2007年09月09日
〈USOP2007〉エナン、4年ぶり2度目の優勝を手にする
ジュスティーヌ・エナン(BEL)[1] × スベトラーナ・クズネツォワ(RUS)[4] 6-1/6-3 クズネツォワにはもっと最初からトップギアで入ってほしかったなぁ。 もともとややスロースターターではあるのですが、これは決勝。しかも、相手はエナン。何回戦だろうが、どんな選手だろうが、立ち上がりからギアを上げて入る上に、ウィリアムズ姉妹を撃破し、優勝への意欲をあらわにしていただけに… まぁ、でも、久々のGS決勝の舞台(しかも2004年のUSオープン優勝以後はこれでまだ2度目)。簡単に勝てる相手でもないということで、緊張があったのでしょう。思い切りの良さがまったく出ないまま、エナンのペースで試合が進んでしまうことになりました。 それでも、チャンスはあったんですよね。いずれもエナンのダブルフォルトを含むミスからではありましたが、第1セット第4ゲームで30-40とブレイクポイントを握ったし、第2セット第5ゲームも15-40と2つもブレイクポイントを握っていた。最後のゲームでも、観客からの奇声の影響か、エナンがダブルフォルトを2連発したことできっかけを掴み、30-40とするんですけどねぇ。
しかし、試合を通して、クズネツォワは自分から積極的に攻めていないことが、肝心なところ(チャンスボール)でのミスに繋がってしまう。こういうときこそ、ふだんは控えてほしいと思っている無茶打ちをしたほうが、何か吹っ切れるんじゃないかと思ったりしました(笑)。ちなみに、ナブラチロワは「カモン」とつぶやいていました(ちょうどそのシーンがTVに映った)。 そうさせたのは、もちろんエナンです。エナンは最初から最後までさすがのプレーを貫きました。ミスやダブルフォルトでクズネツォワにチャンスを与えるものの、ここぞというときに入れてくる1stサービス、そしてサービスエース。ラリーではどんどん先に仕掛けてポイントを奪う。クズネツォワに左右に振られても、不安だったフィジカルの問題はどこへやら、クズネツォワをしのぐコートカバーリングで、形勢逆転、逆にウィナーを奪ってしまう。 最後のゲームは、上記で述べた通り、ダブルフォルトを連発してしまいますが(さらに、1回目のデュースからもダブルフォルトをしてしまっています)、最後の最後までどんどんコートの中に入ってネットをとり、必死でエナンのボレーを追いかけて返球したクズネツォワの上を、冷静にバックハンドでロブを上げて試合終了。圧勝の優勝でした。 昨年の決勝では、観ているほうまで硬くなってしまうほど、エナンの緊張がすごかったと記憶していますが、今年は、最初から最後まで自信に満ち溢れていました。優勝した瞬間、スタンドへ駆け上がってコーチやスタッフと抱き合う姿、充実感が漂っていたと思います。完璧な優勝と言っていいと思います。 今年の全仏でも完璧な優勝をしましたが、クレーはエナンのもっとも得意とするサーフェス。ハードコートでのこの優勝(しかも復活した地元選手、ウィリアムズ姉妹を退けての優勝)はまた違った意味を持ち、これがさらなる彼女の自信と向上に繋がるのではないかと思います(そうするとますますウィンブルドンでの優勝に期待が高まりますが…)。 一方、クズネツォワ。表彰式で無理に笑顔を作っていましたが、暗かった…負けたことより、自分らしさを出せなかったことに、自分でガッカリしているのではないかと思いました。でも、ここまでの勝ち上がりで、メンタル面で非常に成長した部分を見せてくれたと思います。この悔しさをバネに、今後も頑張ってほしいと思います(なお、この準優勝で、シャラポワを抜いて世界2位になりました)。 ということで、エナン、2度目の優勝、おめでとう。 天晴れでした!!
