2006年07月10日
フェデラー4連覇達成〈ウィンブルドン男子シングルス〉
「俺は絶対、芝でもフェデラーに勝つんじゃ~!」
ナダルのそんな声が聞こえてくるような男子シングルス決勝戦。
この際、第1セットはウォーミングアップってことにしとけ!
いやいや、それは冗談として、フェデラーがすごいのは当然ですが、ナダルは本当に素晴らしかった。ウィンブルドンの男子シングルス決勝で、これだけいい試合を見たのは久しぶりのような気がします。
ナダルの芝への順応性、適応力。
主役はもちろんフェデラーですが、フェデラー以上の拍手をナダルにおくりたい。
第2セット第1ゲーム、フェデラーのサービスゲームをブレイクしたとき、ナダルにも勝つチャンスがやってきた、そう思った人は多かったのではないでしょうか。そしてファイナルセットまでもつれはしませんでしたが、それに相当するぐらいの試合を見せてもらいました。
ロジャー・フェデラー vs ラファエル・ナダル 6-0/7(7)-6(5)/6(2)-7(7)/6-3 第1セット第1ゲーム、フェデラーは1stサービスをすべて入れてきます。4連覇への意気込みが伝わる立ち上がりでした。ラリーになっても、ナダルのストロークよりも深く、押し込まれそうになるとスライスを有効に使って、ナダルのウィナーになるようなショットを防ぎます。ナダルがチャンスボールを自分から仕掛けても、それ以上のアングルでボールを返す……。 ナダルはこのスライスに苦労しました。 第1セットのフェデラーの1stサービスからのポイント奪取率は100%、2ndサービスでは100%。ナダルはブレイクのチャンスさえ与えてもらえませんでした。 しかし、第2セット第1ゲーム、フェデラーのサービスゲームで試合の流れは変わります。 第1セットからも、エースにならない限りはフェデラーのサービスをしっかりリターンしていたナダル。ここでもしっかりとリターンをし、ラリーからのチャンスをうかがいます。そしてトップスピンをフェデラーのコートに打ち込む。フェデラーのサービスをブレイク! 「Vamos!」 言うてましたな。 どうしても、「Vamos!」が「Come on!」に聞こえてしまいます(「Come on!」も言ってますが)。 ちなみに、Vamos(バモス)は「よっしゃ~! 行くぜ~!」みたいな感じですね。スペイン人プレイヤーが試合をしていると、たまに客席から「Venga(ベンガ)」という声も聞かれると思いますが、これも「Come on!」と同じです。ナダルを応援するときに、ぜひ使ってみてください。 第2セットはとにかく手に汗握る展開でした。特に第6ゲームの23本のラリー、ゲームカウントがナダルの4-3で迎えた第8ゲームをラブゲームキープしたナダルの集中力は見事でした。 しかし、ゲームカウント5-4となった第10ゲーム、ナダルのサービス。15-15となったとき、ここでまたもスライスに苦労してポイントを落としたナダルは、プレッシャーから次のポイントでダブルフォルトしてしまいます。そしてフェデラーがブレイクバック成功。その後はお互いサービスキープでタイブレークに入ります。 タイブレークで先にミニブレークしたのはナダル。左右に振られて走りながらパッシングショットを決めたナダル。ここでも「Vamos!」「Come on!」の炸裂。しびれました。 それでもやはり王者・フェデラーはその上を行く切り返しで、5ポイント連取。結局、7-5でこのセットもフェデラーがものにします。 第3セットに入って、ナダルはフェデラーのスライスに少しずつ対応しはじめます。そして、お互い自分のサービスゲームをキープし、一歩も譲らない展開。 第6ゲーム、ナダルにサービスブレイクのチャンスがやって来ます。30-30となったところで、フェデラーがこの試合初めてのダブルフォルト。が、その後はエース級のサービスを打ち込んで、フェデラーはサービスブレイクの危機を逃れます。 そしてまた膠着状態が続き、再びタイブレークに。 このタイブレークでも先にミニブレークをしたのはナダル。フェデラーのボレーを追いかけ、見事なパッシングショット。ナイスー! と、思わずTV画面に向かって叫んでしまいました。 