2007年08月20日

〈W&SFGM〉フェデラー優勝&ツアータイトル50個目

ロジャー・フェデラー[1] × ジェイムズ・ブレイク[9] 6-1/6-4

 JBはそんなに悪くなかったと思います。
 ブレイクするチャンスは同じくらいあったし(5回あった。ちなみにフェデラーは6回で、そのうち3回成功)。
 今大会、調子が良く、SFまで勝ち上がってきたのは納得。

 ただ、フェデラーにとっては、組みしやすい相手なんだろうなぁ。
 JBのフォアハンドはフラット系のボールが中心で、威力もあるし、シンシナティの速いサーフェスだからなおさら滑ってくる。でも、バウンドの変化に乏しいから、フェデラーは調整しやすいし、フォアハンドの威力は、JBのそれとは異なるものの、ATP随一とも言われますから。

 ということで、昨日のヒューイット戦でも、中盤から早い攻撃をしかけるのに、ハードヒットを多用していましたが、この試合は最初からかなりハードヒットするシーンが多かったです。まだ、多少フォアハンドにミスは出ていましたが、このところのフェデラーに比べれば、気持ちよくラリーできていたんじゃないでしょうか。

 それでも、JBは強打でぐいぐい押していくのではなく、コントロール重視のショットを使って、フェデラーからウィナーを奪っていました(もちろん、ここぞというときは強打で決めていましたが、ミスと隣り合わせなことも多い)。

 あと、フェデラーは立ち上がりからサーブがなかなか良かったです(今日はかなりフラット系のスピードのあるサーブを打ち込んでいました)。試合開始、いきなりセンターへのエース2本ではじまりましたし。これも最近のフェデラー(放映がある試合に限りますが)とは少し違ったところだったと思います(最近は、試合序盤は1stの確率が悪い傾向にあったので)。

 とはいっても、JBはリターンがいい。エースもしくはエース級のサーブじゃなければ、コートの中にしっかり返してきます(しかも、深い。ベースラインから下がる前に、足元にきて、フェデラーがボールをアウトにさせるシーンも何度かありました)。第1セットはフェデラー、2ndサービスからのポイント奪取率がたったの17%。JBのリターンの良さが出ていると思います(ま、JBのほうは、第1セット、2ndサービスから1ポイントも獲れていないんですけども/苦笑)。

 第1セット第2ゲーム、JBはいきなりフェデラーにブレイクを許すのですが、ここも決して悪い形ではなかったと思います。ただ、ミスが重なって30-40となってしまい、最後は、フェデラーがクロス、ワイドと厳しいところへフォアで強打されてしまった。

 第5ゲーム、何度もブレイクチャンスはあったんですよね。
 でも、30-40から、いいリターンを返してラリーで主導権を握ったところで、クロス(アングル)へのフォアをサイドアウトにさせてしまい、デュースになる。デュースは7回あったのですが、そのうち、2回は先にポイントを獲ってアドバンテージを握りました。しかし、7回目のデュース、クロスでのフォアの打ち合いから、ダウン・ザ・ラインへウィナーを狙ったボールがネットにかかるミス。最後は、フェデラーにネットに詰められてボレーを決められ、3度のブレイクチャンスを生かせませんでした。

 JBの悪いところは、チャンスを生かせなかったあとなど、試合中にテンションが下がってしまうところだと思います。フェデラーがそれを見逃すはずがなく。第6ゲーム、最初のポイントをミスで落とすと(フェデラーのリターンを、フォアに回り込んでワイドへ打ったボールがサイドアウト)、フェデラーにパッシングを決められ、ポイント先行を許してしまいます。そして、0-30から、フェデラーのクロスへのフォアのリターンをダウン・ザ・ラインへ切り返すも、ぎりぎりを狙いすぎて、サイドアウト。最後は、フェデラーに逆をつかれてウィナー(フォア、ワイドへのウィナー)を奪われ、ラブゲームでサービスゲームを落としてしまうのです。

