2008年10月25日
2位名古屋と、16位磐田の差は、ピッチ上に確かに見て取れた。
名古屋の組織だったプレッシングに対して、磐田はパスミスを連発。MF杉本恵太のスピード、FWヨンセンの高さ、MF小川佳純の飛び出しという個々の特長を生かした名古屋の攻撃に、磐田は5バック状態で耐えるしかなかった。
耐えるしかなかった、と書いたばかりだが、残留を争う磐田が、最初から引き分け、勝ち点1を狙っていたわけではない。右サイドのMF駒野友一と、左サイドのMF村井慎二がサイドバックのようになっていたのは、自発的なものというよりは名古屋のサイド攻撃に押し込まれていた結果だし、チャンスと見れば攻撃にもしっかり顔を出していた。
ただ反撃がほぼ2トップ任せで、ジウシーニョの技術とスピード以外に活路を見出せないようでは、今の名古屋を攻め切るのは難しい。トップ下のMF松浦拓弥も走り回ってはいたが、なかなか良い形でボールを受けられず、試合から消えてしまっていた。
もっとも、この試合で最大のチャンスを迎えたのは、磐田のほうだった。後半終了間際、駒野友一のクロスにファーサイドで待っていた磐田のエース前田遼一は、完全にフリーだった。それを前田が決めて勝ち点3を取れていれば、磐田としては理想的な試合だったのだが……。
一方の名古屋は、チャンスを決め切れなかった、というよりは、攻めあぐねていた印象が強い。
それは名古屋の詰めが甘かったというよりも、磐田の守備陣の集中力を誉めるべきなのかもしれない。磐田のDFが集中力を切らしたのは、後半開始早々に、田中誠のバックパスを小川にさらわれた場面くらい。ヨンセンの高さにも、杉本の突破にも、DF全員がギリギリまで粘り強く対応して守りきった。
ただ、これで4試合連続で引き分けなのだから、名古屋の側にも問題が無いわけではないのだろう。MFマギヌンの離脱以降は、攻めあぐねる試合が続いている。
そのマギヌンは今季22試合で6ゴール。悪くない数字だが、むしろそれ以上に、攻撃にリズムをもたらし、攻撃のバリエーションを広げる仕事が目立っていた。
そのマギヌンの離脱でFW玉田圭司がチャンスメークに回る時間が増えた分、サイドを崩しても、肝心のゴール前で待つ人数が減ってしまっているように思えた。マギヌン離脱後の不調は、マギヌンがスーパーな存在だったというよりも、彼の離脱によって上手く回っていたチームの歯車が、一時的に狂っているのが原因ではないだろうか。
一方、首位を独走する鹿島は、マギヌン以上にスーパーな存在だったMF小笠原満男を失ったが、中後雅喜がソツなく穴を埋めている。この選手層の違いを見ると、名古屋は優勝にはまだ早かったか、と思ってしまうのである。
posted by taka |17:54 |
Jリーグ |
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2008年10月20日
バロンドール(欧州年間最優秀選手賞)の候補選手30名が発表された。
昨年までは50名だった気が事前の候補リストだが、いずれにしても、活躍した選手を完璧に網羅していないのがこの手のリストの常。今回のリストでも、昨シーズン、バルセロナでほとんど戦力外と見なされていたエトオが選ばれているのに、バルセロナでの貢献だけでなく、EUROでもスペインの優勝に大きな役割を果たしたイニエスタが選ば れていない不可解がある。
さて、本題の、バロンドール受賞者の話。
本命は、クリスチアーノ・ロナウドとされている。このマンチェスター・ユナイテッド所属の23歳は、プレミアリーグとCLの両方で得点王になって、チームの二冠の原動力になった。美しいゴールも多く、その華麗さ、インパクトはバロンドールを受賞した3年前のロナウジーニョにも勝るとも劣らないものだった。個人的に気になるのは、ルーニーやテベスのハードワークによって「サボり」を救われている点だが、その点もかつてのロナウジーニョと同様で、受賞を逃す要因にはならないだろう。
マイナスポイントがあるとすれば、EUROで期待を裏切ったことだ。ワールドカップほどではないとしても、EUROでの活躍はバロンドールの選考に影響する。
ただし優勝したスペインに、ロナウドほど華やかで、個人で輝く選手はいない。スペインの優勝は総合力によるものだったという印象で、MVP級の活躍をしたシャビにしても、セナにしても、カシジャスにしても、個人として圧倒的なインパクトはなかった。