その後、ナダルは1つミニブレークバックを許しますが、2-2からリターンエースを含めて5ポイント連取し、第3セットをもぎ取ります。 第4セット、徐々にフェデラーのサービスに対してナダルはいいリターンが返るようになります。しかし、フェデラーのサービスゲームを破るチャンスは少ない、もう1つもサービスゲームを落とせない、それをわかっているナダルは緊張からか、焦りからか、第4ゲーム、自分のサービスゲームでボレーミスをしてしまいます。その結果、このゲームを落とすことになります。 ゲームカウント4-1となった第6ゲーム、ナダルのサービスゲーム。ここでフェデラーはトップギアに入り、再びサービスブレイク。後がなくなったナダル。それでも、フェデラーは勝利を意識したのか、ナダルの勝利への執念が勝ったのか、ナダルは次のゲームをブレイクバックし、第8ゲームもしっかりと自分のサービスゲームをキープします。 しかし、やはり芝の王者はフェデラーでした。 第9ゲーム、ナダルに1ポイントも渡すことなく、4連覇を達成しました。 表彰式でのナダルは、観客に笑みは浮かべていたものの、目は悔しさに溢れていました。 このウィンブルドンの決勝戦は、ナダルにとって、芝でフェデラーと戦うときはクレイコートでのフェデラーとは違うと実感した試合でもあり、しかし、勝つために何をすべきかを知った試合だったのではないでしょうか。 先日、ウィンブルドンでフェデラーに勝つにはどうしたらいいのか? というようなことを書きましたが、その答えは来年、必ずナダルが教えてくれるものと期待します。 フェデラー選手、4連覇、おめでとうございます。 そして、ナダル選手…… フェデラーのタイトルを阻止するのは君しかいない!
posted by takezoh |02:16 |
ウィンブルドン2006 |
コメント(8) |
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この記事に対するコメント一覧
Re:フェデラー4連覇達成〈ウィンブルドン男子シングルス〉
初めてコメントいたします。
ナダルが負けてすっかり落ち込んでいたところ、こちらのブログの記事を読ませていただいて、少し元気になりました。
「俺は絶対、芝でもフェデラーに勝つんじゃ~!」
はよかったです(笑)。そして、
「フェデラーのタイトルを阻止するのは君しかいない!」
にもじーんときました。
実は試合を録画したのですが、負けたと知ったので見ていないのです。
マッチサマリーを見たら、ウィナーの数はナダルの方が多いし、アンフォースドエラーはナダルの方が少ないし、何で負けたん!?という感じですが、ブログを読ませていただいて、どうやら勝負どころで失敗したようだと分かりました。多分スコア以上に競った内容だったんだろうなと思います。
この悔しさをバネに、来年こそは芝でももっとフェデラーを脅かす存在になってほしいと思いました。
posted by 亜衣 | 2006-07-10 18:31
Re:フェデラー4連覇達成〈ウィンブルドン男子シングルス〉
亜衣さん、コメントありがとうございます。
応援している選手が負ける試合を観るのが辛いのは、よくわかります。
でも、決勝で負けはしたものの、ナダルは本当に素晴らしい選手だと今大会で実感しました。クレーだけでなく芝でも勝てる選手だと、2回戦フルセットでもつれた試合を観て勝手な確信を抱きました。決勝でも第2セットはとられたものの、ファイナルセットまで行くんちゃうか?と思うぐらい、ナダルの順応性とファイティングスピリットに感嘆しました。
まだ20歳ですし、絶対今後も、全仏以外でもやってくれるんじゃないかと密かに期待しております。
録画したビデオは永久保存版にして、来年ナダルがウィンブルドン制覇したときにでもぜひ(笑)。
posted by takezoh | 2006-07-10 19:38
Re:フェデラー4連覇達成〈ウィンブルドン男子シングルス〉
ウィンブルドン男子シングルス決勝、私もこわごわ見ました。ナダルが勝ってくれと信じつつも少し怖くて、でも最後まで見ました。
見てよかった。すばらしい決勝戦でした。
