、ローマ戦のゴールラッシュに加われなかった
うっ憤を晴らすかのごとく、攻守に走り回っていた。
試合は振り出しに。
主導権もユナイテッドにある。
だがそれでも、ファーガソンは本当に動かなかった。
試合から消えていると言っても過言ではなかったギグスは90分出続けたし、
「今なら代表に呼ばれても大丈夫。彼の試合への情熱は常に感じている」
とサー自ら絶賛し、ローマ戦では最前線でリーズ時代を彷彿とさせる
暴れっぷりを見せたアラン・スミスには、ずっとベンチを暖めさせただけ。
疑問の残る采配だったが、ルーニーの逆転弾をアシストしたのは他ならぬギグス。
このあたりが、今シーズン赤い悪魔が好調たる由縁なのか……。
それにしても、エインセである。
「ビッグイヤーはユナイテッドに獲ってほしい」という僕の立場上、
試合はユナイテッド目線で見てしまうわけですが、
彼がいなければ先制点もジーダに枠外へ弾き出されてしまったかもしれないし、
あと3失点ぐらいしていたかもしれない。
元々、守備力には定評があった。
カカの1点目もわずかにエインセの伸ばした脚を免れての得点だった。
2失点目のシーンは、リオとビディッチの不在を嘆かざるを得ないものだった。
もちろんローマ戦以降、好パフォーマンスを披露しているブラウンも素晴らしいが、
今日の試合を2失点で済んだのはエインセの力が大きいと思う。
さて、1週間後のセカンドレグ。
カカは今日以上にキレキレだろう。
さらに、今日出番のなかったインザーギもいる。
怪我人が全員帰ってくればミランなんか目じゃない!
というタラレバは仕方ないから置いといて……、
ユナイテッドはやっぱりC.ロナウド。
今日はほぼ抑えられたといって言い。
2シーズン前のミラン戦と比べて
断然落ち着きが出てきたルーニー同様のプレーを彼にも期待したい。
カカか、ロナウドか―
今、世界で最もキレのある2人のスーパースターがより輝いた方に軍配が上がるだろう。
posted by takuro7 |08:22 |
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2007年04月24日
「たまには負けないと。負けの悔しさがわからなくなるから」
と、小野伸二が試合後に語ったらしい。
まぁ、小野らしいコメントと言えばそうだが、
僕はこういうコメントをする小野が、正直、好きではない。
川崎フロンターレ戦の小野のプレーを10点満点評価するなら、
4だ。
良かったプレーは前半半ばのミドルシュートぐらい。
他はさしたる印象を残していない。途中交代も頷ける。
かつてはA代表に欠かせない存在だった小野だが、今はどうだ。
遠藤保仁、中村憲剛、二川孝広、藤本淳吾に中村俊輔もいる。
この他にも五輪代表のドリブラーたちもいれば、
最近はユースから柏木陽介が招集された。
言い方に語弊があるかもしれないが、オシムにしてみれば、
「小野を呼ぶぐらいなら若い選手のプレーを見て、試したい」
という優先順位じゃなかろうか。
なぜ、そんなにもお呼びがかからないのか?
という素朴な疑問を解決する上で、
川崎には中村憲剛という打って付けの判断材料がいた。
この試合に限って言えば、僕は中村の方を評価したい。
中村の出来もあまり良くはなかった。
ただ、悪いなりにも「らしさ」を見せた、という所が小野との違いか。
小野は左サイドで、中村はボランチで、それぞれ攻撃の起点となるわけだが
守備にも気を遣う面では、後者のほうが圧倒的に仕事量が多い。
だがそれでも中村は機を見計らっては、浦和の中盤のゾーンの合間を縫って、
ボールを受けては前を向き、浦和の急所を狙う術を探していた。
実は僕が川崎の試合を生で観戦したのは、今回が初めて。
やはり川崎の攻撃を創り出しているのは華奢な身体で走り回る14番だった。
ただ、浦和はその役回りはポンテだった。断じて小野ではない。
帯に短し、襷に長し―
これが小野に対する、オシムの評価なんじゃないだろうか。
同じパサータイプとしては、
阿部がやっているような中盤の底から最終ラインに至る広い範囲での
ビルドアップを期待するには、守備力が無い。
「守備力」が無いと言うよりは「激しさ」が無い。
フェイエノールトでずっと守備的MFをやっていたものの
当時の指揮官から「サーカスをするな」と叱責されるほどの軽いプレー。
川崎戦でも、自陣ゴール前でクリアボールを拾い、前線へのパスコースを
