2007年09月18日

今さらUSOP2007:ヴィーナス×ヤンコビッチ

ヴィーナス・ウィリアムズ(USA)[12] × エレナ・ヤンコビッチ(SRB)[3] 6-4/1-6/7-6(4)

 女子シングルスQF、ヴィーナス×ヤンコビッチの試合をやっと観ました(遅っ!)。
 SFのエナン戦でヴィーナスが突然(?)、ガクッとフィジカルが落ちたので、この試合はどうなんだろうと思ったのですが、まぁ、さすがに最終セットは脚のふんばりがきかなくなりつつありました。ただ、エナン戦では、貧血のような症状だったということなので、この試合での疲労はまた違うのかもしれません(激しい戦いが影響を及ぼしたのかもしれませんが、それはわかりません)。

 全体的な感想としては、エナン×ヤンコビッチで「ヤンコビッチ、勝てなくはなかったはず」と思うのと同様に、ヴィーナスにも勝てたよな、というのが正直なところ。ヴィーナスは第3セット序盤までは、まだサーブ(1stサービス)に安定性を欠いていたし、何よりも、ヤンコビッチはヴィーナスに対して、まったく臆することなく、いや、むしろ、精神的に優位にも立てていたと思います。

 それは、過去の対戦成績(ヤンコビッチの3勝2敗)にもあります。もちろん、いずれもフルセットまでもつれていますが(でも、負けても、イワノビッチのように、コロッとやられているわけではない)。

 ヴィーナスの強烈なサーブ、ストロークを押し込み(というか、ねじ込み)返し、長いラリーになると、ヴィーナスにミスが増えて、ヤンコビッチがラリーを制する。よく見えているんですよね、ヴィーナスの動きを。すべって食い込んでくるヴィーナスのボール、他の選手なら、それを返球するので精一杯になるところなのでしょうが、ヤンコビッチには余裕すら感じました。

 こうして、第1セット、2ブレイクアップで4-1としてから、第6ゲームをヴィーナスにひとつブレイクバックされるものの、そのまま第1セットを奪取。第2セット第1ゲーム、いいポイントの直後にダブルフォルトをおかして、なかなかいい形でポイントを重ねていけないヴィーナスに、絶妙なタイミングでロブを上げて、ブレイクに成功。流れはヤンコビッチに傾きかけた…はずなんです。

 しかし、直後の第2ゲーム、ヤンコビッチは少し守りに入ったように見えました。絶対にキープすべきゲームをイージーに行きすぎたような気がします。逆にヴィーナスは、流れを止めたいわけですから、少しでも甘いボールが返ってくると、それを見逃すはずはありません(特にヤンコビッチがフォアでクロスに打ったボールが甘くなると、すかさず、ダウン・ザ・ラインへ切り返してポイントを簡単に奪うことができるようになってきた)。

 第2ゲーム、ヴィーナスはブレイクバックに成功すると、第4ゲームもブレイク。さらに、1stサービスの確率が上がってくる。一方、ヤンコビッチはラリーでのしぶとさが影を潜めて、早いうちにミスを出してしまう。これで第6ゲームもブレイクを許し、結局、ヴィーナスは第2ゲームから6ゲーム連取。セットカウント1-1にします。

 ヤンコビッチは第2セットでフラストレーションを露わにしていましたが、第3セットは気持ちを切り替えて入ります。一方、ヴィーナスは、第2ゲーム、第8ゲーム、第12ゲームとヤンコビッチにデュースに持ち込まれまずが、ここぞというときのサーブが入り、ヤンコビッチ押し切る。

 そして、タイブレークにもつれ込みます。

 ここで、ヤンコビッチが堅くなってしまった。ヴィーナスも気持ちが逸ってミスをしますが、ここにきて、ヴィーナスがラリーでヤンコビッチばりの粘りを見せる(お互い、なかなかウィナーが獲れないので)。それまでは長いラリーを制していたのはヤンコビッチのほうが多かったのに、タイブレークで、ヴィーナスの1ポイントへの執念が勝った、そんな感じでした。6-3からヤンコビッチも1ミニブレークして、ヴィーナスのマッチポイントを逃れますが、最後は、コートのなかにどんどん入ってくるヴィーナスの前に屈しました。

