2008年01月31日

タイ戦メンバーを占う

 親善試合、あるいはテストマッチというよりむしろ、「調整試合」といった趣きのキリンチャレンジカップの2試合だった。この時期はJリーグ各チームが、キャンプや練習試合を組んで開幕に向けて調整している時期。選手によっては1ヵ月以上試合から遠ざかっており、コンディションも試合勘も不足している。
 明らかに本調子ではない高原直泰(浦和)を長い時間起用したのも、「川口能活(磐田)が第1GK」と位置付けながらボスニア・ヘルツェゴビナ戦で楢崎正剛(名古屋)を起用したのも、実戦の中で完調に近づけてほしいという指揮官の想いが込められていたのではないか。
 コンディションにバラつきがある中で、2試合を終えて「長く起用された選手」「短時間ながら出場した選手」「全く出番のなかった選手」とに分かれた。この起用は、すなわち指揮官の信頼やタイ戦の構想を表していると見ていいだろう。この2試合では計19人の選手が起用されたが、起用されなかった6人に関しては、コンディションを考慮しても選出される可能性は低いだろう。
 チリ戦、ボスニア戦での起用法から、1週間後に迫ったタイ戦メンバー11人を占う。



Pos. 氏名   体調 18人 寸評
GK川口能活  ○  ◎ チリ戦で安定感あるプレーを披露。指揮官からの信頼は厚い。
GK楢崎正剛  ○  ○ 試合勘の不安からボスニア戦で先発。危なげなかった。
GK川島永嗣  -  × 総合力では劣らないが出番なし。デビュー戦が待たれる。
DF駒野友一  ○  ◎ 攻撃面で不満を残すが、他に左サイドがいない。守備力高い。
DF岩政大樹  -  × 初選出も出番はなし。高さは攻守両面で武器になりそうだが。
DF坪井慶介  -  △ 岩政、水本との比較では最も経験豊富で、計算できる存在か。
DF加地 亮  ○  ○ 不動の右サイドも内田に押し出された格好に。
DF中澤佑二  ◎  ◎ 2試合を通じて高さで圧倒。ゴールも決めていて不動か。
DF内田篤人  ○  ◎ チリ戦では戸惑い見せるもボスニア戦で修正。抜擢に応えた。
DF水本裕貴  -  × 起用されず。五輪最終予選でのプレーは阿部にも見劣りしないが。
MF今野泰幸  ○  ○ ボスニア戦で短時間ながら好プレー。DFもこなせる。
MF阿部勇樹  ○  ◎ オシム時代から続く中澤とのコンビは慣れたものだった。
MF遠藤保仁  ○  ◎ シーズン明けでも、「止める・蹴る」は相変わらずの正確さ。
MF羽生直剛  ○  ○ 2試合連続で途中出場。運動量で中盤を活性化できる。
MF山岸 智  ○  △ チリ戦で先発もボスニア戦では出番なし。指揮官の評価は?
MF山瀬功治  ◎  ○ ボスニア戦の2得点を岡田監督が高評価。先発もあるか。
MF鈴木啓太  ○  ◎ 中盤の守備の担い手として、替えの利かない選手。安定感抜群。
MF中村憲剛  ○  ◎ よく動き、好パスでチャンスを作っていた。
MF橋本英郎  -  × 多くのポジションこなせるが、中盤では唯一出番がなかった。
FW播戸竜二  ◎  △ 高原の負傷での出場も、合宿から維持した好調で印象残した。
FW巻誠一郎  ?  ? 守備で貢献していたが、負傷が気掛かり。回復すれば先発か。
FW大久保嘉人 ○  ◎ キレは抜群もフィニッシュの勘が今一つ。タイ戦では得点ほしい。
FW前田遼一  -  × 能力は高いがFWで唯一出場なかった。選出は厳しい状況。
FW高原直泰  △  ◎ 明らかに体調が悪いが、期待は大きい。コンディション向上が鍵。
FW矢野貴章  ○  △ 短い時間ながら高さを生かして好機を生んだ。巻の状態次第。


体調:◎=今すぐシーズンに突入しても問題ないレベル。
   ○=好調とは言えないまでも順調な仕上がり。
   △=本調子にはほど遠い。
   -=出場なしのため判断できず。
18人:◎=当確。先発起用が予想される。
   ○=先発は微妙も、18人入りが濃厚。
   △=18人入りの当落線上に位置する。
   ×=選出は厳しいか。

posted by taka911 |16:08 | 日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年01月30日

接近、展開、その後…  ~ボスニア・ヘルツェゴビナ戦~

 わずか中3日での2試合目だが、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦はチリ戦よりずっと良い試合だったと思う。調整不足からか運動量が少なく、高さ以外は脅威ではなかったボスニアと、チリとの差は考慮すべきだろう。だが今年2試合目、岡田武史監督就任2戦目で、日本代表はコンディションと統一感はぐっと高めてきた。

