2009年08月03日

FC東京観戦記2009其の七 ~信じていればボールは来るらしい~

 
「いよいよクリスティアーノ・ロナウドになってきたね」
 
 
一緒に観戦していた隣席の方がおっしゃった。
最近、この手の表現は本当によく聞かれる。
FWがサイドに開いたり中盤に下りてきた所のスペースを
右サイドを主戦場とするアタッカーが突き、得点を量産している現状。
じゃあ平山はベルバトフ、カボレはルーニー、
羽生はギグスといった所なんだろうか。
まぁマンチェスターユナイテッドと決定的に違うのが決定力なのだが。
 
5月24日のJ1第13節、味の素スタジアムで
この川崎フロンターレに負けて以来、リーグ戦不敗を続けたFC東京。
「この歩みを止めたくない」
日本屈指のサッカーを展開している城福浩監督が
最近よく使うフレーズそのまま望んだ東京イレブンだが
川崎戦以来の敗北を喫したのも、また川崎だった。
 
 
敗因はなんだろう。
 
 
何といっても攻撃面の決定力。
ワンチャンスをものにした谷口とは対照的に
GKとの1対1を外すカボレを見るのは今日が初めてではない。
平山も羽生も1点獲っていてもおかしくない内容だった。
 
 
後手に回ったベンチワークも疑問が残る。
 
前半の川崎は4-4-2で、後ろでブロックをつくって守ろうという形に見えた。
だが最近の川崎は戦況を見極め、システムを柔軟に変化させる。
後半8分、山岸OUT レナチーニョIN。いつもの交代。
左からジュニーニョ、矢島、レナチーニョの3トップ、
中盤は横山をアンカーにする逆三角形に。
その2分後、森→ジュニーニョで同点。
後半20分、村上OUT 井川IN。
字面だけ見ると意図が難解に見える交代。
右SBの森が左SB、井川が右SBに入る。
左に回ったジュニーニョを森がサポートして起点をつくり、
憲剛からのワイドな展開で右に振り、レナチーニョ、井川がつっかける。
 
この一連の流れを東京が断ち切れない。
両SBはジュニーニョ、レナチーニョへの対応で攻撃参加できなくなり
前線と最終ラインが間延びしていく。
後半25分、米本OUT 田邉IN。羽生がボランチに。
パスミス連発だった米本。ジュニーニョのゴールの直前にも
何でもないイージーな繋ぎの場面で相手にパスをしていた。
失点に直結はしていないが、リズムを狂わせたことは確かか。
今季最低のパフォーマンスと言っていい低調ぶりだった。
 
ボランチ羽生で守備面のバランスは保たれた東京。
だが攻撃のバランスは改善されない。
代わって入った草民。
1軍の試合での彼のプレーぶりは、ここ最近凝視しているつもりだが
残念ながら僕には彼の良さがまだ見えてこない。
巧いだけの選手にならないといいが。
 
川崎は後半26分、横山に代えて養父を投入。憲剛がアンカー的な位置へ。
この交代で自由を得たのは憲剛ではなく、むしろ谷口か。
試合終了間際の逆転弾の布石は、この時打たれた。
 
後半32分、カボレOUT 鈴木IN、後半37分、石川OUT 赤嶺IN。
両指揮官打つべき手は打ったが、
「動く時間が少し早い関塚氏」 「動く時間が少し遅い城福氏」
これが管理人の印象。
カボレの役回りで鈴木達也を使うというのは大賛成、これも管理人の印象。
だが、それもわずか5分だけだった。
もう少し見てみたい配置だ。赤嶺を入れるのも解るけど。
 
 
初夏の好調ぶりでチーム力の底上げに成功した東京だが
やはりアジアレベルで戦っているチームと比べるとまだまだなのか。
印象的なシーンは後半42分頃。
一進一退の攻防の中、東京のゴールキック。
ゴールは決めたものの、東京の厳重なチェックに
持ち味は少し消されていたジュニーニョ。
それでも手を叩いて叫ぶ。チームを鼓舞する。
 
