2008年03月26日
〈PLO/AMS〉セルビア勢がアベック優勝 後編
ノヴァク・ジョコビッチ(SRB)[3] × マーディ・フィッシュ(USA) 6-2/5-7/6-3 いい試合でしたねぇ。ここのところ、決勝戦が熱い、熱い。 少し間があきましたが、パシフィック・ライフOP男子シングルス決勝戦の試合を振り返ります(出張先に試合を見ながらつけていたスコアを持ってくる私っていったい…/苦笑)。あ、そうそう、男子シングルス決勝には、クイーン・ラティファ姉さんがいらしてました。アメリカンなので、やっぱ、フィッシュ応援だったのかな(意外にもジョコ・ファンだったりして)?? 第1セット ジョコビッチは非常にいいリラックスで試合に入りました。ストロークも無駄な力が入ることなく、軽やかにボールを左右に打ち分け、サーブは深くコースを突き、リターンを崩して早い展開でポイントを奪う。片やフィッシュはほんの少し緊張していたというのもあったでしょうか。フェデラー戦で(おそらくそれ以外の試合でも)見せていたキレとスピードのあるストロークは影を潜め、ミスを重ねます。こうして、ジョコビッチがいきなり3ゲームを連取(第2ゲームをブレイク)。フィッシュの勢いはここまでか、そう思う幕開けとなりました。
しかし、おそらく、3ゲーム連取されたことで、フィッシュは逆に力がいい具合に抜けたのかもしれません。サーブの威力はもちろん、絶妙な配球でジョコビッチにまともにリターンを許さず、ストロークでもSFまでのような勢いやキレが戻ってきました。ジョコビッチのサーブに対してもタイミングが合うようになり、今度はフィッシュが2ゲーム連取(第5ゲームをブレイクバック)、いよいよこれは、と思わせる展開になるかのように思いました。 それでも、ジョコビッチの優れた守備力ということもあったのでしょう(加えて、やはりジョコビッチはリターンがいい。無理な体勢からもしっかりと深いところにリターンを打ち込んでくるというのもありました)、ストロークにキレは戻ってきたものの、ラリーで主導権を握りながらもミスが目立つフィッシュ。第6ゲーム、一度は40-30とゲームポイントを握りましたが、なかなかキープができません。そして、3度目のデュースからダブルフォルト。ジョコビッチにこのゲーム3度目のブレイクポイントを与えてしまいます。 そして、そして、なんと!! ここで!!!! またしてもダブルフォルト…………。 せっかく第5ゲームをブレイクバックし、イーブンに戻せるというところで、再びジョコビッチにリードを許してしまうのでした。 ジョコビッチはフィッシュのフラット系のバックハンドに終盤まで悩まされました(フェデラーが打ち負けることになった最大の要因がこれ。ジョコビッチはまだ堪えてよく返していましたが、それでも、ボールが持ち上がらずネット、あるいは、強引に持ち上げすぎてアウトというのがけっこうありました)。また、自身のバックハンドの微調整が中盤以降まで続きました(エンドライン深くに打ち込もうと、プッシュしすぎてアウトが多かった)。フィッシュのダブルフォルト連発で再び1ブレイクアップとしたジョコビッチでしたが、第7ゲーム、簡単にキープができません(30-40とフィッシュにブレイクポイントを許した)。 それでも何とかブレイクポイントを凌いで第7ゲームをキープすると、第8ゲーム、リターンを積極的に叩きに行き、2度のデュースの末、最後も技ありのダウン・ザ・ラインへのバックハンド・リターンでウィナーを奪って、第1セットを奪取しました。 第2セット ここまであまりサーブ&ボレーや、リターンダッシュを見せていなかったフィッシュ。第2セットに入り、フェデラー戦でも何度も見せてプレッシャーをかけていたように、随所にネットプレーを散りばめるようになります。第4ゲーム(フィッシュのサービスゲーム)は、1stサービスがよく決まり、サービスエースやサービスウィナー、そして、サーブ&ボレーで華麗にポイントを重ねてキープ(すると、ジョコビッチもお返しとばかりに、第5ゲーム、ワイドへのサービスエース2本を繰り出し、ラブゲームでキープするのですが)。 しかし、フィッシュはここまでの疲れが出てきたのか、下半身に粘りがなくなり、バックアウトさせるボールが増えてきていました(第2ゲームあたりから脚をラケットで叩く姿も見られました)。第2ゲームこそ苦しみながらキープに成功し、第4ゲームでは立ち直ったかに思われたキープをしたフィッシュでしたが、第6ゲームでバックハンドのミスが重なって、ジョコビッチにブレイクを許してしまいました。 これでジョコビッチの4-2、このままジョコビッチが行ってしまうかと思われました。が、ここからのフィッシュがすごかった! 