2008年05月09日
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
4月以降、なかなかテニスのニュースを隅々まで追いかけられず、尋常でないスケジュールに対してナダルが怒っている記事くらいは読んでいたのですが(5月1日付けのAFP@Yahoo!とか)、さすがに今シーズンのクレー強行スケジュールはファンも黙っていられなかったようで、ATPへの嘆願書を提出するという動きに発展しているようです。 というのを、さっちさんのブログ『新…Just One More Thing』の記事「眠れぬ夜は君のせい」で知りました。さっちさんのブログから辿って(リンクがまだ貼られていなかったので検索してみました。たぶん間違っていないと思います。間違っていたらご指摘くださいませ)、のびたさんのブログ『SMASHING HOURS』(記事はこちら)、nannanさんのブログ『Masters of the Game』(記事はこちら)、れいこさんのブログ『テニあれ』(記事はこちら)も拝見してきました。
私は野球ファンでもあるので、プロ野球を例に挙げますが(細かい話ははしょりますが)、かつて近鉄パファローズがオリックスに吸収されることになり、それをきっかけに選手(と選手会)がファンの後押しのなかでストライキを決行したことがありました。その際の分配ドラフトを含め、まだまだ問題は山積したままではあるものの、結果的に仙台を拠点に楽天が新しい球団オーナーとなり、12球団2リーグ制は存続することになりました。 しかし、本質的な問題は何も解決していませんし、その後も引き続き選手会との話し合いはあるものの、進展の気配すらありません。 そもそも選手が権力組織に対して、シーズン中にやれることというのは限られてしまい、本職(シーズン)を犠牲にしてまで、権力組織と戦うというのは非常に難しいと思います。シーズンが終了しても、秋季キャンプがすぐに始まり、つかの間のオフ、年明けにはすぐに次のシーズンのキャンプが始まってしまいます。 プロテニスの世界でも、シーズン中、何度かATPのボードメンバー(役員)による話し合いが行われています。そのメンバーには、選手の代表も含まれるわけですが、本業をこなしながら広告塔にもなり、さらにはATPのお偉いさんとの話し合い(その前に選手どうしでも話し合いを持っていることでしょうし)もこなさなくてはならないというのは、かなりの負担です。 もちろん、トップ選手になればなるほど、試合での賞金以外にもスポンサー契約料やらCM出演料など、多額のお金を稼いでいますから、コーチ以外にもトレーナーやらマネージャーやら、周囲にサポート、ケアをしてくれる何名ものスタッフを雇うことができます。しかし、試合に出るのも、話し合いの場に参加して議論を戦わせるのも、広告塔になるのも選手本人。そこにかかる(とくに精神的)負担は、周りのスタッフが簡単に取り除けるものではないと思います。 プロ野球が揺れたとき、当時選手会長だった古田敦也さんは、試合が終わって、その足でテレ朝の『朝まで生テレビ』に出演したことがあるのですが、その内容もさることながら、本当にいたたまれなくなったファンがどれだけいたことでしょう(それもさらに古田さんをはじめとする選手会をファンが後押しする要因になったと考えます)。 そう考えると、今後はちゃんとした「選手会」という組織(労働組合みたいなもの)を作っていく必要があるのかもしれませんが、プロ野球でさえ、それがままならない現状。個人スポーツのテニスではなおさら難しいかもしれません。そのために私はOB・OGがもっと率先して…と思ったりするのですが、スター選手はマスコミが絡んだ仕事を引き受けることが多く、それまたいろんな障壁ができるんでしょうねぇ。それをなんとか破ってほしいんですが(マスコミももっと協力せえよ、と)。 結局、ファンがなぜプロスポーツを観るのにお金を払うのか、ってことなんですけどねぇ。 オフが1ヶ月あるかないか(デ杯などの決勝に残った国の選手はなおさら少ない)のテニス。私自身は、1シーズン(3ヶ月ほど)のオフがあってもいいんじゃないかと思います(年明けはいきなり全豪OPがありますし)。となると、大会数は必然的に減らさないといけないわけですが。 昨年、ハンブルクのAMSが消滅の危機に遭い(結局、なくなると思うのですが)、多くの選手がそれに反対しました。しかし、限られたシーズンのなかで、もっと選手の健康を考えたスケジュールに変更するには、選手側も妥協せざるを得ない部分は出てくるでしょう(その前に、開催地の大会運営者とATPという対立の図式はもちろんあります)。 権力組織、選手サイド、各地の大会運営者、すべてが100%満足になるようなカレンダー作りは難しいかもしれません(いや、かなり難しい)。だからといって、どこかに(選手に)だけしわ寄せがくるというのはおかしな話です。テニスファンとして、僕・私はベストコンディションの選手たちが高いレベルでプレーするのを見たいんだ、そこにお金を払っているんだぞ! という意思表明をするいい機会になるのではと個人的には思っています。 ATPの改革についてひとこと、と思っていた方、今回の署名という行為に少しでも賛同される方は、ぜひ、署名をご一考されてみてください。 ATPへの嘆願書署名はこちらのサイトになります。 ※署名に参加されない方にもそれなりのお考えがあるかと思いますので、決して署名を強要するものではありません。