 第7ゲームにもチャンスはめぐってきた…はずでした。
 ここはもう、アンラッキーとしかいいようがありません。

 最初のポイントをJBが獲る(スマッシュのウィナー)。続くポイントは、センターへのサービスエースと、サーブ&ボレーの奇襲でバックハンドのボレー(これまたうまい!)を決められて30-15となるのですが、ここでフェデラーがダブルフォルトで30-30。そして、次のポイント、フェデラーのクロスへのフォア、アングルショットを、さらに角度をつけてフォアで切り返したスーパーショット!! と思ったら……

 フェデラーのボールを線審がアウトとコール(ちょっと遅かった?)&コレクション。ポイントのやり直しになるんですよね。まぁ、このあたりはJB、ナイスガイですから、線審と談笑して、仕方ないなぁ、という表情でリターンの位置に戻るわけですが、JBにしたらもったいなポイントでした。

 結局、ポイントやり直しのところでは、フェデラーのバックハンド、クロスへのボールをダウン・ザ・ラインに切り返したところ、ネットにかけてしまうミスをおかしてしまい、フェデラーのゲームポイントとなり、最後は1stサービスをバックハンドでダウン・ザ・ラインへ持っていこうとしたリターンがフレームショットになりアウト。フェデラーが6-1で第1セットをキープすることになりました。

 第2セット第1ゲーム、このゲームだけで4本もダブルフォルトをおかしてしまうJB。なんでしょうか、第1セット第6ゲームのような元気のなさはあまり見受けられなかったのですが、もしかすると、悪いプレーをしていないのに、一方的なスコアになったのが、やはりメンタルに影響していたのでしょうか。それでも、ネットに出る回数を増やして、積極的にポイントを奪いにいくなど、なんとかデュースに持ち込んで、2回目のデュースでキープに成功します。

 その後、第6ゲームまでお互いの持ち味を出してキープが続きますが、第7ゲームで、とうとうJBはフェデラーにブレイクを許してしまいます。

 最初のポイント、フェデラーがクロスへのパッシングを上手くJBの足元に沈めて、JBがフォアのローボレーをネットにかけると、次のポイント、決められるはずのボレーを狙いすぎてサイドアウトにさせるミスで、フェデラーに0-30とポイントを先行されてしまいます。それでも、長いラリーでよく凌いで、フェデラーのフォアハンドのミス(ネット)を誘うと、JBのバックハンドクロスに、フェデラーのバックハンドがアウト。30-30と追いつきます。しかし、この試合、フェデラーのバックのスライスに若干手こずっていたJB、ここでもフェデラーのスライスでのリターンに、バックハンドをネットにかけると、フェデラーにフォアで攻撃されて、バックハンドをネットにかけてしまうのでした。

 しかし、次の第7ゲーム、またまたJBにチャンスがやってきます。フェデラーのダブルフォルトに加え、JBのリターンが非常に深く入り、15-40となるのです。が、フェデラーは落ち着いていました。早い段階でネットにつめるフェデラーにバックハンドクロスへのパスをサイドアウトさせてしまうと、短くなったリターンをフェデラーがストレートへフォアでアプローチショットを強打&スマッシュ。デュースになると、センターへの1stサービスにJBのバックハンドのリターンはネットにかかり、最後はセンターへのサービスエースで、ここもJBはブレイクすることができませんでした。

 第8ゲームは素晴らしいフォアに回り込んでのダウン・ザ・ラインで簡単にキープをしたJBでしたが、第9ゲーム、ブレイクのチャンスはやってこず、そのまま試合終了となりました(最後は2ndサービスでセンターへエースを奪って試合終了でした)。

 ということで、フェデラーがATPマスターズ・シリーズ、ハードコートで久々の優勝(昨年のモントリオール以来)。26歳と11日でATPツアー50勝を達成。これは、26歳1ヶ月で達成したサンプラスを抜いて5番目の最速記録だそうです(JBは表彰式で「26歳で50勝達成かぁ。悪くないね(すごいね)」と感嘆のコメントをしていました)。

 この、最速記録ですが、トップ4は…

(1)ビョルン・ボルグ:23歳7ヶ月
(2)ジミー・コナーズ:23歳11ヶ月
(3)ジョン・マッケンロー:25歳2ヶ月
(4)イワン・レンドル:25歳7ヶ月

 とのこと。23歳そこそで50勝もあげているボルグやコナーズって…とも思うわけですが、ここ数年は出場大会数も厳選しているフェデラーが、この若さで50勝達成というのも、今さらながらに素晴らしい(要は、出る大会、ほとんど優勝ってことですから)。

