2007年08月29日

〈USOP2007〉大会2日目 ナイト・セッション2試合

 さて、ナイト・セッションは、女子1試合、男子1試合が放映されました。その試合の様子をば。

マリア・シャラポワ(RUS)[2] × ロベルタ・ヴィンチ(ITA) 6-0/6-1

 もう少しでダブル・ベーグルという屈辱的なスコアになるところを(ま、あんまりこのスコアでも充分に屈辱的なのですが)、第2セット第6ゲームでヴィンチ、食い止めました(デュースまで行ったのですが)。第1セットはシャラポワから奪ったウィナー0、第2セットもそこまで1ポイントしかウィナーを奪えていませんでしたが、その第6ゲームで、ボレー、そしてフォアのダウン・ザ・ライン、ぎりぎりボールが入ってウィナーを2つ奪いました!!

 このゲームをキープしたあと、ヴィンチはまるで試合に勝ったかのように喜んでガッツポーズ。観客も「ヴィンチ頑張れ!」ムードになっていたので、一緒に喜んでいましたね。こういう彼女のキャラがあるから、6-0/6-1というスコアでも、シャラポワのサーブにもストロークにも圧倒されっぱなしでも、まったく試合には悲壮感はありませんでした。やれることは最後までやった、本人もきっとそういう気持ちで試合を終えたんじゃないでしょうか。

 で、シャラポワなのですが、解説では「すごいフルパワーのショット」を連発していたように思いますが、個人的にはまだまだシャラポワのフルパワー・ショットはこんなもんじゃないと思います。かなり余力を残したショットだったような…ただ、スウィング・スピードは速いですから、まぁ、かなりスピンをかけるタイプのヴィンチにしたら、持ち上がらないのも仕方ない(ほとんどネットにかかってましたから)。ヴィンチはネットプレーを多用する選手でもありますが、ネットに果敢に攻めても、パスが強烈で、これまたネットが多かったしなぁ。

 シャラポワはいつになくネットに出て行ってポイントを奪うシーンも多かったでしょうか。心配だった脚や肩もまったく心配なさそう。1stサービスの確率は相変わらず悪いままなのですが、コースや球速、回転もよく考えて打ち分けていましたし、そこからポイントを奪うのが早い。

 第2セット第7ゲームは40-0としながらも2本連続ダブルフォルトでもたっとしましたが、スキのない1回戦の戦いぶりだったと思います。


アンディ・ロディック(USA)[5] × ジャスティン・ギメルストフ(USA) 7-6(6)/6-3/6-3

 今シーズンで引退と言われているギメルストフ。今シーズンは1回も勝ってないらしいのですが、この日は非常にいいプレーをしていました。この日はロディック、サーブが非常に好調だったため、なかなかリターンができず、ブレイクチャンスはほとんどめぐってこないのですが(第3セットになると、かなりタイミングが合ってきた、というか、読みが当たって、リターンエースを奪うシーンが増えましたが)、自分のサービスゲームでは、第1セット第1ゲームこそデュースまで持ち込まれましたが、その後はほとんど危なげなく。アプローチショットも良かったし、ボレーもいい反応で、いいところに返す。

 それでも、ロディックはこの日、よく体が動いていて、ボールをしっかり追いかけていました。なので、抜けないこともありましたが、見事なランニングパスが出たりで、いいポイントを奪っていましたね。

 あと、ラリー戦でもギメルストフのストロークが良かった。特にバックハンドでウィナーや、ウィナーの布石になるショットを放っていました。ミスも少なかったし(一方、ロディックは、このところを考えると、ストロークもずいぶん良くはなっているのですが、まだまだ本人も納得のいかないミスが出ていて、たまに声をあげて、ストレス発散させておりました)。

 しかし、とにかくロディックのサーブが好調だったため、なかなかブレイクチャンスがやってこない(あ。あと、ロディックは試合序盤、積極的にサービスダッシュを見せていました。試合が進むごとにそういうシーンが少なくなっていたのは残念でしたが、いつもよりはあんまりベースラインから下がらずにラリーしていました。それと、今日はあんまりバックハンドのスライスは使ってなかったです。スライスじゃなくても、そこそこバックハンドに手ごたえを感じているのかも。いいボールも入ってたし)。チャンスがあったのは第2セット第3ゲームだけだったかな?

