2008年04月29日
【収穫】
この大分戦では、カボレがファウルで止められ、ピッチに横たわるシーンが目立った。
シュートシーンは少なかったが、ドリブルでゴールに迫るシーンが多いのは、積極性と身体のキレを増している証拠。71分に赤嶺真吾のスルーパスから抜け出して、GKと一対一で放ったシュートは西川周作のファインセーブに阻まれたが、連携も日に日に良くなっている。
ただし、ことゴールに関しては、赤嶺の方が「おいしいところ」を持っていっている印象。ゴール前のスペースに飛び込む赤嶺の得点感覚が光るが、カボレの方はドリブルするスペースを赤嶺のフリーランに消されてしまう場面もあった。
赤嶺と、互いに生かし生かされる関係を築ければ、ファウルなしに止めるのは困難なそのスピードが、相手にとってより恐ろしいものになるはずだ。
【課題】
連戦が続く日程を考慮してか、中盤の守備を引き締めているベテランの浅利悟がこの日はベンチスタート。代わって起用されたのは金沢浄で、城福浩監督が高く評価する「ゲームの流れを読む眼」を発揮し、ボールを落ち着け、機を見てサイドチェンジを放って変化を付けた。
しかし中盤は、プレッシングにしても、パスワークにしても連動性を欠き、ゲームの主導権を握れなかった。金沢、今野泰幸、梶山陽平、個々のパフォーマンスは決して悪くなかったが、ユニットとして少々、3人の役割が整理されていなかった印象。今野、金沢はDFラインに吸収されることも少なくなかった。
浅利は6月に34歳になる。献身的な守備が持ち味である彼が入ると中盤の役割がはっきりし、今野の機動力も生きてくるが、ベテランの浅利にシーズンを通してのフル回転を望むことは難しい。今後も金沢を起用するケースは出てくるだろうし、現在は負傷で離脱している羽生直剛、エメルソンらが復帰してくれば、中盤の編成そのものが変わり得る。
中心選手以外はメンバーを固定しないと明言している城福監督だが、メンバーを入れ替えても、スムーズな連携を維持できるか。それが今後の鍵になりそうだ。
少々の混乱があっても結果を出したという意味では、この大分戦の勝ち点3は今後の一つの指針になるかもしれない。
posted by taka911 |21:10 |
Jリーグ |
コメント(3) |
トラックバック(0)
2008年04月20日
攻めに攻めた大宮から、命からがら、浦和が何とか勝ち点1を守り抜いたというゲームだった。
この試合最大の見せ場は、前半の40分過ぎだった。中盤でボールを受けた高原直泰が、ドリブルでゴールへと突進。キックフェイントで一人をかわして、強烈なミドルシュートを放った。
このシーンが、この日の浦和を象徴していた。大宮は一人一人が献身的に走り、非常に組織的に整備されたプレッシングで、浦和の連携を分断。対する浦和は3トップにボールが収まらず、闘莉王、細貝萌の2ボランチも効果的に攻撃に絡めなくて、高原や永井雄一郎が個人技で仕掛けるしかなかった。
田中達也、梅崎司の同時投入も、状況の打開にはつながらなかった。2人の交代以降で最大のチャンスは、左からのクロスに合わせた永井のヘッドが、ポストを叩いた場面。この場面を見て、浦和にとって最も得点の可能性がありそうなのは闘莉王の頭を目がけたシンプルパワープレーではないかとも思ったが、この日の闘莉王は控え目で、試合は0-0で終わった。
大宮にとっては、終始試合をコントロールしていただけに勝ち点3がほしい試合だったが、決定的なチャンスはほとんど作れなかった。パスはきれいにつながっていくのだが、最後の30mを崩しきれないその様は、良い意味でも悪い意味でも、非常に日本的だった。
ただし逆に見れば、浦和の守備陣がよく踏ん張った、というべきか。守備の粘りでここ数シーズンを勝ってきたチームだけに、クロスにしてもドリブル突破にしても、対応に「ペナルティエリアの中でだけは絶対にやらせない」という意地のようなものが見えた。
内容では負けていようと、こうして「粘り強さ」で勝ち点を拾うあたりが、浦和の嫌らしいところであり、強さであると感じている。ポンテが復帰し、エンゲルス監督のやり方が浸透するであろう中盤戦以降に、浦和が優勝争いに絡んでいるようであれば、それは苦しい今の時期にも、粘り強く勝ち点を積み重ねた結果に違いない。
posted by taka |19:46 |
Jリーグ |
コメント(3) |
トラックバック(0)
2008年04月20日
またしても、大竹洋平が流れを変えた。