 ちなみに、ナダルは2004年から現在まで、21歳2ヶ月ちょっとで23個。クレーでの調子を維持し、他のサーフェスでも多くのタイトルを獲れるようになれば、トップ5に入れそうですが、どうなりますでしょうか。

 それはさておき、この勝利で、フェデラーは気持ちよ~くニューヨークへ乗り込むことになるでしょう。なんだかんだで、やっぱり調子は上げてきそうですね。さて、他の選手はどれだけフェデラーに食らいついていくことができるでしょうか。

posted by takezoh |13:02 | テニス | コメント(10) | トラックバック(0)
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Re:〈W&SFGM〉フェデラー優勝&ツアータイトル50個目

お久しぶりです。
残暑お見舞い申し上げます。
大阪は連夜の熱波で死にそうです(笑)
仕事に追われて、テニス観戦どころじゃないですが^^;…takezohさんところはいつも拝見しています。

フェデラー勝ちましたね♪
またサンプラス越えですかwwwすごいですね~!
バグちゃんも残念でしたがフェデラー相手じゃ仕方なしw
全米は良いドローに当たってほしいもんですw

posted by ぱふ♪ | 2007-08-20 14:04

>ぱふ♪さんへ

 こんにちは、ご無沙汰しております。
 こちらこそ、残暑お見舞い申し上げます。
 大阪は暑そうですねー(どこも暑いですが)。うちの親も嘆いています。熱中症にはくれぐれも気をつけてくださいね。

 フェデラーようやく勝ちましたね。サンプラスの記録はほとんど破ることができるんじゃないでしょうか。主なところでは世界ランク1位のトータル在位週とGSタイトル数ですか。USオープン獲れば、GSタイトルはさらに一歩近づきますね。
 バグダティス、シンシナティのフェデラー戦はそんなに悪くなさそうでしたし、USオープンに期待です!
 

posted by takezoh | 2007-08-20 14:39

Re:〈W&SFGM〉フェデラー優勝&ツアータイトル50個目

フェデラー50勝目、すごいですよね。
今日はブレイクにもチャンスはあったとは思うんですが、肝心なときにアウトしたりネットにかけたりしてましたよね。それが残念・・・

今回の大会で調子をあげてきたバグちゃん、ブレイク、ヒューイットそしてダビデンコ。全米でどこまでいけるか、ドロー発表が本当に楽しみです。(若手もどうなるか・・・)

posted by rieechan | 2007-08-20 15:37

Re:〈W&SFGM〉フェデラー優勝&ツアータイトル50個目

 フェデラーは、マスターズ・シリーズでの優勝は今年に入って初めてでしょうか? やはり全米の本命は間違いなく彼ですね。
 ブレイクやロディックは、フェデラーにとって相性のいい相手なんでしょうか(プレイスタイル的に)。とはいえフェデラーは、ヒューイットとナルバンディアン以外の同世代には圧倒的に勝ってますが(というか2人にも最近は負けてませんし)。
 ブレイクもここに来てようやく調子が上がってきたようなので、地元全米でがんばってほしいですね。

posted by バラージ | 2007-08-20 22:45

Re:〈W&SFGM〉フェデラー優勝&ツアータイトル50個目

シンシナティから帰ってきました。
帰りの飛行機の都合でシングルスの決勝が見れなかったので、ここでチェックさせていただきました。
JBは悪くなかったのですね?この大会を通してとてもいいプレーをしていたので、決勝も期待していましたが、空港でスコアを知って残念に思っていました。地元の後押しというのもあるでしょうから、USオープンも是非頑張って欲しいものです。
それにしてもフェデラーは倒せそうでなかなか倒せませんね。ヒューイットは惜しかったなあ。

一方ロディック・・・。目の前で負ける姿を見るのは、TVで見る以上にヘコみます。そして実際に試合を見て、思うところ多々ありです。でも書くとまたヘコみそうなのでやめておこう。