12月の始めに発表される今年のバロンドールは、クリスチアーノ・ロナウドで決まりか。
posted by taka |19:15 |
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2008年10月19日
スーパーサッカーを見ての雑感を書き記します。「J Sports」等でフルタイムを見て、意見が変われば訂正記事を書きます。
【浦和vs神戸】
左サイドから切り込んだ高原直泰が、ボールの出し所がないままに相手に囲まれ、ボールを失ったシーンが最も印象的。意思統一が無く、高原の「何がしたいんだか分からない」というコメントが報道を通じて漏れてしまった浦和だが、改善は見られず、チーム状態は決して上がっていないという印象を受けた。
【G大阪vs磐田】
その浦和とACL準決勝で戦うG大阪は、1stレグを終えた時点でアウェイゴール差のビハインドを負っているが、チーム状態はこちらの方がずっと良い。リーグ戦の成績でも、勝ち点で浦和に並んだ。個々人に目を向けたとき、大きいのは安田理大の復帰。岡田監督としては守備力が少々心もとないかもしれないが、ダイジェストを見る限りでは代表の左サイドバックとしても期待したくなる切れ味の鋭さだった。山崎雅人も、大分時代の印象が余り良くなくて、シーズン開幕前は「ガンバが補強するほどか?」と個人的には疑問視していたのだが、要所で点を取っている印象がある。
【東京Vvs大宮】
残留を争う両者の直接対決は、意地のぶつかり合いという趣だった模様。最後に勝負を決めたのは、東京Vの10番ディエゴだった。昨年のJ2時代も含め、フッキがいた時には優れた脇役――脇役だが、主役にもなれる技術と、フッキからパスが出なくてもパス&ゴーを続ける勤勉さを持つ、フッキ以上に日本向きな選手――という印象だったディエゴだが、この決勝点がすでに今季11点目で、その才能を存分に発揮している。フッキがいなくなった今、ヴェルディの主役は完全にディエゴ。11点、というのは現在のJリーグのトップ下の選手として、破格の得点力を持っていることの証明だ。
posted by taka |01:00 |
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2008年10月16日
クリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・U)を擁するポルトガル代表が、ホームでアルバニア代表と引き分けた。
あくまで参考にしかならない、といわれるFIFAランキングではあるが、参考までにいうと、ウズベキスタン(70位)よりもアルバニア(83位)のほうが下。世界ナンバー1プレーヤーを擁する強豪ポルトガルにだって取りこぼしはあるし、ブラジルやアルゼンチンだって、南米予選を全勝で勝ち抜いてくるわけではない。
それを踏まえると、決して悲観的になるような結果ではない、と思う反面、今後が心配になる要素もあったウズベキスタンとの引き分けだった。
心配になる要素を一つ挙げると、闘莉王(浦和)が諸刃の剣になる危険性だ。彼自身、能力は、凄く高い。空中戦ではほとんど競り勝っていたし、終盤にゴール前に上がった時の迫力はさすがだった。
ただ、彼が攻めあがった際のカバーリングには遅れが目立った。その結果中澤佑二(横浜FM)が孤立し、相手FWと一対一になる場面も。そこでしっかり止める中澤はさすがだが、彼が抜かれた際のカバーはどうなっているのか。後列の面々を見てみると、守備的MFの長谷部誠(ヴォルフスブルク)、遠藤保仁(G大阪)は守備よりも攻撃に特徴のある選手だし、右サイドバックの内田篤人(鹿島)も、失点シーンで中央のカバーリングのもろさを露呈している。
先発メンバーでは唯一、左サイドバックの阿部勇樹(浦和)が闘莉王のオーバーラップのケアに気を配っていた印象で、交代選手では稲本潤一(フランクフルト)がカバーを命じられて入ってきて、その期待に応えていたが、それでも危険な場面は少なくなかった。闘莉王の攻撃力を活かさない手は無いだけに、連携をさらに高める必要はあるだろう。もっとも闘莉王にも、中盤でフラフラしているくらいなら、前線に上がるのか、DFラインでしっかり守るのか、はっきりせんかい、とは思ったが。
