2007年12月31日

今さらですが…2007年を振り返って(2)

女子のほうは、エナンの年だったと言ってもいいのではないでしょうか。

全豪を欠場したとはいえ、その後は出る大会のほとんどで優勝。ウィンブルドン・ショックはありましたけども、ソニー・エリクソン・チャンピオンシップス(ツアー最終戦)でそれを振り払うかのような怖い怖いダブル・ベーグルを敢行(笑)。USオープンではセリーナを一蹴、ヴィーナスも倒すと、その後はあっさり優勝。全仏も完全勝利でしたが、ツアー最終戦にいたるまでも圧倒的な強さで勝利を重ねました。

ツアー最終戦の決勝ではシャラポワがひと回り大きくなって復活、かなりの苦戦を強いられましたが、勝負師たる試合運びでシーズン最後も優勝を手にして、記録に残る1年を終えました。来年、同じような活躍ができるかは疑問ではあるのですが、今のWTAで女王と呼ぶにふさわしいのはエナンであることには違いないと思います。

その来年ですが、やはり彼女のなかでは全仏がもっともプライオリティの高い大会だと思うので、ウィンブルドン初制覇&生涯グランドスラムは今年以上に厳しくなるような気がしています。

というのも、やはりシャラポワが復活してきたからなのですが。来年は今シーズンのような不本意なシーズンにはならないはずです。仮に、全豪でまたセリーナと当たっても、今度は逆に、シャラポワがセリーナを玉砕するのではないかと思っていたりします。ツアー最終戦では素晴らしいプレーで決勝進出、それに伴って自信も取り戻したようですから、来シーズンはかなり怖い存在になるのではないでしょうか(こうなると、シャラポワ×セリーナよりも、シャラポワ×ヴィーナスのほうが面白いものになるんじゃないかなぁ、と思っております)。

同じロシアでは、チャクヴェタゼが今シーズンは頑張りました。相変わらずシャラポワは苦手なようですが、彼女のプレースタイルなら、安定した成績を来シーズンも残してくれそうです。一方、クズネツォワは、なかなか安定しません。いいもん持ってるのに(技術面で)、もったいない(笑)。精神的な部分での我慢強さを鍛えて、大舞台ではその我慢強さと大胆さをうまくコントロールできるようになると、2つめのGSタイトルも夢ではなさそうなのですが、今のままだとちょい厳しいかなぁ。個人的にはものすごく応援しているので、ぜひとも頑張ってほしいのですが。

セルビア・コンビは後半、やや失速してしまいました。ヤンコビッチに関しては10戦全敗で、しかも、最近はあっさり負けてしまうことが増えてしまっているのが気になります。いつかエナンに勝てるとは思いますが、その勝敗をひっくり返すのは難しそう…。イワノビッチはエナンとはまだ3戦しかしていませんが(こちらも全敗)、対戦数がまだ少ないからとかではなく、爆発力・一発の力のあるイワノビッチのほうが、そのうちエナンと互角に戦っていけるようになる気がしないでもない(加えて、GS優勝もイワノビッチのほうが先にしそうな…)。

でも、いずれにしても、この二人は来シーズンもしっかり結果を残しそうですね。同じセルビアなら、ジョコビッチが一番心配だったりします。ま、男子と女子と比べても仕方ないのですが。

個人的には来シーズン、いちばん期待シしているのがゴロヴィン。今シーズンは怪我で全仏を欠場してしばらく不本意な時期がありましたが、終盤に来て、しっかりと結果を出してきていました。展開力はもともと素晴らしいものがありましたし、最近ではサービス力もアップしてきています。エナンともいい戦いを繰り広げていましたから、来シーズンはトップ5に食い込む活躍を期待したいです。

同じ若手では、バイディソバも病気で不本意なシーズンを過ごしました。とはいえ、病み上がりでも好成績を残しているところはさすがです。ステパネクと婚約したという衝撃的(?)な話がありますが(バラージさん、情報ありがとうございます!)、これで精神的に安定して、目覚しい活躍をしちゃったりなんかして??? ステパネク、そうなるとアゲ男ですな(笑)。

若手といえば、(特にUSオープンで)台頭してきたティーンエイジャーたち。エナンにとってはまだまだ怖い敵とは言えないと思うものの、サバイはもうちょっとランキングを上げてきそうですよね。怪我の具合にもよりますが。ここに森田あゆみ選手が加わってくれると、私としては非常に楽しくなるのですが。

