2007年01月29日
全豪オープン男子シングルス決勝 フェデラー×ゴンサレス
ロジャー・フェデラー vs フェルナンド・ゴンサレス 7-6(2)/6-4/6-4 ゴンちゃん、肩に力が入ってるで。硬いよ、フォームが。 とはいっても、ゴンサレスにとっては初のGS決勝の舞台、緊張するなというほうが無理な話。しかも、それをフェデラーが煽るように、ゴンサレスのバックのスライスに付き合わない。あえて強打を選択し、ミスを誘う。あるいは、ネットに詰めてラリーを封じてしまう。 また、ゴンサレスの優れた守備力は、今大会すでにナダル戦、ハース戦でも証明済みですが、フェデラーを相手にするとなると、そう簡単には通用しない。あと一歩が遠い。また、フェデラーの守備力はゴンサレスに勝るとも劣らない。しかも、劣勢からでも切り返しのボールが甘くならない。 それでも、先に相手のサービスゲームでデュースに持ち込んだのも、相手のサービスゲームをブレイクしたのもゴンサレスでした。
第1セット第7ゲーム、早い段階で積極的にネットに詰めるフェデラーが、バックのボレーをネットにかけて15-30と、ゴンサレスがポイントを先行します。ゴンサレスの逆をついたセンターへの2ndサービス、ゴンサレスのリターンをすかさずワイドへフォアで叩き込んで(ゴンサレス、よく追いついてバックで返すもボールがネットにかかります)フェデラーが40-30と逆転するものの、ゴンサレスは次のポイントで絶妙なロブを上げてフェデラーに無理な体勢でオーバーヘッドさせると、そのボールをワイドへフォアで押し込みます。フェデラーも後ろに下がりながらバックハンドで返球しますが、充分な体勢で打てずにボールはネット。デュースとなります。 しかし、フェデラーのクロスへのフォアをストレートへ切り返そうとしたゴンサレスのフォアがネットにかかり、フェデラーのアドバンテージになると、最後はバックのクロスのラリーから、フェデラーがネットに詰めてバックのハイボレーを決めて、ブレイクポイントを握るまでは行きませんでした。 第8ゲーム、ドロップショットのミスと、フェデラーのボディを狙ったパッシングをネットにかけるミスで0-30とフェデラーにポイント先行を許しながら、4ポイント連取でキープに成功したゴンサレス。第9ゲームにようやくチャンスがやって来ます。 フェデラーのセンターへの1stサービスにラケットの面がやや遅れて、バックハンドをサイドアウト、フェデラーのフォアの強打にダウン・ザ・ラインへ切り返したゴンサレスのフォアがわずかにアウトとり、30-0とフェデラーがポイントを先行しますが、ゴンサレスの浮いたリターンをフォアでドライブボレーしたボールがアウトになると(ゴンちゃん、股を開いてボールをよける!)、次のポイントでは、ゴンサレスのスライスをかけたバックのリターンに対して回り込んでワイドへ放ったフォアがアウトと、フェデラーのミスが2つ続きます。 30-30からフェデラーは、ボディを狙った1stサービスでゲームポイントを握りますが(ゴンサレスのバックハンドが遅れてアウト)、次のポイント、ゴンサレスのバックでのパッシングのコースを読み切っていたにも関わらず、ゴンサレスのボールは無常にもフェデラーの目の前でコードに当たって跳ね上がり、フェデラーが動いた方向と逆に落ちていきます。 そして、デュースからのポイント、ゴンサレスの浮いたリターンをフェデラーがクロスへフォアで打つも、わずかにアウト。最後はネットに出たフェデラーに、ゴンサレスがバックのクロスへのパッシング。1度目はフェデラーがボレーで返しますが、フェデラーのボールは厳しいところに返りません。ゴンサレスはもう一度、クロスへバックハンドのパッシング。フェデラーのバックハンドはゴンサレスの強打に負けて、ボールはネットを越えず。ゴンサレスがブレイクに成功しました。 第9ゲームをブレイクしたゴンサレスはセンターへのサービスウィナーでサービング・フォー・ザ・セットに入ります。しかし、40-15とセットポイントを握られても、フェデラーは落ち着いていました。 またもバックのスライスのラリーからネットに詰めるフェデラー。