第7ゲーム、すべて1stサービスを入れてくるジョコビッチに対して、しっかりとリターンを返し、どんどんプレッシャーをかけていきます。まだバックハンドの微調整ができないジョコビッチのミスが重なり、15-30とポイントを先行すると、バックのショートクロスへのリターンエースを奪って、ブレイクバックのチャンスを掴みます。 と、今度はここで、ジョコビッチがダブルフォルト! フィッシュにブレイクバックを許してしまいました。 こうなると、俄然、フィッシュの集中力は上がります。ストロークが冴え、フラット系のバックハンドはキレを増します。この滑ってくるボールにてこずるジョコビッチ。第9ゲームこそ、積極的にボールを打ち込んでラブゲームでサービスゲームをキープしますが、第11ゲーム、そんなフィッシュの前にとうとう屈することになるのです。 最初のポイント、ジョコビッチがバックでいいボールをワイドへ打ち込むも、フィッシュがフォアでダウン・ザ・ラインへ切り返してウィナーを奪うと、次のポイントでもフィッシュはいいショットを連発。よく拾って返すジョコビッチでしたが、早いタイミングで捉えたバックハンドがショートクロスへ決まり、0-30とポイント先行。 ジョコビッチのワイドへのフォアにボールを返球できずに15-30となりますが、ジョコビッチの逆を突いてフォアでダウン・ザ・ラインへ切り返して(ジョコビッチのバックハンドがアウト)15-40と2つのブレイクポイントを握ると、最後はもう、これはフィッシュの執念でしょう。ラリーの応酬からジョコビッチが先にバックハンドをネットにかけて、とうとうフィッシュが1ブレイクアップ、6-5でサービング・フォー・ザ・セットを迎えるのでした。 そりゃもう、観客は大盛り上がりですよ。 そりゃそうだ、ここはアメリカ、セリビア応援ももちろんいましたが、雰囲気的には、8~9割がたフィッシュの応援。大応援です。 第12ゲーム、うまいサーブの配球で、ジョコビッチのリターンからエラーを誘い、キープに成功。第2セットはフィッシュが獲り返し、観客の歓声と拍手は、第3セットがはじまるまで鳴り止むことがありませんでした。 第3セット 第1ゲーム(ジョコビッチのサービスゲーム)、リターンを叩いてくるフィッシュが0-40と簡単に3つのブレイクポイントを握ります。もう、流れは完全にフィッシュでした。このまままくるかとさえ思いました。 しかし、ジョコビッチは、世界3位まで押し上げたメンタルの強さをここで発揮します。なんと、3本連続サービスエースを決めるのです。しかも、いずれも、威力のあるセンターへのエースではなく、速度を殺してコートの外へ大きく逃げていくワイドへのエース(でもって、どれもオンラインというほどの精度)。これには参りました。完全にフィッシュに行っていた流れを止めたどころか、その後の展開を考えると、流れを強引に奪ったという感じです。 そして、デュースからはセンターへの1stサービスを叩き込み、フィッシュのバックのリターンをアウトにさせると、最後はフィッシュがバックハンドクロスをサイドアウトさせるミス。ジョコビッチ、キープに成功です。 さらに、第2ゲームではすべてのサーブからリターンを叩くジョコビッチ。この駆け引きが、フィッシュにプレッシャーとなりました。15-30からダブルフォルトをおかすと、最後はようやく拾ったというリターンだったジョコビッチですが、フィッシュのバックハンドクロスを、センターからダウン・ザ・ライン(ワイド気味)へバックでウィナーを奪い、ゲームカウント2-0とリードを奪いました。 一気に畳み掛けようとするジョコビッチ、ミスも出ますが、ワイドへのサービスウィナーとワイドへのエースで第3ゲームもキープします。 第2ゲームこそ、ジョコビッチの駆け引きにやられてしまったフィッシュですが、その後はキレのあるストロークとビッグサーブで、ジョコビッチにブレイクチャンスを与えることはありませんでした。ジョコビッチのサービスゲームでも、ラリーではフィッシュのほうが押しているシーンも非常に多かった。しかし、ジョコビッチの集中力が途切れることはなく、ほんの少しの焦りがミスに繋がり、第7ゲーム(ジョコのサービスゲーム)では30-30まで迫りますが、あと一歩が届かない。 最後までいいプレーを続けたフィッシュでしたが、ブレイクバックをすることができず、最後はジョコビッチのボディを狙った2ndサービスにバックのリターンをアウトにさせ、試合が終わりました。 今大会、素晴らしいプレーの連続で、大会を大いに盛り上げたフィッシュでしたが、ジョコビッチが全豪の再現とも思わせるような戦いぶりで、相手の勢いを最後の最後で封じ込めました。