ただ、若手に限らずですが、これからランキングをがっつり上げていきたい選手にとっては複雑な心境になる存在、ダベンポートが復活しました。今シーズンはウィリアムズ姉妹がその役回りだったと思うのですが、それが落ち着いてきたと思ったら、今度はダベンポートですよ。おそらく、GS含めて大きな大会にある程度出場しそうな感じがあるので、混戦に拍車をかけそうな気がします。

とはいえ、他のベテラン勢、モレスモやペトロワらの元気がないのが気がかりなところです。クライシュテルスは引退しちゃったし、ウィリアムズ姉妹はコンスタントに大会に出るかは微妙ですし、ダベンポートもある程度は成績を残してランキングも一気に上げてきそうですが、圧倒的な強さがあるかといえば、そうではない。ヒンギスも引退(しかも大きな謎を残したまま)してしまいましたから。ハンチュコバもディメンティエワも物足りない。

そう考えると、結局のところ、来シーズンは若手とってもっと上を目指すチャンスのあるシーズンになりそうか。とすると、今シーズンは最終的にウィリアムズ姉妹がトップ10に食い込んできましたが、来シーズンもトップ10に名を連ねる顔ぶれは、あまり代わりがなく、そこにゴロヴィンやバイディソバが入ってくるかどうか、になりますよね。

あとはピアーやバルトリ、サフィナがどこまでトップ10の選手たちの脅威になれるか。サファロバなんかもそうですが、あとひとつ壁を突き破れない選手たちは、金星は上げても、同世代のトップ選手にはなかなか勝利を重ねていけないところがあると思うのです。さらに上に行くには、ここをなんとかしたい。うかうかしていると、サバイやアザレンカ、パシェク、ラドワンスカ、クライチェクらが後ろに迫ってきそうだ。

あとは日本人選手。杉山選手はダブルスでは活躍しましたが、今シーズンのシングルスはいまひとつ。本人のダイアリーを読む限りでは、不調の原因はわかっているようなので、なんとか食い下がってもらうとして、森上選手や中村選手も物足りないシーズンで終わってしまったのが残念です。森上選手はなかなか調子良さそうだったんですけども…。来シーズンは興奮させてくれる活躍を期待しています。

あ、途中から怪我でツアーに出ていなかった李那。その間にランキングも下げてしまいましたが、彼女も忘れてはいけませんね。来シーズン、またランキングをトップ10まで上げる活躍をしてもらいたいなぁ、と思います。

とにかく、まずは来年早々にある全豪ですね。

皆さんにとって、今シーズンはどんな1年だったでしょうか。
今年も本ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
TMCの途中からほったらかしにしてしまいましたが、気持ちを入れ直して、ぼちぼち(気持ちを入れ直すと書いているのと矛盾してるがな)更新していきたいと思います。

年末になっていちだんと冷え込んでまいりましたが、皆さま、お体にはくれぐれもお気をつけて、よいお年をお迎えください。

posted by takezoh |04:03 | テニス | コメント(4) | トラックバック(0)
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今さらですが…2007年を振り返って(2)

 女子はやはりエナンなのですが……どっちかっていうと彼女が圧倒的に強かったというよりも、ライバルたち(モーレスモ・シャラポワ・クライシュテルス)が落ちていったor引退した、という印象が強くて、文句なしの女王とまではどうしても言い切れないものを感じてしまいます。
 やっぱり来年もますます混戦でしょうかねぇ。ウィリアムズ姉妹は不安定で体調とモチベーション次第というところがありますし。そしてシャラポワが終盤に来てようやく復活してきたので、やはり彼女も女王を争う存在となるのではないかという気がします。
 そうそう、なんとチャクエターゼは自宅に強盗が押し入ったとかで、これも驚きのニュース。チャクエターゼと両親が強盗に縛り上げられたとかで、とんだ災難でしたが、シャラポワとのエキシビション・マッチには元気な姿を見せていたようでホッとしました。
 そのチャクエターゼに加えて、ヤンコビッチ・イバノビッチ・ゴロビン・バイディソバといった若手勢(個人的にはサファロバにがんばってほしい)、さらに年下のアザレンカ(早くもゴールドコースト1回戦で杉山選手を破ったようです)やサバイ・ウォズニアッキ、ベテラン勢では復活のダベンポートが気になる存在。
 日本人選手では、杉山選手にもまだまだがんばってほしいし、ツアー初優勝を遂げながら浮き沈みの多かった森上選手やいまいちだった中村選手にもがんばってほしいですが、やはり若い森田選手、さらには奈良選手にも期待したいと思います。

