2008年01月23日
〈全豪OP2008〉女子シングルスQF:シャラポワ×エナン
マリア・シャラポワ(RUS)[5] × ジュスティーヌ・エナン(BEL)[1] 6-4/6-0 シャラポワはほぼ完璧な試合をしました。特に第2セット、ミスがたったの5本という少なさ。一方、エナンは心配されていた以上に、調子の悪さは深刻でした。相手がシャラポワだったから、なおさら、そう見えたのかもしれません。とにかくエナンのショットがことごとく浅く、威力もキレもない。シャラポワにどんどん攻められてウィナーを量産されていく。 本来のエナンであれば、それでも切り返して形勢を逆転できる術を持っているはずなのに、それさえもできない。サーブも相変わらずの悪さ(しかも、センターばかりをついて、コースを散らす様子も見られなかったし、ダブルフォルトも痛いところで出ていた)。逆にシャラポワはサーブもいい。エナンは第2ゲームをブレイクされ、その後のサービスゲームも苦しい展開。
それでも、エナンが勝利へ活路を見出すチャンスはあったのです。やはり、ここまで調子がいいシャラポワにとっても、エナンの存在は脅威であることには違いありません。しぶとく、いつか巻き返してくるかもしれない。心のどこかにそんな気持ちがあったのでしょう。 5-3となった第9ゲーム、シャラポワはサービング・フォー・ザ・セットで、少し気持ちが崩れてきます。リードしているにも関わらず、早くエナンからセットを奪いたいという焦りが出始めます。ムキになって、ただスピンをかけて返球するだけになったシャラポワがミスを連発しはじめる。シャラポワのドロップショットに追いつき、逆にドロップショットで切り返したエナンがウィナーを奪い、ブレイクバックのチャンス。最後はシャラポワがバックハンドをネットにかけて、エナンにブレイクバックを許したのでした。 しかし、エナンは第10ゲームをキープできなかった。ここをキープさえしていれば、例えそれでも負けていたとしても、第2セットをあのようなスコアで落とすこともなかったのではないでしょうか。シャラポワはこの試合、第9・10ゲームだけは心理的にかなり揺れていたんです(彼女のスタッツにあるアンフォースド・エラーの数の大半は、この2ゲームに集まっています)。でも、キープできなかった。 第2セット、第2・4ゲームもシャラポワにブレイクを許したとき、エナンの勝利の可能性はほぼ潰えたと思います(私はそう思った)。ベーグルもあり得るだろう、と。第5ゲーム(シャラポワのサービスゲーム)で、ようやく、これこそエナンというフォアのダウン・ザ・ラインへのウィナーを奪いますが、時すでに遅し(いや、もちろん、エナンはあきらめていなかったでしょうが)。もっと早い段階で、遅くともそれが第2セット序盤で出ていたら、と思わずにはいられません。 第2セット、5-0と一方的なスコアになってしまった第6ゲーム、早い展開でどんどんネットにつくエナンですが、これもまた、状況を打開しようとするには遅すぎる戦い方。しかもボレーをミスしてしまう…15-40とシャラポワがマッチポイントを握ると、最後はエナンがバックのダウン・ザ・ラインをネットにかけて、試合が終了しました。 シャラポワは確かに完璧なプレーをしていました。ミスもほとんどなかったと言っていいでしょう。今から考えてみれば、エナンは試合の初めから、心理面で負けていたのかもしれません。カタさが最後までとれず、ラケットの振りも鈍く、エナンらしい展開がまったくといっていいほど見られなかった(何度も言いますが、もちろん、シャラポワがそうさせたというのもあります)。課題のサーブ(と、解説の土橋さんいわく、ネットプレーも改善の余地充分にあり)は、今大会のほうがツアー最終戦よりも、ダブルフォルトの数は減っているように見えるかもしれませんが、個人的には悪くなっているような気がします。本人もまだ改良過程なんだとは思うのですが… この敗戦、私は覚悟して見ていたということと、このプレーの内容では完敗して当然という気持ちがあるので、さほどショックはないのですが、エナンには相当なショックがあるような気がしております(試合中にすでにある程度ショックを受けていたかも)。これをどう今後に繋げてくれるのか。昨年のウィンブルドン、バルトリに痛い逆転負けをしてから、勝利を重ねてきたように、この敗戦が今後の活躍の糧になるのでしょうか(そうあってほしいとは思いますが)。 シャラポワはこれで優勝にぐっと近づいたと言えるでしょう。個人的には、ほぼ優勝を手にしたといってもさしつかえないかと思っています。今年はすぐにでも世界1位へ返り咲くのでは。彼女の場合は、そこから(追いかけられる立場になってから)が本当の正念場になると思いますが、まずは全豪初制覇ですね。今年はフェデラーではなく、シャラポワが失セット0どころか、どの試合もベーグルいただきの完全優勝、やるかもしれません。唯一の対抗馬はイワノビッチかなぁ(ごめん、ハンチュコバ)。でも、やはりシャラポワが優勢か。 かといって、勝負はフタを開けてみないとわからない…と書いたら、ヤンコビッチがセリーナを倒しましたからね。ほんと、どうなるかは最後までわかりません。