見事な勝利でした(こうなったら、早くフェデラーによくなってもらって、真のガチンコ勝負を見てみたい)。 そんなジョコビッチ、今大会の優勝スピーチは、ジョークもなく、誰もがするお決まりの言葉しか口にはしませんでした。これは今大会の主役はフィッシュであると思ったからなのか(観客の気持ちを配慮してか)、それとも、現実味を帯びてきた世界1位という座を、現実味ではなく、現実にするために、何か決心をしていたことがあるからなのか。本当のところはわかりませんが、今シーズンはさらに貪欲なプレーが見られることだけは確かだと思いました。 フィッシュは本当に残念でした。しかし、試合が終わって、握手をしてお互い抱き合ったあとに、お前、本当にすごいよ、とでもいうように、ジョコビッチの頭を抱えて相手を讃えていた姿には、優勝できなかった悔しさよりも(当然、悔しいとは思いますが)、怪我に苦しみ、ランキングを大きく下げてしまったけれども、これからまた復活できるという自信を感じました。こんなに素晴らしいプレーができるならば、きっとまたAMS優勝のチャンスは巡ってくるでしょう。これからも頑張って欲しいと思います。 さて、素晴らしい決勝の余韻に浸りたいところですが、マイアミの大会がもう始まっています。ジョコとフィッシュの二人の活躍にも期待しつつ、また明日にでも、ドローと勝ち上がり予想をエントリしたいと思います。
posted by takezoh |00:35 |
テニス |
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〈PLO/AMS〉セルビア勢がアベック優勝 後編
いや~、この前の決勝戦、フィッシュにいいものをみせてもらいました。 セミファイナルでロジャーが負けた時には、ジョコとの再戦を見たかったのでちょっと残念に思ってたんですが、彼はすごかった!! 放送の中でフィッシュがロディックと同級生だとかいろいろ聞いているうちに、プレーも良かったのもあって、最後はフィッシュの応援しておりました(^^) 第3セットの第1ゲームのブレイクチャンスがほしかったですね。第2セットの終盤の勢いがすごかったので、勝てるかもと期待したのですが・・・・。
ジョコはあらゆる面で少しずつナンバー1に近づいていますよね。 フレンチオープンとウインブルドン等の結果次第ではトップ3のパワーバランスがおもしろくなってるかもしれないですね。
posted by ノーマン | 2008-03-26 02:38
〈PLO/AMS〉セルビア勢がアベック優勝 後編
ジョコビッチ優勝おめでとう!
そしてフィッシュ準優勝おめでとう!
ほんとにどちらも自分の持ち味を発揮した、いい試合だったと思います。
フィッシュは4回戦・QFが3セットのロングマッチになったのと、トップハーフだったためQFのあとの中休みがなく、ちょっと疲れが出ていたのかもしれませんね。シードではなかったので1試合多く戦ってましたし。でも最後まで落ち着いて、できることをすべてやったという感じでした。
ジョコビッチはさすがです。20歳にして貫禄が出てきたというか、勢いのある選手を止めるだけの技術やメンタルを備えているのですから。
続けて活躍するのは大変でしょうが、2人ともマイアミもぜひ頑張ってほしいです。
posted by 美咲 | 2008-03-26 08:09
〈PLO/AMS〉セルビア勢がアベック優勝 後編
またしてもそしてやっぱりジョコに優勝をさらわれてしまいました。
う〜ん。3連続エースか…ここ一番欲しい時に欲しいものを出せるのだ。集中して、目標へまっしぐら、一番充実して楽しい時期なんでしょうね。見てる方にも伝わってきます。
フィッシュも最初はありゃ〜一方的と思いましたが、やっぱりノってた事を証明してくれましたね。フラット、うらやまし〜。
マイアミドロー出ましたね。まだよく見てませんが、楽ドローでもタフドローでも、どんな相手も倒さなきゃいけないんだから元気にいい試合をみせて欲しいです。
posted by みどり | 2008-03-26 21:52
〈PLO/AMS〉セルビア勢がアベック優勝 後編
フィッシュ、止められちゃいましたね。惜しかった。でもよく健闘しました。
ジョコビッチは全豪でもツォンガの勢いを止めましたが、乗りに乗ってる感じですね。マイアミでも活躍しそうですね。
posted by バラージ | 2008-03-26 22:49
〈PLO/AMS〉セルビア勢がアベック優勝 後編
タケゾウさん、こんばんは。