 どちらが勝ってもおかしくない試合だったと思いますし、改めてヤンコビッチは、現在のWTAのなかでは、エナンとともに、ヴィーナスの好敵手だと再認識しました。ただ、悔いが残るのは第2セット第2ゲームだったのではないかなぁ、と思います。あそこで確実にゲームを獲れるようになれば、ヴィーナスの好敵手ではなく、本当の意味でヴィーナスの上に行く選手になれるのかも、と思ったりしました(そして、エナンにも勝てるようになるんでは、と)。

 また、ヴィーナスですが、エナン戦の前にヤンコビッチと対戦、というのは、エナン(や、他の選手)にとっての、セリーナ戦のあとにヴィーナスと対戦(その反対でもいいですが)、というのにちょっと近かったかも。これまでウィリアムズ姉妹を破って優勝する選手がほとんどいなかっただけに、そちらのほうばかりにスポットライトが当たっていましたが、実際のところ、状況はエナンもヴィーナスも同じだったんじゃないかなぁ、と思った試合でした。

posted by takezoh |03:26 | USオープン2007 | コメント(2) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:今さらUSOP2007:ヴィーナス×ヤンコビッチ

> また、ヴィーナスですが、エナン戦の前にヤンコビッチと対戦、というのは、
> エナン(や、他の選手)にとっての、セリーナ戦のあとにヴィーナスと対戦
> (その反対でもいいですが)、というのにちょっと近かったかも。
こんにちは。うーむ、鋭いです、なるほど! たしかに、エナン VS. ウィリアムズ姉妹 のわかりやすい構図の前には霞んでしまうかもしれませんが、ヴィーナス VS. ヤンコビッチ → ヴィーナス VS. エナン というのも、それにひけをとらないぐらいにキツそうですよね。考えてみれば、あれだけ、勢いのある人、強豪が固まってしまったトップハーフだから、誰が出てくるにしても、QF,SFの連戦は相当厳しいものになるのは予想できたわけで、タケゾウさんのお言葉ごもっともだと思います。それにしても、全てストレートという省エネプレーで最後までいってしまったエナンのほうに、やっぱり分があったのでしょうね。
ヤンコビッチはエナンのときもだと思うんですが、ベテランのビッグネームを相手にするとどうも勝ち流れを掴めないところがあるような? バリのQFでダベンポートにフルセットで負けてしまったのもなんだか気になります。

posted by hΛl | 2007-09-19 07:51

>hΛlさんへ

 そうなんですよね、ヴィーナス×ヤンコビッチのここまでの対戦を考えれば、ヴィーナスにとっても嫌な相手だったと思いますし、その通り、簡単には勝てなかったですから。そのなかで、エナンがまさかハードコートでセリーナにもヴィーナスにもストレート勝ちしたというのは、ちょっと意外でしたけれども(ヴィーナスはけっこう競ったので、ストレートという印象は薄いですが)。今さらながら、なんでウィンブルドンの準決勝で大逆転を食らったのか疑問です。
 それにしても、ヤンコビッチ、まさか復帰したばかりのダベンポートに負けるとは思いませんでした。それまで3戦全敗はしていましたが、最後はけっこう競ったし、今回は出産直後で30歳すぎたダベンポート…ただ、ヤンコビッチはちょっと大会に出すぎのような。女版ダビデンコみたいです(笑)。
 ヤンコビッチはどちらかというと、カウンターパンチャーに分類されますが、「バックハンドは私を裏切らない」と言っているように、もっとその得意のショット(基本的にフォアも含めてダウン・ザ・ラインになりますでしょうか)に確実に持っていける展開を早めに仕掛けられるようになると、また違ってくるのかなぁ、とは思いますが、ビッグネームの選手たちはそれをわかっているので、なかなかそうさせてくれないですよね。いいところまではいっているので、頑張ってもらいたいのですが。

posted by takezoh | 2007-09-19 10:36

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