2008年07月01日
〈WB2008〉女子シングルス4回戦
いやぁ、男子も女子も、誰がこの勝ち上がりを予想していたでしょうか(フェデラー、ナダル以外)。しかし、WB4回戦の観戦はしんどい。女子のほうが先にQFが行われるため、まずは女子の4回戦から振り返ります。 鄭潔(チャン・ジィ)(CHN)[W]×アグネス・サバイ(HUN)[15] 6-4/6-4 こちらは最後のほうだけ試合を見ました。途中まではライブスコアで試合を追っていたのですが、第2セット、一度はサバイが1ブレイクアップでリードしていたんですよね。が、ちょっと目を離した隙に、4-4に並ばれていた! 結局、鄭潔が1ブレイクアップのリードに変わり、迎えた第2セット第10ゲーム(サービング・フォー・ザ・マッチ)、サバイの表情はもうファイトが残っていないという感じにも見えました。最後のポイントは長いラリーが続くのですが、サバイはリスクを冒したくないせいか、勇気を持ってコースを変えることが出来ず、そのなかで鄭潔がフォアでダウン・ザ・ラインへ渾身の一打。ウィナーとなり、試合が決まりました。鄭潔はイワノビッチ戦でもサバイ戦でもいいプレーが続いているようです。
ニコール・バイディソバ(CZE)[18]×アンナ・チャクヴェタゼ(RUS)[8] 4-6/7-6(0)/6-3 こちらはWB公式ライブストリーミングではリージョン・ブロックがかかっていたため、見ることができませんでした(NHK総合で放映されたんでしょうか? そちらはチェックしていません)。長いスランプに陥っていたバイディソバが、ここに来て本来の力を発揮しはじめたということか? 実力からいえば、チャクヴェタゼもバイディソバも拮抗していると思うので、この勝敗は驚きませんが、バイディソバにもにわかに優勝のチャンスが出てきたように思います。もし、鄭潔が集中力の高いプレーを持続していれば、バイディソバのメンタルが試されることになるでしょう。 アグニエシカ・ラドワンスカ(POL)[14]×スベトラーナ・クズネツォワ(RUS)[4] 6-4/1-6/7-5 とうとう、女子は第1シードから第4シードのトップシード4選手が消えてしまいました(クズネツォワの試合の前に、ヤンコビッチの試合が終わっていた)。4回戦で第4シードまでが敗退なんて、これまであったっけ? と思ったら、どうやらGS史上初のことだそうです。いかに現在のWTAツアーには絶対的な女王がいないかというのを再認識させられたような気がします。 で、試合のほうなのですが(WOWOWでライブ中継されました)、クズネツォワは決して悪くはなかったのですが、第1セットはラドワンスカの持ち味が上回り、ラドワンスカが奪取。しかし、ギアを上げたクズネツォワがベーグルの勢いで第2セットを奪い返します。ラドワンスカはクズネツォワの多彩な攻撃に少し集中力を欠き始めていたように思います。第3セットも同じ流れでクズネツォワが1ブレイクアップで4-1とリード。が、しかし、ここからラドワンスカが再び息を吹き返します。観客もなぜか最初からラドワンスカ応援が多かったなぁ(うぅ、クズネツォワ…苦笑)。 それでも、クズネツォワにまだ流れがありました。ラドワンスカにブレイクバックを許したものの、クズネツォワは4-3(第8ゲーム)で何度もブレイクチャンスを握るのです。しかし、ラドワンスカはピンチになっても冷静なプレーでクズネツォワのチャンスをことごとく潰し、キープに成功。ここから流れが一気に変わりました。リードしていたはずのクズネツォワのほうが、追い込まれてしまったような感覚に、見ている私も襲われたくらいです。それだけ、ラドワンスカのプレーはいやらしく(褒め言葉です)、クズネツォワにやりにくさがありましたから。TVではわからないコート上の駆け引きみたいなものもあったでしょう。 その通り、クズネツォワは第9ゲームのキープに苦しむ。ラドワンスカのプレッシャーからどんどん焦りが出てきます。第9ゲームはキープしたものの、第11ゲームでブレイクを許し、そのまま試合を落としてしまうことになりました。 クズネツォワにはここでトップシードの意地を見せてもらいたかったとは思いますが、次はセリーナということで、クズネツォワが勝ち上がるよりもラドワンスカが勝ち上がったほうがQFのセリーナ戦は面白いものになるだろうと思っていたので、ラドワンスカが勝って良かったとも思います。 セリーナ・ウィリアムズ(USA)[6]×ベタニー・マテク(USA) 6-3/6-3 まぁ、同じアメリカ勢ですから、マテクの頑張りもここまでだったということでしょうか。この試合は見られていないので、セリーナの調子がどうなのかわかりませんが、ラドワンスカはセリーナにとってもやりやすい相手ではないと思います。前後左右に揺さぶるだけでなく、ウィナー級のショットを打っても拾っていやらしいところに返してくるラドワンスカに、どれだけ集中力を切らさず、最後まで戦えるか。注目したいと思います。 エレナ・ディメンティエワ(RUS)[5]×シャハール・ピアー(ISR)[24] 6-2/6-1 こちらの試合もほとんど見ていません。ちょっとだけWB公式ライストでチェックはしましたが、長いラリーになると、ディメンティエワのしぶとさ、守備力にやはり軍配が上がります。