2008年05月12日
〈QTGOP〉お兄ちゃん、私やりました
ディナラ・サフィナ(RUS)[13]×エレナ・ディメンティエワ(RUS)[7] 4-6/6-2/6-2 サフィナ、やりました。ティアIで初めての優勝です。 え? まだティアIで勝ったことなかったんだっけか? とも思うわけですが、そう、まだだったんです。プロ転向が2000年ということを考えると長かったような気もしますが、22歳という年齢を考えると、いい時期にビッグ・タイトルを獲ったとも言えるかもしれません。 もともと、その潜在能力は評価されていたと思いますし、トップ10を破ったこともあり、大きなタイトルこそないけれど、コンスタントに成績を残し、トップ20に定着していていたサフィナ。兄=マラト・サフィンの低迷も手伝ってか、「サフィンの妹」ではなく、サフィンが「サフィナの兄」と言われる日も近いんじゃないか、なんていう(半分冗談な)話も、そういや、GAORAで鍋島アナだったかが言っていたような記憶があります。
しかし、期待されながらもなかなか壁を打ち破れないという時期が続きました。その原因のひとつとしてよく挙げられていたのが、キレやすい性格。決勝での実況・解説でも「(SFに勝ち上がった4人は)みんなキレやすい性格なんですけどねぇ、キレなかったほうが勝ち上がりましたね(笑)」なんていう会話が聞かれましたが、サフィナが今回、初めてビッグ・タイトルを掴んだのも、やはりここがポイントだったんじゃないかと思います。 いや、まったくキレなくなったわけではないんですよ(笑)。この決勝でもフラストレーション大爆発でラケットを思いっ切りコートに叩きつけ(ラケット折れた、というかヒビが入りました)、コード・バイオレーションをとられていましたし(第1セット第6ゲーム)、その後のディメンティエワのサービスゲームでも、納得いかない自分のプレー、ミスに「あ”~!!!!!」と絶叫していましたから。 ただ、これまでならば、そのイライラを引きずったまま次のプレーに入ったり、集中力が持続しなかったりということが多かったと思うのですが、そういうのが今大会はなくなってきていたと思います。第1セット第9ゲーム、ダブルフォルトとミスが絡んでサービスゲームを落とし、第1セットも落としたサフィナだったのですが、第2セット以降は気持ちをしっかり立て直し、集中力をぐっと上げてきました。 また、これがプレーにもいい方向に作用するのでしょう、相手の動きも冷静に見て、逆をついたり、前後に揺さぶりをかけたりする(この日、ドロップショットが本当に冴えていた。和洋折衷さんの観戦レポによると、エナン戦でも、エナンがまったく動けなかったようなドロップショットがいくつかあったらしいので、すっかりクレー巧者になったということか。また、逆にネットにおびき出されても、非常に落ち着いてボールの処理をしていたと思います)。 第1セット、立ち上がりからサフィナはSFよりはアグレッシブにプレーしていたと思うのですが、攻撃を仕掛けるショットにミスが多く、第3ゲームでディメンティエワにブレイクを許してしまいます。しかし、サフィナよりはストロークの精度は高いものの、サーブがSFよりもやや不安定。ダブルフォルトで次の第4ゲーム、サフィナにブレイクチャンスを与えると、バックハンドのダウン・ザ・ラインをアウトにさせて、試合はイーブンに戻ります。 しかし、第5ゲームでまたしてもディメンティエワにブレイクを許すサフィナ。徐々に苛立ちを見せはじめます(そして、第6ゲームでラケット折る)。第9ゲーム、15-40と2つのブレクチャンスを握るも、ブレイクできずに大声をあげてフラストレーションを吐き出すサフィナ。ディメンティエワの5-3となった第9ゲーム、サフィナのサービスゲームだったのですが、せっかくいい形で攻撃できていたのに、ダブルフォルトとバックハンドのダウン・ザ・ラインをミスし、30-40とディメンティエワにブレイクポイントを与え、最後もバックのダウン・ザ・ラインをアウトにするミスで、第1ゲームを落とすことになります。 このバックハンドのダウン・ザ・ライン。これもまた、試合の鍵になった部分でした。SFではこれがいわば攻撃の要になっていたのですが、この日はそこでミスが多く、どう修正してくるかが重要になってきていました。 