2007年06月08日

〈全仏オープン〉男子シングルスQF(2)

ノヴァク・ジョコビッチ(SRB)[6] × イゴール・アンドレエフ(RUS) 6-3/6-3/6-3

  解説の土橋さんが「(ジョコビッチのほうが)大人の試合をしている」ということをおっしゃっていましたが、この試合をひと言で表わすなら、いちばん的を射た表現なんじゃないかと思います。

  ジョコビッチは、サーブもストロークも、いつもよりスピン量を増やしていたんじゃないでしょうか。アンドレエフ×バグダティス戦を見たのかどうかわかりませんが、アンドレエフの強烈はフォアのスピンを警戒して、それを攻略する作戦をきっちり立てて試合にのぞんだようです(ちなみに、バグダティスいわく、アンドレエフのフォアは「ナダルよりも重い」とのこと)。

  4回戦のベルダスコとの試合では、特にサーブは、センター中心にフラット気味の強い1stサービスを打ち込んでいたジョコビッチでしたが、この試合では、回転量が多く、デュース・コートでも、アド・コートでも、ワイドへアンドレエフを追い出すサービスを中心に、要所でフラット気味のサーブをセンターへ打ち込んでいました。

  ストロークでも、アンドレエフに簡単にフォアを打たせないように、フォアもバックもスピン量を増やしてボールを散らし、チャンスを待つ。守備も良かったですから、なかなか、アンドレエフも容易にはあの強烈なフォアが打てないんですよね。

  しかも、ここというところでアンドレエフはミスをしてしまっていましたから、こうなると、どんどん試合はジョコビッチのペースになってしまう。いいショット、ウィナーもたくさんあったのですが、続かないんです。ジョコビッチが最初からアンドレエフを食っていたというわけではなかっただけに、いいポイントを重ねて乗っていきたいところなのですが、それができない。第2セットでは、アンドレエフ、かなりフラストレーションがたまっていたようです。結局、じわじわとジョコビッチのペースにはまっていって、試合中盤から、どうジョコビッチからポイントを奪っていいのかわからなくなってくる、と。

  また、アンドレエフの高くバウンドして、方向が変わるサーブに、試合序盤は苦労していましたが、試合が進むごとに対応できるようになっていたジョコビッチ。自分のサービスでも、要所で確実にいい1stサービスを入れる。こういうところで、ラリーそのものは決してアンドレエフも負けていたわけではないのに、スコアに開きが出てきてしまい、最終的にストレートで決着がついたところでしょう。

  それでも、ジョコビッチにも若いミスはたくさんありました。第1セット第6ゲーム(アンドレエフのサービスゲーム)、2回目のデュースからのポイントなのですが、完全に、ジョコビッチがアンドレエフを外へ追い出し、あとは、甘く返ってきたボールをオープンコートへボレーするだけ! という場面で、びっくりするほどアンドレエフに打ちごろのボールを打ってしまったり(TV前でわたくし、笑ってしまいました。そこはないやろ~、と。で、ジョコビッチ本人も笑っていました。ポイントはもちろん、アンドレエフに)。

  あと、面白かったシーンは、アンドレエフがクロスへフォアを打って、それをジョコビッチがダウン・ザ・ラインへウィナーを奪おうと打ったら、タイミングがずれてサイドアウトになったのですが、ジョコビッチは「ん~おうぁ…っはっはっは!」と、ボールを打つときの声に続いて大笑い。観客の人たち、よく一緒に笑わずにいられたなぁ、と思います(笑)。私、それ聞いて、一緒に爆笑させていただきました。

  しかし、アンドレエフ。いいサービスが入れば、完全に自分のパターンでポイントが獲れていましたし、第3セットではいいフォアも戻ってきていただけに、残念でした。ジョコビッチのほうが、試合巧者だったということでしょう。でも、これでランキングがぐんとアップしますから、今後に期待したいと思います。


ラファエル・ナダル(ESP)[2] × カルロス・モヤ(ESP)[23] 6-4/6-2/6-0

  モヤ…元気なかったなぁ。
  さすが! うまい! と思わせる、流れのあるポイントもあったんですが。
  最後までナダルのフォアのバウンドに対応しきれなかったですねぇ。

  まぁ、フェデラーでさえも、最初はナダルのボールに対応できずにミスが多く、それに対応できるようになったかと思いきや、今度はあのしつこい守備に我慢できずに先にミスしたりするわけですから、仕方ないでしょうか。

  とにかくモヤは、終始、ミスが多かった。いい形でポイントを獲っても、2つ、3つと続かないんです。これが続いていれば、乗れるところだったのでしょうが…ナダルも簡単にはサービスキープしていたわけではなかっただけに、もったいなかったなぁ、という印象です(特に試合序盤は、ラリーでナダルのボールも短めでしたし)。

  あとは、ふだんは兄弟のように仲良しな二人だけに、お互い、やりにくさもあったでしょう。ナダルも、試合序盤はちょっとやりにくそうな感じでした。

  それでも、試合が進むごとに、特にストロークでは深く、力強いボールが飛ぶ。サーブ自体は、ヒューイット戦のほうが良かったように思いますが、ストロークはどんどん調子、上がってきてますでしょうか。

  あと、ナダルはフォアが強烈なので、ほとんどの選手がバックハンドを狙ったりしますが、けっこう、ナダルはバックハンド・クロスへのウィナー、奪う選手なんですよね。体勢を崩さない限りは、ナダルのバックハンドもかなり危険です。モヤも、ナダルに、バックハンドでウィナーをけっこう奪われていました。

  さて、SFは予想通り、ナダル×ジョコビッチの対戦となりました。

  やはり、全仏では(5セットマッチということも手伝って)ナダル有利かと思うのですが、負けるとしても、ジョコビッチがナダル攻略に、どんな手を使ってのぞむのかが、とても楽しみです。フェデラー×ダビデンコで、ダビデンコがフェデラーに勝つ確率よりも、ジョコビッチがナダルに勝つ確率のほうが大きいんじゃないかと思ったりしておりますので、健闘以上のものを見せてもらいたいですね。

  まぁ、でも、やっぱり今年もナダル×フェデラーの決勝になるのかなぁ。

posted by takezoh |17:55 | 全仏オープン2007 | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:〈全仏オープン〉男子シングルスQF(2)

 ひそかにカナスとアンドレエフが勝ち上がってそれぞれ因縁の(?)フェデラー・ナダルと戦うことになったら面白いのにな~とか思ってたんですが、そうはいきませんでしたね。ジョコビッチはどこまでナダルに食い下がれるでしょうか? 関係ないですけどアンドレエフはキリレンコと付き合ってるとか。

posted by バラージ | 2007-06-08 23:36

>バラージさんへ

 私も、カニャスとアンドレエフは、それぞれダビデンコ、ジョコビッチに勝てるかも、と思っていたのですが、やはり、今の実力そのままが試合を表わしてしまいましたね。
 しかし、ジョコビッチ…というか、ナダルはやっぱりクレーじゃ世界1位です。よくあれだけ守って攻撃して、最後までテンション保ちますよね。フェデラー、今年も厳しいかも??

 キリレンコとアンドレエフは、前からウワサがあったのは知っていたのですが(おおやけにしていないだけで)、どうやら、大会前に2ショットの写真がATPか全仏か忘れましたが、公式のフォトギャラリーに掲載されていたり、今大会もスタンドで応援していたそうなので、公にするようになったんだなぁ、なんて思っていました。お似合いカップルですねぇ。

posted by takezoh | 2007-06-09 09:02

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