 試合を見ながら、距離感が強く印象に残った。

「接近・展開・連続」をキーワードに掲げているだけあって、選手個々の距離が非常に近い。良くいえばコンパクトにして“近い”距離感を保っているのだが、悪くいえば“狭い”中でサッカーをしてしまっている。特に前半には遠藤保仁(G大阪)を中心に左サイドでパスをつないでいたが、ガラ空きになっている右をなかなか有効に使えなかった。
 日本の選手が「接近」すれば、相手も「接近」してくる。そうなれば当然、人口密度の薄いサイドが出てくるわけで、そこへと「展開」できればビッグチャンスが生まれる。中村憲剛(川崎F)のサイドチェンジがその好例で、その展開から内田篤人(鹿島)は手薄になっている右を何度も突いた。後半は偏りがほとんどなくなっていたが、左偏重の前半、中村憲以外にも内田を意識し展開できる選手がいて、そこへのフォローを素早くできれば、「接近・展開」はより効果的になるのではないか。


 「接近」がかたちになり始めたことで、選手の顔ぶれの変化も予想される。
 前述の通り、選手が接近すれば人口密度の高いエリアと低いエリアが出てくる。人口密度の高い、狭いエリアでも正確にボールを扱える選手が、今後存在価値を高めてくるのではないか。
 その意味では、今回2ゴール1アシストで全得点に絡んだ山瀬功治(横浜FM)はうってつけの人材だろう。狭いスペースでのボールコントロールを苦にしない山瀬はさらに、密集から抜け出し相手の急所を突く動きも巧みだ。
 山瀬が今後、キーマンになるかもしれない。

posted by taka911 |22:55 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年01月29日

今一度、小野伸二にエールを

 1999年ワールドユース準優勝メンバーの活躍が目覚ましい。
 GK南雄太は、昨シーズン柏レイソルで33試合に先発し、うち13試合で完封した。
 DF中田浩二は、スイスリーグ、バーゼルでレギュラーとして活躍している。
 MF遠藤保仁(G大阪)は、イビチャ・オシム、岡田武史両監督から日本代表の攻撃のタクトを自由に振るうことを許されている。小笠原満男は、本山雅志の両選手は従来のアイディアあふれるプレーに、献身的な守備を加えて、鹿島優勝の原動力になった。
 FW高原直泰はドイツでの実績を引っ提げて帰国し、浦和レッズの、日本代表のエースとして期待される。浦和で再び2トップを組むことになった永井雄一郎は、ACL決勝でゴールを決めるなど昨年、勝負強さが開花した。播戸竜二(G大阪)も短い出場時間で着実に結果を残している。


 小野伸二は、どうか。


 「黄金世代」は今年、28歳か29歳になる。日本サッカーをリードしているのも当然といえる、選手として最高の年齢だ。
 だが小野はどうか。06年にフェイエノールト(オランダ)から復帰した浦和で、小野は2年間プレーした。その間浦和はJリーグを制覇し、ACL優勝を果たしたが、小野は負傷してばかり。「天才」と形容するしかないようなスーパープレーを見せることもあったが、コンディションは安定せず、期待されていたような貢献はできなかった。
 
 寂しい。
「黄金世代」の全員が、前述のような華々しい活躍をしているわけではない。中にはすでにJリーグを去った者もいる。
 それでも僕は寂しい。フランスワールドカップに18歳で出場し、21歳で渡欧。2002年にはUEFAカップを制覇し、日韓ワールドカップでも中心選手としてプレーした。
 小野は常に、この世代をリードしてきた選手だったのだ。その小野が、選手として最高の時期に負傷に苦しみ、すでに全盛期の輝きを失っている。それがたまらなく寂しい。

 小野伸二のドイツ・ボーフム移籍が決定的になった。
 恐らくこれが、小野伸二復活のラストチャンスになるだろう。一連の報道中、何度も目にした“ある関係者”の「伸二は環境を変える必要がある」という言葉は、恐らく正しい。
 この浦和に在籍したこの2年間は、失望の連続だった。大半は負傷で欠場し、出場してもその多くは、ベストの彼とはほど遠いプレー。06年ワールドカップ・ドイツ大会、オーストラリア戦で逆転負けを喫した帰りのバスで、マリオカートに興じてジーコの怒りを買ったというのもどうやら事実らしい。

 それでも僕は、小野を嫌いになれなかった。かつての彼の輝きを思い出し、浦和での2年間にも断片的に見せたまばゆさを目にしては、彼を嫌いになることなどできなかった。
 そんな彼の輝きが、ドイツで戻ってくることを。彼の楽しいサッカーが、ドイツにあることを。
 それを祈って、今一度、小野伸二にエールを送りたい。

posted by taka911 |13:09 | 人物 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年01月27日