 最後はギメルストフに疲労が出たな、という感じ。第3セット第6ゲームまで、お互い相手にチャンスを与えずキープが続いていたのですが、第7ゲーム、ギメルストフがダブルフォルトで0-40としてしまい、1ポイント挽回するものの、ストロークミスでロディックにブレイクを許してしまい、最後の第9ゲームも、ストロークミスが重なって、ロディックにブレイクを許し、ストレートで敗戦となりました。

 この試合は、アメリカ人同士ということもあり(そして、ギメルストフも盛り上げるのがうまいので)、お客さんも非常に楽しんでいるなぁ、という雰囲気満開だったのですが、そのなかでも特に面白かったシーン。

 第2セット第6ゲーム(ギメルストフのサービスゲーム)、30-0とした次のポイント、ギメルストフが1stサービスをフォルト。2ndサービスを打とうとすると、スタンド上段から士官学校の学生さんたちが、会場から出ていくタイミングと重なってしまい、ギメルストフは2ndサービスを打つのをやめて、学生さんが去る&観客の拍手がやむのを待つわけです(何も、2ndサービス打つ前に出て行かんでも、と思うのはアメリカ人じゃないから?)。で、2ndサービスするのに、ちょっと間があいてしまったわけです。

 しかし、主審がストップをかけたわけではないので、1stサービスからやり直しにはならない。そこでギメルストフは「えー?2ndからー??」「1stからだろー?」みたいなアピールを主審にする、と。が、主審は譲りません(笑ってたけど)。観客もギメルストフを後押し、主審にブーイング。

 さらに、ギメルストフは主審に詰め寄って「愛国的な行為じゃないかー!」「観客もみんな同意してるぜー」とか何とか口にする(もちろん怒ってません)。ロディックも主審のところまでやってきて、ギメルストフと一緒に主審を見る。で、ギメルストフはロディックの肩まで組んじゃったりなんかして(笑)。

 それでも主審はなかなか首を縦に振らないわけですが、両者、サーブとリターンの位置に戻ったときに、ロディックが「1stサービスからでいいよ」というような合図を主審に送って、主審「1st Serve」とコール。「よっしゃ、よっしゃ(ありがとう)」というようなジェスチャーを主審とロディックに送るギメルストフ。1stサービスを打ち直します。

 が、これがレットで、主審、またしても「1st Serve」(笑)。

 しかーし、なんと、ギメルストフはダブルフォルトをおかしてしまうのです!!!

 ギメルストフ、がっくり…

 で、アド側へ移ってサーブしようとすると、ロディックが「そりゃないだろー」というようなことを口走る。したら、ギメルストフは「俺のほうがお前よりがっくりきてるさー」と返す。そりゃ、そうだ(笑)。

 いい試合のなかの、ちょっとした和やかなシーンでございました。
 その後、両者ともまた集中するのは大変だったと思いますが、いいシーンでした。

 しかし、ギメルストフの両頬と鼻の頭が日焼けでほんのり赤くなっているので、いい感じに酔っ払っているおっちゃんみたいになってて、それもまたギメルストフをさらに愛嬌のある表情にしてたな(笑)。

 試合終了後は、これがギメルストフ最後の試合かもしれないので、ロディック、喜びは控えめにして、ギメルストフに観客と一緒に拍手を送っていました。そして、オンコートインタビューがはじまったのですが、残念ながら、WOWOWでは放映してくれず(一緒にインタビューを受けていたのか、ギメルストフがマイクを持って、ロディックと一緒に笑顔の写真がUSオープン公式サイトのトップに上がっています。どんな内容だったんだろう)。

 ギメルストフはすでに『スポーツ・イラストレイテッド』などでテニスの記事を寄稿していたりと、スポーツ・ジャーナリストの道を歩んでいますから、今後もコメンテーターなんかも含め、そういう仕事をするのかな。なんにしろ、最後かもしれない試合で、素晴らしいプレーが出来て良かったんじゃないかと思います。お疲れさまでした。

posted by takezoh |18:56 | USオープン2007 | コメント(6) | トラックバック(0)
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Re:〈USOP2007〉大会2日目 ナイト・セッション2試合

 シャラポワも完勝! 怪我の心配はなさそうですね。やはり決勝進出は濃厚でしょうか。
 もっとも女子は多少の不安があっても1・2回戦はサクサク勝ちあがったりするので、シャラポワにしても、ウィリアムズ姉妹やエナンにしても、そしてヒンギスにしても、本当の調子が明らかになるのは3回戦以降という気もしますが。
 ロディックとギメルストフのファンサービス(?)は、いかにもそういうのが得意なアメリカンて感じですね~。日本人はそういうの苦手なんだよな~。うらやましい。

posted by バラージ | 2007-08-29 23:53

Re:〈USOP2007〉大会2日目 ナイト・セッション2試合

その試合をテレビで見ていたアメリカ在住の大学生です!