本当に、いい試合でしたね〜! フィッシュがこんなにいい選手だったなんて、今まで知らなかった自分が恥ずかしいです。返す返すも、怪我でのブランクが惜しまれますね。いえ、怪我を経験したからこそ、こんなにいい選手になったのかも。いずれにせよ、その彼の晴れ姿を見ることができて、幸せいっぱいです。私も試合後に彼がジョコビッチの頭を抱えるような仕草をしたのが印象に残りました。ホントにナイスガイです。
またジョコビッチの強さには圧倒されました。心技体のバランスが凄いですね。次のNo. 1はナダルだと思っていたのですが、このままいくと永遠のNo. 2として歴史に残ってしまうかも……。クレーシーズン、ウインブルドンの結果がランキングを大きく左右しそうですね。
posted by slycat | 2008-03-26 22:52
>ノーマンさんへ
お返事遅くなりました。
いい試合でしたよね、IWの男子S決勝戦。第2セット途中(ジョコ4-2)までは、あぁ、このままさくっとジョコビッチが行っちゃうのかなぁ、などと思っていましたが、そこからのフィッシュは本当に素晴らしかった。私もこのまま行ってしまえ~、と思いました。
あのジョコビッチの3連続サービスエースときては、もうしょうがなかったでしょうか。それでも、その後もいいプレーを続けたフィッシュに拍手です。惜しかったなぁ…
トップ3の王座争い、ますます目が話せません。
posted by takezoh | 2008-03-27 17:25
>美咲さんへ
お返事遅くなりました。
長い試合を2試合連続やって、疲労も見えましたが、最後までフィッシュはいいプレーを見せてくれましたよね。見ごたえのある試合を決勝でもやってくれた二人に拍手です。
ジョコビッチは貫禄が出てきたというか、さらなる自信をつけて堂々たる戦いをしていましたよね。あの3本連続サービスエース、恐れ入りました。2大会連続優勝というのは難しいかもしれませんが、そして、フィッシュもけっこう厳しいドローになっているようですが、二人ともマイアミでも頑張ってほしいと私も思います。
posted by takezoh | 2008-03-27 17:28
>みどりさんへ
お返事遅くなりました。
ジョコが3本連続エースを決める2ポイント前、帽子を脱ぎましたよね。あれ、あとでプレスカンファレンスを読んだんですが、もともと帽子をかぶってプレーをするのは好きじゃないそうで(かなり日差しが強かったので、予防としてかぶっていた)、あの場面はやはり大事なところということから脱いだそうです。そして、3本連続して決めてしまう彼の強い精神力、さすがでした。
フィッシュのフラット系のバックハンド、すごかったです。ジョコもフィッシュもライジングショット炸裂ですごく面白かったです。
マイアミでも二人ともどもいいプレーを見せてくれれば嬉しいです。
posted by takezoh | 2008-03-27 17:34
>バラージさんへ
お返事遅くなりました。
フィッシュ、あとちょっとでした。惜しかったです。でも、それを止めてしまうジョコ、さすがでした。いい決勝戦を見せてくれた二人に感謝しております(やっぱり今年は「ライジング」がキーワードになりそうです)。
2大会連続、AMSを制するのは難しいかもしれませんが、昨年終盤、ナルバンディアンもやってのけましたし、行けるかもしれません。フィッシュも頑張ってほしいな~。
posted by takezoh | 2008-03-27 17:37
>slycatさんへ
お返事遅くなりました。
いい試合でしたよね。二人ともライジングが炸裂してラリーのテンポが速い、速い!
フィッシュがこんなに素晴らしいプレーができるというのは、日本にいると彼のプレーが見られる機会が少ないというのもあると思います。私も、こんなにいいプレーのできる選手だったなんて、今大会でようやく知ったという感じです。ロディックには遠慮してしまうのか、本来の力を発揮できないようですが、今度はぜひ、力を出し切ってもらいたいです。あれほどのプレーができるなら、勝てると思うんですよね。
slycatさんもあの握手のときの頭を抱えるしぐさ、印象に残りましたか。いいシーンでしたよね。苦労を味わってきたベテラン選手らしい、そして彼の性格がよくあられていたシーンだと思いました。
ナダルはハードコートでいいところまでは行くのですが、もうちょっとタイトルが欲しいところです。まだ21歳なので、期待したいと思います。
クレー・シーズンはナダルがまたほかを寄せ付けない活躍をしそうですが、フェデラーにのしかかるプレッシャー同様、ナダルもまたクレー・シーズンでは守るべきポイントが多いので、プレッシャーが大きくなるでしょうか。これから約3ヶ月の3選手の動向、非常に興味深いです。
posted by takezoh | 2008-03-27 17:45


