2008年06月29日
今野泰幸の「熱」 ~FC東京対千葉~
多分、井原正己さんのコラムだったと思うのだが、DFにとって、敢えて「いかない」場面が存在するという話を読んだことがある。 例えば、大量点差がついた後半終了間際。たとえ1点が入っても大勢に影響がないケースでは、累積警告出場停止や退場のリスクを負ってまで失点を防ぐ必要がない。そのため4-0、5-0の終了間際に相手が突破して、GKと一対一になりそうになっても、敢えて見送るケースはありうるという。 千葉戦で、今野泰幸が退場した。 前半の7分。発端は、相手のロングボール。雨のピッチに弾んだボールの目測を佐原秀樹が誤り、レイナウドが抜け出した。 そのレイナウドに、唯一付いていったのが今野だった。レイナウドに体を入れられがらも喰らい付いていったのだが、最後はもつれ合うような格好になり、背後から倒してしまった。これが決定機の阻止と判断され、今野は退場。GK塩田仁史が止めたが、千葉にはPKが与えられた。 これを見送っていても良かったのではないか、と思う。 競り合っていたレイナウドは、失礼ながら、決してシュートの上手い選手ではない。塩田もしっかり構えていた。コースを制限しながら併走していれば、塩田がシュートを止めていた可能性は低くない。また、レッドカードをもらえば、残りの80分以上の時間を今野抜き、10人で戦うことになる上に、次戦も出場停止になる。 FC東京にとって重要な選手であるからこそ、そのマイナスと、1失点の重さを天秤にかけ、あるいは強引にいく必要はなかったのではないか、と思ったのだ。 ただ、そこまで考えながら、同時に、あそこで見送るのも今野らしくない、とも思った。 そもそも、チームで唯一、レイナウドの飛び出しをケアしていたこと自体が、彼の危機管理能力の証明。あそこまで付いていって、カードの影響を考えて見送るのも今野らしくない。 そうした冷静な計算よりも、とにかく目の前のピンチを防ごうと喰らい付いた責任感が、今野らしい。
posted by taka |23:40 |
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