2008年01月26日
〈全豪OP2008〉いよいよ女子シングルス頂上決戦!
マリア・シャラポワ(RUS)[5] × エレナ・ヤンコビッチ(SRB)[3] 6-3/6-1 友人が私にメールで最初にスコアを知らせてきてくれたのは、シャラポワはが5-1とヤンコビッチを大きく突き放したときのことでした。やはりシャラポワ、このまま突っ走りそうだ、第2セットも同じようなスコアで終了しそうだな、そう思い、「あと30分くらいで試合が終わると思うから、そのときにまた状況報告お願い!」とメール返信したほどでした。 その後、友人がメールを送ってきてくれたのは、シャラポワが試合に勝ったあとだったのですが、第1セットのスコアがシャラポワの6-3になっている! おぉ、さすがヤンコビッチ、あそこから巻き返したか、などと(第2セットは1-6とはいえ)感心。家に帰って録画しておいた試合を観ると… ヤンコビッチ、第2セットは途中から泣いていましたね(正確には、目は充血し、明らかに泣くのを堪えていた)……。あとでインタビューを読むと、本当であれば棄権したかったほどだったとか。第2セットは、最初からもうサーブがまともに打てない状態でした。それでも、メディカル・タイムアウトをとり、コートにたち続けるヤンコビッチ。「あそこで棄権するのは、お客さんに対しても申し訳ないと思った」というようなことを彼女はコメントしています。
ホップマン・カップでハムストリングスを痛め、今大会に入っても、背中、右太ももを痛めているヤンコビッチ。昨年のからの疲れを明らかに引きずっていて、オフもいい調整ができなかったのでしょう。実況でも彼女の昨年の出場ゲーム数や1試合平均のコートに立っている時間の長さが紹介されていましたが(ベスト4のなかではダントツの122ゲームをこなし、コートに立っている時間もダントツで長く、2時間弱ありました。出場大会数が多いだけじゃなく、彼女は昨年、エナンの11大会に次ぐ、8大会という決勝進出大会数を記録しています)、このフィジカル問題は、今シーズンのもっとも最優先される彼女の課題であるとは思います。 それはそれとして、私はこの日のヤンコビッチに大きな拍手をおくりたい。試合直後からヤンコビッチが万全な体調で戦っていないことはわかりました。試合が進めば進むごとに悪化しているであろう負傷箇所。それでも、1-5というスコアから2ゲーム連取。シャラポワの強打もものともせず、それを早いタイミングでダウン・ザ・ラインへ切り返す。このヤンコビッチのプレーを観ながら、(フィジカル面がシーズンを通してある程度の状態を保つこと、という大前提はありますが)ヤンコビッチはこれからもシャラポワと互角、いや、それ以上の成績を残すだろうな、と思いました。 昨年のツアー最終戦、私は結局、ラウンドロビンのシャラポワ×イワノビッチの試合を観ないまま年を越してしまったのですが、決勝のエントリでsittercaburiさんが決勝はコーチとエナンの作戦勝ちだったというくだりで、イワノビッチらは「(シャラポワに)アングルショットで勝ちにいくと必ずシャラからさらに鋭いカウンターでくさびをさされていた」とコメントしてくださったことがあります。イワノビッチにもダウン・ザ・ラインへのカウンターはありますが、基本的にはクロス、逆クロスでポイントを奪っていく(いわばシャラポワと同系統の)タイプ。でも、ヤンコビッチはそのクロスや逆クロスに相手が鋭く打ち込んできたボールを、ダウン・ザ・ラインへ早いタイミングで切り返すのをもっとも得意としている選手。シャラポワのクロス、逆クロスのボールが少しでも甘くなれば、すぐさま逆襲をされることになります。 第1セット序盤こそ、なかなかそれが入っていかないというよりも、シャラポワのボールに弾き飛ばされる感じがありましたが、第1セット終盤の追い上げでは、最後の力を振り絞って、そこからポイントを奪う、あるいはシャラポワを振り回してポイントを決めていました(このシャラポワにも負けないメンタルの強さ、守備も含めた粘り強さもヤンコビッチをトップランカーにしている要素ですよね)。