探すためボールキープしていたら奪われる、というシーンがあった。
確かに小野のやっている事はワンランク上のサッカーであることは間違いないが、
こうも失敗し続けていれば、「サーカス」と言われても致し方ない。
話をA代表に戻す。
「阿部タイプ」ではダメ。
かと言って、遠藤や俊輔がやっているような
攻撃的MFとしての役割を期待するには、
この試合の小野では運動量が少ないし、何より試合から消えている。
小野はドリブラーではないのだからパスで存在感を見せてほしいが、
縦パスより、横パスやバックパスが多すぎる。
それに加え、憲剛や遠藤は所属クラブでボランチをやっているし、
最近の俊輔には身体を張ってボールを奪う「激しさ」が付いてきた。
それなりのダイナミズムが無ければ、オシムの御眼鏡に適わない、ということだ。
小野は本当に厳しい環境に身を置いていない、と僕は思う。
日本ではどのカテゴリーでも飛びぬけた存在だった。
1979年生まれの「黄金世代」とは、すなわち「小野世代」だ。
プロになってからも、浦和ですぐにレギュラーを奪取し、
フランスワールドカップにも出場し、その後もコンスタントにAマッチに出場。
フェイエノールトに移籍しても、すぐにレギュラーの座を射止め、
エールディビジでも屈指のMFになった。
で、欧州での移籍先が難航し、結局古巣に帰ってきた。で、レギュラー。
要するに、小野の行く先々の環境は、彼の能力をもってすれば
簡単に適合できるレベルでしかない「ぬるま湯」ばかりなのである。
中田英寿が日本であれだけの存在で有り得たのは
イタリアでスクデットまで獲った経験に他ならない。
俊輔がスコットランドでリーグMVPまで受賞する活躍が出来たのは
レッジーナでの苦難の日々を過ごした成果が活きたという証だ。
高原直泰と松井大輔にしてみても、
彼らの標準値以上のレベルを誇るリーグに、身を置いていると僕は思う。
それでもブンデスリーガで2ケタ得点を記録したり、
「ルマンの太陽」なんていう称号も授かったりするわけだ。
小野は本当に巧い。「止める」「蹴る」の技術は日本一だろう。
だがロッテルダムの人たちは、10年後も20年後も、
極東からやって来た華麗なパサーのことを覚えているのだろうか。
もちろん、小野はA代表に呼ばれるために浦和でプレーしているわけじゃない。
浦和の勝利のためにプレーしているわけだ。
だが、川崎戦の内容を見て危惧せずにはいられない。
20年に1人の逸材が、本当にもったいない。
posted by takuro7 |00:54 |
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2007年04月13日
これはベースボールではなく、フットボールである。
メジャーリーグでは5点以上リードしているチームの盗塁は
公式記録として加えられない、みたいなルールがあるらしい。
そういえば日本のプロ野球でも大量リードしたチームの投手は
打席に入ったら打ってはいけない、みたいな暗黙の了解があるらしい。
それを知らなかった某投手を某球団が野次って泣かせた、なんてこともあったっけ。
アメリカ文化は暖かい。敵にもリスペクトの精神を忘れないし、
相手チームの選手でも好プレーには拍手する。
ヨーロッパはそうじゃない。
やるか、やられるか―。
情けは無用だ。
ユナイテッドが7点取ったことも、ローマが7点取られたことも
極上のエンターテインメントではなかろうか。
僕は1stレグでのローマの戦いについて、
「世界中のどこのクラブと戦っても勝てる」と評しました。
ところが、あれよあれよと9分間で3失点。
ミランも2シーズン前のリバプールとの決勝で6分間に3失点を喰らい、
指揮官は「何が悪かったのか説明できない」と有り得ないコメントしましたが、
この日のローマの原因については最初の3失点から、おのずと説明がつくでしょう。
まず前半11分のキャリックの華麗なるミドル。
右サイドを駆け上がったロナウドを、パヌッチとマンシーニの2人で
ゾーンをつくり、縦への動きを封じるとこまでは良かった。
ところが1stレグと違ったのは、
ペロッタが出場停止で、ボランチの位置にはピサーロが入っていたことと、
直前練習でタッデイが膝の負傷を悪化させ、ブチニッチが起用されていたこと。
つまり、ユナイテッドを無失点に抑えたい試合なのに、
