2006年11月12日

〈ソニー・エリクソン・チャンピオンシップス〉決勝はモレスモvsエナン

ジュスティーヌ・エナン・アーデン vs マリア・シャラポワ 6-2/7-6(5)

いやぁ、エナン、すごすぎる。
勝負師の本領発揮となった試合でした。

立ち上がりから、サービスゲームでも、リターンゲームでも積極的にネットへアプローチして、シャラポワにプレッシャーをかける。また、シャラポワの2ndサーブのときは、ベースラインの内側に一歩入って、ここでもプレッシャーをかける。さらに、エナンは球種を打ち分けて、簡単にシャラポワに強打させません。

なかなかウィナーを奪えないシャラポワ。こうなると、焦って、無理に強打でウィナーを奪おうとするどころか、甘いボールにまで力が入って自らミスをおかしてしまう。エナンはサーブの調子もよく(%はさほど良くありませんが、勝負どころで入れてくる、また2ndでのポイント奪取率が高い)、シャラポワのサーブに対してもいいリターンをポンポン入れてくるんですよね。

シャラポワ、攻め手がなくなります。第1セット第2ゲームはエナンに翻弄されて最後はフォアのダウン・ザ・ラインを決められ、第6ゲームはダブルフォルトでゲームを落としてしまうありさま。第7ゲーム、1つブレイクバックに成功しますが、これはエナンがダブルフォルト2つ、そしてサーブ&ボレーを2回続けてどんどん前に出るものの、ボールが浮いてしまって、シャラポワのポイントとなってのブレイク。シャラポワがエナンを攻めてポイントを奪ったというわけではありませんでした。

第8ゲーム、エナンがワイドへバックハンドでウィナー、フォアのダウン・ザ・ラインのパッシングショットを決めてポイント先行。次のポイント、ようやくシャラポワがラリーでエナンを追い込むものの、自らバックのハイボレーをネットにかけるミスをおかして、またもエナンにブレイクチャンスを与えてしまいます。0-40からエナンがバックハンドのリターンをサイドアウトさせて15-40となりますが、最後はシャラポワがクロスへのフォアをアウトにさせて、第1セットを落とします。

第2セットは第7ゲームまでキープが続きますが、エナンがミスを連発してくれない限りは、ブレイクチャンスまで持って行けないシャラポワ。

第8ゲーム、フォアハンドのミスと、エナンのリターンエースでポイント先行され、1ポイント挽回するも、エナンのリターンダッシュでプレッシャーをかけられ、クロスへのフォアをアウト。エナンに先にブレイクチャンスを許します。いいサービスを入れてなんとかデュースに落ち込みますが、シャラポワの強打に押されても返球するエナンから、ここでもなかなかウィナーが奪えません。4回デュースが続き、シャラポワがフォアをネットにかけると、最後はエナンの深いリターンに後ろに下がりながらボールを打たされ、これがネット。エナンにとうとうブレイクを許してしまいます。

しかし、第9ゲーム、サーブ&ボレーを見せたエナンのボレーが甘くなり、シャラポワがブレイクポイントを握ると、最後はエナンがクロスへのフォアをアウトにさせて、シャラポワがブレイクバックに成功。このままキープが続き、タイブレークに突入します。ちなみに、キープが続いたとはいえ、シャラポワは自分の組み立てでポイントを獲れたというのがほとんどなく、第12ゲーム、やっと気持ちのよいウィナーがシャラポワに出た、という感じでした。

タイブレークでいきなりセンターへのサービスエースを決めるエナン。シャラポワのミスが重なり、また、エナンが再びセンターへのサービスエースを決めて4-1とリード。シャラポワもワイドへのサービスエース、エナンのリターンをフォアで切り返してウィナーを奪うなどで4-3と挽回。

さらに、エナンのサーブ&ボレーの足元にリターンが沈み、これがネットにかかって4-4となりますが、ラリーでシャラポワが逆をつかれて、フォアが大きくアウトになると、今度はバックハンドがサイドアウトになり、エナンの6-4、マッチポイント。次のポイントでエナンがリターンをネットにかけますが、最後はシャラポワがストレートへのフォアをネットにかけるミスで試合が終了しました。

