2007年10月26日
続・ダビデンコの気になるニュース
今年の夏、オレンジ・プロコム・オープン初戦(2回戦)でニコライ・ダビデンコがマルティン・バサジョ・アルゲージョに負けた試合が八百長であるという疑惑が持ち上がったという話は、当時、私のブログでも書きましたし、テニスファンの皆さんもご存知のことと思います。 調査はいまだ続いており、詳細についてはまったくわかりません。しかし、最近はアンディ・マレーがフライング発言をしてATPを激震させたり(ESPNのこちらのページを見ると、マレー発言を含む賭け問題についての最近のさまざまなニュースをご覧いただけます)、日本の一般紙でもテニスにおけるこの問題が取り上げられるなど、USオープン終了後はまたいろいろ動きが出てきています。 私自身は、まだ何も真相に関するニュースが出ていないので静観しているのですが、本日Yahoo!(アメリカ)でこんなニュースを発見。マレー発言に(本質的に)近いニュースだと思ったので、これについてエントリすることにしました(同じニュースはESPNなど他のスポーツニュースサイトでも見ることができます)。
記事の内容を要約しますと… サンクトペテルブルクでの大会でダビデンコは2回戦、マリン・シリッチを相手に第1セットを6-1で獲ったものの、第2セットを5-7で落とし、結局、第3セットも1-6で落として負けたのですが、第3セット0-3になったとき、なんと、主審のジャン=フィリップ・デルクしがダビデンコに、試合を投げるなんていう間違った行為はするな、というようなことを言ったそうです。ニュースには 「rebuke from chair umpire」とあるから、ダビデンコは主審から非難された、ということになります。しかも試合中に。 主審がそのようなことを発言したのはなぜかということについてですが、ダビデンコのコメントによると、どうもその発言より前に、チェンジサイドの際、主審がダビデンコにコンディション(フィジカルの、ってことでしょう)を聞かれたらしいんです。で、そのときは、ダビデンコはただ「OK」とだけ答えたそうなのですが、試合が進むごとに脚に問題が出てきて第1セットのようにはプレーできなくなった、動けなくなり、主審に脚に問題があることを伝えたといいます。ダビデンコいわく「それで主審はそういう発言をしたのだろう」。 第1セットはダビデンコがどこからでもウィナーを量産、たった27分で決着がついたようですが、第2セットはダビデンコがダブルフォルトを連発してシリッチが奪取、セットオールに持ち込みます。第3セットに入ってもダブルフォルトを連発したダビデンコは0-3とシリッチにリードされ、そこで主審の警告を受けることになるわけです。 ダビデンコはこうコメントしています。 It really knocked me out and I lost my serve and the second set and psychologically I was no longer on the court. I was completely switched off. It’s a rare thing but it has happened. 「試合には勝ちたいと思っていたが、勝てなかった。本当にショックだった。第2セットに入ってサーブのリズムを失ったし、精神的にも、これ以上コートにいられないと思った。完全に僕のスイッチはオフになってしまった。こんなことはめったに起こらないけど、今日はそれが起こってしまった」という発言になるのだと思いますが、この文章だけでは、サーブのリズムが狂ってメンタルが低下したのか、主審の警告が結果としてメンタル低下につながったのかがいまひとつ理解しにくいのですが、いずれにしても、主審のこの発言はいただけない。 八百長試合への関与については、真相はまだ明らかにされていません。もしかすると本当にダビデンコ、もしくはその周囲の人間が本当に関与しているのかもしれません。しかし、現在のところはダビデンコやマネージメント側も関与を否定していますし、調査で詳細が明らかになっていない。主審個人がどう思おうと勝手ですが、試合を円滑に進めるべき主審が、その個人的な結論を警告という形で持ち出すのは違うんじゃないでしょうか。ぜひ、この主審のコメントが聞きたいですね。 それに、ダビデンコに疑惑がかかっている間って、ダビデンコの試合への賭けってストップになっているんじゃないのかな(じゃなかったとしたらそれも問題ですよ)。