ロディックとギメルストフは試合の後にギメルストフからロディックにインタビューしたのですが、これがなんとも笑いを誘うといいますか、盛り上げる感じのインタビューでロディックも終始笑っていました。
その後にロディックが逆にギメルストフに彼のキャリアについてインタビューしたりもしていたので観客はみんな盛り上がっていました!

あんなに盛り上げるのが上手なプレイヤーが引退してしまうのは悲しいですね・・・
プレー的にもそれ以外でも面白い選手だったと思います!!

posted by アラバマより | 2007-08-30 06:50

Re:〈USOP2007〉大会2日目 ナイト・セッション2試合

ロディックの試合はドイツ時間午前3時頃からの予定だったので、録画予約をして寝たところ・・・
なんとシャラポワの試合の後は大阪の世界陸上ライブになってしまい、その終了後に録画で放映されたのでした。結局30分しか入っていなかった。(涙) なのでtakezohさんのレポはありがたいです。
兄と慕っていたギメルストフといい試合ができてロディックも嬉しかったと思います。ATPサイトの写真も2人ともいい顔をしていましたね。次はギメルストフの分も頑張らないと。

posted by 美咲 | 2007-08-30 08:38

>バラージさんへ

 シャラポワ、フィジカル万全、という印象を受けました。ウィリアムズ姉妹もセルビア勢も決勝までいないですし、ボトムハーフはやはりシャラポワ最有力なんじゃないかなぁ、と思いました。
 まぁ、でも、これからですよね(セリーナは1回戦も2回戦も、手こずるシーンがたくさんでしたが。彼女の場合は、ランク下位の選手とトップランカーと、スイッチが完全に違うから、仕方ないのでしょうか)。
 ギメルストフ×ロディックのやりとりはかなり面白かったです。ここがUSオープンだからなおさらですよね。ほんと、こういうの上手いですよね。観客の人たちも、自由に楽しめる雰囲気があるからという感じでしょうか。日本ももうちょっとくだけてもいいですよね。

posted by takezoh | 2007-08-30 10:11

>アラバマよりさんへ

 はじめまして、コメントありがとうございます。

 そうですか、やはり面白いオンコート・インタビューだったのですね。二人揃っての試合後の記者会見ではロディックが(ギメルストフの今後のところで)ギメルストフに向かって「マイケル・バートランドの仕事をとるつもりだろ?」とか言っていましたけど、本当はジム・クーリエの仕事を奪おうとしているとか(笑)??
 しかし、実はこれが最後の試合じゃないみたいですね。AIGにも出るという話だったので、とても楽しみにしています。

posted by takezoh | 2007-08-30 10:14

>美咲さんへ

 おぉ…録画が番組変更で最後まで録れていないというのは痛い。。。すいません、もうちょっと詳しい試合の内容を書けばよかったのですが、手抜きしました。ロディックはここ最近の調子を考えると、ずいぶん良くなっていたように思いますが、この日の試合はギメルストフがいろんな意味でも主役だったなぁ、と思います。
 試合後のプレスカンファレンス、USオープンのサイトでご覧になれるのですが、爆笑ですよ!!
http://www.usopen.org/en_US/news/interviews/20070828.html
 二人一緒に会見をしているのですが、記者にロディックが「ギメルストフってどんな人?」と聞かれたときに、ギメルストフが「セクシー、キスが上手い!」とか、ギメルストフの今後の話で(本当はUCLAに戻って卒業するつもりらしいのですが)「もしかしてアンディの使い走りでツアー一緒にまわるかもー」とか、二人がまだ若い(ロディックは子どものとき)頃の話をしようとロディックがしたら、「え~、言わんとって~」と懇願したりするギメルストフとか(でも、しゃべってましたけど)。ギメルストフのほうが何歳も年上というよりは、同じ年(いや、ロディックのほうが年上に見える)みたいな仲の良さでほほえましかったです。

posted by takezoh | 2007-08-30 10:23

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