posted by takezoh |18:00 |
テニス |
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この記事に対するコメント一覧
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
ナダルの足裏を見たとき結構衝撃でした。しかもこのスケジュールが全米までずっと続くわけで、いまはまだ入り口だと思うと、みんな本当に無事にシーズンを終えられるかなと思います。フェレールも4週連続で地元とマスターズで休むに休めない、ナダルだけでなく、みんなどこか故障を抱えてるのだろうなと思います。
それとフェレーロも凄くいいプレイをしたのに、怪我のおかげで勝てたと言われるのも本当に気の毒だし、最近いっぱいあったフェデラーの対戦相手の棄権も、もし健康だったら…といわれるのも残念です。選手がいい状態で最高の試合を見せてくれるように、ATPやWTAも何とかいいシステムを組み立ててほしいですね。
posted by みどり | 2008-05-09 20:01
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
ファン心理としては、よりいい試合を見たいし、選手にベストなコンディションでいてほしいです。 やむなく棄権したり、不本意な状態で試合に挑んでいる選手が多い事は悲しいですね。 自分の好きだったマグナス・ノーマンも臀部の相次ぐ故障によって引退しています。 年齢は32歳なので、それがなければまだ現役だったかもしれません。 今回のこのような動きで、少しでも選手にとってよくなることをのぞみます。
posted by ノーマン | 2008-05-10 00:37
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
興味深い記事を読ませて頂きました。
私もナダルのATP批判の記事を読んで知識がないなりにいろいろ思うところがあったんですが、タケゾウさんの記事や他の方のブログを読んでいると、自分の考察ってなんて浅かったんだ、ととほほな気分になりました。
確かに選手は自分のスケジュールをこなすだけでも大変なのにその上ATPとの交渉もしなければならないとなると肉体的にも精神的にもかなりの負担になりますよね。選手の意見を無視しているという点で確かにプロ野球の楽天誕生前の騒動と重なります。
タケゾウさんがおっしゃっている、単純にいプレーが見たいというのは私も全く同感です。多分大部分のファンは、自分の見れる大会に来てくれるけど選手が体を壊してしまうのと、近くの大会には来てくれないけど選手が元気で良いプレーを見せてくれるのとだったら、確実に後者を選ぶと思うんですけどね。ほんとタケゾウさんがおっしゃっているように3ヶ月ぐらいオフシーズン作ればええやんと思います。
あと、前回私の書いたコメント(ナダルの敗退直後のものです)はファン丸出しの内容で失礼しました。その時はショックでしたが今は本当にゆっくり休んで欲しいと思っています。
posted by こぼし | 2008-05-10 01:01
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
う~ん、難しい問題ですね。
僕も前々からシーズンオフが1ヶ月というのは短すぎると思ってました。3ヶ月ぐらいあってもいいんじゃないかと。選手の負担が大きすぎるというのには、まったく異論がありません。
ただその一方で大会側(ATPではなく)の「なくなっては困る」という主張も、わかるんですよね。もし東レとAIGがなくなって、日本からツアー大会が消えてしまったらと考えると……やっぱり困りますよね。自国に大会があるとないとじゃやっぱり大違いだと思います。しかもテニスの場合は最大の大会が豪仏英米で固定ですし……。
そう考えると、どちらの主張にも一理あるので困ってしまうんですよね。う~ん、ほんと難しい。