今季絶好調のディメンティエワ、全仏は苦手(?)サフィナにやられましたが、今回はサフィナはもういない! ディメンティエワにも初タイトルのチャンスは充分にあると思います。 ナディア・ペトロワ(RUS)[21]×アラ・クドリャフツェワ(RUS) 6-1/6-4 WB公式ライストで少しだけ見ました。クドリャフツェワはシャラポワ戦よりもショットの精度が悪く、ミスが多かったような印象があります。また、ちょっと緊張していたような気も…シャラポワのウェアが嫌いだから勝ちたかったというクドリャフツェワ(汗)、これまた同胞の先輩、ペトロワにはさすがに気遅れしていたのか? 第2セット途中はシャラポワ戦でも見せていた気持ちの強さをプレーに出せていたように思いますが、ペトロワを揺さぶるには不十分だったような感じがしました。ペトロワ、右膝はどうなんでしょう。ディメンティエワのしぶとさを考えると、フィジカル面が少し心配です。 ヴィーナス・ウィリアムズ(USA)[7]×アリサ・クレイバノワ(RUS) 6-3/6-4 ダイジェストでしか試合を見ていません。が、杉山さんを苦しめたクレイバノワも、さすがにヴィーナスにはかなわない、という印象を持ちました。ヴィーナスの試合をまともに見たのは、3回戦のマルティネス・サンチェス戦だけですが、今のところ、セリーナよりは良さそうな感じ。3回戦は1stサービスの確率が悪かったものの、大事なところではほぼエースかサービスウィナーが取れる集中力を発揮していましたし、ストロークにもキレがありました。昨年は森上さんとの試合をきっかけに調子ががっつり上がったヴィーナスですが、今年は1回戦から安定して勝ち上がっているのではないでしょうか。 タマリーン・タナスガーン(THA)×エレナ・ヤンコビッチ(SRB)[2] 6-3/6-2 第2セットをWB公式ライストで見ました。タナスガーンは前哨戦を予選から勝ち上がって優勝、ここまでも快進撃が続いていますから、相当、体に疲労がたまっているはずです(実際、メディカル・タイムアウトを取って、腰のマッサージをしてもらっていました)。 しかし、それを感じさせないパワフルなストローク。しかも、1本たりとも同じコースはないというようなラリーを展開、ヤンコビッチを押していたように思います。短くなったらすかさずネットを取り、ボレーでポイントを決める。どんどんヤンコビッチのミスが早くなり、とうとう5-1でサービング・フォー・ザ・マッチとなります。ヤンコビッチもここは踏ん張り、1つブレイクバックに成功しましたが、タナスガーンがそれで崩れることはありませんでした。第8ゲーム、ヤンコビッチのサービスゲームだったのですが、タナスガーンの1ポイント、1ポイントの集中力に、ヤンコビッチは簡単にミス(一応ウィナー狙いも1本ありましたが、これも入らず)、最後はサバイ同様、ファイトがなくなっていたように思います。 こうして第8ゲームを破って試合をモノにしたタナスガーン、勝利の瞬間(ヤンコビッチのボールがアウト)、ベースライン上で顔を覆ってしゃがみ込みました。タナスガーン、ウィンブルドンで初のQF進出です! ということで、女子はアジア勢が2人もQFに残るという結果になりました(ここに杉山さんがいたらなぁ、なんて思っちゃいました)。そしてベスト8はこちらの顔ぶれ。 鄭潔(チャン・ジィ)(CHN)[W]×ニコール・バイディソバ(CZE)[18] アグニエシカ・ラドワンスカ(POL)[14]×セリーナ・ウィリアムズ(USA)[6] エレナ・ディメンティエワ(RUS)[5]×ナディア・ペトロワ(RUS)[21] ヴィーナス・ウィリアムズ(USA)[7]×タマリーン・タナスガーン(THA) こうなったらタナスガーン、優勝まで行っちゃえ!!
posted by takezoh |18:58 |
ウィンブルドン2008 |
コメント(6) |
トラックバック(0)
トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/takezoh/tb_ping/1049
この記事に対するコメント一覧
〈WB2008〉女子シングルス4回戦
いやぁ、荒れる夏場所……じゃなかった、ウィンブルドンは大変なことになっちゃいましたね~。僕の予想は見事に外れて、久々のウィリアムズ決勝でしょうか? それとも鄭潔対タナスガーンのアジア決勝になったりして。
NHKではフェデラー対ヒューイットの後に、バイディソバ対チャクベターゼを放送してました。最初のほうだけ見て途中で寝ちゃったんですが(結果もわかってたし)、最初はチャクベターゼの方が調子がよかったです。ビデオに録ったのを最後のほうだけ見たら、どうも途中でチャクベターゼがキレて自滅してしまったようです。
ところで、タマリネ・タナスガーンって、どっちが名前でどっちが苗字なんでしょう?(新聞なんかで「タマリネ」で載ってたりするんで)
posted by バラージ | 2008-07-01 23:09
〈WB2008〉女子シングルス4回戦
今回は男女ともに本当に波乱ですね。というか、次の世代が頭角を現し始めたということもあるんですかね?