エナンは終始、自分のペースでゲームを展開。シャラポワは途中、顔が硬直してました。
あれだけ弾道の高低差、回転の違うボールでラリーされると、そうそう強打ばかりするわけにはいかず、先にエナンに仕掛けられるのも仕方ないでしょう。それを堪えきれずに強打しにいくと、かつての悪いクセ(ミスに繋がる)が出てしまいますよね。

まぁ、個人的にはエナンのすごさを久しぶりに見られて良かったです(笑)。


アメリ・モレスモ vs キム・クライシュテルス 6-2/3-6/6-4

クライシュテルスは基本的にハードヒッターなので、ストロークのリズムが一定の相手にはぐいぐい押してウィナーを奪えるのかもしれませんが、モレスモやエナンのようにいろんな球種でバウンドだけでなく、ボールスピードでの緩急をつけてこられると、なかなか自分のペースでラリーができないようです。

第1セットは、そんなモレスモに対して、ミスヒットが多く、自分のリズムに乗れないまま試合が進み、第1、5ゲームとブレイクされ、第1セットをモレスモに簡単に獲られてしまいます。

第2セット、モレスモのミスに乗じてクライシュテルスが第2ゲームをブレイクすると、サーブもストロークも徐々に調子を上げてきて、第6ゲームもブレイクに成功します(バックのパッシングショット、フォアのクロスへのウィナー、バックのリターンエースなど、自分の形でポイントが獲れました)。

ただ、モレスモもここでずるずるとゲームを獲られるのではなく、第7ゲーム、我慢してクライシュテルスのミスを誘って1つブレイクバックをしたこと、その次の第8ゲームで、ダブルフォルトを出しながらも、ネットプレーでウィナーを奪ってキープに成功したのは良かったと思います。これが、第3セットに生きてくる。

第3セット、ここでもモレスモが先にクライシュテルスに1ポイントも獲れずにブレイクを許すのですが(第5ゲーム)、第6ゲームでお返し。ストレートへのバックのウィナー、いいリターンからクラシュテルスのミスを誘って、2ポイント先行。さらに、ワイドへのフォアのアングルショットがウィナーとなり、最後はバックのダウン・ザ・ラインでブレイクバック成功。

第8ゲーム(クライシュテルスのサービスゲーム)の攻防は、本当に見ごたえのあるものでした。

最初のポイントはクライシュテルスが獲りますが、次のポイントでバックハンドをミス。15-15からモレスモがスマッシュを決めてポイント先行。しかし、モレスモがフォアのミスとバックのスライスがアウトで連続してエラーします。それでもモレスモはラリーでクライシュテルスを押し込んで、クライシュテルスのエラーを誘います(バックハンドがネット)。

1回目のデュース、クライシュテルスがクロスへのバックハンドのウィナーを決めてアドバンテージ。しかし、フォアとバックのミスを続けて、今度はモレスモがアドバンテージを握ります。クライシュテルスのフォアの強打にモレスモのボールがアウトになって、3回目のデュース。我慢するモレスモ。クライシュテルスのバックハンドがアウトになり、最後はモレスモのバックのスライスに、クライシュテルスがフォアハンドをアウト。チャレンジするも、失敗して、モレスモがとうとうブレイクします。

最後のゲームは、モレスモがワイドへのフォアのボレー、クロスへのバックハンドと2ポイント続けてウィナーを奪い(次のポイントでダブルフォルトをおかしますが)、30-15からセンターへいい1stサーブを入れて、クライシュテルスのリターンをネットさせると、最後はラリーからクライシュテルスがフォアハンドをアウトにさせて試合が終了しました。

モレスモは、無理にウィナーを奪いに行くのではなく、自分の形になるまで、いろんな球種、緩急でラリーを続けられる我慢強さがあると思うのですが、今大会、最初のペトロワ戦の調子の悪さは別として、他の試合では、本当にこのモレスモの粘り強さと持ち味が出ていたと思います(それにしても、ペトロワ戦以外はすべてフルセット。お疲れさまです)。