また、岡田采配にも気になる点はあって、今回でいえば、交代のカードの切り方。稲本については中村憲剛(川崎F)との比較で、闘莉王のカバーを考えて選んだとのことだったが、ならばなぜ、興梠慎三(鹿島)を入れたのか。投入直後こそ良いドリブル突破を見せていた興梠だったが、その後闘莉王を前線に上げたパワープレーがメインになってからは、攻撃に絡む場面がほとんどなかった。パワープレーに出るのならば、興梠や岡崎慎司(清水)よりも、巻誠一郎(千葉)のほうが適していたのではないか。その巻がベンチ外だった、というのには首を傾げたくなる。
最後に、もう一つ。岡田監督は試合後の会見で、「内容は悪くなかった」といったという。このコメントは、先のUAE戦に続いてのもので、事実、内容は悲観的になるほどに悪いものではなかった。
しかしだからこそ、勝ちきれない現状がもどかしい。たとえばジーコ監督時代には、内容は今以上に悪くても、勝ちきっているげーむはいくつかあった。しかし今は、内容は最悪ではなくても、勝ちきれない試合が続いている。
勝ちきれないのは試合運びの問題なのか、決定力の問題なのか。まあ、その原因分析は岡田監督がしっかりしているだろうし、それがしっかりしていれば、それほど大きな問題ではないのだろうが。
posted by taka |12:07 |
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2008年10月10日
<GK&DF>森重見送りの「?」も寺田、高木は安定
「オリンピックを見た限りでは、ポジショニングなどに不満がありますけど、どこまでできるか分からないぶん、期待も大きいですよ」というのが、岡田武史監督の森重評(『週刊サッカーマガジン』インタビューより)。
その森重真人(大分)のスタメン起用を予想する声もあったが、フタを空けてみればベテランの寺田周平(川崎F)が先発し、中澤佑二(横浜FM)とコンビを組んだ。
日本代表のセンターバックは、中澤、闘莉王(浦和)のコンビがチームの中心になっている一方、彼らに続く「第3のセンターバック」の不在が一つの問題になっている。そこで森重にかかる期待も大きかったのだが、岡田監督が選んだのは5月のパラグアイで実績のある寺田のほうだった。
寺田は前半のみで退いたが、パフォーマンスは実に安定していた。後半から代わって入った高木和道(清水)も、硬さの見られたウルグアイ戦から一転、代表2戦目のこのUAE戦では、落ち着いた対応を見せた。2人とも、攻め込まれる展開での抵抗力は未知数だが、アジア予選ではオーストラリア戦を除いて、日本がボールを支配する時間帯が長くなるはず。五輪の3試合を通じて、人への強さとポテンシャルの高さを見せた森重のデビューを見送ったのは疑問だが、アジアレベルでは寺田、高木の高さと安定感がレギュラー不在の危機を救ってくれるtと思う。
<MF>連携か見合わない場面あるも、稲本は○
稲本潤一(フランクフルト)の“代表デビュー戦”は、「◎」とまではいかないまでも、なかなかの出来だったと思う。岡田監督も、「ボール際をつぶしに行く、マイボールにならなくても必ず前にボールをこぼしてくれた。これに関しては素晴らしかったと思っています」と、稲本のプレーを高く評価。初戦からいきなり持ち味を出せるのは、欧州で7シーズン、計6クラブでプレーしてきた彼の順応力の成せる業だろう。
ただし攻撃面では、「2列目からの飛び出しというところで、あと一歩で(タイミングが)合わなかったことが2、3回ありました」と岡田監督もいうように、息の合わない場面が見られた。後半には飛び出しが、玉田圭司(名古屋)のドリブルと重なってしまう場面も。遠藤保仁(G大阪)が合流するウズベキスタン戦でも先発するかは長谷部誠(ヴォルフスブルク)との争いになるが、試合を重ねてチームメートとの相互理解を深めれば、さらに良くなるのではないか。
<FW>岡崎、興梠の猛アピールで、ベンチ入り18人は混戦に
岡田監督は『週刊サッカーマガジン』のインタビューの中で、金崎夢生(大分)について
「今の中盤の選手層からすると、現段階で呼ぶ選手ではないだろうというだけで、将来的にはすごく面白い選手だと思っています」
と語っている。
裏を返せば、現段階で新戦力を3人呼んだFWについては、今の選手層に満足しているわけではないということか。今回岡田監督は、佐藤寿人(広島)、巻誠一郎(千葉)という実績ある2人を差し置いて岡崎慎司(清水)を先発させ、興梠慎三(鹿島)を交代の1番手として送り込んだ。