そもそも、他の選手が途中リタイアしたりするのだって、どこまで本当か本人のみぞ知ることですし、第1セットは相手を圧倒できても、何かのきっかけでそれ以降、まったく別人になることなんてざらにある(反対も然り)。そういうのをこれまで主審たちは何度も目にしてきているはず。はっきり言って、マレー発言よりも問題。マレー発言のニュースなんて、まだかわいらしいもんです。 しかし、ダビデンコは嫌われているのか(苦笑)? 歯に衣着せぬ発言はたまにするけど、コートマナーが悪いわけじゃないし、誰かを非難する発言とかも聞いたことないですけどねぇ(マレー発言にはお怒りでしたが)。 テニス界も、ある程度社交的じゃないと生きにくいんですかね…。 【追記】 えんつぉさんより、このダビデンコの発言にATPが罰金を課したという情報を教えていただきました(米国Yahoo!のニュースはこちらです)。 どうやら、ダビデンコの「試合には勝ちたいと思っていたが、勝てなかった。本当にショックだった。第2セットに入ってサーブのリズムを失ったし、精神的にも、これ以上コートにいられないと思った。完全に僕のスイッチはオフになってしまった。こんなことはめったに起こらないけど、今日はそれが起こってしまった」という発言によって、無気力試合を行なったと判断され、罰金を課せられたもよう。 このニュースによると、上記のニュースよりもよりダビデンコの発言の意図が明確になっています。「(第3セットの)第3ゲームをダブルフォルトで落としたとき、主審に警告を受けた。彼がそんなことを言うなんて、ただただショックだった。非常に侮辱的な発言だ。僕がどうしようとしてるかなんて、彼がどうやったらわかるというんだ? すべてのことに僕は憤りを覚えている」ということで、やはり、ショックだったのは主審の発言だったようです。そして、ダビデンコは泣いたみたいですね。 確かに、プロとして「やる気がなかった」というような内容とも取れる発言はよろしくなかった。仮にもトップ4プレイヤーですからね。このあたりはダビデンコ、今後は気をつけないといけないところでしょう。彼はきっと正直すぎるんでしょう、これまでもストレートな発言をしていますから。ただ、今後は言葉を慎重に選ばなければならないと思います。まぁ、彼の英語力という問題もあるんでしょうけど、ここは克服していかねば。 しかし、それよりも、私は主審の発言のほうがよっぽど問題だと思います。憶測だけで試合中に、まるでダビデンコは黒だといわんばかりの発言。ダビデンコは好調のときでもよくダブルフォルト、連発してますよ? でも、リターンゲームもいいので、それでもブレイクバックして勝つことも多い選手です。まだ負けるかわからない試合、怪我の状態もどうなのかわからない試合で、リタイアするなよ、という発言はどうなのでしょうか。本人は脚の状態が悪かったようですが、リタイアしなかった。もし、脚の状態が悪化するようなことになったらどうするつもりなんでしょう。 また、テニスはメンタル・スポーツといわれるスポーツです。すでに3ヶ月もの間、針のむしろ状態にいるダビデンコが、ごくごく個人的な推測を試合中に持ち出されて、メンタルにどれくらい影響するか考えなかったのでしょうか。ダビデンコに罰金を課すならば、この主審も同様に罰金を課すべきです。 ATPは言ってましたよね、今回の八百長疑惑での心配のひとつに選手の評判が失墜しないようにしなければならない、と。他の選手もそれについては心配を口にしていました。こういう一連の対応は、選手にさらなる不安をあおるでしょう。真相を究明すると同時に、真相が判明するまでは、選手の保護もATPの役割。主審の発言に対しては何の疑問も感じないのでしょうか。さすがに今回の一件は、ダビデンコが気の毒で仕方ありません。
posted by takezoh |20:29 |
テニス |
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続・ダビデンコの気になるニュース
こんにちは。
ダビデンコですが、この試合のあとATPに呼ばれて聴取をうけ2000ドルの罰金を支払わされることになったそうです。
http://sports.yahoo.com/ten/news?slug=reu-menst_petersburgdavydenko&prov=reuters&type=lgns
ショックな内容で試合に負けて、さらにその試合がいわゆる無気力試合だったと判断されてしまって、罰金まで言われるなんて。罰金よりATPからそんな判断をされたことがショックでしょうね。
