2007年09月08日
〈USOP2007〉女子シングルスSF:クズネツォワ×チャクヴェタゼ
スベトラーナ・クズネツォワ(RUS)[4] × アンナ・チャクヴェタゼ(RUS)[6] 3-6/6-1/6-1 テニスは究極のメンタルスポーツであるとはよく言いますが、この試合はまさにそれ。 第1セットはクズネツォワがまんまとチャクヴェタゼのペースにはまって自滅。 いきなりブレイクを許し、第2ゲームですぐにブレイクバックするものの、21本ものミスを量産して、1ゲーム(第7ゲーム)しか自分のサービスゲームをキープできずに終了。 第2セットの立ち上がりも、第1セットの流れを引きずったまま。第1ゲームをチャクヴェタゼがキープし、第2ゲームも、クズネツォワのミスが重なり0-40となります。 ちなみに、第1セットはどのゲームも1stポイントを獲ったほうがゲームを獲るパターンだったので、あ~、これで一気にチャクヴェタゼが行くなぁ、などと思っていました。 しかし、その考えは裏切られました。
バックハンドクロス(アングル)のウィナー、チャクヴェタゼのリターンアウト、ラインぎりぎりに入ったフォアのダウン・ザ・ラインへのウィナーとクズネツォワが3ポイント連取して、デュースに持ち込むと、3回のデュースを経て、クズネツォワがキープに成功。 特に、それまでなんとなくミスを恐れて打っていた(それがさらにミスを生む)のを、1回目のデュースでチャクヴェタゼにアドバンテージを握られたときに、回り込んでのフォア、ダウン・ザ・ラインに勇気を出して打ったボールがウィナーになったことが、ひとつ、試合の分岐点になったような気がします。 考えが裏切られたのは、クズネツォワが最初のポイントを獲られながらもキープしたことではなくて、その後、それまでクズネツォワを完全に手玉にとっていたチャクヴェタゼが、ブレイクできなかったことで急に崩れて行ってしまったこと。 観ている方としては、第1セットも奪取しているし、単にキープされただけやん? と思ってしまいますが、このあたりは、コート上の2人しかわからない感覚とかあるんでしょうねぇ。もちろん、クズネツォワのショットがいいところに入るようになるというのもあるんでしょうが。 そんなこんなで、チャクヴェタゼは第3ゲーム、ダブルフォルト2連発、ラブゲームでクズネツォワにブレイクを許してしまいます。 そこから、チャクヴェタゼはハードヒットを多用するようになるのですが、クズネツォワにしたら、ハードヒットしてきてくれたほうが、やりやすかったはず。 チャクヴェタゼが相手を翻弄しているときは、相手の力を利用してラケットコントロールだけでボールをプレイスメント、そのなかに、自分から早いタイミングで打ちに行き、そのときには完全に相手はボールに間に合わず、というパターンが多く、第1セットはそれが見事にハマっていた。にも関わらず最初からハードヒット。しかも、ポイントを早く獲りたい焦りからか、ラリーをする前に自らミス。 第2セットはチャクヴェタゼの自滅により、クズネツォワを楽にしてしまいました。 それでも第3セットの第1ゲーム、クズネツォワは40-0としながらも、チャクヴェタゼにデュースに持ち込まれ、2回目のデュースでブレイクに成功。第2ゲームもウィナーを奪うたびに自らを奮い立たせるようにしてガッツポーズ。クズネツォワもまだボールを置きに行くようなシーンが多く、打点が前になってミスをしていましたから、まだ挽回のチャンスはあったと思います。 まぁ、ここはクズネツォワのメンタル面での成長を褒めるべきでしょうか。たぶん、2005年~2006年あたりのクズネツォワだったなら、第2セットの序盤で崩れたままカムバックすることはなかっただろうし、第2セットを獲り返していても、第3セットの第1ゲームをブレイクされたら、再びメンタル低下していただろうと思われます。 しかし、もうそのクズネツォワの姿はありませんでした。第3セット第2ゲーム、30-40からミスでデュースになるものの、リターンダッシュを見せてチャクヴェタゼにプレッシャーをかけると、最後はクズネツォワのストレートへ持って行ったスライスに食い込まれたチャクヴェタゼはフォアをサイドアウトにさせてしまい、クズネツォワはブレイクバックに成功します。 これでさらに焦ったチャクヴェタゼ。第4ゲームもブレイクされ、厳しい状況に立たされます。第5ゲームは粘りましたが、クズネツォワの執念のほうが勝った。