同じシーンの東京イレブン、下を向く選手はいなかった。
それでもジュニーニョのようなアクションをする選手もいなかった。
その数分後、今野の "パスミス” を拾ったのはジュニーニョだった。
『信じていればボールは来る』
臭い台詞だが、それを体現するあたりは流石である。
ナビスコカップ鹿島戦もそうだったっけ。
 
 
東京も球際に強くなってはいる。
この試合の2日後に虫垂炎の手術を発表する長友は暴れまわった。
司令塔・梶山も、身体を張って試合をつくった。
スタメン紹介時に自分の名前を噛んだアナウンスを見返すかの如く。
今野は89分間、最高のプレーをしていた。
相手がジュニーニョだろうと憲剛だろうと、
日本人離れのボール奪取力を披露していた。
ただ・・・・・最後の最後の繋ぎをミスしてしまった。
彼を責めることはできない。
 
おそらくはFC東京に関わるすべての人間、サポーターが
「このサッカーを続けていけば良い」 という意見に賛成だと思う。
前回の川崎戦の敗北同様、この試合も前向きな敗北と受け止められる。
だが、広島のようにゴール前にブロックを作って張り付く相手を
剥がすような攻撃力をもっと備える必要性は大。
そしてこの試合、川崎が持っていて東京が持っていない、
ほんの少しの差を埋める手立ては少なからずありそうだ。
前線の決定力は然る事ながら、
試合の中での柔軟なディフェンス対応、
そして先発11人と比べて
少し力量差を感じるようになってしまった達也以外のリザーブ。
最近の快進撃は、突出した11の個が生み出した賜物だったのではないか。
この日試合に出なかった選手も含め、今一度、小平で奮起してほしい。
 
 
 
●川崎フロンターレ 2-1 FC東京  @等々力陸上競技場
 
  川)ジュニーニョ/後11  谷口/後44
  東)石川/前39
 
 
【川崎フロンターレ】
 
               ジュニーニョ6    矢島6
 
 
           山岸5                   中村6
         (レナチーニョ5)
 
                   谷口7     横山5.5
                            (養父5.5)
 
         村上5.5                     森6
         (井川6.5)
                   伊藤6     寺田5.5
 
 
                       川島6.5         関塚6.5
 
 
 
 【FC東京】
 
                カボレ5.5    平山6
                (鈴木 ―)
 
           羽生5.5                石川6.5
                                    (赤嶺 ―)
 
                  米本5     梶山6
                  (田邉5)
 
         長友6                     徳永5.5
 
              今野6.5   ブルーノ・クアドロス5.5
 
 
                      権田5.5            城福5
 

 
↓ もう1つのクラシコ
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/takuro7/article/127
 

posted by tacleau7 |12:48 | ■ FC東京2009以前 | コメント(2) | トラックバック(1)
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コメント投稿者ID :

最近東京は研究されてきているなあと感じていましたが,
その研究に対して,対応できてないのが現実ですよね。

この日の東京は,川崎が後半立て直してきたのに対して,バランスを崩していたのに,(たぶんそれを分かっていながら)手を打てなかったことに,リザーブとスタメンの力量の差がうかがえました。

広島戦と川崎戦で攻守それぞれの課題が突きつけられましたけど,11人だけでなくクラブ全体で打ち破る必要がありますね。

posted by 西向く侍 | 2009-08-03 13:30

FC東京観戦記2009其の七 ~信じていればボールは来るらしい~

コメント投稿者ID :

>西むく侍さん
 
同じ選手、同じ戦術でしか戦えない、
その上で決定力を欠いて、点が取れない。
守備のリズムが良ければ勝ち点1、悪ければ勝ち点0。
プレミアにも似たようなチームがありますね。
 
攻めきれない時でもバランスを崩さない守備を備えたいですね。
川崎は、長短のパスを織り交ぜて
サイドで数的優位を作るという戦い方でしたが
難しい事をやっていたという印象でもないですし。
 
そして、衆院選マニフェストじゃないですが、
今後の戦い方も「ブレない」という所でしょう。
 

posted by tacleau7 | 2009-08-08 19:41

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