ダビデンコの今後の試合に影響が出ないか心配です。次戦はディフェンディングチャンピオンのBNPパリですが。
posted by えんつぉ | 2007-10-26 21:52
>えんつぉさんへ
情報ありがとうございます。ダビデンコはプロとして「やる気がなくなってしまった」という発言は確かにいただけないものだと思いますが、そのきっかけを作った、憶測だけで警告を与えた主審には何も制裁はないのでしょうか。そちらのほうが問題だと思うのですが。3ヶ月も針のむしろ状態のダビデンコはきっと、その発言ではりつめていたものが切れてしまったのかもしれまえん。おっしゃるとおり、パリに影響が出ないか非常に心配ですね。
あとでエントリに追記させていただきたいと思います。
posted by takezoh | 2007-10-26 22:08
続・ダビデンコの気になるニュース
おはようございます。タケゾウさん、熱くなってますね! でも、その気持ちわかりますよ、怒って当然。
ここで紹介いただいている限りの情報からすると、その程度でそんな大きなお世話警告をするわけ?という印象しか湧いてきませんもの。
ダビデンコの発言、私からすれば、試合を投げたというよりも、自分のあまりの腑甲斐無さに意気消沈してしまったというようにしか読めません。開き直ってるわけじゃないし、投げやり感は伝わってこないけどなぁ。まぁ、ここで、相手の健闘を称える一言でも付け加えておけば問題はなかったのかもしれませんが(笑)
しかし、負けた選手によるこの程度の”ガッカリ発言”なんて、しょっちゅう目にしてるような気がするけどなぁ。タケゾウさんがお怒りになってるように、主審のほうに八百長事件への予断があった上で出てきた発言だとしか私も思えませんね。ナダルやリュビチッチの爪の垢を煎じて飲ませあげたいものです。
posted by hΛl | 2007-10-27 09:07
>hΛlさんへ
あはははは、罰金のニュースでちょっと熱くなってしまいました(笑)。ダビデンコは事実そのまま、気持ちそのままをコメント、というのはよくあるんですけど、いずれにしてもATP側もかなり過敏になっている感じがします。あと、メディアには悪意は感じられないとはいえ、マレーの件にしても、ダビデンコを精神的に追い詰める不穏な空気があるような、ないような(苦笑)。これで無実だったら、本当に悲惨です、ダビデンコ。よくトップ5を保ってるなぁ、と(ま、出場大会数が多いってのもあるんですけど)。
テニス界全体に疑惑がかけられて嫌な気持ちになっている選手もいるでしょうし、ATPには早期解決を望みます。あとは抑止するための対策を充分に練ってほしいですよね(賭けそのものを禁止すればいいという声もあるようですが、賭け会社から報酬のようなものもあるんでしょうし、おいそれとはATP側も禁止と言えないんだろうな、と憶測しちゃってます)。
posted by takezoh | 2007-10-27 16:17
続・ダビデンコの気になるニュース
後味の悪いニュースですね。
具体的に疑われているわけではないですが、ヒューイットも今年のアデレードでの試合に関して名前が出て、本人ムッとしているようです(苦笑)
故障や体調の具合での棄権をいちいち疑われていては、選手は大変ですよね。それでなくてもツアーのスケジュールは過酷なのに。ホントにその後の選手生命に影響するようなことになったら、どーするんでしょ。
posted by momo | 2007-10-27 20:37
続・ダビデンコの気になるニュース
『テニマガ』『スマッシュ』などによると、来年の全豪オープンは賭け行為そのものが全面禁止になったそうです。もともと全豪では会場に賭けを行うコーナー(?)があり、賭けそのものは文化として定着しているそうなのですが(ウィンブルドンなどでも観客の多くは賭けをしているのだそうです)、さすがにこういう事態となっては賭けそのものを全面中止せざるを得なくなった、とのことです。
ちなみに、ヘンマンも「自分は持ちかけられたことはないが、そういうこと(八百長)があるという噂は聞いたことがある」と言ったとのことです。八百長を持ちかけられた(が、もちろん断った)という選手が次々に名乗りをあげているし、また他の選手から持ちかけられた(が、もちろん断った)という話を聞いたという選手も何人かいるとのこと。実際に八百長があったかどうかは別として、八百長の噂を聞いたことがある選手は多いのではないでしょうか。マレーの発言もそのあたりから出ているように思います。
やはりこの問題は長引きそうですね。もともと白黒をはっきりつけにくい問題ですし……。
