2008年02月22日

セルティックは井の中の蛙

EFAチャンピオンズリーグ07/08決勝ラウンド
1回戦1stレグのセルティック対バルセロナ戦は
セルティックというよりも、スコットランドリーグの限界を露呈した試合。
カウンター攻撃さえも放棄して守備に徹した結果、
メッシに「アンチフットボール」呼ばわりされたのがレンジャーズ。
「俺たちはスコットランド王者だ。守るだけじゃないぜ」と言って
点を獲りに行く姿勢を見せたのがセルティック。
もちろんセルティックの方がセクシーなわけですが……。
 
 
 
【セルティック/ストラカン監督】
 
 
          マクドナルド フェネホールオフヘッセリンク
 
 
       マッギィーディー              中村俊輔
 
              ロブソン   ハートリー
 
       ネイラー                  カディス
 
             マクマナス   コールドウェル
 
 
                   ボルツ
 
いつもの4-4-2でちょっと驚いた。
水野はベンチにも入らず。まぁしょうがない。
一番痛いのは中盤。本来のセルティックならセントラルMFは
攻撃に顔を出せるドナーティとファイタータイプのブラウンで決まりだが、
そのファイターは出場停止。
他に中盤の守備ができるのはハートリーぐらいなのでそこに落ち着いた。
でも何でロブソンなのか。彼は冬の移籍で加入してきたばかり。
中盤はサイドでも中央でもバランスよくプレーできるらしいが、そんなに馴染んでないでしょ。
ある程度、攻撃のエキスを注入したいならロブソンではなく
経験豊富なドナーティの方が……と思いつつ。
 
 
 
【バルセロナ/ニースケンス監督】
 
 
                   アンリ
        ロナウジーニョ            メッシ
 
 
             デコ      イニエスタ
 
                  Y.トゥレ
       アビダル                 プジョル
 
             ミリート    マルケス
 
 
               ビクトル・バルデス
 
 
サラゴサ戦と同じ4バック。
リーガで好調ぶりが目立つチャビ、サラゴサ戦ではイマイチだったドスサントス、
怪我から復帰したばかりのエトーがベンチ。
ロナウジーニョは試合前日、カンプノウからチームバスで空港へ向かう際に
寝坊でカンプノウ集合時間に遅刻したらしい。
ただでさえベンチスタートが多いのにこんな大失態を演じては、
グラスゴーでもベンチ濃厚、と思いきやまさかのスタメン。
ちなみにこの日の正当な指揮官はニースケンス。
ライカールトはグループステージで
審判に抗議して退席処分になったペナルティがまだ続いている。
2ndレグにはベンチに座れることになっているけど、この日はスタンド観戦。
 
 
蓋を開ける前からバルサの攻撃の時間が長く続くことは自明の理。
それをセルティックは中盤とDFラインの8枚できっちりゾーンをつくって守った。
4バックは基本的にバイタルエリアを封鎖し、バルサの3トップにスペースを与えない。
セントラルMF2枚はデコ&イニエスタを見る。
俊輔&エイダンはサイドバックと共にロニーとメッシを挟み撃ちする。
去年マンUを相手にした時も似たような感じで守って、
俊輔の飛び道具一発で1-0の勝利を収めている。再現狙うか。
 
 
前半を見る限りで、マンUに無くてバルサに在るもの―。
それはバックラインからのロングフィード。
リオやビディッチもある程度ビルドアップは出来るが、
この日のマルケスほどの貢献度は期待できない。
マルケスのロングフィードは局面を一発で打開した。
例えばバルサの右サイド=メッシにボールが渡ると、
ネイラーとマッギィーディーでチェックする。
イニデコもサポートに行くから、
当然セルティックの中盤も左サイド=バルサの右サイド寄りになる。
俊輔は絞りつつ、アビダルとロナウジーニョの位置を確認しなければならない。
要はこの状況が90分ずっと続いたわけですが。
で、「右がダメだな」と一旦DFラインにボールが下がってきた時、
マルケスが手薄な左サイド=セルティックの右サイドへレーザービーム。
ロナウジーニョの足元にスポンとボールが収まり、
ロニー・アビダル 対 カディス・俊輔の2対2が簡単に作られる。
最終ラインからのこの手のパスなら、マルケスは欧州で五指に入るねー。
それで「これじゃアカン」ってことになって
2トップが最終ラインよりの位置で守備をするようになった。
するとY.トゥレだけが前を向いてボールを運べるシーンが増える。
そこからマークが少しずつズレ出す。チャンスも増える。
ただ最終ラインの踏ん張りで何とか決壊せずに済んでいた。
 
セルティックの攻撃の切り札は、実は俊輔じゃなくてエイダン・マッギィーディー。
前述した守備の大変さがあるから、攻撃に人数はかけられない。
すると日本屈指のパサーがその技術を生かす時間は限られてくる。
となると国内リーグでキレキレを維持し、イングランドのクラブが一目置いている
アイルランド人の高速ドリブルに活路を見出すしかない。
案の定、セルティックの攻撃は左偏重になり、
彼の突破を起点にフェネホールがまさかの先制点を奪う。デコとメッシのコンビにやられるも、
再びマッギィーディーを起点にロブソンのヘディングが決まる。
ただロブソンはセントラルMFとは思えないほど気が利かない。
対峙するデコやイニエスタ、後々出てくるチャビに代表されるバルサのそれとは月とスッポン。
彼にもっとボールが収まれば、俊輔にも良い形で繋げられそうだった。
いや、きっと繋げられる。
スコットランドではそれなりのステータスを持ってるかもしれないが、
“クラブ以上の存在”のクラブを相手に萎縮していたのは間違いない。
はっきり言って、値千金の勝ち越しゴールを決めた所でプラマイゼロだ。
 