登場は、2-2で迎えた63分。その直後にドリブルからループシュートを決めると、70分には走りこむ今野泰幸に見事なタイミングでスルーパスを通した。30分足らずの出場ながら、1得点1アシストの活躍。4-2での勝利の主役となった。
今季FC東京U-18から昇格したばかりの18歳だが、「外れ」だった試合を見た記憶がない。先発出場した札幌戦では後半運動量が落ちたり、守備面での激しさが足りなかったりと課題を残したが、その札幌戦でもセットプレーから何度かチャンスを作っている。
18歳の大竹が、若い選手にありがちな不安定さとは無縁のままに、高い技術とアイディアでチャンスを作り、途中出場でも決定的な仕事をして流れを変えているのは、本当に素晴らしいことだと思う。
さて、なぜ大竹が、これほどまでに鮮烈な活躍を続けているのか。
技術が素晴らしい。アイディアが豊富で、面白い。それはもちろんある。ただ、それだけでなく、FC東京が、大竹のような選手を必要としていたことも大きい、と私は思う。
今野、羽生直剛に代表されるように、FC東京には真面目でよく走る選手が多い。大ブレイク中の長友佑都、ゴールを量産している赤嶺真吾もそうだ。
ただし、アイディアがあって、ゲームに変化を付けられるゲームメーカータイプの選手は少ない。日本代表の今野、羽生はそういう選手ではないし、負傷離脱中の石川直宏やエメルソンにしても、スピードやドリブルが武器の選手だ。
その中にあって、大竹は異彩を放っている。真面目な選手たちがよく走り、ボールを動かしている中で、大竹はその技術でリズムを変え、周囲を使うこともできる貴重な存在だ。
開幕前、オシム監督の下で「ボールと人が動くサッカー」に慣れていた羽生が、城福サッカーの申し子と言われた。しかし同時に、動くボールにアクセントを付けて、動く人を使える大竹のような選手も、城福サッカーには不可欠な存在だったのだ。しかも大竹は、単なる配球役に止まらず、自らも足を止めることなくパス&ゴーを繰り返すことができる。
大竹にとっても、真面目に走り続ける先輩がパスコースを作ってくれることは大きい。多くの選択肢の中から、自由にアイディアを発揮することができる。
チーム戦術にフィットしていて、同じタイプの選手がいない。FC東京と幸福関係を築いている大竹の活躍は、決して偶然ではない。今後もスーパーサブとして、18歳は流れを変える働きをしてくれるはずだ。
posted by taka |00:41 |
Jリーグ |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2008年04月15日
前半半ば、FC東京にちょっとした違和感を覚えた。
攻撃が、やけに縦に早いのだ。
城福浩新監督がパスサッカーを植え付けようとしている今季、ボールを奪ってからシュートまでの時間が、昨季の15秒弱から30秒以上まで倍増しているとのデータがある。しかし前半の攻撃は、昨季を思わせるシンプルなものだった。
その狙いは、東京Vが消耗する後半に勝負を仕掛けることにあった。
唯一誤算があったとすれば、フッキに先制点を許した事かと思ったが、羽生直剛によると
「1-0は覚悟はしていた」
というから頼もしい。
後半、守備的MFの浅利悟に代えてゲームを作れる大竹洋平を投入し、攻撃モードにシフト。プレスが緩くなった中盤で大竹がリズムを作り、カボレのドリブルが猛威を振るう。
主導権を握ったFC東京は、大竹からカボレ、赤嶺真吾とつなぐ美しい展開から、羽生がミドルシュート決めて同点に追い付く。連動しながらパスをつなぎ、スペースを上手く活用した今季のFC東京らしいゴールだった。
こうなると勢いは完全にFC東京で、スタジアム全体が逆転を後押しする雰囲気に。後半終了間際、左からの梶山陽平のクロスを今野泰幸が折り返し、そこに飛び込んだ長友佑都がオウンゴールを誘って逆転に成功した。
FC東京からすれば、これ以上なく痛快な逆転劇。特筆すべきは長友で、フッキとマッチアップしながら、何度もサイドを駆け上がって攻撃参加。疲れているはずの終了間際にもゴール前に顔を出して、決勝点に絡んだ。
一方の東京Vを見ると、復帰間もないフッキの攻撃力を生かしているのに驚いた。今季2戦目のフッキだがすでに攻撃の中心で、相手にとっては最大の脅威。得点シーンの他にも、ポストに当たるシュートがあり、ディエゴへのトリッキーなラストパスがあった。
ただし強引にゴールに迫るドリブルもキレが落ちれば「持ちすぎ」に変わり、常にシュートを狙う姿勢も決まらなければ「わがまま」と受け取られる。今後は周囲を使うプレーも求められるのではないか。現状では、フッキの好不調がそのままチームの攻撃力を左右しかねない。