posted by バラージ | 2007-10-28 00:35
>momoさんへ
ヒューイットの試合も取り上げられているニュース、私も当時、読みました(確かEUROSPORTで)。ヒューイットはここ数年、怪我の連続だったのに、リタイアしただけでそういう目を向けられると、そりゃむっとしますよね。ダビデンコの試合の調査は調査で別として、ATP側がきっちり(主審にも)この件についてリードしていかないといけないですよね。他の選手にも影響しかねないですし。
posted by takezoh | 2007-10-28 18:17
>バラージさんへ
そうですか、さすがに全面禁止なのですね。そうじゃなかったらだめですよね。
ちなみに、ダビデンコの試合が問題になったあと、続々と選手が八百長試合の噂があるとか、匿名の人物に持ちかけられたことがある(そして断った)とか、メディアに話をする(というか、記者が聞く)ニュースが多くて、さらにはベルディッチなんかは、ATPが元マフィアの人を呼んで、一応抑止策としてなんですが、そういうことがあるという事実を選手たちに話してもらう機会を作ったり(それが果たして抑止策になるんだかは疑問ですが)なんていうニュースがあったりしたのはずっと読んでいたのですが、まぁ、マレーの場合は「トップ選手でやっている人がいる」と言い切っちゃいましたからねぇ…
ナダルやリュビチッチがさすがにその発言はあかんやろ、ということで物議をかもしていたのですが、結局、マレーはその後コメントを二度修正したそうです(他の人と同じコメントになった)。彼がなぜそういう発言(最初の発言)をしたのかは、メディアには語られずなので、ATPのみぞ知るという形になっています。
ATPと賭け会社、ヨーロッパのスポーツ協会みたいなところとでセキュリティ・アソシエーションを2003年の八百長疑惑問題のあと作ったようですが、これってニュースを読む限りは、イレギュラーな賭け金額の動きを報告するのみの機能しか持っていないようです。あれだけ当時騒ぎになったのに、何の対策(防止策)を練っていなかったのかと逆に思ってしまうのですが…
他のスポーツ(NBAとか)でもFBIが乗り出して調査をしているというような話になっていますし、今回の件も真相究明は非常に難しそうですね。ギャンブルがスポーツ振興に一役買っていることもあるでしょうから、ATPとしては悩みどころなのかもしれませんが、八百長を持ちかけてくる選手はプレイヤーズ・ラウンジに直接電話をかけてくるとのことですし、そういうことがあればあとで報告するのではなく、その場で即報告できるような場を設けたり、その後即調査できる体制を整えていくしか、今はないのかもしれません。
posted by takezoh | 2007-10-28 18:32
>>バラージさんへ(追記)
↑
>八百長を持ちかけてくる選手はプレイヤーズ・ラウンジに直接電話をかけてくるとのことですし、
「八百長を持ちかけてくる人はプレイヤーズ・ラウンジに直接電話をかけてくるとのことですし」の間違いです。失礼しました。
posted by takezoh | 2007-10-28 18:34
続・ダビデンコの気になるニュース
Takezohさん、こんにちは。
ダビデンコの罰金についてですが、ダビデンコのアピールが認められて、罰金は撤回されたそうです。よかったですね。
http://www.atptennis.com/1/en/2007news/davydenko_appeal.asp
マスターズカップ初戦ではロディックに負けてしまいましたが、そんなに悪い試合じゃなかったみたいですし(ダブルフォルトも1個だけ)、フェデラーがゴンザレスに負けてレッドグループは混戦模様なので、ダビデンコがゴンザレスに勝ったらわからなくなりますね(対戦成績では3-0ですから)。
posted by えんつぉ | 2007-11-14 00:20
>えんつぉさんへ
いつも情報ありがとうございます。
ダビデンコ、よかった、よかった。ダビデンコからのアピールもあったようですが、きっと周りからもATPに対して、そういう意見が出たんでしょうね。そりゃそうだ(笑)!!
ダビデンコはいいプレーするんですが、調子がいいときでもミスが多いほうなので、サーブ以外でも首を絞めているところがあると思います。でも、フェデラーにもゴンサレスにも勝てるだけの力はあると思うので、ぜひとも頑張ってもらいたいです!!
posted by takezoh | 2007-11-14 08:05