あと、ついでに言うと、あのときのプロ野球では球団削減が最大の問題だったように思うのですが(球団削減→野球界の衰退&切り捨てられる2軍選手の大量発生)、それって今回のテニスで言うと大会削減に該当するんではないかという気がするんですよね(大会削減→テニス界の衰退&切り捨てられる下位選手の大量発生)。つまりあの時とは立場が逆なのではないかと。
メジャーリーグで大規模なストライキが発生したときに、大量のファン離れが起こった(そしてそれを野茂選手が救った)という例もありますし……。
う~ん、ほんと難しいっす。個人的には簡単に結論が出せません。もう少し考えてみようと思います。
posted by バラージ | 2008-05-10 02:13
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
タケゾウさん、こんばんは。
毎週、各地で開催される大会の結果を楽しみにしている一方で、途中棄権しなければならなかったり、故障のため若くして引退を余儀なくされる選手がいたりすることに心を痛めています。また棄権した場合に選手が非難されたりすることにも疑問を感じています。
自分の国で生の試合を見たいと思う気持ちはやまやまですが、どう考えても今のスケジュールでは選手に厳しすぎるのでしょうね。選手の健康のため、都市同士で話し合って代わりばんこに開催するとか、何か策を考えなければならないでしょう。
署名しましたが、意外に集まっていないみたいですね。どれくらい集まるのかなぁ。
好きでプロになった人たちが、いやいやではなく楽しんでテニスをしてくれるのが一番だと思うんですが、なかなか難しい問題です。
posted by slycat | 2008-05-10 03:20
>みどりさんへ
今回は春のAMS2大会のあたりから、アメリカの他のスポーツ中継とカブらせないがためにこういうスケジュールになった云々とけっこうニュースが出ていましたよね。そもそもクレーはもっとも体力的に厳しいサーフェスなので、さすがに4週連続(うちAMSは3大会ですが)というのは…まぁ、IWとマイアミも続けざまっていうのもどうかと思いますが。やはり、AMSやGSは連続して開催すべきではないですよね。そもそも全仏とウィンブルドンでさえ2週間しかあいていませんし、今年は五輪もあるしで、かなり危険な雰囲気が漂います。今年のスケジュールに関してはいまさらではあるんでしょうが、今後のためにもやはりもう一度、ITFも含めてATPも熟考してもらったほうがいいような気がします。
posted by takezoh | 2008-05-10 04:48
>ノーマンさんへ
どうしてもアスリートには怪我はつきものだというのはわかってはいますが、それを差し引いても今シーズンのスケジュールは五輪も加わって、かなり過酷な状況になってしまっていますよね。トップ選手になると出場義務(と罰金)も出てきますし(まぁ、AMSは2大会でしたっけ? スキップできるわけですが)、地元開催になると欠場したくはないでしょうし、厳しい選択を迫られることになってしまいますもんね。もちろん、出る以上はそれも含めて勝負になりますから文句は言えないという部分はあるかもしれませんが、必要以上のプレッシャーを肉体的にも精神的にも選手に与えてしまうようなスケジュールの組み方はやはり見直してもらったほうが、選手のプレーを観る側としてもいいと思います。なんとか折り合いをつけて、いい方向に解決すればいいですねぇ。。。
posted by takezoh | 2008-05-10 04:54
>こぼしさんへ
私もささっと仕事の合間に(←こらっ!)書いたので、うまくまとめきれていないので、そうおっしゃられると逆にお恥ずかしいです。。。まだまだ書きたいことはあったのですが、まぁ、とにかく言いたいことは、ほんと、単純にいいプレーをたくさん観たいということです。
こぼしさんの下でバラージさんがお書きになっていますが、もし日本開催の大会がなくなってしまったらというのも、日本のテニスファンにとっては難しい話で…私自身、すべて選手の言い分を通すべきだとは思っていないのですが、おっしゃる通り、選手の意見にちゃんとATPは耳を傾けているのかというところ、非常に疑問を感じます。チャレンジシステムが1セット3回に増えて、そういうところだけ選手側に寄って、根本的な問題はどうでもええんかいな、と。
やはりオフシーズンはもうちょっと長くすべきですよね。ここまで年明け早々から暮れに近くなるまでトーナメントの嵐というスポーツ、他にあるんでしょうか。。。
>前回私の書いたコメント(ナダルの敗退直後のものです)はファン丸出しの内容で失礼しました。
そんなファン丸出しでしたか? 丸出しだったとしても、そりゃあ、ファンだといろんな感情が噴出すもんだと思います。お気になさらずに~!