まあ「戦術フッキ」がJ1でどれだけやれるのか、それはそれで興味深くはあるが。
posted by taka |06:00 |
Jリーグ |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2008年04月05日
カボレのコンディションが上がってきた。相手の当たりにも全くバランスを崩さずに、左足のシュートで決勝点を奪っただけではない。前を向いてドリブルで持ち上がったり、相手の頭上にボールを浮かせてゴールに迫ったりと、積極性とアイディアを増している。まだ周囲と噛み合っていない印象は残るが、縦パスをワンタッチで今野泰幸にはたいて自らのシュートにつなげた場面などを見ると、連携は日に日に改善されている印象。この日のFC東京で、最も危険な選手の一人だったのは間違いない。
最も危険な選手のもう一人は大竹洋平だ。セットプレーの正確さやボールを持った時のアイディアは、すでにFC東京の中ではトップクラス。加えてこの札幌戦では、ドリブルで自らゴールに迫る勇敢さを見せてくれた。
この2人を中心に、前半は何度も札幌ゴールを脅かしたFC東京。しかし後半は、攻めあぐねた。
危険な2人、カボレと大竹が交代した影響は大きい。カボレに代わって1トップに入った赤嶺真吾には、カボレほどはボールが収まらず。大竹の代わりには、本来はサイドバックの長友佑都を2列目で使わなければならない苦しい台所事情があった。
しかし停滞の最大の要因は、チーム全体のペースダウンだ。城福浩監督は連動しながらボールをつなぐパスサッカーを志向しているが、選手にはかなりの運動量が要求されている。前後半ほぼノンストップの羽生直剛、今野はさすがだが、各選手の消耗は避けられない。
新加入のブルーノ・クアドロス、佐原秀樹が初めて組んだセンターバックの安定で、今季リーグ戦初めての無失点で勝利を飾ったFC東京。しかしここまでの失点9のうち、8点は後半に集中している。オシム・ジャパンの初期にも見られた後半のペースダウンは、走るチームの宿命とでも言うべきものだが、今後どう克服していくのか。キーマンにはキープ力と展開力で試合に緩急を付けられる10番、梶山陽平を挙げたい。
posted by taka |16:02 |
Jリーグ |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2008年04月03日
川崎Fを退団したフッキが、昨年在籍した東京ヴェルディに復帰した。
「本来の自分のポジションでやりたい。ゴールを決める自信はある」(時事通信社)
今回の移籍に際し、このように話したというフッキだが、個人的に気になったのは「本来の自分のポジションでやりたい」という箇所。川崎Fでは、本来のポジションでプレーできていなかったとでも言いたげではないか。
今回のドタバタ退団の引き金になったのは、第2節神戸戦。3点を追う57分に、攻撃陣では最も早く交代させられたのが直接の原因と伝えられるが、このコメントを見るに、ポジションにも問題があったのか。
「週刊サッカーダイジェスト」によると、神戸戦でフッキが与えられたポジションは3トップの右。ゴールを狙うと同時に、相手の左サイドの攻撃参加をケアする役割を期待されたが、守備面では全く機能しなかったとある。
昨年、東京Vではフッキはほとんど守備をしていなかった。免除されていた、といった方が正確かもしれない。最終的にラモス監督は、フッキとディエゴの攻撃力を活かすサッカーを選択し、残りの9人をサポート役に徹させた。
東京Vでは「主役」を張っていたフッキが、川崎Fで同時に「汚れ役」も負わされ、ストレスを感じたのは想像に難くない。しかし川崎Fでの彼は「王様」ではない。開幕してわずか2戦で「キレてしまった」ことに批判が集まるのは当然で、プロの選手としてはあまりにも幼い行動と言わざるを得ない。
この退団でのイメージダウンは必至だが、東京Vへの復帰はスムーズに決まった。東京Vの監督は昨年復帰に全幅の信頼を置いたラモスから、柱谷哲二に代わったが、深刻な得点力不足に悩む東京Vが彼を「本来のポジション」に据え、再び守備を免除して「王様」として振る舞うことを許すのであれば、他チームにとって怖い選手になることは間違いないだろう。
posted by taka911 |17:09 |
Jリーグ |
コメント(13) |
トラックバック(0)