2006年08月23日

記録という名の呪縛と感覚の麻痺

ドーピング検査で違反が発覚していたジャスティン・ガトリンの処分が決定したそうです。
ドーピング問題について考えるには、いまはあまりにも時間がないので、今日は感想をちょっとだけ。

まず、再犯ということで永久資格停止の可能性もあったそうですが、結果的には8年間の出場停止という処分。彼の年齢が24歳ということ、彼がトップスリートであることを考えれば、8年間の出場停止は非常に重い処分(重い処分を受けて当然、という考え方もあるでしょう)。

本来ならば、24歳というのは、選手としてこれから充実期に入る時期だと思います。

世界記録をたたき出し、トップとして君臨するようになると、それを(肉体的、体力的、あらゆる意味において)維持することは非常に難しい。
しかも、短距離の世界では0.01どころか0.001秒を縮めるのも至難の業。

そのなかで8年間レースに出場できないというのは、モチベーションをも維持するにはあまりにも長く、陸上選手でいられるかどうかという大きな違いこそあれ、永久停止処分にも匹敵するものでしょう。

成功、世界記録、金メダル。
どの選手も、あらゆる目標を掲げて、それにまい進していきます。
しかし、ひとたびそこに手が届いたとき、挑戦者とは違う苦悩がはじまります。
そして、その苦悩から解放される壁は非常に厚く、高い。

より高みへと登りつめるために襲いかかる誘惑。


ちなみに、あまりにもレベルと内容の違いすぎる話、しかも私事で恐縮ですが……

よく効く(ような気がする)、いちど飲みはじめるとクセになる、でも、効果が切れるとガタッと体力が落ちる。そう聞いていたこともありましたし、そういったものに頼るのは嫌だという自分がいたからなのですが(まぁ、それぐらい飲んでもいいやん、っていう話ではありますが/笑)、昨年まで、仕事で徹夜が続き、どれだけ多忙になっても、栄養ドリンクといわれるようなものは一切口にしなかったんです。

しかし、昨年の初秋、久々に尋常ではない日々を過ごしまして、年齢というのもあったんだと思いますが、体力低下に食欲減退、そして体重減少。生まれて初めて、そういった類のものを飲みました。

実際、効いたような気がします。
やたらとお腹がすいたような……

で、その後、似たようなシチュエーションになったときに、何度かコンビニで栄養ドリンクを買っている自分がいました。アカンな~、自分。と思いつつも(笑)。

もともと徹夜すること自体は辛いと感じる人間ではないので、結局、何度めかに購入した栄養ドリンクは冷蔵庫で半年以上も眠ったままになってしまいましたが。
↑
こないだ睡眠障害による新たな弊害についてのニュースが出たばっかりやがな!

もうひとつ。

持病(?)のためによく鎮静剤のようなものを服用するのですが、もう長年、服用し続けているので、まったく効果がないわけですよ。そうすると、量も増えるし、似たような薬でもっと効果が期待できそうな違う種類の薬を試したりする。

おかげで親知らずを抜くとき、普通の人の2倍の量の麻酔をかけてもらったにも関わらず、まったく効果がなくて、死ぬ思いをしたことがあります(笑)。
麻酔なしでドリルを口のなかに入れられるあの感覚、私は一生忘れません。
「痛かったら言ってくださいね~」って、言えるかっ!
想像を絶する痛みでカラダが硬直して、「あ」とか「う」っていう言葉も出ぇへんかったちゅうに。

そんな思い出話はさておき、本題に戻ります。

人間とはいとも簡単に感覚が麻痺してしまう動物で、それは世界記録保持者であろうが、私のような庶民であろうが、根本的に同じなんだと思います。

ただ、トップアスリートであり続けるためには、その「感覚の麻痺」をいかに排除して、モチベーションを保ち、目標に立ち向かっていけるか。そこが非常に重要になってくる。
業績を上げている経営者などの方たちもそんな感じでしょうか。

しかし、その目標が大きければ大きいほど、それに比例する大きな落とし穴がある。

その落とし穴に、自分の掲げた目標よりもさらに上を行くことが可能になるかもしれない踏み台やトランポリンのようなものがあったとしたら?

それでも、その落とし穴にフタをすることができる精神力を持つことがトップアスリートたる所以なのでしょうが、掲げている目標が、ときにその精神力さえも麻痺させてしまうことがある。

コンマ何秒の世界のために肉体を鍛え、技術を磨き、精神力を養う彼らは、私にしてみればすでに「超」のつくヒト。さすがに1秒そこらで100mを疾走することは不可能でしょうが、それさえも可能にしようとすることが新しい記録を生み出しているのも事実。

世界のスポーツ界ではアンチ・ドーピングが声高に叫ばれ、これだけ厳しい取り締まりがあるにもかかわらず、いっこうになくならないトップアスリートのドーピング。

とはいえ、ドーピングを取り締まることはできても、人の気持ちまでは取り締まることはできない。

ドーピング問題はスポーツ界の永遠のテーマなのかもしれません。

来月に開催される、スーパー陸上2006ヨコハマ。
当然ながらガトリンは出場しませんが、世界タイ記録を持つアサファ・パウエルをはじめ、世界のトップが集結する大きな大会です。
このニュースが何らかの影響を与えるでしょうか。
いろんな意味で、注目していきたいと思います。

って、冒頭に「感想をちょっとだけ」と書いておいて、えらい長くなってしまいました。反省。

posted by takezoh |20:58 | スポーツカルチャー | コメント(0) | トラックバック(0)
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