posted by takezoh |21:30 |
USオープン2007 |
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この記事に対するコメント一覧
Re:〈USOP2007〉エナン、4年ぶり2度目の優勝を手にする
クズネツォワは、去年の全仏に続いてまたもGS決勝でエナンに敗れてしまいましたね(GS決勝は3度目だと思います)。
クズネツォワは、対チャクベターゼ戦のときも出だしが悪かったようですが、勝負師エナン(とテニス誌ではよく呼ばれてます)は決してそういうところを見逃さなかったというところでしょうか。すげぇなぁ、まさに「侍」。今1番女王に近い存在と言っていいのかもしれませんね。おめでとうございます。
posted by バラージ | 2007-09-10 01:14
Re:〈USOP2007〉エナン、4年ぶり2度目の優勝を手にする
> クズネツォワにはもっと最初からトップギアで入ってほしかったなぁ。
同感です。セレナ、ヴィーナスとの戦いを観れば、エナンが最初から飛ばしてくるのはわかってたと思うんですけどねぇ。わかっててもどうにもならないエナンの凄さなんでしょうか。
それにしても、US Openの女子の決勝って、ここ12年は2セットマッチなんですってね。その例に漏れずとなってしまったのは残念でしたが、エナンの強さが圧倒的なんだから仕方ありません(笑)
全豪の欠場が決定したあの時期から、本当にいろいろなことがあったろうと思います。そういうのを乗り越えた人が持つ強さが備わったんでしょうかね。
本当におめでとう、エナン。勝つべき人が勝ったという試合ぶりでした。
posted by hΛl | 2007-09-10 01:42
>バラージさんへ
あ、ご指摘ありがとうございます。USオープン優勝以後は2度目、と書くつもりが、抜けていました。確かに昨年の全仏決勝でエナンにやられてます、彼女。
クズネツォワもなんだかんだ言ってまだ22歳ですし、もともとメンタル的な部分は克服しなければ、と言われていたので、まぁ、今回のこのプレーはある程度予想できたのかもしれません。にしても、バカ打ち無茶打ちでもいいからバンバン打っていってほしかったんですけど(笑)。これからに期待します。
しかし、エナンはすごかった。すべての試合を観たわけではありませんが、1回戦から決勝まですべて全開モードだったんじゃないでしょうか。ウィンブルドンの悔しさもあったかもしれませんねぇ。ますます貫禄出てきました。
posted by takezoh | 2007-09-10 02:33
>hΛl さんへ
クズネツォワの笑顔つくりづらそうな表情は、観ていてちょっと胸が痛くなりました。
12年連続ストレートセットで決着というのはぜんぜん意識していなかったのですが、決勝戦は意外に凡戦になる、とはいえ、ちょっと驚きでした。クズネツォワが自分のプレーをしていたとしたら、果たしてファイナルセットまで行ったかどうかはかなり疑わしいですが(笑/いや、クズネツォワの実力云々ではなく、それほどエナンはパーフェクトだったということで)。
いろいろ辛いこともあったでしょうが、家族との絆も取り戻したようですし、これからも充実したテニス人生(もちろんプライベートも)を歩んでほしいなー、と思います。
posted by takezoh | 2007-09-10 02:41
Re:〈USOP2007〉エナン、4年ぶり2度目の優勝を手にする
WOWOWの勝敗予想では、10対1くらいでエナンになってましたよね(笑)NYでは6対4くらいですよとダバディさんがおっしゃっていましたが、それくらい、テニスファンの目には、エナン強しと映っているのでしょう。
皆さんと全く同感でして、思ったことをそのまんま書いてくださったので、そのあたりは割愛します(笑)エナンももちろん調子が悪い時があったり、格下に取りこぼしすることはあるでしょう。というより、自分以外は全員“格下”なんですけどね(笑)この強さを一体誰が打ち破っていくのでしょう。そのあたり興味深いですが、現状では、自己最高の世界2位に上がるクズネツォワだけでなく、セルビアの二人も、ウィリアムズ姉妹もエナンを女王から引きずり下ろすのは当分難しそうですね。 来季はズバリ年間グランドスラムをエナンに期待できるかも!?とちょっと気が早いですが思ったりします。全仏の4?連覇もそうですが、ウィンブルドンの初優勝は特に見てみたいですね。でも、これほどまでの結果を残してきたエナンでさえ、過去の伝説的な選手たちと比べると、記録的にはまだまだ及ばないようで、まだキャリアの半分にも達していないのかもしれません。まだこれは“序章”に過ぎなかったりして!?少なくともまだ前半戦なのかもしれませんね。こちらのサイト、ご存知ですか?一応ご紹介させてくださいね。→http://www.theworldoftennis.com/open_era_standings/women_overall.html
エナンだけではないですが、とにかく怪我で長期離脱などということのないよう、それだけが心配です。皆さんもどうもお疲れ様でした。この後行われる男子のファイナルで、寝不足からもようやく解放されそうです(笑)もう、時差ボケみたいになってます。って一年中!?