試合の結果は別として、シンシナティの大会自体は素晴らしいものでした。大会のポリシーが、なるべく多くのファンに選手を身近に感じて欲しいということらしく、練習スケジュールを公開しています。写真を撮ったり、運が良ければサインをもらう事も可能です。海外の大会に行ってみたいという人にはオススメですよ。

posted by 美咲 | 2007-08-21 01:00

>rieechanさんへ

 2004年から世界ランク1位で、クレーはナダルがいるのでなかなか優勝できないとしても、(出場大会数をざっと考えると)あとは全部優勝という感じですもんね。いやぁ、すごい。
 ブレイクは残念でしたね。昨年のツアー最終戦よりは(スコアは悪くても)内容としては悪くなかったので次回、頑張ってもらいたいです。
 ドロー、どうなりますでしょうか。早く知りたいですよねー。

posted by takezoh | 2007-08-21 09:23

>バラージさんへ

>フェデラーは、マスターズ・シリーズでの優勝は今年に入って初めてでしょうか?

 あ、文章わかりにくかったですね。ハードコートで、という意味だったので、全体ならば今年はハンブルクと合わせて2つ目ということでした。

 ブレイクやロディックのプレイスタイルはフェデラーにとってやりやすいというのは多分にあると私も思います。ヒューイットとのSFで解説の方が、ヒューイット=直線的なテニス、フェデラー=立体的なテニス(テニスの進化)というようなことをおっしゃっていたのですが…そのカテゴライズに沿ったら、ブレイクにしてもロディックにしても(そして、サフィンなど同世代の他の選手も)前者の部類に入る=フェデラーになかなか勝てないという構図ができてしまうのかも?と思いました。
 それでもみんな、GSタイトルを目指して自分のテニスを進化させようと頑張っているみたいですし、ヒューイット、サフィン、ナルバンディアンも新しいコーチも雇いましたし、今後に期待です!!

posted by takezoh | 2007-08-21 09:32

>美咲さんへ

 お帰りなさい&観戦お疲れさまでした。
 JBは昨年のツアー最終戦で「テニスクリニックをフェデラーから受けた」と言っていましたが、今回はそんな感じじゃありませんでした。スコアは一方的ですが、内容は決して悪くなかったと思います。腹筋ももう大丈夫みたいですし、地元NYで頑張ってもらいたいです。
 ロディックはSFまで行けるかなぁ、と思っていましたが、残念でした。ただ、試合後、前向きコメントしていたようですし、USオープンまでいい調整ができればいいですね。

 シンシナティの大会、良かったですか! そういえば、こちらの解説で「シンシナティは、選手にもっとも人気のある大会(ホスピタリティの面が最高らしい)」と言っていました。ファンにも同じなのですね。私も機会があればぜひ行ってみたいです。

 生ロディックと近づけましたか(笑)??

posted by takezoh | 2007-08-21 09:36

シンシナティの大会

選手にも人気があるのですか。そういえば負けた後でも残って練習している選手がたくさんいました。特にヨーロッパの選手たち。ナダルもSFのあった土曜日の夕方に練習していましたよ。腕の具合は大丈夫みたいです。

ロディックはさすがに地元だけあってすごいファンの数でした。しかし初日の練習後にはファンサービスなのか、待っていたファンにすごいスピードでサインしまくり。15分ほどで約350人にサインしたそうです。(係のおじさん談)もちろん私もその350人のうちの1人です。

posted by 美咲 | 2007-08-21 16:44

>>美咲さんへ

 そうなんですよ。選手全員に運転手をつけたり、食事もいいとかで、アンケートをとると、シンシナティに票がいちばん集まったとか。
 ナダルはUSオープンのための練習で残っていたのでしょうか。腕(というか手首だったようですが)の状態、大丈夫で何よりです。
 それにしても、350人に猛スピードでサインとは!! 速いのはサーブだけじゃないのですね。腱鞘炎にならないのか心配です(笑)。そして、美咲さんもサインをゲットされましたか。大勢のファンにもまれたことと思います、お疲れ様です。

posted by takezoh | 2007-08-22 02:29

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