もちろん、シャラポワも今後、ヤンコビッチと戦うときは、その対策を充分に練って挑むだろうとは思いますが、(しつこいようですが、ヤンコビッチのフィジカル面が大前提として)今後はここまで大差をつけて勝利するのは難しくなるのではないでしょうか。 あっぱれなプロ根性を見せたヤンコビッチ。本当に素晴らしいファイトでした。今度こそ、決勝進出、そして初のGS制覇に向けて頑張ってもらいたいと思いますし、近い将来、それを実現する日がくると期待しております。 で、シャラポワですが、引き続き、好調ではあります。この日はサーブがこれまでよりも悪く、ヤンコビッチが追い上げてくるとミスが増えるという心の乱れはありましたが、ヤンコビッチがメディカル・タイムアウトをとり、治療をしにコートからいったん去ったときにサーブの練習をし、それでしっかり修正してきましたし。決勝も調子の良いまま迎えることになると思われます。 が、ひとつ不安材料があるといえば、ピークをエナン戦に持ってきてしまったかなー、ところでしょうか。もちろん、相手が違うからというのもありますが、エナン戦までの完璧なプレーからはやや下降気味にも見えました。個人的には、経験、メンタルの強さ、実力、総合的に見てもやはりシャラポワ有利、と思いますが…果たして、結果やいかに!? アナ・イワノビッチ(SRB)[4] × ダニエラ・ハンチュコバ(SVK)[9] 0-6/6-3/6-4 ハンチュコバはミスがほとんどなく、サーブよし、ストロークよし(深い!)、左右にボールを美しくコントロールして、イワノビッチを翻弄。立ち上がり、緊張なのかカタさがとれないイワノビッチを圧倒し、第1ゲームをあっさり奪取。第2ゲームに入っても、形勢は変わらず。ハンチュコバがまたしても先にイワノビッチをブレイクし、2-0とリードした… が、ここからイワノビッチが必死で食らいついてきます。執念ですね。ハンチュコバは徐々にサーブの確率を落とし、ストロークでのミスが増えてくる。そして、逆転され、第2セット第10ゲームはダブルフォルトで落としてしまいます(今大会はダブルフォルトの数は1試合に1個くらいしかなかったハンチュコバでしたが、この試合は5本。しかもけっこう重要な場面で出してしまったなぁ…)。 それでも、第2・3セットも、ハンチュコバのほうがプレーの内容では押していたんですよね(第3セット、先にブレイクチャンスを握ったのはハンチュコバだった)。イワノビッチの執念は表に出るからわかりやすいですが、ハンチュコバだって決してメンタルが崩壊してしまったわけではない。彼女にも勝利への執着心は十二分にあったと思います。でも、イワノビッチの執念にはかなわなかった。そういうことだと思います。 第3セット第9ゲーム、0-30とイワノビッチにポイント先行を許しながらも、そこまでポイントを重ねてきたのと同じように、自分の形で2ポイント奪う。しかし、30-40とイワノビッチに大きなブレイクポイントを握られたとき(ここでも、完全にハンチュコバの形だったんです)… ほんのちょっとした心の隙と言わざるを得ないでしょう。これで決まったと思ったボールを、イワノビッチが必死で追いかけ、ぎりぎりのところで拾い、ハンチュコバのコートへ返した、その瞬間。完全にハンチュコバの足が止まってしまっていた。慌ててラケットを出したハンチュコバ。体勢が崩れたままのローボレーは、イワノビッチのコートには戻りませんでした。 この試合、昨年のフォルティス・チャンピオンシップス(ルクセンブルク)の決勝に近いものがあったんじゃないでしょうか。あのときも、プレーの内容ではハンチュコバが勝っていたし、そのときも、第1セットはハンチュコバがイワノビッチを圧倒して獲ったんですよね。