第2セットに入り、気持ちを切り替えて最初のゲームをブレイクしたサフィナでしたが、第2ゲームをダブルフォルトで落とし、なかなかリズムが掴めない。それでも、第1セットとは違い、SFでもそうでしたが、気持ちを静めて、落ち着いたプレーを続けるサフィナ。じわじわと試合の流れを引き寄せます。第1セットでは調子の良かったディメンティエワの1stサービスの確率が落ちてきたこともあり、第5ゲームでサフィナが再びブレイクに成功。 残すところの問題はブレイクした直後の自身のサービスゲーム(とバックのダウン・ザ・ライン)という図式が成立しつつあったのですが、より確実なショット(クロスで展開)を選択し、また、少しずつサーブの調子を取り戻していきます(それでも、実際は、最終的にサフィナのほうがダブルフォルトの数は多かったのですが)。こうして第6ゲームをキープ。逆にプレッシャーからかディメンティエワにストロークミスが多くなり、サフィナが第7ゲームをブレイク。サービング・フォー・ザ・セットとなった第8ゲームはセンターへのサービスエースでキープ、セットオールとします。 第2セットの中盤(特にサフィナが第6ゲームをキープしたあたり)から、プレーがしまってきたサフィナと反比例するように、ストロークミスが増えてきていたディメンティエワ。1stサービスの確率も落ち、ダブルフォルトもぽつぽつ出はじめます。第3セット第1ゲームこそ、ネットに詰めすぎていたサフィナを見て、冷静にロブを上げ、戻ってきたボールをワイドへフォアで叩きつきてブレイクのピンチを脱したディメンティエワでしたが、サフィナの落ち着いたプレーはもう崩れることはありませんでした。 第2セットではバックのダウン・ザ・ラインを使わなかったサフィナ、第2セットを奪い返して優勝への強い気持ちが出てきたのかもしれません。第3セットに入って、このバックのダウン・ザ・ラインを再び使うようになり、しかも第1セットとは違い精度があがり、攻撃の効果的な起点となりました。ストローク戦で主導権を握ることが多くなり、ディメンティエワをベースライン後方へ押し下げていきます。そして第3ゲームをラブゲームでブレイク。 第4ゲームこそ2本連続のダブルフォルトで0-30、いいプレーで3ポイント連取して40-30とするも、ここでこのゲーム3本目のダブルフォルトをおかしてしまったサフィナでしたが、ここをキープすると、次の第5ゲーム、なかなかサフィナを崩せなくなってきたディメンティエワがミスを連発。集中力が切れてきます。 ディメンティエワは第7ゲームこそ自身のサービスゲームをキープしますが、そこまででした。第8ゲーム、最後はディメンティエワのボールがネットにかかり、サフィナの優勝が決まりました。 いやぁ、素晴らしい勝利でした。メンタル・コントロールに加えて、プレーの質も本当に高くなってきたなぁ、という印象。エナン、セリーナに勝ったのも納得です。これをきっかけに、今度はGSタイトルをぜひとも狙っていただきたい。 負けたディメンティエワも、最後は気持ちの焦りから、サーブが乱れ、ストロークでもミスを連発してしまいましたが、サフィナがニュー・サフィナになったのと同じく、今年のディメンティエワはやはり昨年までとはひと味もふた味も違います。ドバイでの優勝も見事なものでしたし、今大会も(2試合しか観ていませんが)SFは本当に素晴らしいプレーを最初から最後まで貫きましたし、この試合も第2セット中盤まではサフィナを押していました。ディメンティエワにもGSタイトルのチャンスはあると思うので、今後も頑張ってもらいたいと思います。 というわけで、サフィナ、ティアI初優勝、おめでとう!! もう、お兄ちゃんにダメ出しはさせません(笑)。 ↑ いままでサフィンにダメ出しされ続けていたらしい。 どう、私は間違ってなかったでしょ、というようなコメントを満面の笑みを浮かべ、カメラ目線でコメントしていました。可愛い。
posted by takezoh |23:27 |
テニス |
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〈QTGOP〉お兄ちゃん、私やりました
いやぁ、サフィーナ、やりましたねぇ。ずーっと伸び悩み状態だった印象がありますが、何かひとつ壁を乗り越えたかな?