決勝はエナン。前日のときの試合よりも、エナンは最初からトップギアで入ると思うので、そこをどう凌いで、自分の形に持っていけるか、という感じでしょうか。

エナンはチャンピオンシップス優勝はまだないですし、彼女の勝利への執念はすごいですからねぇ。

お互いシングルハンドで、ネットプレーも多用する(モレスモのほうがサーブ&ボレーヤーと言えますが)選手ですが、かなり対極的なプレースタイルの二人。いわば、柔と剛(もちろん、モレスモが柔で、エナンが剛)でしょうか。柔よく剛を制すといいますが、果たして結果はどちらに???

posted by takezoh |16:01 | テニス | コメント(6) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:〈ソニー・エリクソン・チャンピオンシップス〉決勝はモレスモvsエナン

おぉ、モレスモはさすがに勝負どころで強いですねぇ。強いってのは勝つべき試合で勝てるってことなんだろうなぁ。

ベルギー対決じゃなくなりましたが、全英の再現てのもテンション上がりますよ。ってことで、エナンのリベンジに一票!!

posted by しん太 | 2006-11-12 17:14

>しん太さんへ

技師の2選手が残りましたね。

エナンは今年、全豪は決勝途中リタイアでモレスモに負け、ウィンブルドンでも決勝で負け、さらにラウンドロビンでもモレスモに負けているというのが痛いところですが、チャンピオンシップス初タイトルに執念を燃やしているはず。個人的にも今年はエナンになんとか、と思っています。

非常に楽しみな組み合わせになりました。

男子も始まってへろへろです。

posted by takezoh | 2006-11-12 18:52

Re:〈ソニー・エリクソン・チャンピオンシップス〉決勝はモレスモvsエナン

 おお! エナンが、シャラポワ時代に待ったをかけましたね! 勢いに乗ってるシャラポワがこのまま一気に行っちゃうかと思ったんですが、そう簡単にはいきませんでしたね(まぁいずれはシャラポワ時代が来るんじゃないかとは思いますが)。
 これまた結局はエナン対モーレスモという、落ち着くところに落ち着いた対決となりましたね~。いや~、どっちが勝つんでしょうか? 今回は予想がつきません。楽しみです。

 にしても好き嫌いは別として、やっぱりシャラポワは美人だよなぁ。女優やモデルと並んでも全然遜色ないんだもん。アジアからも、チャン・ツィイーみたいなテニス選手が出てきませんかねぇ(笑)。

posted by バラージ | 2006-11-12 19:39

>バラージさんへ

ほんと、落ち着くところに落ち着きました。
さすがエナンです。シャラポワのあのヘコみ具合は東レPPOのヒンギス戦を彷彿とさせました。

しかし、優勝予想がますます難しくなりました。
ほんと、互角の戦いになると思います。すごく楽しみです!

アジアからチャン・ツィーみたいな選手ですか。日本から超美人の選手が出たら、民放でもテニスの試合放映が増えるかも(笑)? そんなところに期待してはいけませんか……

私は女子選手だとイワノビッチあたりの顔が好きです。男子はやっぱりサフィンが男前かな(デビュー当時より今のほうがいい顔になってきたと思います)。

posted by takezoh | 2006-11-12 20:02

Re:〈ソニー・エリクソン・チャンピオンシップス〉決勝はモレスモvsエナン

またもこの両者の対決ですか、リスクを負ってネットで勝負する両者、いいですねえ。
ところでチャン・ツィーみたいな選手ですか・・・・・・なんかそんな選手が出てきたらどこかの週刊誌が十何年にやった「テニス尻ーズ」なんていう企画の再来を生んでしまう気がしますけどねぇ。

posted by 西久保 | 2006-11-12 22:16

>西久保さんへ

毎度コメントありがとうございます。

「テニス尻ーズ」なんていう企画をやった週刊誌があったのですね。それは知りませんでした。確かにビジュアルの良い選手はすぐに別のところで騒がれがちですから、本人たちにとっても本意じゃなくて迷惑な話になってしまいますよね。

それはさておき、まもなく女子決勝。放映まであと1時間、わくわくして待っています。

posted by takezoh | 2006-11-12 23:00

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