1stレグよりも攻撃的なスタメンにせざるを得なかったということ。
ピサーロは開始10分こそアクセントの効いたビルドアップで
ローマの攻撃を引っ張っていた。
だが、前半11分のシーンではロナウドへチェックにも行かなければ
中央の空いたスペースを埋めるでもなく、
非常に中途半端なポジショニングをしていた。
さらにキャリックに対してもビルヘルムソン、デロッシの寄せが遅れ、
ゴールが決まったというのが、本当のところだろう。
その6分後、アラン・スミスの得点シーンは、
1点目のシーンでも少し出てきた、ビルヘルムソンについて。
僕はアンデルレヒト時代に、このスウェーデン代表ドリブラーのプレーを
見たことがあるが、右サイドを上下動するタフネスとテクニックを併せ持つ、
とても良い選手だと思った。少なくともタッデイより攻撃センスはある。
ところがローマへ来てからの彼は、どこか遠慮がちだ。
ペロッタやデロッシがボールをキープするトッティを追い越して
どんどん攻め上がって行くのに対し、ビルヘルムソンは
「これでいいのかな、ここで上がって行っていいのかな」と
不安に苛まれながらプレーしているように見えてならない。
1stレグでもそうだったが、この日もどこか浮いていて、
スミスの得点の直接的な原因となる、
エインセのオーバーラップをまったくマークできていなかった。
そのわずか2分後、ルーニーのゴールシーンは、
前がかりになった裏のスペースを突かれたこともあるが、
それよりも失点直後で集中力を欠いていたことが一番の原因ではないか。
これはローマの悪癖だ。
スクデット争いでインテルに大差をつけられている理由がわかるような気がする。
2シーズン前も、レアルマドリードやディナモキエフの
CL常連チームにコテンパンにされた。
集中が切れてラフプレーをし、退場者が出て、主審に八つ当たりして無観客試合、
というのが2シーズン前、グループステージ最下位になったローマだった。
この日は退場者こそ出さなかったが、集中力は無かった。
前半終了直前の失点、後半開始早々の失点。
「開始・終了5分前」という大事な時間で踏ん張れなかったのは
イタリアのチームらしくない。
ユナイテッドの攻撃は素晴らしすぎた。
今シーズンのビッグイヤーはユナイテッド、を以前から謳う僕にとっては
ロナウドのCL初ゴールも、スミスの復活も、大いに祝いたい。
だが、ホームであれだけ素晴らしいサッカーを披露したローマが、
アウェーでは別のチームになったように脆く崩れ去ってしまい、
その無念さも一入なのだ。
スカパーを見ていて、解説の川勝良一氏がこんな類のコメントを言っていた。
「せっかく良いチームをつくりながら、ここで集中を切らして
ラフプレーに走ったり退場者を出しては、元の弱いローマのまま。
もう1ランク上のチームになるために、ここで頑張らなくてはいけない」
まったくもって、その通り。
国内リーグで引き続き素晴らしいサッカーを続けていれば、
来季もCLに帰ってくる。
僕らが本当のローマの強さを知ることが出来るのは、その時だろう。
それにしても……、
ユナイテッドは強い!
セルティックやバイエルンに手こずってるミランもボッコボコにしてしまえ!
ロナウド止められるヤツなんかいないだろう、今のミランに。
そして決勝の相手がリバプールだろうがチェルシーだろうが、
ビッグイヤー獲ってくれ!!
posted by takuro7 |00:55 |
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2007年04月09日
ライカールトがオランダ代表監督だった頃の話―。
EURO2000のほんのちょっと前、
オランダ代表はホームにブラジル代表を迎えて親善試合を行った。
当時のブラジルはロナウジーニョがまだブレイク前で、
トップ下に君臨していたのはリバウドだった。
当時のバルセロナでも攻撃の中心として活躍していたリバウドは正に絶頂期で、
彼を止めないことにはオランダの勝利はない。
ライカールトは中盤の底を守るコクーをリバウドへマンマークにつけた。
僕の記憶は定かではないが、確かコクーだったと思う。
とにかく1人の選手をリバウドにマンツーマンでつけさせたのだ。
試合は引き分け。
翌日のスポーツ紙には、こんな見出しが躍ったという。
「オランダ代表にマンマークを取り入れるなんて!
