2007年01月29日

神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

  どうやら、王者は年間グランドスラムを達成するだけでなく、1敗もする気はないらしい。ロッド・レーバー・アリーナでの14時間23分を、フェデラーはその意思表明に費やした……。この2週間のフェデラーのテニスを見て、私はそう強く感じました。

  そうなるのも当然でしょう。昨シーズンさえほぼ無敵。年間グランドスラムまであと2セット。年間の敗戦試合はたったの5つだったのですから(そのうち4つは決勝での敗戦。いずれもラファエル・ナダルに敗戦したもので、3つが全仏オープンを含むクレーコートの大会、1つはドバイ(ハードコート)の決勝。ストレート負けはなし。残りの1つは、USオープン・シリーズのひとつ、W&SFGオープン(ハードコート)の2回戦で、このときはアンディ・マレーにストレートで敗戦している)。

  フェデラーが明言している年間グランドスラム達成(2008年は北京五輪での金メダルと合わせて、年間ゴールデンスラムをも視野に入れているでしょう)。もはや敵のない状態で追求するものは、己のテニスのさらなる進化と完成。それは必然的に、シーズン無敗という記録をももたらすものになるはずです。

※ちなみに、記録は、フェデラーがダウン・ザ・ラインへバックハンドのウィナーを決めた瞬間にもいくつか誕生しました。ひとつは、失セット0で優勝したという記録。これは全豪では、1971年に優勝したケン・ローズウォール以来のこと。GSすべてでは、1980年の全仏オープンで優勝したビヨン・ボルグ以来の出来事だそうです。また、今回の優勝でGSタイトルが10となり、歴代5位。さらに、7回連続でGSの決勝へ進出したのは、1933~34年のジャック・クロフォード以来だということです(クロフォードの場合は、そのうち優勝したのは1933年の全豪・全仏・全英の3回ですから、それさえも凌ぐ記録ということになりましょう)。

  迷いのないフェデラーのそのテニスを、いつか誰かが破る日はくるのでしょうか?
  肉体的な衰えや、大きなアクシデント(故障など)がない限りは、難しいかもしれません。
  これは、5敗した昨年にすでに感じていたことではありますが、この2週間で確信になりつつあります。他の選手とは別次元でプレーをするフェデラーの王位は、まだこの先何年も揺らぐことはないでしょう。

  それでも、私は他の選手に期待したい。
  フェデラーの偉業をタイムリーに見られるということは、テニスファンにとってとても幸せなことだと思います。しかし、テニスはひとりでやるスポーツではありません。フェデラーの神業も、対戦相手があってのこと。フェデラーの一挙手一投足に感嘆することに終始し、対戦相手に、よく健闘した、などというばかりではつまらない。フェデラーが常に主役で、対戦相手が脇役になるドラマばかりではなく、両者が主役を競ったなかで、勝敗が決まるというドラマが見たいというのが本音です(例え、それでフェデラーが勝とうとも)。

  2007年シーズンはまだはじまったばかり。
  王者がどこまで階段を上がるのかを楽しみにするとともに、それ以外の選手が王者の追い詰める姿を想像しながら、それが現実になる日を待ちたいと思います。

  ま、そうなればそうなったで、フェデラーはさらに完璧を求めて高みに上がっていくことになるのでしょうが(笑)。

posted by takezoh |06:23 | 全豪オープン2007 | コメント(16) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

神に勝てるかもしれない、なんて希望を抱いた青年は、見事なまでに叩きのめされましたからねえ。

同じ時代に生まれてしまったのが不運なのか、このまま勝てずに終わってしまうのかなあ・・・。なんて気弱になってはいけませんね。
神に勝つことを考えるのではなく、少しずつ近づいて距離を縮めていく努力を続けていれば、いつか奇跡は起こると思いたいです。(今のところ勝つのは奇跡としか思えないので)

posted by 美咲 | 2007-01-29 07:13

>美咲さんへ

 いや、ロディックにはいつか絶対に勝ってもらいますよ(個人的な強い希望)! 特にロディックはウィンブルドンのタイトルを一番ほしがっているはずですから、そこでやってもらいたいです。
 今日から、フェデラーがポイントを失うパターンのデータ収集とかしてみますか(笑)。

posted by takezoh | 2007-01-29 07:18

Re:神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

私が大好きだったサンプラスを超える日も近いでしょう。
サンプラスの全盛期より強いのは実証済み。
あとは全仏のタイトルだけですかね。

次世代はナダル中心に強い若手が出てくるでしょうね。
全英でサンプラスに勝った時ここまで強くなるとは想像できませんでした。

posted by ぱふ♪ | 2007-01-29 11:44

>ぱふ♪さんへ

 早ければ来年にはサンプラスの14勝を抜いてしまいそうですよね。確かに、ウィンブルドンでサンプラスに勝ったときは、ここまで強くなるとは私も予想していませんでした。私もサンプラスをこよなく愛しておりますが、間違いなくフェデラーは史上最強のテニス選手といってもいいと思います。
 全仏、ナダルの3連覇か、それともフェデラーが初タイトルを獲得して年間グランドスラムへ王手(と言ってもいいと思います)をかけるか、盛り上がりそうです。