ストレートへ打ち込んだバックのボレーに追いついて、ゴンサレスはフォアでクロスへランニングショットしますが、すでにフェデラーはボールの飛んでくる位置で待ち構えています。オープンコートへフォアのボレーを決めます。そして、フェデラーのリターンをゴンサレスはフォアに回り込んでストレートへ切り返そうとしますが、無理な体勢から打ち込んだボールはネット。デュースになります。 デュースからのポイント、クロスでのフォアのラリーから、高い打点でストレートへ叩くフェデラー。ゴンサレスは追いつきましたが、バックハンドのボールはネットを越えません。最後は、短くなったフェデラーのリターンを、カット気味に回転をかけてワイドへフォアを放つゴンサレス。そのままネットにつきますが、フェデラーはゴンサレスがポジションをとる前に、その脇をバックハンドでパッシング。見事なブレイクバックです。 どんどんネットに詰めるフェデラー。第11ゲームも、躊躇なくネットへアプローチします。最初のポイントこそ、ゴンサレスがクロスへフォアでパッシングを決めますが、リターンが甘くなると見るや、前に詰めてドライブボレー。フォア、バックとボレーのウィナーを重ねて、最後はボディを狙った1stサービスで、ゴンサレスにまともにリターンを許しません。これでフェデラーの6-5となりました。 第12ゲーム、ゴンサレスとしては絶対にキープしたいゲーム。しかし、7度のデュースになる苦しい展開。4度のブレイクポイントをしのいで、最後はダウン・ザ・ラインへの見事なバックハンド! 何とかキープに成功し、タイブレークに入ります。 フェデラーのタイブレークの強さは折り紙つき(いや、それ以外の強さも折り紙つきですが)。フェデラーがミニブレーク2つで5ポイント連取した時点で、ゴンサレスの第1セットを奪取する望みはほとんどなかったと言っていいでしょう。フェデラーの甘いリターンをすかさずフォアでワイドへウィナーを奪い、次のポイントではゆるいサーブが効果を発揮、フェデラーのリターンをネットにかけさせ2ポイント挽回しますが、フェデラーのサーブを2つミニブレークするのは至難の業。 そして、その通り。1stサービスこそ入らないものの、早い段階でまたもネットにアプローチし、クロスへフォアのボレー。ゴンザレスも声を出しながらランニングショットを放ちますが、フェデラーのオーバーヘッドがオープンコートへ突き刺さります。最後は、長いラリーから(ゴンサレス、よく守備をしますが、いっぱいいっぱいです)、ゴンサレスの逆をついてフォアでワイドへウィナーを奪い、第1セット、フェデラーが奪取しました。 第2、3セット、ゴンサレスはフェデラーのサービスをブレイクするチャンスすら与えてもらえませんでした。第2セットはまだゴンサレスも自分のサービスを比較的簡単にキープするものの(とはいっても、第7ゲームは逆に簡単にフェデラーにブレイクを許してしまいました)、第3セットに入ると、ほとんどのサービスゲームはデュースに持ち込まれ、楽にキープをさせてもらえませんでした。 これがフェデラー以外の相手なら、ピンチのあとにチャンスあり、と言えるのでしょうが、相手はフェデラー。自分のサービスゲームはさらにギアを上げて、ラブゲームもしくは1ポイントしか許してもらえません。結局、第2セットは第7ゲームでブレイク、第3セットも第7ゲームをブレイクしたフェデラーがそのままリードを保って、全豪2連覇を達成することになりました。 1セットも奪えなかったゴンサレスでしたが、何もさせてもらえなかった試合ではなかった。昨年のマドリッドやバーゼルの大会よりも、素晴らしい戦いを見せてくれたと思います。確かにフェデラーは強かったわけですが、攻守ともストローク力に優れている選手であれば、太刀打ちできない相手ではないのかもしれません。事実、昨シーズン負けているのは、ナダル、マレーという選手であることからも、それがわかるでしょう。ゴンサレスがフェデラーから奪った31本のウィナーがそれを示していると思います。まぁ、それ以上にフェデラーは45本も奪っているのですが(また、ミスの数も、ゴンサレス28に対して、フェデラーは19)。 しかし、ただそれだけではフェデラーの尻尾を完全に捕まえることはできませんでした。 