今でも毎日テープがすり切れるほど繰り返し決勝戦のビディオを見ています。
1セットダウンした後の2セット目のタイブレーク、ナダルは「絶対勝ちに行く」という姿勢で戦いましたが惜しくもフェデラーに押し切られました。
すばらしかったのは第3セットのタイブレークです。終始フェデラーを圧倒し7-2で勝利しました。
第4セットも2ゲームをブレイクされた後の第7ゲームでフェデラーのサービスをブレイクし、さあこれから巻き返しというところまで来たのですが。。。。
フレンチオープンの決勝さらにウィンブルドンでのラファの戦いを見てきて思ったことは、試合での厳しさと試合後の相手を讃える姿勢に感動したことです。
どの試合を見ていてもラファは試合後、対戦相手に対し健闘を讃え、試合中の厳しい表情から20才のやさしい青年の表情にもどります。
おっしゃる通り、ラファはこれからもさらにレベルアップしてフェデラーに挑戦していける一人として戦い続けてくれることでしょう。
8月の全米オープン、ラファは出場するのかはわかりませんが、クレー(ハード)のコートで戦う姿をずっと見続けたいです。
そして来年は芝のコートでチャンレンジャースカップを抱きしめるナダルのすがたがみたいです。
posted by ペーパームーン | 2006-07-19 15:01
Re:ペーパームーンさん
コメントどうもありがとうございます。
このところウィンブルドンの男子シングルス決勝は、フェデラーの圧倒的な強さばかりが目立ち、好ゲームがなかったのですが、今年は本当にいい試合が観られて良かったと思っています。ハードコートでも好成績を残していますから、これからのグランドスラムはフェデラーvsナダルの決勝、というのが多くなるかもしれません。
ナダルの活躍、期待しています。
posted by takezoh | 2006-07-20 12:07
Re:フェデラー4連覇達成〈ウィンブルドン男子シングルス〉
こんにちは。
エントリー内容とあまり関係ないのですが…
takezoさんは
2001年ウィンブルドン、男子シングルス4回戦、
フェデラーvsサンプラス戦をご覧になっていますか?
DVDが売っていて、見たことないし、買おうかなぁ~と、ちょっと迷っているのですが…
これは、やはり名勝負だったのでしょうか?
他にも1978年のNavratilova vs. EvertのDVDとかあって、誘惑に負けそうです。
posted by すずの娘 | 2007-04-14 06:33
>すずの娘さんへ
おぉ、古い記事にコメントが(笑)。
実はそのDVD、持ってます。
当時はハイビジョンやBSが見られなかったので、あの試合はウィンブルドン公式サイトのライブスコアを凝視していました(ファイナルセットでのデュースが続いたのには、まいりました。何が起こっているのかまったくわからないので、ヘトヘトになりました/苦笑)。
で、最近になって、レジェンド・シリーズのサンプラスのDVDが出たので、それと一緒にフェデラーとの4回戦のDVDも購入しました。
が、しかし、実はまだ観ていません。あまりにもサンプラスに肩入れいていたので、サンプラスが晩年、負けてしまう試合を観るのが辛くて、辛くて・・・2002年~2003年は、2002年のUSオープンの優勝をのぞいて、ある意味、燃え尽き症候群になっていたほどだったのですが、サンプラスに関してはまだそれを引きずっております(恥ずかしい)。
個人的には、ウィンブルドンの、サンプラスのほかの決勝戦をDVD化してほしいのですが(アガシとかイワニセビッチとかとのやつ)。
試合を観ていないので名勝負なのかどうかはわからないのですが、他の映像でこのフェデラー×サンプラス戦のハイライトのようなものは観たことあって(例えば、レジェンドシリーズのやつにもちょこっとだけあります)、これから強くなっていくフェデラーが観られるのと、その頃に比べていまのフェデラーがいかに完成度が高いのかっていうのはよくわかる意味ではいいDVDなのかなぁ、とは思います。
が、いかんせん、相手がサンプラスなので、どうしても、サンプラスに感情がいってしまうので、冷静になれないだろうということで、まだDVDを再生する気になっておりません(笑)。私がこのDVDを観るのはいつのことやら・・・