posted by takezoh | 2007-01-29 12:03

Re:神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

こんにちは。

まずは、全豪レポートお疲れ様でした。もちろん毎日重宝させていただきましたよ。

歯が立たない。なにか本当の意味でこの言葉を使える選手だなと、いまのフェデラーを見てるとそう感じます。しかし…ゴールデンスラムかぁ。アテネの結果だけに、それこそ北京では本気で獲りにくるんだろうなぁ。オソロシヤ。

私もロディックの勝利に一票!!フェデラーを破るのはオールラウンダーじゃなく、ビッグサーバー。その最たるロディックこそ…と期待は膨らむ一方です。あ、でも年間グランドスラムはやっぱり見たいわがままっぷりでもありますが。(笑)

posted by しん太 | 2007-01-29 16:16

Re:神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

 フェデラーに勝てる選手は誰か? いや~、難しい問題ですね~。クレーのナダル以外にはちょっと見当たらない、というのが正直な感想です。
 ちょっとフェデラーと他の選手の対戦成績を調べてみたのですが、ナダル以外で対戦成績が競ってるのはヒューイット・ナルバンディアン・ヘンマンぐらい。しかもこれは「昔勝ちっぱなし、最近負けっぱなし」というものですし……。期待のサフィンも意外に勝ててない(2勝7敗)。昨年マレーが勝ちましたが、次はコテンパンにやられちゃいそうな気が……。アンチッチ・ベルディッチ・ガスケなども初対戦では勝ちましたが、その後は1度も勝てていません(マレーは2回目で初勝利ですが)。
 意外とモンフィスなんかが期待できるんじゃないかな、という気がします。たしかまだフェデラーと対戦したことがなかったような気がするので、そういう選手のほうが番狂わせが期待できるんではないかなと。ただしGSでは無理だと思いますが(笑)。
 まぁ全豪の優勝は予定通りということで、4月頃(でしたっけ?)から始まるクレーシーズンが楽しみです。久々にチャレンジャーとして挑むフェデラーが見れる(笑)。まずは2月のドバイかな? 個人的には年間GSを期待してますが、他の選手との激戦の上でないとやはりつまらないという思いもあります。前にも言ったけど、フェデラー以外の全選手、がんばれ!

posted by バラージ | 2007-01-29 19:56

>しん太さんへ

 こんにちは。コメントありがとうございます。
 フェデラーの強さはもう手が付けられません(笑)。見事な勝ちっぷりでした。今年は本当に1敗もしないんじゃないかと思っているのですが(いや、2年連続で年間グランドスラム+北京五輪金もかなり現実的)、ロディックをはじめとした同世代の選手や若手がフェデラーを負かすのも、これまたテニスの醍醐味。ぜひ、他の選手も頑張ってもらいたいと思います!

posted by takezoh | 2007-01-30 00:13

>バラージさんへ

 フェデラーに勝てる選手は、今のところいないと全豪オープンでよ~くわかりましたが(笑)、それじゃあ、面白くないですよね。もちろん、偉業を目の当たりにするのはワクワクするのですが。
 そうなんですよね、フェデラーに勝ったことのある選手は、ナダルを除いて、みんな最初勝ってはいたけれど、次から負けっぱなし・・・
 モンフィスは確かにやってみるとかなリ面白い結果が出るような気は私もします。バグダティス戦みたいな試合だったら、フェデラーもリズム崩されて、第1セットあっけなく落とす、なんていうのもあるかもしれません(ほんとか?)。
 まずはクレーシーズンですよね。ある意味、このシーズンがいちばん見ごたえがあるかもしれません(ウィンブルドンはあっさり優勝しちゃいそうな気がするので)。それよりも、ナダルがやや心配だったりするのですが・・・

posted by takezoh | 2007-01-30 00:19

Re:神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

ご心配いただきありがとうございます。全豪、下馬評では「ナダル、駄目でしょう。問題外」なんて言う意見が多かったですが、ふたを開けてみたら調子が悪いといいながらQFまでいきました!若手の中ではやはりNO.1ですねぇ(勝手に言わせてください、今日だけは・・・)

今日テレビでマレー戦のダイジェスト版を見たのですが、第5セットは相手が疲れていたせいもありますが(もちろん)、お得意の角度のあるショットがバシバシ決まっていて気持ちよかったです!!

