2008年05月11日

〈QTGOP〉高い守備力とディフェンスし続ける集中力(1)

クレーではそれがいかに重要であるかを改めて感じた、女子SF2試合だったと思います。
もちろん、ただボールを拾うだけではありません。その1本のテクニックの高さ、精度の高さも必要になります。また、そこから攻撃へと転じる能力も。それを最後までしぶとく続けられる集中力。

ちなみに、昨晩、日没順延となっていたQFの1試合ですが…

アナ・イワノビッチ(SRB)[2]×アグネス・サバイ(HUN)[10] 3-6/6-4/6-3

という結果になりました。試合が終わったイワノビッチは、SFの第1試合(途中だけ)をさわやかな笑顔で観戦(まだ自分のSFが終わってないのに偵察してていいのかー? とちょっと思いましたが)。ま、気分転換という感じだったのかもしれません。

そして、SFの2試合。
まず、第1試合から行きましょう。

ディナラ・サフィナ(RUS)[13]×ビクトリア・アザレンカ(BLR) 6-4/6-1

実は、イワノビッチとサバイの試合がどうなったかチェックしないと! と時間を考えずに大会公式サイトのリザルトのページを開いてしまい、サフィナが勝ったのを見てしまったんですよね。あ~、失敗(とか言いつつ、あんまり気にしてなかったりもするのですが/笑)。

そういうわけで、スコアがけっこう一方的になっていたこともあり、サフィナがどれだけアザレンカを圧倒したのかと想像しつつ試合を観たのですが…蓋を開けてみれば、「あれ? この試合、サフィナが勝ったんだよね??」と思う内容に。

私がアザレンカのプレーを観るのはこれで2回目? 3回目? 忘れてしまいましたが、いずれにしても、そんなに多くはありません。前回は確か、昨年のUSオープンのクズネツォワ戦だったと思うのですが、あのときも、いやぁ、やっぱりなかなかやりよるな、とは感じました。しかし、そこはクズネツォワ、成長しつつあるメンタル力で流れを引き寄せ、試合をしっかり自分のモノにしたという記憶があります。

で、この試合。アザレンカはそのとき観たプレーよりも格段に良かったと思います。なるほど、ここまで勝ち上がってだけあります。ラリーでは完全にサフィナを押していたし、実際、先に相手のサービスゲームをブレイクしたのはアザレンカだったんです(第1セット第3ゲーム)。

それでも我慢のプレーで第5ゲームをキープしたサフィナ。アザレンカのストロークがキレキレで、どんどん攻め込まれるなか、多少イラつくシーンは見られましたが、だからといって集中力を切らしてミスすることはなく、アザレンカのここまでの勝ち上がりに「なるほど」と思うと同時に、さすがにエナン、セリーナを立て続けに破ってきただけのことはあるなと感心するプレー。

それがジワジワとボディブローのように効いていたのかどうかはわかりませんが、そこまでほとんどミスがなかったアザレンカは第6ゲームでミスを重ね、最後はダブルフォルトでサフィナにブレイクバックを許す(しかもラブゲームで)。

まだここではアザレンカ、メンタルが崩れることはありませんでした。ラケットをコートに叩きつけたりはしましたが、すぐに気持ちを切り替えて、また集中力を取り戻し、再びストロークでサフィナを押し込める。そして、第7ゲーム、再びサフィナのサービスゲームをブレイクし、リードしました

しかし、次のサービスゲーム、またしてもミスを重ねてしまうアザレンカ。0-40からデュースまで挽回するものの、デュースが続き、とうとう最後はまたもダブルフォルトでゲームを落としてしまうのです。

アザレンカの攻撃にも動じることなく押し返すサフィナ。少しでも隙があればすかさずダウン・ザ・ラインへのカウンター、あるいは相手の動きの逆をつくなど、終始冷静なプレーを続け、第10ゲームもブレイクに成功。ディフェンス力と集中力が勝り、ストロークでは押されていたはずのサフィナが第1セットを獲ることになりました。

サフィナが第1セットをストローク戦で押されながらもモノにできたひとつに、大事なところでサーブポイントがあったり、ウィナーを奪うプレーが出ていたりしたこと、逆にアザレンカは大事なところでミスやダブルフォルトがあったということが挙げられます。また、サフィナは第1セットを獲った影響か、より落ち着いてプレーができるようになってきました。第2セットに入ると、アザレンカの強打も押されないどころか、逆に押し返すだけの余裕も出てきます。

そういう部分もあったんでしょう。アザレンカの集中力が徐々に持続しなくなってきます。「内容では勝っているはずなのに」という焦りもあったかもしれません。第2セットに入って、アザレンカの苛立つシーンはどんどん増えてきます。