冒頭でも書いた通り、ゴンサレスはハース戦よりも明らかに肩に力が入っていました。そしてラリーでもフェデラーが、あえて強打を選択してミスを誘ったり、早い段階でネットアプローチすることで、ニュー・ゴンサレスの攻撃を封じていました。相手の肩に力が入れば入るほど、フェデラーはいい状態に脱力して、攻撃が仕掛けられる。また、読みもさらに冴えてくるのです。 フェデラーの凄さのひとつは、どんなプレースタイルの相手だろうが、どんなトップランカーが相手だろうが、それを封じ込める戦略を持っていること(試合のなかで、その戦略を得ることもある)。その戦略を可能にする優れた読みや、技術レベルの高さがあること。そして、勝負どころの集中力と揺るぎのない自信です。 さぁ、年間グランドスラムに向けて、フェデラーは最初の関門をいとも簡単に突破しました。次は、この2年間、ナダルに阻まれている全仏のタイトルです。これまでの勝ち上がりを見ると、初制覇どころか、全仏でも失セット0という記録は、不可能なことではないような気がしてきました。 一方、ジュニアで全仏オープンのチャンピオンになりながら、ここ数年、全仏は第1週で大会を去っていたゴンサレス。全仏での活躍も見てみたいのですが、シーズンを通しての活躍をぜひ! 全豪で見せてくれたプレーがあれば、今年こそ間違いなく(補欠ではなく)マスターズ・カップ出場です。ぜひ、頑張ってください(その前に、第2セットに入る前のメディカル・タイムアウトでマッサージしてもらっていた、右肩から背中にかけて、しっかりケアをお願いします)。
posted by takezoh |06:21 |
全豪オープン2007 |
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この記事に対するコメント一覧
Re:全豪オープン男子シングルス決勝 フェデラー×ゴンサレス
ストレートで敗れたとはいえ、ゴンザレスは善戦しましたね。
確かにハース戦よりかなり緊張して力が入っていましたが、GS決勝が初めて&フェデラーに1度も勝っていない(だから是非勝ちたい)のだから当然かも。
それでも随所にいいプレーを見せて、時折フェデラーの顔を強張らせていたように見えました。
ランキングも5位まで上がるそうですし、今年はかなりやってくれそうです。
全仏も頑張れ!(ロディックはクレーは期待できないので・・・泣)
posted by 美咲 | 2007-01-29 07:01
>美咲さんへ
第1セットは、もしかして!と思わせてくれました。いやぁ、もったいなかった、第10ゲーム。負けはしましたが、要所で「さすが決勝に上がってきただけある、ゴンちゃん、行け~!」と手をぎゅっと握らせてくれました。
ロディック、全仏なんとかならないですかね(笑)。私は、第2週目ぐらいまでは残れると思っているのですが、まぁ、今は無理ですか。ウィンブルドンに期待します。
ゴンサレスは、いまはハードが一番しっくりきているようですが、全仏もなかなか楽しみですよね。ぜひ、頑張ってもらいたいです。
posted by takezoh | 2007-01-29 07:14
Re:全豪オープン男子シングルス決勝 フェデラー×ゴンサレス
ゴンサレス頑張りましたよね。第一セットを取れれば展開は変わっていたかもしれませんね・・・まぁそれをやらせないのがフェデラーらしさなんでしょうが・・・でも楽しく見れました!最初は力んでたゴンサレスも途中からはウィナーも奪ったり、フェデラーのエース?と思いきや返してきてたり(それを読んでたフェデラーですが・・・)善戦しましたよね!?テニスファンとしては準決勝のような悲しい試合にならなくてホッとしてます。
posted by rieechan | 2007-01-29 07:31
>rieechanさんへ
惜しかった、第1セット! 第2セットも途中までは踏ん張ったんですが・・・やはり簡単にはゲームもセットも獲らせてはくれないですねぇ、フェデラーは。ストレート負けではありましたが、見ごたえのある試合をゴンサレスはしてくれたと思います。次こそは!頑張れ、GONZO!