posted by takezoh |20:10 |
全豪オープン2008 |
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〈全豪OP2008〉女子シングルスQF:シャラポワ×エナン
シャラポワが勝つんじゃないかとは思ってましたが、ここまで一方的なスコアになるとは予想外でした。
シャラポワは絶好調ですね。恐らくこのまま決勝に進むだろうし、優勝の可能性もかなり高いんじゃないでしょうか。
一方のエナンは非常に心配ですね。彼女が本当の意味で「女王」と呼ばれるためには、今年GSで最低1回は優勝し、1年間1位の座をキープすることが必要だと思うのですが、GS優勝はまだしも1年間1位をキープするのは厳しいかもしれません。エナンは去年の全豪のポイントがゼロなので、まだ今のところは1位でいられるとは思うのですが……。
エナンとウィリアムズ姉妹がシャラポワとセルビア・コンビに打ち倒され、10代の選手たちの躍進。これは本当に世代交代が始まるかもしれません。
posted by バラージ | 2008-01-23 23:22
>バラージさんへ
シャラポワの強さは群を抜いていると思います。ミスもほとんどなく、これはほぼ優勝間違いなしなのでは。ボトムハーフの2人も可能性はなくはないのですが、今のシャラポワには穴がまったく見当たらないので、ベーグルは献上しないとしても、非常に厳しい戦いになるような気がします。
エナンは…昨年は成績としてはキャリア最高になったと思うのですが、プレーそのものは、個人的に2006年のほうが良かった気がします。もしかすると、プレー内容のキャリアハイは2006年で、ピークは過ぎてしまったのかもしれません。エナンは躍進してきたときから大好きな選手なので、そう言ってしまうのはさびしいのですが…全仏はまだ優勝の可能性が残っていると思いますが、ウィンブルドン、USオープンのタイトルはこのままでは厳しいかな、と。
ウィリアムズ姉妹もある程度は成績を残しそうですが、他の選手がもう脅威には思っていないような気がします。おっしゃる通り、いよいよ本当に世代交代かもしれませんね。
posted by takezoh | 2008-01-24 04:07
〈全豪OP2008〉女子シングルスQF:シャラポワ×エナン
Takezohさんから散々「危ない、危ない」と警告?があったし、私もある程度覚悟してはいましたが…。でも決して自分では口にしない様にしてたんです、だって言霊の国ですもの日本は。言ってしまったら恐ろしいではありませんか…! しかし、そんなささやかな願掛けなど所詮叶うはずもないのは当然のことながら、ベーグルまで食らうとは。。。
とはいえ、Takezohさんご指摘の様にシャラポワが非常によかったしエナン自身の出来があれでは…致し方ございません。
私としては、これを機に、本当に本気でサービス(ネットプレイもなんですか?まぁ何事にも学ぶに終わりはないですもんね)の改良に取り組んで欲しいな、と。常々、これでサーブがシャラポワやヴィーナス級だったら真正・女性版フェデラーなのに…と思っておりましたので。
そうは言っても、シャラポワの復活やセルビア勢をはじめ若手の台頭著しい昨今、仰る様に圧倒的な女王といわれる存在になるのはもう難しいのかも知れません。でも彼インタビューでは「今日の結果を受け、今後に向けて自分のテニスを再構築しなければならない」と言ってますので、まだ挑戦もしくは向上する気持ちを失っていないと思いますし(そう信じたい!)、まだまだできると思います。
そして、今年は何としてもWIMBLEDONをもぎ取ってもらいたいですね。個人的には、フレンチを犠牲?にしてでも。そうでないと年々チャンスが減る一方かと思いますので…。
posted by 和洋折衷 | 2008-01-24 12:49
>和洋折衷さんへ
すいません、口に出してしまいました、負けるという言葉を(汗)。あの二人の調子の差では、このスコアもいたしかたないな、と思いますよね。サーブもそうですが、ネットプレーは今大会は特にいまひとつというのが目立ちました。2006年くらいがネットプレーも含めて一番良かったような気がします。あの小さな体(相当鍛えていますが)で、どのショットもジャンプしながらひっぱたいていると、年齢的にも徐々に厳しくなっていくのかなぁ、という気はしています。
