2006年07月02日

芝の王者に刺客はあるか?〈その2〉

どうも、タケゾウです。

前回の続きから。

なぜ、ヒューイットのQF進出に黄色信号がともるのか?

まず4回戦では、今年の3月マイアミで行なわれたATPマスターズシリーズで、オリビエ・ロクス、そしてアンディ・ロディックを破ってSFまで進んだダビド・フェレールと戦わなければならない。フェレールは、4月のモンテカルロと5月のハンブルグで、いずれもフアン・カルロス・フェレーロを破っていることも追記しておこう。

さらにQFには、今大会3回戦でロディックを破ったアンディ・マーレイ、もしくは、今年の全豪オープンでベスト8に残ったキプロス出身のマルコス・バグダティスが控えている。

ロディックの話は別の機会にするとして、マーレイはまだ19歳という、将来を嘱望されているスコットランド出身の新鋭だ(大会ではGBRで表記される)。その実力は、今回のロディックのシードダウンを演出しただけにとどまらない。

昨年のウィンブルドンでは3回戦でダビド・ナルバンディアンを苦しめた(フルセットの末、敗退)。今年2月、サンノゼで行なわれたインターナショナル・シリーズでは、SFはロディックを7-5/7-5のストレートで、そしてファイナルではヒューイットを相手に2-6/6-1/7(7)-6(3)の逆転勝ちをおさめ、プロデビューから1年も経たないうちに初優勝を遂げているのだ。デビュー当初はランキング400位台だったにもかかわらず、異例の早さでトップ100位内に入ったマーレイ。5月20日現在のランキングは41位、まだまだ上昇しそうな勢いである。

そのマーレイと4回戦で対戦するマルコス・バグダティスもこれからが楽しみな若手プレイヤーだ。彼の活躍で記憶に新しいのは、やはり今年の全豪オープンだろう。

当時、まだノーシードだった彼は、4回戦でロディック(全豪オープン第2シード)を、QFではイワン・リュビチッチ(同大会第7シード)を退けて、SFに進む。さらにそのSFではダビド・ナルバンディアン(第4シード)に2セットダウンとされながらも、逆転勝ち。ファイナルではロジャー・フェデラーの前に初タイトルはお預けとなったが、テニスファンに強烈な印象を与えた。マーレイやヒューイットとの対戦はないが、彼との対戦は一筋縄ではいかないことは大いにあり得るだろう。

最後に、フェデラーがファイナルに勝ち上がるまでに刺客は存在するか、ということを述べて男子シングルスの今後の展望を締めくくりたい。

4回戦で当たるトーマス・ベルディッチは、やはりフェデラーの相手には役不足の感が否めない。

3回戦のトミー・ハースとの戦いは、主審から双方にそれぞれ警告が1度ずつ出されるといった、お世辞にもいい試合とは言えない内容で幕を閉じた。ファイナルセットまでもつれたこの試合は、自分の思い通りの展開にならない、微妙な判定を不服とするなど、集中力を切らしたほうがセットダウンするという内容だった。

第1セットから第2セットの途中まではハースが非常にまとまったプレイを展開し、ひとつひとつの技術の高さ、巧さを感じさせただけに、彼が自滅していったのは非常に残念だった。しかし、仮に彼が勝ちあがっていたとしても、この状態では、正直フェデラーの敵にはならないと感じたことも事実だ。

それは勝ち上がったベルディッチにも当てはまる。ベルディッチがフェデラーの刺客になるには、相当の反省と気持ちの立て直しが必要になるだろう。

では、QFで戦うことになるマリオ・アンチッチ、もしくはノヴァク・ジョコビッチはどうだろう。

アンチッチは芝のコートを得意とするクロアチア選手である。2000年のウィンブルドン、男子ジュニア部門で準優勝した経験を持ち、2004年の本大会ではティム・ヘンマンを破ってSFに進出した(ロディックにセットカウント3-1で敗戦)。また、昨年、今年と、前哨戦のオランダ大会(インターナショナル・シリーズ)は2連覇を飾っている。実は、初めてウィンブルドン本大会に出場した2002年の1回戦で、アンチッチはフェデラーと対戦してストレート勝ちしている。まだ現在のように完成されたフェデラーではなかったものの、先日の全仏オープンQFでストレート負けを喫していることから、アンチッチにも思うところはあるだろう。

一方、ノヴァク・ジョコビッチはセルビア・モンテネグロの19歳。先日の全仏オープンQFでラファエル・ナダルと対戦したのでご存知の方も多いだろう(残念ながら2セットダウンのところでリタイア)。まだ多くの実績はなく、タイトルも獲得していないが、2回戦で第11シードのトミー・ロブレドをストレートを破っているだけに、侮れないだろう。

また、SFで戦うことになりそうなプレイヤーだが、QFの相手よりもフェデラーにとっては組みしやすいプレイヤーが多いように思う。

少しだけ紹介しておくと……
チェコのラデック・ステパネックはフアン・カルロス・フェレーロに対して32個のサービスエースを奪い、積極的にネットアプローチで試合を制したプレイヤー。
スペインのフェルナンド・ベルダスコは、例の一件の影響か否か、ダビド・ナルバンディアンをストレートで下した、ストローク主体で試合を組み立てるプレイヤー。プレイスタイルとしてはステパネックが有利と思うかもしれないが、辛抱強くラリー戦に持ち込めば、ベルダスコにも勝機はあると見る。

そして、今大会男子ダブルスでペアを組んでいる(それぞれダブルスでは常に良い成績を残している)ベテラン二人、スウェーデンのヨナス・ビョークマンとベラルーシのマックス・ミルニーは今大会ノーシードだが、ウィンブルドンの芝をよく知り尽くしている。二人の対戦成績では圧倒的にビョークマンに有利だが、ジェイムズ・ブレイクを破って勝ち上がっているミルニーにもチャンスはあるだろう。

さて、果たして、フェデラーの4連覇は達成できるのか?
W杯も佳境、ウィンブルドンも佳境、眠れない夜はまだまだ続きます。

posted by takezoh |19:20 | ウィンブルドン2006 | コメント(0) | トラックバック(0)
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