posted by t | 2007-09-10 04:28
>tさんへ
サイトの情報、ありがとうございます。グラフやナブラチロワは別格ですよねー。私がまだ若い頃、決勝戦といえば、ナブラチロワ、グラフでしたから。この記録を超えることは、よっぽどの逸材が出ない限りは無理なんじゃないかと思ってしまいます。セリーナやヴィーナスが故障がなく、コンスタントにツアーに出ていれば、不可能ではなかったかもしれませんが。
それにしてもエナンは本当に素晴らしかったですね。やはり、ウィンブルドン優勝はどうしても期待してしまいますが、まだ本人としては、芝で自分のリズムで試合を続けていくのはとても難しいと語っているようです。セリーナには芝で勝ちましたが、ヴィーナス、そして長期休暇に入っているモレスモがもし万全でのぞんだならば、どうなるでしょうか。今のエナンであれば、芝で彼女たちに勝つことも不可能ではないような気がしますが…
ただ、年間GSは(期待しつつも)まだ難しそうかなぁ、とも思ったりします。もともと胃腸が弱そうなのがその理由なのですが(よく帯状疱疹を口元につくっていて、心配になります/笑)。でも、フィジカルさえ万全であれば、可能かもしれませんね。全仏4連覇はいちばん確率高そうです。
ほんと、昼夜逆転しておかしくなっています。まだマスターズ・シリーズ、ツアー最終戦などは残っていますが、テニス・ファンはこれで少しゆっくりできますよね(選手はそうはいきませんが)。tさんも観戦お疲れさまでした。
posted by takezoh | 2007-09-10 09:31
Re:〈USOP2007〉エナン、4年ぶり2度目の優勝を手にする
僕は、エナンにはウィンブルドン優勝も期待してはいますが、その前に来年の全豪での優勝を望みたいですね。去年は決勝で棄権、今年はプライベートな理由で欠場と、あまりいい印象を残していないように思うので……。
posted by バラージ | 2007-09-10 23:56
Re:〈USOP2007〉エナン、4年ぶり2度目の優勝を手にする
tさんご紹介の Women's Overall Open Era Standings 拝見しました。クリス・エバートがあんなに高いなんて少し驚きですが、ナブラチロワよりトップになった時期が4年ほど早かったから、思ったより勝数があるのかな。そのクリス・エバートの半分なんですね、今のセレナでも(^_^; 昔みたいに一人女王が年間や生涯のGSを易々ととってた時代と今は違うから、たいへんですよね。選手のレベルは昔より今のほうが平均してきてるのかなぁ。
posted by hΛl | 2007-09-11 02:45
>>バラージさんへ
すいません、こちらもお返事遅くなりました。
確かに、昨年は途中リタイア、今年は欠場で、全豪のエナンはいい印象はないというか、印象が薄れつつありますよね(苦笑)。全仏4連覇やら、生涯GSやら、いろいろありますが、まずは全豪タイトルを、という感じでしょうか。さすれば、年間GSも…いや、体が弱いというか、病気に弱いし、肩や背中は万年病になりつつあるので、それは難しいか。
posted by takezoh | 2007-09-18 04:05
>hΛlさんへ
お返事がとても遅くなってしまいました、申し訳ありません。
私もクリス・エバートが意外にも高いのは少し驚きました。にしても、おっしゃる通り、今のWTAでは、ナブラチロワやグラフのような記録を作るのは難しそうですよね。 ウィリアムズ姉妹は、怪我(の他にも理由はありますが/笑)などがなければ、エバートあたりには近づけたかもしれませんよね。。。
posted by takezoh | 2007-09-18 04:14