クレーシーズン、2005・2006年のようには行かないとは思いますが、それ程悪くもないんじゃないかなぁと、最近ちょっと希望がわいてきました。何の根拠もありませんが。去年の今頃は怪我で選手生活もう終わりかも知れないなんて泣いていたんですから、それに比べたらばら色ですよ。

posted by あびあ | 2007-01-30 03:13

>あびあさんへ

 ナダル、QFでゴンサレスと当たってしまったのが、今大会ではアンラッキーでした。ジェイムズ・ブレイクにハードで初勝利もあったかもしれませんよね。
 そして、春からナダルはフェデラーはじめ各選手たちから標的にされるシーズン。間違いなくフェデラーはナダル対策をとってくると思われますが、今の選手のなかでフェデラーに精神的に優位に立っているのはナダルだけですし、クレーシーズンは非常に見ごたえのあるものになりそうです(と、期待したいです)。
 ところで、ナダルの右太ももは大丈夫なのでしょうか?

posted by takezoh | 2007-01-30 04:18

ナダル、太もも(+有名なお尻)

・・・は明日MRI scan をするそうです。何でもなければデビスカップでスイスと対戦・・・神様は出ないらしいですけど。

私は特にサンプラスファンってわけではなかったですが、なんか今でも彼のチャンピョンのイメージが強くて、フェデラーがサンプラスを超えるなんて信じられないんです。

当時はインターネットもなくて、テレビでの印象だけですが、サンプラスはもっと謙虚だったようナ気がするんですが、思い込みですかねぇ。フェデラーのウエアがだんだんサンプラスみたいになってきた気がしません?

posted by あびあ | 2007-01-30 05:46

>>あびあさんへ

 私の心の中ではサンプラスを越える選手はいないのですが(笑)、サンプラスはクレーにめっぽう弱かったですから・・・それに、貧血症にヘルニアと、肉体面でも弱点はいっぱいありましたので。あと、サンプラスが地味だとか謙虚に映るのは(笑)、アガシがいたからっていう気もしないでもないです。まぁ、地味なチャンピオンと言われてはいましたが。
 時代が違うので誰が一番最強かというのは難しいと思います。ウィンブルドンは結局獲れませんでしたが、他では無類の強さを発揮していたレンドルが史上最強のチャンピオンという人もいれば、その前の時代の人を挙げる人もいるでしょうし。テニスのプレーそのもの、道具の変化などもあって、比べられるものではないんでしょう。
 フェデラーのウェア、確かにサンプラス・テイストですよね。ナイキの中ではそういうポジションなのか??

posted by takezoh | 2007-01-30 06:15

Re:神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

楽しかった2週間が終わってしまいましたね、takezohさんお疲れさまでした。

好き嫌いはおいといて、フェデラーが史上最強のプレーヤーである事は間違い無いと思います。大会に出るたびにレベルアップしていき、弱点を一つ一つ克服していく。№1になってさえ成長、素晴らしいと思います。彼の素晴らしさを証明する為にも今年は年間GSの達成をお願いしたいものです。(ちなみに私はバグちゃんのファンですが、フェデラーのプレーを観るたびに溜め息をついてしまう程ですから・・・)

フェデラーの更なる成長の為にもライバルの皆さん、頑張って!と(アンチ・フェデラーの皆さん怒らないでくださいね)

posted by rieechan | 2007-01-30 11:14

>rieechanさんへ

 こちらこそ、お付き合いいただきまして、ありあとうございます。
 終わってしまいましたねぇ・・・大きなイベントというのは、始まる前、始まってからはワクワクしっぱなしですが、終わると寂しいものです。
 フェデラーは、ある意味、90年代終わりぐらいからのテニスの完成形みたいな感じでしょうか。これまでのチャンピオンは何かしら弱点はあったと思いますが、フェデラーには見当たらない。バックハンドもすっかり武器になってますからね。

 バグダティスはランキングを少し下げてしまいましたね。逆に彼にとってはプレッシャーが少なくなって、またいい成績を残すきっかけになるかも?? あの笑顔はもっとたくさんみたいですから、頑張ってほしいと思います。

posted by takezoh | 2007-01-30 12:04

Re:神の領域に足を踏み入れたロジャー・フェデラーの2週間

 デビス杯1回戦、フェデラーだけでなくナダルも出場しないと聞いたのですが、出場することになったのでしょうか?

posted by バラージ | 2007-01-30 19:49

>>バラージさんへ

 Yahoo!Espanaをのぞいてきましたらば、30日付けのニュースで、左足のでん部に筋肉疲労はあるものの、来週から始まるデビスカップには参加できるのではないか、危険はない(と医者が言っている)、ということでした。明日、最終的な判断がくだされるということも書かれていました。
 ナダルの太ももは右側を痛めていたので、そこの検査かとばかり思ったら、左足もだったのですね(負担がかかっていた??)。

posted by takezoh | 2007-01-31 00:50

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