2006年07月15日

アガシのラストゲーム全記録Vol.5

試合が終わって、観客はアガシにスタンディング・オベーション。
観客の拍手と歓声が鳴り止まない。
アガシはコートへ歩み寄り、四方の観客それぞれにキスとお辞儀で歓声に応える。

BBCのインタビュアー、スー・バーカーとナダルがコートサイドでアガシと待っている。

「今日は特別に、伝統を破って、芝のチャンピオンにもなったプレイヤーにインタビューをします。まず、ラファエル・ナダル、センターコートでテニス・レジェンドと対戦するのは特別な気分だったのでは?」

「ええ、アンドレは間違いなくベストプレイヤーで、そのキャリアは信じられないぐらい素晴らしいものです」

「今日は素晴らしい試合でした。芝のコートは好きですか?」

「ええ、もちろん。このサーフェスで力を出せましたし、ベストを尽くせて幸せです。でも、まだまだ芝では勉強すべきことはあります。センターコートが一番いいですね」

そして、インタビュアーはアガシへマイクを向ける。

「これで最後になってしまいますが、少し感傷的になってしまいますね」

「それはもう。素晴らしい歳月をここで過ごしましてきましたから。ここの観客の皆さんがいつも僕をあたたかく迎えてくれました。本当にありがとう」

アガシは涙をぬぐう。
大きな歓声と拍手が沸き起こる。

「ここはあなたにとって特別な場所でもあったんですよね」

「ウィンブルドンは誰もが特別に思う場所です。テニスプレイヤーなら皆、ここに立つことを夢みています。僕は幸運にも、このセンターコートに何度も立つことができました。それは、一生忘れられないことになるでしょう。今日もまた、ここに立たせてくれたことに感謝しています」

「今日の満員のお客さんの反応、どんな気分ですか?」

アガシが答えようとすると、観客から再び歓声が上がる。

「皆さんは素晴らしいテニス・ファンで、僕を愛してくれました。今大会、自分が何を求めていたのかわからなかったけれど、ただひとつ確実に言えることは、皆さんはいつも僕を支えてくれました。本当に感謝しています」

「テニス界、そしてウィンブルドンに素晴らしい経験をありがとうございました」

アガシは微笑みながら、観客に手を振り、最後のウィンブルドンを後にした。

posted by takezoh |15:21 | ウィンブルドン2006 | コメント(2) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:アガシのラストゲーム全記録Vol.5

物凄い量を制覇されましたね。

アガシとともにtakezohさんにもお疲れ様です。

あと1ヶ月かぁ…アガシファンは時間を止めたい気分でしょうね。いつも思うのですが、アスリートの引退は儚いです。

こちらのYAHOOブログにまでご足労頂いて大変感謝しております。最近はスポナビと全く同じものを載せるという手抜き振りです。昔のものも、今読み返すと恥ずかしいものが多い次第なんですが、takezohさんのように過去のコラムにコメントを残していただく人がいて感無量です。大袈裟に思われるかもしれませんが、本当にそう思っております。なんせ向こうでは恐ろしく人気のないブログですから(こっちでもですが…)。

スポナビはスポーツ専門ですが、向こうはそうでもないのであまりにもスポーツオタクぶりが発揮され過ぎて、読者に引かれているようです。

自分のことばかり書いてしましました。ごめんなさい。

また遊びにきますね。

posted by uzura176 | 2006-07-27 02:16

Re:uzura176さん

またまたコメント、どうもありがとうございます。

サンプラスのウィンブルドン最後の試合に対しての誰に向けていいのかわからない勝手な恨みをお門違いな形で示す自分に「こんなん誰も必要としてへんっちゅうに、アホちゃうか。ひまやな~、自分」と思いながらやってました(笑)。

こうなったら全米オープンも貫き通してやる、と、これまた勝手な考えというか、半分ヤケクソ気味でして(お恥ずかしい)。

uzura176さんのブログはどの記事も読み応えがあると思いますし、スポーツへの愛をとても感じます。

ここでブログはスポーツ専門だけに、真剣に自分の好きなスポーツのことを考えている、あるいは、ヘタなメディア(言葉は悪いですが)よりもずっと詳しかったり、物事の本質を見極めようとしている人がけっこういて(まぁ、これはメディア側にいないことで弊害がないからというのもあるのかもしれませんが)ひとりで感心しております。

まだここのブログは始まって2ヶ月も経っていないのでどうなるかわからないですが、意見を述べる、日記に終わる、コメントやTBするというだけに終始することのない、メディア(スポナビ)とスポーツファン、そしてセレクトブログの書き手の人たちで、日本における新しいスポーツ文化へと発展すればいいのになぁ、などと思っています。

こちらこそ、またuzura176さんのブログへ遊びに行かせていただきます。

posted by takezoh | 2006-07-27 04:50

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