すいません、まったく参考にならない意見で。
posted by takezoh | 2007-04-14 10:21
Re:フェデラー4連覇達成〈ウィンブルドン男子シングルス〉
質問に答えてくださってありがとうございます。
古傷?生傷?をえぐってしまったようで申し訳ないです。
お恥ずかしいことに、私はまだサンプラスのプレーを見たことがないんです。
フェデラーとの試合だし、フルセットマッチだし、負け試合だけれど見ごたえがあるだろうと思ったので…
できれば、接戦の末の勝ち試合を見たいのですが、サンプラスのそういうDVDがなさそうなので。
私ももっとたくさんの試合をDVD化してほしいなぁと願っております。
posted by すずの娘 | 2007-04-14 11:39
>>すずの娘さんへ
いえいえ、申し訳ないなんて思わないでください。サンプラス晩年の私はいまでは笑い話ですから。
2002年は技(サーブやネットプレー)こそ、ピークの頃より進化している面もあったと思いますが、サンプラスのプレーをご覧になるのであれば、やはりピークといわれる頃(1996~1997年の前後)のほうが面白いかもしれません。といっても、当時はビッグサーバー台頭時代で、1ポイントが決まる長さがいまよりも短かったですから、ビッグサーバー同士の対決はあまり味気ないように思われるかもしれません。
実際、1996年のツアー最終戦、ベッカーとの対決を名勝負という声もあるようですが、ベッカーはそれこそピークを過ぎつつありましたし、お互い1stサーブでほとんどポイントが決まる(サービスダッシュでネットプレーというのを含め)ため、緊迫感はあるものの、いま見返すと、ちょっと肩透かしを食らったように思われるかもしれません(ちなみに、これは公式リリースといっていいのかわかりませんが、一応、DVDが手に入ります)。
同じビッグサーバー、イワニセビッチとのウィンブルドン決勝(1998年)のほうがまだ面白いかもしれません。ただ、イワニセビッチのネットプレーがあまりうまくないので(苦笑)、これまた今見ると、そんなに興奮できるかどうかはわかりません。同じサーブ&ボレーヤーの試合であれば、2000年のウィンブルドン決勝、ラフター戦のほうが、いまから考えると面白かったような気がします。GS13タイトル&ウィンブルドン7タイトル目の記録のかかった試合でもあり、両親は初めて観客席に招待された試合でもあったので、そういう意味も含めて感動できるかも??
でもやっぱり、サンプラスの試合は、対照的なプレースタイルの選手、アガシとかクーリエ、チャンなんかとの試合のほうが断然面白いと思います。1995年の全豪QFクーリエ戦(サンプラスがスタンドからの声「コーチ(ティム・ガリクソン、脳腫瘍でなくなりました)のために頑張れ」という声で泣きながら、それでも勝った試合)とか、同じく95年全豪決勝のアガシ戦(これはサンプラスが負けましたが)とか、95年USオープン決勝のアガシ戦、96年USオープンQFのコレチャ戦で嘔吐しながらも勝った試合とか、2001年USオープンQFのアガシ戦でどちらもゲームを落とさず、4ゲーム連続タイブレークになった試合とか・・・って、DVD化されてないって(笑)!
ツアー最終戦でもチャンやアガシとのいい試合があったようですが、私はあんまり見られてないので、なんとも言えませんが、GSならば、昨年はアガシ引退ということもあって、USオープンの雨で中断や延期になったときに、余った放送枠で1995年決勝や2001年QF、2002年決勝のアガシ戦をやってくれていました(すずの娘さんはWOWOWをご覧になられる環境にありましたっけ?)。アガシが引退してしまったので、今後こういう再放送があるかどうかは微妙なのですが・・・もしかすると、いつか、どこかでアガシ×サンプラスならば、放映してくれる可能性はあるんじゃないなかなぁ、と思ったりしています(できればクーリエ戦も再放送してほしいのですが)。
あ、調子に乗って長文になってしまいました。失礼しました。
posted by takezoh | 2007-04-14 16:08