岡崎、興梠ともに、期待にたがわぬプレーを見せたと言えるだろう。岡崎は中村俊輔(セルティック)から、その献身的なプレーを絶賛され、興梠は30分強の出場ながら、持ち前のスピードを武器に次々とチャンスを生み出した。
もっとも、新戦力を積極的にテストしながらも、玉田、大久保嘉人(神戸)も継続して先発起用したあたりには、岡田監督の彼らへの厚い信頼が窺える。だが得点力を高く評価される大久保は、51分の決定機をミス。そのあたりを、岡田監督はどう評価しているのか。チャンスを決めきれない、という場面は岡崎にも、興梠にもあったが……。
posted by taka |09:30 |
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2008年10月09日
千葉の快進撃が止まらない。11節まで勝ち点を2しか取れず、降格は不可避だと見られていたチームが、8月27日に磐田と引き分け(0-0)て以来負けなしで、現在まで5連勝の快進撃。順位も14位まで上げて、一気に降格圏を抜け出した。
千葉の試合をしっかり見たのはこの浦和戦が始めてだったのだが、アレックス・ミラーの監督としての手腕を十分に堪能できた。
浦和で最も怖いロブソン・ポンテに対しては、守備的MF下村東美が監視しつつ、周囲のプレーヤーが随時フォローに入って数的有利を作る徹底した警戒体制で自由を奪う。攻撃面では、谷澤達也、深井正樹の両サイド。それぞれ仕掛けの部分に特徴を持つドリブラーにサイドを突かせて、サイドが手薄な浦和のディフェンスを翻弄した。
それらの策は、自分たちの選手の良いところを引き出すことで、結果として相手の良いところを消している印象。決して個人能力の高くない千葉の快進撃は、下村の人への強さ、谷澤のテクニック、深井の一瞬のスピードなど、個々人の長所を引き出し、かつそれを巧みに組み合わせているミラーの「監督力」によるところが大きいと僕は強く感じた。
posted by taka |14:53 |
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2008年10月05日
17位磐田と18位札幌の「裏天王山」で、前田遼一の決定力が光った。
開始早々、GK佐藤優也がファンブルしたボールを見逃さずに1点目を奪うと、32分、36分には駒野友一のCKに合わせて立て続けにゴール。前半のうちにハットトリックを完成して、試合を決めた。
前田はこの3得点で、今シーズン通算7ゴール。彼の能力からすれば少なすぎるように思えるこのゴール数は負傷で出遅れたからで、今季初出場は11節の川崎F戦(5月6日)だった。
もっとも前田が負傷で出遅れるのは今季に限ったことではなく、プロ入りしてからこの選手、30試合以上に出場したシーズンが一度もない。ただ出場すれば実に頼もしい選手で、2005年から昨年まで、3年連続で2桁得点を記録している。
その前田はこれで3試合連続ゴールで、頼れるエースの調子が上がってきたのは、残留を争う磐田にとっては頼もしい限りだろう。札幌の自滅に助けられた感もあるが2連勝、しかも2試合連続の無失点で、「後ろが頑張って、前田とジウシーニョが点を取る」というかたちも見えた。
一方の札幌は、ミス絡みで失点を重ねたのが痛い。しかしそれ以上に心配なのは、ダヴィ、クライトンが後半、立て続けに無駄な警告を受けたこと。上手くいかないイライラが、悪い方向に出てしまった。
気持ちは分かる。チームの状況はかなり厳しいが、彼ら個人のパフォーマンスは、決して悪くない。勝つために必死にやっているプロ選手としては、奮闘がなかなか勝利に結びつかない現状は、歯がゆいものに違いない。
ただ、どんな理由があろうと、無駄な警告を受けたことを肯定する気にはなれない。札幌のある選手が、「J2降格が決定しようと、プロである以上、応援してくれるサポーターのためにも最後まで前向きに戦う」というよう趣旨のことを話していると、放送の中で言っていた。なかなかボールが回ってこなくても、主審の判定に納得がいかないことがあっても、結果が出なくても。どんなことがあっても、試合の最後まで、シーズンの終了まで、全力で戦い抜く姿を、僕は見たい。
posted by taka |15:43 |
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