 
後半、バルセロナはギアを入れ換えたとは思わない。
単純にセルティックの自滅だ。
俊輔のバックパス。これは本人以上に周囲のサポートが足りないからこうなったと思う。
で、この日のラインナップを見る限りは
やっぱりロブソンにもうちょっと何とかしてほしかったな、と辛口にならざるを得ない。
俊輔のパスを受けたのはコールドウェル。
俊輔が中央にいたから右サイドにはそれなりのスペースがあったので
カディスが前でボールを受けようとしていた。
ただ、セルティックのセンターバックのパス技術はCLレベルで考えると非常に拙い。
コールドウェルも当然当てはまるので、よりによってパスをバルサの10番に渡ってしまった。
後半開始時、アンリとロナウジーニョはポジションを入れ換えていたのか、
たまたまそうだったのか、定かではないが(おそらく前者)
とにかくロニーから左サイドのアンリへ渡り、アンリらしいゴールで同点。
その後もアンリは、まるでノースロンドンで14番を付けていた頃を
思い出しかのような軽快なプレーを連発。
で、ストラカンはこの日がCLデビューのカディスに代え、
病み上がりの正右SBウィルソンを投入。
もちろん焼け石に水。
加えて【ハートリーOUT ドナーティIN】
……って、そっちかい。
力不足とはいえ中盤でしっかり守備するタイプだったのに。
得点獲ったからロブソンを残したのか。
でも、その前に【フェネホール⇔サマラス】っていう交代もしてるし。
あまり効果的ではない交代だなーと感じた。
単純に守備的な選手を下げて攻撃的な選手を投入する事=攻撃的になるという事ではない。
それ以前にバルサの攻撃を寸断できるのか。
気持ち悪い攻撃の転じ方の結果、メッシに押し込まれて万事休す。
あの内容で3失点は、逆に賞賛に値するかな。
 
 
セルティックに関しては、前から思っていたことだけど「井の中の蛙」なんだ。
国内リーグでは、レンジャーズ戦以外は自分たちの色を出して、それなりに勝てる。
で、たまにCLに出て来ては、バルサやミランに手も足も出ない。
俊輔が決めたホームのマンU戦だって完全に負け戦だった。
強い相手に対して守ることに慣れていない。ただそれだけ。
現状では、間違いなく3大リーグの強豪には歯が立たない。
国内リーグがこのまま2強体制なら無理。
グラスゴーの2強に歯向かえる第三のクラブが必要。
ちょっと前に良かったハーツぐらいではダメ。コンスタントに優勝争い出来なくては。
オランダではアヤックス、PSV、フェイエノールト、時々AZ(今季はダメだけど)。
ポルトガルだってポルト、ベンフィカ、スポルティング。
トルコだってフェネルバフチェ以外にもガラタサライ、ベシクタシュ、トラブゾンスポル。
強いチームが増えてリーグ全体のレベルが上がれば、色んな戦い方を出来るようになる。
セルティック及びレンジャーズでは、CLベスト16が精一杯なのかなぁ。
 
 
カンプノウでの2ndレグに勝たない限り、セルティックベスト8への道は無い。
しかも2点差つけるか、アウェーゴール3点以上決めないといけない。
2-0で勝つのは逆立ちしたって無理。
じゃあ3-2のPK戦勝ち、それ以上の4-3とか目指すわけだ。
厳しい。
 
 
【SEXY SPORTS勝手に推薦 セルティック2ndレグスタメン】
 
 
                   サマラス
 
 
                 マッギィーディー
         ドナーティ              中村俊輔
 
              ハートリー    ブラウン
 
       ネイラー                  ウィルソン
 
             マクマナス   コールドウェル
 
 
                    ボルツ
 

鍵はやっぱりマッギィーディー。
彼を活かす事は、チームが生き残る事を意味する。
ただ左サイドではなく得点を狙える中央に配置してほしい。
コンビを組むのはとりあえず守備意識の高い人。マクドナルドでもいい。
とにかく走らせて、フェネホールは切り札にとっとく。
中盤はブラウンが帰ってくるから、多少は安定する。
ドナーティをサイドで使ってイタリア人らしい気の利かせようをしてほしい。
ロブソンはベンチで俊輔やドナーティのサブ。
ただ途中出場ならロブソンより、水野晃樹の方が面白い。
煽りたくて言ってるわけじゃない。
セルティックが局面を一発で打開するにはパスよりドリブルだから。
 
 
って、こんなに書いた所で
セルティックに勝ってほしいと思ってる人なんていないでしょ。
自分もバルサがフツーに勝つと思います。

posted by tacrow7 |21:36 | ■ UEFAチャンピオンズリーグ | コメント(12) | トラックバック(0)
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