2回目のデュースでダウン・ザ・ラインへフォアでウィナーを奪うと、最後、チャクヴェタゼはいいリターンを返しながらも、チャンスボールでフォアをアウトにさせてしまい、クズネツォワの4-1となります。 第6ゲーム、どちらも決めきれずにミスを重ね、2回デュースになりますが、クズネツォワは冷静に相手の嫌がるコース、嫌がる回転をかけてプレッシャーを与え、チャクヴェタゼのミスを誘い、またしてもブレイクに成功。 クズネツォワのサービング・フォー・ザ・マッチでは、もうチャクヴェタゼは諦めていました(のように見えた。非常に残念です)。簡単にミスをして、そのまま試合が終わりました。 試合後のインタビューで、チャクヴェタゼは「第2セット序盤まではストレート勝ちできると思っていた」とコメントしているようですが(かなりショックだったようで、インタビューがむっちゃ短いんですけど)、う~ん、つまりは過信した、油断したということでしょうか。クズネツォワがそのまま崩れてしまう、と。やはり、そこがターニングポイントだったのでしょう。まぁ、仕方ないですよね。この経験があとあと、どう彼女にとってプラスになるか。強気な彼女のことなので、いまはかなりショックでしょうが、この敗戦を糧にさらに大きくなってもらいたいと思います。 一方、クズネツォワは、「ベストなプレーはできなかったけれど、自分にとっては大きなチャレンジになった。それができたことを誇りに思う」とコメント。やはり、USオープン初優勝がプレッシャーになり、勝てなくなった経験のあるからこその勝利だった、と。よかったねー、と思います。はい。 ということで、クズネツォワが久々にUSオープンの決勝に進出。エナンに分があるものの、フィジカル面でいえば、クズネツォワに有利。いい試合を期待します。
posted by takezoh |10:30 |
USオープン2007 |
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Re:〈USOP2007〉女子シングルスSF:クズネツォワ×チャクヴェタゼ
あぁ、チャクベターゼ……やっぱり駄目だったか。残念。
この試合、第2セットまで見てた(というかラジオ状態で聞いてた)んですが、そこで眠さに負けてしまいました。ビロビロ画面をビデオにとっても仕方ないし。
第1セットはクズネツォワが凡ミス連発で自滅してましたが、第2セットになってクズネツォワの調子が戻ると、逆にチャクベターゼが凡ミス連発になっちゃってましたね。
チャクベターゼは、パワーに頼らないテクニック派という日本人好みの選手で、顔立ちも可愛らしいので、優勝とかすれば日本でも人気が出そうだなぁとか思ってたんですけどね~。『スマッシュ』では「安定感はあるが爆発力はないので、GS優勝は難しいタイプ」とよく評されてます。昔大好きだったマヌエラ・マレーバみたいなタイプ? キリレンコの話題が出たときにも書かれてましたが、「ヒンギスは歴代女王の中でも(男子におけるマッケンローのような)特殊な例」だそうで、まぁその通りなんだろうな~。とりあえず東レに来てくれないかな?
一方のクズネツォワですが、3年ぶりの優勝のチャンスかも。フェデラーに「1番好きな選手」と言われた実力を証明してください(でもフェデラーは前はヒンギスのテニスが好きって言ってなかったっけ?)。
posted by バラージ | 2007-09-08 13:57
>バラージさんへ
お返事遅くなりました。
いやぁ、第1セットの流れだと、チャクヴェタゼ本人もコメントしているように、完全にチャクヴェタゼがストレート勝ち、という雰囲気になっていたんですけどねぇ。第2セット第2ゲーム、ブレイクできなかっただけで(まだおせおせなのに)、あんなにも崩れてしってしまったのでしょうか。ふだんの勝気さがマイナスに出てしまいましたね…残念です。
ヒンギスは、爆発力はなくても、相手を完全に食うだけの頭脳プレーと技術がありましたもんねぇ。よく憎たらしいと言われていましたが、本当に憎たらしい(笑)強さがありました。ああいう選手はもう二度と出ないのかもしれないですよね。
日本に来てくれますかねー。これまでは中国遠征していたみたいですが、JTAが働きかけてくれることを期待します。
クズネツォワ…自分のプレーができずに、エナンにあっさり負けてしまいました。エナンに優勝してもらいたいと思いつつも、複雑な心境です(笑)。
posted by takezoh | 2007-09-09 21:39