posted by takezoh | 2007-01-29 07:45
Re:全豪オープン男子シングルス決勝 フェデラー×ゴンサレス
多少緊張してたとは言え、ゴンサレスはすごくいいプレーをしたと思います。
王者相手に果敢にウィナーを奪いにいったり、ナダルにも劣らないくらいのカバーリングでコートを駆け巡ったりと、ほんとに彼は強くなったと思います。
それでもフェデラーは強かった、強すぎた。
しかし、今後が期待できる試合でした。
初めて彼を見たのはいつぞやの全仏でのクエルテンとの試合でしたが、まさかこんなに化けるとは。
これから楽しみですね!ひょっとしたらクレーでナダルに勝つこともありうるかも!?
それにしても一体誰ならフェデラーに勝てるんでしょうか。
今年は年間GSを達成してしまうかもしれませんね。
posted by A | 2007-01-29 10:15
>Aさんへ
3セットで決着はついてしまいましたが、いい戦いを見せてくれたと思います。おっしゃる通り、本当にいい選手になりましたよね、ゴンサレス。本来はクレーも得意のはずなので、全仏では久しぶりに第二週目まで勝ち上がるゴンサレスを見てみたいです。
フェデラーに勝てる人は、ちょっと思いつかないですよね。サフィンでも、今は難しいかもしれません(それでも期待してしまうのですが)。
フェデラーの年間グランドスラム、達成する可能性はかなり高いと思います。やはり全仏がキーになりますでしょうか。
posted by takezoh | 2007-01-29 11:58
Re:全豪オープン男子シングルス決勝 フェデラー×ゴンサレス
第1セットは、ゴンサレスの好プレーもあってかなりの熱戦になったようですね(あ、昼間の放送になった準決勝からはビロ~ン画面でも見ていません。スポーツニュースで見たのみです)。しかしやはりさすがはフェデラー。本当に決めるべきところでは、ゴンサレス以上のスーパープレイで圧倒していたようですね。それでもなかなか白熱した試合だったようで、良かった良かった。
まぁ、はっきり言ってフェデラーの全豪優勝は予定通りとも言うべきで(もちろん年間GSを狙ってるでしょうし)、別段驚くことでもないのですが、失セット0というのはさすがに予想外。強すぎです。
posted by バラージ | 2007-01-29 19:37
>バラージさんへ
一方的な試合じゃなく、ゴンサレス君、頑張ってくれました。本当に第1セットはゴンサレスが獲ると思いましたから(TV前で、これは面白くなるぞ~、と、ゴンサレスを応援してしまいました)。
それでもフェデラーは余裕がありました。失セット0で優勝というのは、私も予想外です。誰かが(ジョコビッチやロディックが)1セットずつぐらいは獲るだろうと思っていましたから。
今年は1敗もしないどころか、前試合失セット0を狙っている? いや、3セットマッチだとそんなこともないか。でもフェデラーなので、あってももう驚かないですが(笑)。
posted by takezoh | 2007-01-30 00:22
Re:全豪オープン男子シングルス決勝 フェデラー×ゴンサレス
記事とは関係ありませんが、全豪オープン車椅子部門(?)で、国枝慎吾選手がシングルス・ダブルスともに優勝されたそうですね。おめでとうございます。
posted by バラージ | 2007-01-30 19:53
>>バラージさんへ
そうなんですよね、しかも単複両方で!
今年の全豪オープンは車椅子の大会と同時開催という画期的な試みが行なわれたそうなのですが、決勝戦、短縮バージョンでもいいから放映してもいいのに、と思ったりなんかしています。
昔、車椅子のテニスの試合を観に行ったことあるのですが、テニスのプレーに加えて、車椅子さばき(?)がすごくて、わぁ、とか、うぉ~、とか言っていたことを思い出します。
スポナビブログでも、社会人車椅子テニスプレーヤーのブログが始まったようです(私はまだ足跡残していませんが)。興味があれば、ぜひ。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/implayer/
posted by takezoh | 2007-01-31 00:58