また、全豪が終わったら総括で書こうと思っているのですが、今大会はそのなかでも、エナン、フラットドライブ系のボールに最後まで苦労した感じが強いです(1回戦の中村選手との対戦でも、本人、口にしていましたが)。プレクシクッションはリバウンドエースよりもボールが弾まないというのも、シャラポワ戦では特にエナンには厳しいものになったのかも、と思います。
でも、
>「今日の結果を受け、今後に向けて自分のテニスを再構築しなければならない」
ということだそうですから、ここからまた這い上がってくるエナンの姿を見たいですよね。
全仏犠牲にしますか? 私はウィンブルドンよりも全仏に力入れたほうがタイトル獲る確率が高いと思うのですが…生涯グランドスラムは魅力的ですが、やっぱりウィンブルドンは厳しいかなぁ、と思っています(獲るなら、2006年、2007年で獲っておくべきだったかな、と)。なんてネガティブ発言したらダメですよね(苦笑)。言霊、言霊…
posted by takezoh | 2008-01-27 06:26
〈全豪OP2008〉女子シングルスQF:シャラポワ×エナン
>すいません、口に出してしまいました、負けるという言葉を(汗)
いえいえ、ファンを自称する者としては、と一人勝手に験を担いでた(しかもほぼ叶わないと知りつつ…験担ぐ時点で既に終わってますし!?)だけなんでどうぞお気になさらずに…こちらこそ変に気を遣わせてしまって?かえってすみません。
>あの小さな体(相当鍛えていますが)で、どのショットもジャンプしながらひっぱたいていると、年齢的にも徐々に厳しくなっていくのかなぁ、という気はしています
本人も、膝に関する質問(QF当日、膝に黒いテーピングしてましたよね)に答えて正にその点に少々言及してますね;「it's old problem. It's just my knee is getting old, and, yeah, probably have to rest a little bit now.」
いやー辛いですねぇ、こればっかりはどうしようもないし…。でも先日、北極点に到達した40代日本人女性の例もある様に諦めるには早すぎますし本人もそうしたくはないでしょうし、これまで以上の鍛錬を積んで、(暫定?にせよ)女王の面目にかけてもあと数年はトップランカーに留まって欲しいなぁと願っています。
>全仏犠牲にしますか?…生涯グランドスラムは魅力的ですが、やっぱりウィンブルドンは厳しいかなぁ、と思っています(獲るなら、2006年、2007年で獲っておくべきだったかな、と)
そうですね、現実的に考えればフェデラーでさえも厳しくなってきた生涯GSに固執するのは賢明ではないかも知れませんね。逆に、フレンチで踏ん張って、その勢いでWIMBLEDONに臨むという方が理に適ってるのかも(…でもそれでやってきて過去2年間取り損ねてるという非情な現実)。
仰る通り、フルセットまで行った対モーレスモ戦か、バルトリ相手に不覚を取った去年(2001年の対ヴィーナス戦もフルセットまで行ってましたね、残念)、何としてでも獲っておくべきでしたよねぇ。。。
ま、言霊の国出身の人間として、きっとエナンはやってくれる!!と、はかない(…って言っちゃダメですよね/爆)期待を込めてここに明記させていただきましょう!?
posted by 和洋折衷 | 2008-01-27 11:40
>>和洋折衷さんへ
私もエナンはいちばんのお気に入り選手なのですが、さすがに今回の勝ち上がり(調子)を見ていたこともありましたし、バルトリ・ショックがけっこうキツかったので(笑)、今回はショックを受けないように、覚悟していたというのがあります(笑)。
インタビューは読みました。膝はもう持病ともいえるかもしれませんね。あれだけハードコートでもクレーのごとく走りまくって守り、そこからジャンプしてハードヒットすれば、年々、回復も遅くなるでしょうし、今後はフィジカル面でも相当なケアが必要になってくることでしょう。でも、技術はもっともっと向上させられると思いますし、戦略面も含めて引き出しの多さは、やはりまだまだ若い選手にはかなわないものだと思いますから、あと数年は私もトップランカーでとどまってもらいたいと思います。
>2001年の対ヴィーナス戦もフルセットまで行ってましたね
若い頃の上り坂の勢いで、というのもチャンス大でしたねぇ…。2006年は勝てると思ったのですが、なかなかうまくはいかないもんです。
エナンは芝がいちばん苦手なので(それでもいい成績は残していますが)、あとは彼女のなかでどれだけ生涯GSにこだわりがあるか、ですよね。GS優勝時のスピーチを聞いていると、やっぱり最優先は全仏という感じがしますけれど…逆に今年、全仏を途中で敗退することになったら、燃えてウィンブルドン制覇、とかあるかも…と、またちょいネガティブ発言をしてしまいました(笑)。
とにかく、エナンのこれからの巻き返し、期待しています。
posted by takezoh | 2008-01-27 13:46