posted by takezoh | 2008-05-10 05:02
>バラージさんへ
各国の大会側の事情については同感です。そのあたり、書こうかなぁ、と思ったんですけど、話がどんどん膨らんでいきそうでやめました(そもそも、クレーのAMSがヨーロッパばかりで南米にないのはいいんだろうか、とかも思ってますし)。slycatさんも書かれていますし、以前、バラージさんもツアー最終戦のことでお書きになられていましたが、各国もちまわり制の大きなトーナメントを作るとかしたらいいのになぁ、と思います。
ちなみに、野球を例に挙げたのは、経緯云々の部分ではなく、あくまでも「選手の意見が無視されている」という部分が共通していることを言いたかったからです。言葉が足りず、申し訳ありません。メジャーリーグの場合は…あの国は、野球だけじゃなくNFLやNHL、NBAと「国技」が他にあるので、ストライキだけがファン離れの原因ではないような気がするのですが(ま、そのあたりは私も詳しくわからないのですが)、とりあえず、かつてランキングシステムとGSのシード問題でクレーコーターがウィンブルドンをボイコット、みたいな騒ぎにならなければいいなぁ、と思います。ああいうのは悲しい(NPBのストライキは事情が事情だったんで、大いに支持しましたが)。
posted by takezoh | 2008-05-10 05:08
>slycatさんへ
こんばんは。
故障していない選手などアスリートには存在しないと思うのですが、だからこそ、やはり過酷なスケジュールは強いるべきではないような気がします。棄権した選手が非難されるのも気分のいいものではないですよね。各国にテニス協会はあるものの、テニスは個人スポーツで、ATPやWTA、そしてITFがそれをうまくまとめる役回りもしなければいけないと思います。各国それぞれの思惑を平等にまとめるのは難しいでしょうし、収益がなければATPにしても回っていかないのはよくわかるのですが、まずは必要以上に選手に負担のかからない方法を見つけてもらいたいと思います。あと、私も各国もちまわり制を導入するのは賛成です。ツアー最終戦とか、AMSのうちせめて1大会くらいは持ち回りにするとか。
しかし、メディアはこれをどう捉えているんでしょうか。各国のメディアの意見を知りたいです。
posted by takezoh | 2008-05-10 05:18
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
私はすでにこちらで紹介されているブログの一つで嘆願書のことを知って、サインをしてきました。
ATPの決定に不満を持っている選手がたくさんいることは、『選手たちの嘆願書』(Masters of the Gameの4月18日の記事「ATPと選手の溝」参照)にTOP20選手のうち17人が署名しているという事実で明らかにされています。
どのスポーツの世界でも選手の意見は反映しにくいのかもしれませんが、特にプロテニスは個人競技でスケジュールが非常にきついのですから、選手の体のことを考えれば意見に耳を傾けるのが当然と思えます。
この『テニスファンによる嘆願書』がどの程度効き目があるのかはわかりませんが、たくさんのファンが選手たちの状況を心配しているという事実だけでも知らせる価値があると思いました。
posted by 美咲 | 2008-05-10 07:55
>美咲さんへ
今のATPチェアマンになってから、いろいろ変革しようと頑張っているのはわかるのですが、選手間との温度差が顕著になって、ちょっと収集がつかなくなってきつつありますよね。選手の言い分を100%、と選手も思ってはいないでしょうが、やはり話し合いの場がある限りは、選手もボードメンバーですし、意見に耳を傾けるっていうのは必要だと思います。そして、これはテニスに限ったことではないと思いますが、選手の意見を採り入れられないのであれば、それはなぜかという納得のいく説明をする必要がATP側にはあると思うんですよね。それをしないから溝がさらに深まったのではないかと私は思っています。いずれにしても、今の状況ではATPも選手も、各国の大会運営者も、そしてファンももやもやしたままになってしまいます。私もファンによる嘆願書がどれだけの効果を発揮するかはわかりませんが、ちゃんと話し合いが行われ、みんながある程度納得する方向にむかうきっかけになればいいなぁ、と思います。
posted by takezoh | 2008-05-10 17:27
単純にいいプレーがたくさん観たいのです
>ちなみに、野球を例に挙げたのは、経緯云々の部分ではなく、あくまでも「選手の意見が無視されている」という部分が共通していることを言いたかったからです。
あ、それは理解してました。僕のほうが勝手に話を広げてしまいましたね。すいません。それと日本プロ野球のストライキに関しては、僕も100%支持してました。
僕の中ではまだ結論が出てませんが、ATPへの嘆願書って日本語版はないんですかね? 英語がぜんぜん駄目な人間としては、詳しい文章もよくわからないまま署名はしづらいです。
posted by バラージ | 2008-05-11 01:19
>>バラージさんへ
大会削減の弊害っていうのは、確かにありますよね。AIGの女子の部門がITF主催の下部トーナメントになるというのと同じように、もし削減てことになると、同じような道を辿ることになるんでしょうけど、そうなると、スター選手は当然参戦しないし、となるとTV放映を含む収入がなくなりますし、下部トーナメントも運営しないとなると、それこそ下位ランキングの選手たちの戦う場が削減されてしまうことになりますもんね(必ずしもというわけじゃないと思いますが)。このあたりまで考え始めると、頭が混乱してきます(笑)。
ちなみに、ATPへの嘆願書の日本語版ではありませんが、エントリのなかで紹介しているnannanさんのブログの記事はすべて日本語で翻訳してくださっているようなので参考にしていただけるかと思います。
posted by takezoh | 2008-05-11 11:49


