2007年04月05日

ソニー・エリクソン・オープンをざっと振り返る ~男子S編 その2~

  トップハーフでひとり気を吐いた(?)のが第7シードのイワン・リュビチッチ。調子、悪くなかった。というか、むしろ良かったんじゃないかと思います、SFのカナス戦。

  第1セットの第10ゲームまで、お互いキープが続くのですが、リュビチッチはサーブ好調で、非常に簡単にキープをしていました。ポイント先行を許すこともなければ、ブレイクポイントもカナスに許さないという状態。逆にカナスは、楽にキープというのは少なかった。しかし、リュビチッチ、第2セットもそうなのですが、あと1ポイントが遠いんです。それはカナスの粘りによるものだと思います。それでも、このままなら、タイブレークに突入して、やはりリュビチッチが獲るのかな、という雰囲気はあったと思います。

  しかし、この日のマイアミ、かなり風があって、これがリュビチッチにアンラッキーに働いてしまいます。

  第11ゲーム、それまで、最初のポイントをカナスに許すことのなかったリュビチッチでしたが、カナスがやっとのことで拾ったボールが高く上がり、リュビチッチのコート後方へ落ちます。ネットに詰めていたリュビチッチは急いでボールを追いかけるのですが、風の影響でボールは押し戻され、リュビチッチの体近くに落ちてきます。とっさにボールを避けて、体勢を崩したリュビチッチ。ボールをカナスのコートに返すだけとなります。カナスはそれをバックハンドでクロスへ打ち返すわけですが、体勢を立て直しきれていなかったのか、リュビチッチは腕だけでスウィングするような形となり、ボールをネットにかけてしまいます。

  リュビチッチ、このアンラッキーにややがっくり? 30-30とするも、カナスにブレイクポイントを許します。30-40、ネットに詰めたカナスに対して絶妙なところへロブを放ち、逆にネットをとったリュビチッチ。しかし、カナスは猛然とボールを追いかけ、振り向きざまにリュビチッチの右横へフォアでパッシング。これが決まります。カナス、ワンチャンスをものにしました。

  第12ゲーム、なんとかブレイクチャンスを狙うリュビチッチでしたが、30-30から(確か)バックハンドのドロップショットをリュビチッチはミスしてしまいます。あ~…。そのままカナスがゲームをキープし、第1セット、なんと、カナスが奪取。

  第1セット、スタッツを見ただけでは、なんでリュビチッチは獲れなかったの? という感じですが(ウィナーも多かったし、トータルポイントも多かった)、ほんと、観ていても、あの第11ゲームの最初のポイントが試合の流れを変えてしまったような気がします。

  あと、リュビチッチのバックハンドもある意味、鍵となったかも。

  カナスは最初、リュビチッチのバックハンドがクロスにくるのか、ストレートなのかを読み切れていなかったんですよね。確かに、TV前で観ていても、リュビチッチがバックハンドをダウン・ザ・ラインに打つとき、本当に直前まで判断しづらい。リュビチッチがダウン・ザ・ラインにバックハンドを打つとき、最後までためて打つのはそうなのですが、本当にギリギリまで待てる。というのも、ダウン・ザ・ラインへ打つときは、振り切るというよりは、Y字のパチンコでボールをピュンと飛ばすように、ラケットフェイスでボールをはじくようにして打てるからなんだと思うのですが、これにカナスは戸惑っていました。で、一歩、二歩送れてしまうので、ウィナーを奪われる、と。

  しかし、徐々に、リュビチッチもこのバックのダウン・ザ・ラインにミスが出てきたり、試合が進むごとにカナスも察して、積極的にネットへアプローチするなど、プレッシャーをかけられるようになっていきます。

  第1セット終了後、リュビチッチは右ひざをトレーナーにマッサージしてもらっていましたが、動き自体にはあまり影響は出ていなかったと思います。

  第2セット、ここでも相手のサービスゲームをブレイクするチャンスが先に訪れたのはリュビチッチでした。リュビチッチは、3回目のデュースで積極的にレシーブを叩きに行くのですが、パッシングがわずかにサイドアウト。ほんと、あと1ポイントが遠い…。ここでも2度のブレイクチャンスを生かすことはできませんでした。

  このゲーム、それまでよりもかなり積極的なリュビチッチが観られました。もうちょっと早いうちから泥臭くポイントを獲りに行ってもいいんじゃ…なんて思いながら観ていたのですが、リュビチッチは必ず流れを作って、そのなかでポイントを獲る選手(だと私は思っている)。泥臭くポイントを獲りに行く選手じゃないんですよね。だからこそ、↑のゲームにように、どんどんリターンでカナスへプレッシャーをかけていれば…なんて後悔先に立たず。ま、やはりカナスの粘り勝ちです。

  結局、調子が上がってきたカナスは第4ゲームを簡単にキープ。第5ゲーム、リュビチッチにストロークミスが多くなり、カナスがあっさりブレイクに成功。そのまま第7ゲームもブレイク、カナスが7-5/6-2でリュビチッチを下し、決勝進出となりました。

  カナスは前半、本当に我慢、我慢の連続でした。これがじわじわと流れを引き寄せる要因となったということでしょう。リュビチッチ、最初は本当に危なげなかったのに、残念でした。優勝、できそうだったのに。ま、モンテカルロ、ローマに期待しましょう。

posted by takezoh |08:28 | テニス | コメント(0) | トラックバック(0)
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