ただ今回の上位シードは怪我+芝ぶっつけ本番なところが痛かったように感じます。また今回は雨ので中断がほとんどなく、コートの荒れ方もいつも以上に感じます。色んな条件が重なったのもあるのかな?って思いました。
チャクベターゼに期待していたので残念でした。まぁなんとなくタイブレークを一ポイントも奪えず落としたあたりでバイディソバの勝ちだなって感じました。
クズネツォワは…う~んラドワンスカがハードヒットしだしてから押されてましたね。(というか急にスイッチが入った印象でした)正直4-1でもう一ゲームを取れれば変わってたでしょうね。
posted by R | 2008-07-02 00:20
〈WB2008〉女子シングルス4回戦
こんばんは、タケゾウさん。
トップシードの敗退でウィリアムズ姉妹が優勝候補に躍り出た感じですね。 やっぱり運とかこの大会との相性がいいんでしょうね。 ベスト8にアジア人が残ってうれしいです。 タナスガーン、前哨戦からの好調をキープしてますね。 30歳をこえてからベストの成績なのはすごいです。
そういえば、ウィンブルドンのHPに6月30日付のニュースで”Eastern promise”という記事がありました。 昔からセルビア・チェコ・ロシア等の東欧は有能な選手が多く誕生する土地だが、今後はその東欧だけでなく東アジアからの選手にも注目だという切り口で、今大会で大活躍のタナスガーンとチャン・ジィ、ここ数年アジア女子の中心として頑張ってる杉山さん、そしていまもっとも将来が注目されてる錦織君について書かれてました。 アジアのテニスは欧米に比べれば、環境や伝統・歴史などでまだ追いついていないのでしょうが、こうやって注目され活躍する選手が増えることでもっと発展してほしいです。
posted by ノーマン | 2008-07-02 02:45
>バラージさんへ
ラドワンスカはまぁ、想定内としても、鄭潔とタナスガーン(とペトロワも)は本当に予想外でした。でも、プレーを見て納得です。タナスガーンはヴィーナスに負けてしまいましたけど、よくここまで頑張ったなぁ、と思います。
チャクヴェタゼ自滅しましたか。バイディソバも集中力を欠いてミス連発していましたけど、いまひとつ爆発できないところですよね。もったいないなぁ。
タナスガーンはタナスガーンが苗字だと思います。
posted by takezoh | 2008-07-02 19:02
>Rさんへ
男子トップ2以外は波乱に満ちた2008年になりましたねぇ。男女とも、世代交代の時期が来ているというのはあるのかもしれません。そのなかで、男子ならクレモンはシュトラー、女子はディメンティエワやペトロワ、タナスガーンが頑張っているのを見ると、ちょっと嬉しいんですが(ウィリアムズ姉妹は別格扱い)。Rさんのおっしゃる通り、女子トップシードは前哨戦スキップというのは確かに響いたと私も思います。女子の場合はクレーと芝とで強い選手が男子ほどは変化がないので、全仏後にスキップしたくなる気持ちはわかるのですが、みんな若い分(しかも芝タイトルホルダーではない分・・・って、シャラポワはタイトルホルダーですが)、前哨戦での調整を甘く見ちゃいけないってことなのかもしれませんね。
チャクヴェタゼ、少しずつ調子が上がってきていただけに、もったいなかったですね。クズネツォワ…もう2つ目のGSタイトルはないんだろうか。もう1つくらい取ってもらいたいのですが…。
posted by takezoh | 2008-07-02 19:07
>ノーマンさんへ
こんばんは。全仏でイワノビッチがGS初タイトルと世界1位を手にしましたが、結局のところ、まだまだ世界1位という称号は仮のものでしかない、流動的なんだなぁ、ということを痛感させられた今年のWBだったような気がします(って、まだ終わってないですが/笑)。芝という1年に1か月しかないシーズンを制するのは(クレー直後というのも踏まえて)難しいということも。そのなかでウィリアイムズ姉妹が普通に勝ち上がっているのは当り前のことだったのかもしれませんね。もしかすると、二人とも最初からそれがわかっていたのかも。彼女たちとて前哨戦はスキップしていますが、経験豊かなGSタイトルホルダーの二人には関係ないって感じでしょうか。
Eastern Promiseという記事は私も読んでいました。タナスガーンや杉山さんというベテラン勢、そして錦織選手ら新しい選手も出てきて、向こうのメディアもそうやって注目してくれるようになったのは嬉しいことです。台湾にもいい選手が出てきていますし、お互い刺激し合ってのぼっていってもらいたいですよね。
posted by takezoh | 2008-07-02 19:21