その後も、プレーの内容は悪くないのに、ミスが増えていき、イワノビッチに逆転を許してしまった。 第2セット、イワノビッチがようやく目覚めはじめたときも、まだリードしていたし、ラリーでもハンチュコバに分があった。そこを畳み掛けていけなかったのが痛い。残念です。 でも、これからもGS初タイトルのチャンスはある! この悔しさを跳ね返してほしい。 だから、私は期待を込めて、今年のインディアン・ウェルズの優勝予想をハンチュコバにしておきます!! 頑張れ、ハンチュコバ!!! さて、イワノビッチ。彼女の不安は、やはり「緊張」でしょうか。実力としては、もうシャラポワと互角に戦えるだけのものはあると思いますし、彼女もシャラポワに負けず劣らず、気の強さを持ち合わせています。昨年の全仏ほどにはならないとは思いますが…なので、それが一番の不安材料か。できれば第1セットを獲って、勢いに乗りたいところです。 さて、明日、日本時間11時30分からいよいよ決勝がはじまります。 PS:男子シングルスSF2試合をこれから観ます。コメント返しはその後でゆっくりさせていただきますので、もうしばらくお待ちください。
posted by takezoh |00:16 |
全豪オープン2008 |
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〈全豪OP2008〉いよいよ女子シングルス頂上決戦!
ハンチュコバ、惜しかったぁ~~! GS決勝進出、千載一遇のチャンスだったのに……。しかしまぁそこから甦ったイバノビッチを褒めるしかないのかな。彼女も2度目の決勝進出。さすがに前回ほどの緊張はないでしょう。これでジョコビッチとアベック優勝したりしたら、セルビアは大騒ぎ?(かつてベッカーとグラフが優勝したときのドイツのように)
シャラポワは順当勝ちですね。ヤンコビッチの状態を考えると、まぁ当然か。個人的には、自らの気の強さをきちんとコントロールしているシャラポワに対して、ヤンコビッチは気の強さを制御しきれず空回りしてしまうことがあるように見えるのですが、その辺が今後の課題となるのかなと(今回の試合は関係ありませんでしたが)。
テニス誌では逆に、諦めが早いことがある(これはイバノビッチについても)のが欠点だがそこが改善されてくれば女王の座も見えてくる、との指摘もありました。
決勝は6対4、いや7対3ぐらいでシャラポワ有利かなと思ってますが、将来の女王対決といった感じで非常に楽しみな1戦となりそうです。
posted by バラージ | 2008-01-26 01:58
>バラージさんへ
ハンチュコバ、惜しかったです。勝てた試合だったと思うんですよね。今はがっかりしているでしょうが、これをまたプラスに変えて頑張ってもらいたいです。
>個人的には、自らの気の強さをきちんとコントロールしているシャラポワに対して、ヤンコビッチは気の強さを制御しきれず空回りしてしまうことがあるように見える
確かに、おっしゃる通りだと思います。ヤンコビッチはそれでも、ずいぶん試合中のメンタルコントロールがずいぶん改善されてきたというか、審判にイチャモンつけたりしても、崩れたりはしなくなりました。ただ、もともと、そういうのも含めて、ある意味、観客へのアピール願望が強いタイプの選手だと思うので、コート上での喜怒哀楽はこれからも頻繁に見られると思います(笑)。
あきらめが早い…というのはわかるような気がします。決勝でもシャラポワのポイントをもぎ取る力が優れているのに比べ、イワノビッチは(気持ちはあっても)それが実際にできないというシーンがありましたが、そういうのも含めて、ですよね。シャラポワも17歳でウィンブルドンを制してから、いろいろあって、今の姿があるので、ヤンコビッチやイワノビッチも、経験がもっと彼女たちを強くしてくれることを期待したいと思います。
posted by takezoh | 2008-01-27 07:01