お兄ちゃんのほうもがんばっていただきたいものです。
「(SFに勝ち上がった4人は)みんなキレやすい性格なんですけどねぇ」というのには笑わせていただきました。アザレンカは知りませんでしたが、確かに他の3人は……(笑)。
posted by バラージ | 2008-05-13 00:45
〈QTGOP〉お兄ちゃん、私やりました
タケゾウさん、記事のタイトル笑ってしまいました。
サフィナが勝ったんですね~。私は試合は見てないんですがトロフィーを掲げるサフィナの写真がとてもかわいかったので、いい笑顔してるやんと思いました。初のティアⅠ勝利、良かったですね。
それと、SFに残った4人は切れやすい4人だったんですか(笑)私、選手がラケット叩きつけたりして切れてる姿見るのけっこう好きなんですよ。なんか笑ってしまうんです。マナーは良くないですけど、あれでうまくフラストレーションを解消してるのかなと思います。
サフィンはけっこう口うるさいお兄ちゃんなのかな。やっぱり妹のプレーが気になるんですね。サフィンもハンブルグの予選通過したようですし、妹の活躍でサフィンにも相乗効果があるかもしれませんね。
全仏ではサフィナもディメンティエワも要チェックですね。
posted by こぼし | 2008-05-13 00:50
>バラージさんへ
やりましたよ、サフィナ。大人になりました(笑)。
>「(SFに勝ち上がった4人は)みんなキレやすい性格なんですけどねぇ」というのには笑わせていただきました。アザレンカは知りませんでしたが、確かに他の3人は……(笑)。
アザレンカが一番すごかったですよ。何度もラケットでコートを叩きつけていて、実況(星野アナ)・解説(佐藤武文さん)が「彼女の尊敬する選手はグラフということなんですが、そのグラフの名前を冠したスタジアムのコートをこんなにしばきつけていいんでしょうか」「あ~、またしばいてます。グラフに怒られますよ」みたいな話をしていて、TV前で笑ってしまいました。
posted by takezoh | 2008-05-13 02:05
>こぼしさんへ
サフィナ、笑顔が本当に可愛らしかったです。にきびもすっかりなくなって、可愛らしさアップしてました(そこかっ!)。
SFに残った4人、はい、キレやすい性格だったんです(ディメンティエワの場合は、キャー、という悲鳴はまだいいんですが、ブツブツとしゃべるようになります)。確かに、ラケット叩きつけているシーンは笑えるものがありますよね。アザレンカは何度も叩きつけていたのに、フラストレーション解消し切れませんでしたが、サフィナは気持ちの切り替えがうまくなったなぁ、と思いました。
サフィンは心配なんでしょうね、妹のことが。1回、サフィナの試合をスタンドで観戦してほしいなぁ。どういう様子か見てみたい…。しかし、ランキングが89位でしたっけ、なので当然WCがもらえなければAMSとかは予選からになるんでしょうけど、サフィンの名前の後ろに「Q」がついていて、複雑な気持ちになりました。とりあえず1回戦突破でほっとしています。頑張れ、サフィン!!
posted by takezoh | 2008-05-13 02:10
〈QTGOP〉お兄ちゃん、私やりました
エナン、セレーナに連勝して、その上優勝できたのですから、お兄ちゃんに自慢できますね。1セット目は、サッカーの某リーグの最終戦で優勝と降格が一気に決まるとあって、PCとチャンネルをいろいろ変えたりでみてないので、サフィーナがラケットをたたきつけるシーンは見逃しちゃいました(笑) 2セット以降はみてたんですが、ディメンティエワが序盤は押していたのでこのままいかれるのかなと思ってたんですが、精神面の成長としぶとくプレイして、流れを引きよせましたね。 3セット目は多彩な攻めに安定感も加わって、危なげなかったです。 インタビューでも満面の笑顔でうれしそうでした。 サフィンも予選・1回戦と勝ち上がったみたいで、妹に触発されてやってくれるのに期待したいとおもいます。(ドローはナダルのいるところに入っていますが・・・・)
posted by ノーマン | 2008-05-13 06:16
>ノーマンさんへ
おぉ、第1セットのサフィナがちょっとキレたシーンは見逃されましたか。大丈夫です、これからもまだまだ見るチャンスはあると思いますので(笑)。
ほんと、第2セット序盤まではディメンティエワの流れだったのに、よく気持ちを切り替えて頑張りました。この大きなタイトルで自信がついたことでしょうし、どういうプレーをすれば勝てるのかというのもわかったと思うので、全仏含めてこれから本当に楽しみです。サフィンも頑張っているし、兄弟でタイトル獲得! とかないかな(ウィンブルドンでは無理そうですが、ハードならば大いに期待できる!)。
posted by takezoh | 2008-05-14 22:07