ライカールトは何て古臭いサッカーをしてくれたんだ!」
オランダ代表と言えばトータルフットボール、
トータルフットボールと言えばオランダ代表だ。
全員攻撃・全員守備。DFは積極的に攻撃参加し、FWは前線からプレッシング。
フィールドプレーヤーは神出鬼没にポジションを変えて相手を撹乱し、
人とボールが目まぐるしく動いてピッチで踊る。
1974年のワールドカップでオランダ代表が見せたサッカーは世界を震撼させた。
その申し子、ヨハン・クライフはアヤックスで、バルセロナで、
その才能を遺憾無く実力を発揮し両チームの一時代を築き上げた。
監督としてもトータルフットボールの系譜を引き継ぐスタイルを
アヤックスとバルセロナに持ち込んだ。
クライフのアヤックス監督時代の教え子が、フランク・ライカールトだった。
名将の下でトータルフットボールのいろはを学んだライカールトは
そのすべてをイタリアの名門・ミランで披露することになる。
現代サッカーのボランチの理想像とも謳われた彼のプレーは
アリゴ・サッキ監督の掲げたゾーンプレスという革新的な戦術の完成に一役買った。
だがゾーンプレスとは一般的に、
DFラインをフラットな形で高く位置取りさせFWとの距離をコンパクトに保ち、
中盤と共にゾーンを張って前線から激しくプレスをかけてボールを奪う、
という戦術だ。
攻撃面についてはこれと言った戦術はなく、
ただ、ボールを高い位置で奪ったら素早く攻める、という特徴ぐらいだ。つまり、
トータルフットボール - 攻撃戦術 = ゾーンプレス なのだ。
ライカールトはそんなチームでキャリアの最盛期を過ごした。
バルセロナの監督になったライカールトについて、
僕は今シーズン、忘れられない采配がある。
UEFAチャンピオンズリーグ、グループステージ第6節のブレーメン戦、
ライカールトは守備的MFのモッタを、ジエゴにマンツーマンでつけた。
モッタはファウルも厭わない厳しいマーキングでブレーメンの司令塔を封じ込めた。
この試合はバルセロナにとってベスト16進出がかかった大一番だったが、
ロナウジーニョとグジョンセンの得点もあり、前半で2点のリードを得た。
後半8分、モッタがジエゴへのファウルでイエローカードをもらうと
その7分後、ライカールトはモッタに代えて、センターバックのテュラムを投入した。
ボランチにはマルケスが入った。
翌日の報道は、バルセロナのベスト16進出を祝う見出しばかりだった。
オシムは以前「今のサッカーにはエレガントさがない」という類のコメントを発した。
僕もそう思う。だってバルセロナでさえ、これなんだから。
2点リードしたら守備的なMFに代えて、さらに守備的なDFを投入するんだから。
クライフ時代のバルセロナはどんな試合でも
2点リードしても3点目、4点目、5点目を狙いに行くチームだった。
カウンターで失点しても、関係なく攻撃的な姿勢をとり続けるチームだった。
それはファンハール監督時代のアヤックスも同じだった。
「エレガント」という言葉が適切かどうかは別として、
なんてカッコいいサッカーだろう、と今でも思う。
当時のバルサ、アヤックス以上にカッコいいチームを、僕は見た記憶がない。
僕には今のバルサは、全然カッコよく見えない。
ライカールト政権でもカッコいい時代はあった。でも、
04/05シーズンのCLベスト16、
スタンフォードブリッジでチェルシーに2-4で敗れたあの時、
あの時から本当にカッコいいバルサは死んだと思う。
僕はバルサが好きなので、大嫌いなチェルシーに負けて悔しかった。
でも、かつてクライフが言った
「負けるときは美しく」という精神を受け継いだような見事な負けっぷりだった。
でも最近の負けっぷりは後ろ髪を引かれすぎてはいないか。
現役時代、最も攻守のバランスを必要とされたポジションでプレーし続けたのだから、
監督になってもバランスを重視するのはわかる。
でも、ライカールトにはトータルフットボールの血が流れているはずなのだ。
それを今のバルサに、リーグ制覇も危うい状態のバルサに、注入してほしい。
なぜ今シーズンになって3-4-3システムを採用するようになったのか。
なぜトータルフットボールの代名詞とも言えるシステムを突然やり始めたのか。
それは今のバルセロナのコーチが現役時代、
クライフと共にトータルフットボールを体現していた人物だからだ。
3-4-3についてはよく「バランスが悪い」と揶揄されている。
僕はそうは思わない。
悪いのは、むしろ、それで攻撃を組み立てられない攻撃の選手たちだと思う。
いつからバルサにバランスなんか求めるようになったんだ。
セビージャだろうとマドリーだろうと、攻めて攻めて攻めまくれ!
posted by takuro7 |04:03 |
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