 2度目になってしまいますが、takezohさん、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。

posted by バラージ | 2007-12-31 17:55

>バラージさんへ

 確かに、今シーズンはライバルたちが引退したり、不調だったりと、エナン優勝を阻む選手に物足りなさがあったと思います。ただ、逆にそれが、ほかの選手とエナンとの間にある大きな差を強調していたようなシーズンでもあったことや、彼女の試合っぷりを観ていると、精神的な面も含めて「強い」と感じるのは他にいないので、印象が強くなるんですよね。女王だなぁ、という。
 ただ、ツアー最終戦のシャラポワを観る限りは、来年は今シーズンほどエナンがタイトル数を稼げるかといえば、厳しくなりそうです。私も、また彼女が世界1位の座を奪取する可能性を感じます。全仏は難しそうだとは思いますが、それ以外のGSはいくつか獲りそう…かな??

 チャクヴェタゼのニュース、読みました。怖いですよね。強盗に入られただけならまだしも、縛られたっていうのが…無事でよかったですが、ああいうのはトラウマにならないんでしょうか。

 アザレンカ、杉山選手に勝ちましたか。ぐんぐん伸びていますね…若手の話をするときに、森田選手の名前が当たり前に出るようになってくれるととってもうれしいのですが。奈良選手もこれから期待される選手ですよね。日本も若年化しているというのはいい傾向でしょうか。もちろん、ベテラン選手にもまだまだ頑張ってテニス界を引っ張っていってもらいたいですが、ベテランと若手が双方で活躍すると、より活性化しそうなので、ますます応援に力が入ります。

 こちらこそ、今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

posted by takezoh | 2007-12-31 18:49

今さらですが…2007年を振り返って(2)

 先月号の『スマッシュ』「スマッシュ調査団」では、「いったい誰が女王なのか?」がテーマでした。近年、文句なしに女王だったと言えるのは引退するまでのグラフ、97~99年頃のヒンギス、03年頃のセリーナだが、最近は誰が女王なのかよく分からない。
 エナンはウィンブルドン準決勝でバルトリに敗れたのが印象面で痛い、とのこと。女王たるものが敗れていいのは、緒戦で不覚を取るか、決勝近くで強いライバルに敗れる場合だけ。準決勝で明らかな格下に敗れるというのは印象が悪く、エナンは時々そのような印象の悪い敗戦があるのがマイナスになるとのことでした。一昨年の「スマッシュ横綱審議委員会」というテーマのときにも、全豪決勝での棄権敗退という印象の悪さ(観客に対する印象の悪さもさることながら、対戦相手のモーレスモは初のGS決勝で、もしかしたら唯一のGS優勝(になるかもしれない)が相手が棄権したため、という印象が強くなってしまう。対戦相手に対する気遣いの点でもマイナス印象とのこと)から横綱昇進が見送られていました。
 ウィリアムズ姉妹は、強さの点では文句なしでも、出場頻度が低過ぎるのが問題点。セリーナなどは過去10年でGS4大会にすべて出場した年が3度だけというのはこれまた印象が悪い。ヒンギスの場合は、96年から最初の引退となった2002年まですべてのGSに皆勤賞。97年から同じく2002年まででベスト4以上に進めなかった大会がわずかに3つ。女王にはこのような安定感が必要なのだ、とのことでした。
 それでも誰か一人を選ぶなら現在の女王はエナンだろうが、文句なしの女王と言われるためには、2008年にも07年並の活躍をすることが必要。08年に不振・低迷するようだと厳しい。
 セリーナも女王でもいいのだが、会見後の態度が悪かったりするのが問題点。朝青龍のような問題児的存在という印象になってしまう、とのことでした。

posted by バラージ | 2008-01-03 15:39

>>バラージさんへ

情報ありがとうございます。
なるほど、(当たり前ですが)さすが専門誌の分析は細かいところまでしっかりされていますね。

確かに、グラフやヒンギスなんかは誰が観ても「女王」たる戦いぶり、成績でしたから、現在も含め、その後は彼女たちと比べてしまうと、「女王」という言葉も使いづらいところはありますよね。

エナンは今年も優勝は重ねるとは思うのですが、昨年と同様の活躍ができるかといえば、やや不安です。そういう意味ではテニス史を語る上での「女王」には弱すぎると私も思います。

女子はまだまだ一時代を築き上げる女王が出てこないんでしょうか。今年も混戦になると思うので、絶対的な女王が現れるのにはまだ時間がかかるかもしれませんよね。

posted by takezoh | 2008-01-04 02:01

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