こうして第2セットはサフィナが先に相手のサービスゲームをブレイク(第4ゲーム)。そして、第5ゲームをキープして、4-1とリードを広げます。

この第5ゲームが終了してチェンジサイドになったとき、アザレンカはどうやらベンチで泣いていたようです。これは悔しさからかと思ったのですが、その後のアザレンカの歩き方がおかしくなっていて(びっこを引くような歩き方)、おそらく悔しさのなかには、負傷という事情もあったのかと推測されます(ニュースやインタビューを読んでいないのであくまでも推測ですが)。結局、踏ん張りがきかなくなり、ボールも100%の力で追いかけられなくなったアザレンカは、第6ゲームも落とし、第7ゲームをキープしたサフィナが決勝に進出することになりました。

試合中、星野アナが、アザレンカが今後課題としていること(シニアのツアーでは逆転負けすることが多い。ジュニアではリードを奪ったら、そのまま勝てていたが、プロの選手はそこで簡単には負けてくれない。それでメンタルが崩れて逆転負けをしてしまう。というようなこと)を紹介していたのですが、この試合もアザレンカ自身が自覚している課題が出てしまった試合になりました。それでも、さすがはジュニアで世界1位になっただけの選手。この試合でも、今後、経験を積んでいくと怖い選手になるということを証明しました。すでにティアI初のベスト4というだけでも立派なことではありますが、この試合を糧に今後ますます強い選手になっていくことを期待したいと思います。

また、サフィナは本当に大人になったというか(笑)、やっと壁を乗り越えた感じがしました。実況・解説では「体がガッシリしてきた」という話がありましたが、私は逆に、無駄な肉が落ちてきて、非常に締まってきた印象を持ちました。女子の場合は特に20歳前後くらいまでは体重の増減がなかなかコントロールできず、好不調の波にも影響してくることが多いと思うのですが、22歳になって、そのあたりも落ち着いてきたのかもしれません。この状態をキープできるようになれば、トップ10定着はもちろん、トップ5にも食い込めるようになるんじゃないでしょうか。

ちなみにですね、星野アナ、第1試合の主審をジェンケンさんだとずっと勘違いしていました(本当はエヴァ・アズデラキさんです)。そんなにジェンケンさんが好きなのか(笑)?? あと、アザレンカの身長180cmを130cmと言い間違えていたぞ、と。130て! と、思いっきりTVに突っ込んでしまいました。

長くなってきたので、続きは(2)で。

posted by takezoh |10:58 | テニス | コメント(4) | トラックバック(0)
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〈QTGOP〉高い守備力とディフェンスし続ける集中力(1)

 アザレンカ、惜しかったですね。やはり若さが出てしまったのかな? みんなこういう経験を経て強くなっていくんでしょうね。負けたとはいえ、これでトップ20に入る可能性が濃厚とのことですし、これからも期待できそうですね(ここからが難しいのかもしれないけど)。
 一方、サフィーナは乗りに乗ってるというか、成長したんですねぇ。ずっと伸び悩みが続いてる感じでしたが、これがいいきっかけになるかな? サフィーナのコメント「私の決勝進出を予想していた人がいたら、半分賞金を上げたい」というのが面白かったです。

posted by バラージ | 2008-05-11 22:41

〈QTGOP〉高い守備力とディフェンスし続ける集中力(1)

 タケゾウさん、こんばんは。
 最近、女子テニスの方のチェックを以前ほどしてなかったので、二人のプレイはほとんど初めてみたんですが、アザレンカのストロークはすごいですね。今回のような精神的な弱さなどを乗り越えられれば、もっと大きな大会でもすぐに活躍しそうですね。
 サフィーナはお兄ちゃんに似てるなーって思いながら見てたんですが、バックハンドのストレートが効果的に使えてましたね。 アザレンカがイライラしているのとは対照的に、気持ちのコントロールができてました。 皆さんの話を聞いていて、もう少し取り乱したりするのかなっと思ってたんですが、エナンとセレーナを破ったことで、なにかつかんだのかもしれませんね。 この後の活躍も楽しみです。

posted by ノーマン | 2008-05-12 03:21

>バラージさんへ

アザレンカはかなり良かったんですけどねぇ、残念でした。まぁ、まだ若いですし、これを次に生かして、どんどん成長していってもらいたいです。サフィナ、そんなこと言ってましたか。エナンをやぶったあたりから、サフィナを優勝候補に挙げる人はけっこういたと思うんですけど、最初っからというと、少ないかもしれないですよね(セリーナもいる山だったし)。ちなみに、この日はドイツも母の日ということで、賞金でお母さんのほしいもの何でも買うわ~、とスピーチしていました。

posted by takezoh | 2008-05-13 01:43

>ノーマンさんへ

こんばんは。アザレンカのストローク、強烈できたね。突き刺さる感じというか。最近はラケットの進化もあるんでしょうけど、線の細い感じの選手でも、まだ若い選手でもかなりパワフルなストロークをみんな持っていて、圧倒されてしまいます。今回は若さが出てしまいましたけども、これからも期待が持てますよね。楽しみにしたいと思います。

サフィナはもっと荒れることが多かったように思うのですが(といっても、たくさんプレーを観ているわけではないのですが、定説になっている/苦笑)、それを考えると、本当に大人になってきたなぁ、と思ったりしました。これからももっともっとビッグタイトルを獲ってもらいたいと思います。

posted by takezoh | 2008-05-13 01:53

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