監督が変わればサッカーは変わる ~日本代表-チリ代表~

 同じメンバーでも、監督が違うとここまで違うのか、というのがチリ戦の素直な感想である。

 先発に並んだのは、オシム前監督でも同じメンバーを選んだのでは、と思わせる面子。しかしオシム監督時代のような連動性はほとんど見られず、なかなかペナルティエリア内に入れない。
 岡田監督もいずれは、「人とボールが動くサッカー」をしたいのだろう。それが大木武コーチの招聘であり、「接近・展開・連続」というキャッチフレーズに表れているように思う。
 しかしこの日は、ミスの多さと単調さばかりが目立った。ただしこれが就任1戦目、今シーズンの始動からわずか2週間での試合であることを差し引けば、悲観的になるほどの内容でもなかったのではないか。今日のゲームについては、以下の鈴木啓太(浦和)のコメントが非常に的確な総括をしていると思う。

「課題はいろいろありすぎる。岡田監督になって最初のゲームだし、今年最初のゲームでもあったので、難しくなるとは思っていたが、積極的にどれだけできるかを考えていた。今は終わったばかりで分析をする機会はないし、どこが悪かったとは言えないが、全体的には良くなかった。ただ、その中でもできたことはあったし、全部が全部悪かったわけではない。合宿でやってきたところも出ていた」


 さて、この試合で目を引いたのが大久保嘉人(神戸)である。何度もチャンスを外したことに不満がないではないが、裏を返せばそれだけチャンスに絡んでいたということ。チーム全体として攻めあぐねる中で、独力でチャンスを作るコンディションの良さが目立った。
 身体のキレと共に目を引いたのが、シュートのアイディアの豊富さ。投入早々、GKをかわしてシュートを放つと、65分には左からカーブをかけて「ティエリ・アンリ」風に右隅を狙う。終了間際にもCKに合わせてのヘディングに、GKと1対1になっての「タイミングをずらそうと、いつもより早めに打った」シュートと猛威を振るい、チーム最多4本のシュートを放ったが、そのどれもが全く似ていなかった。
 それらが枠を捉えられなかったのは、今季初戦ゆえにフィニッシュの勘に鈍さがあったのか。まあ、ワールドカップ予選でさえ決めてくれれば、何の問題もないのだが。

posted by taka |01:03 | 日本代表 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年01月05日

高原復帰、その決断とメリット

高原直泰の浦和復帰が秒読み段階に入った。フランクフルト2年目の今季は負傷もあって出番が激減している高原だが、昨季はリーグ戦11ゴール。直後のアジアカップでは4得点を挙げ、大会得点王にもなっている。名実ともにアジアトップクラスのストライカーと言って良いだろう。

突然の日本復帰には確かに驚かされたが、私としてはそれほど大きな驚きではなかった。著書『病とフットボール』の中で、近い将来の日本復帰をほのめかしていたからだ。
文面から伝わってきたのは、日本代表に、2010年の(恐らく、彼にとって最後となる)ワールドカップに懸ける強い想い。前回大会では予選も含めてほとんど活躍できなかったとの思いも、決断を後押ししているように思われる。 

岡田武史監督にとっては、これはこの上ない朗報だろう。高原がゴールを重ねたアジアカップは、一方で高原以外のFWの頼りなさを際立たせる大会に。昨年末には巻誠一郎(千葉)が結果を出し、矢野貴章(新潟)、大久保嘉人(神戸)、前田遼一(磐田)が次々に代表初ゴールを決めて、今後に期待を持たせた。
だが継続的に結果を残している、「エース」として期待できる存在は高原をおいて他にない。

高原にとっても移動の負担とリスクが軽減でき、試合勘の不安も解消される。個人的にはまだまだドイツで活躍できると信じているので残念な気持ちもあるが、日本代表にとっても高原にとってもメリットは決して小さくない。古巣の磐田ではなく浦和を選んだのは少々意外な気もするが、浦和にも大きなメリットがもたらされるだろう。

メリットの1つは経験だ。高原は今年29歳で、今がちょうど脂が乗っている時期。海外からJリーグに復帰した選手は数多いが、一定の結果を残した上で凱旋した例は少ない。磐田時代からの徹底した摂生は有名で、そのプロ意識はピッチの外において他の選手の見本となるのではないか。

そしてピッチの中では、当然ゴールラッシュが期待される。02年、当時23歳の高原は27試合26得点と爆発的な得点力を見せた。成長して帰国するのだから、当時以上のゴールラッシュを期待されるのも当然だろう。

ただし、こちらは若干の疑問も。得点王になった当時の磐田は藤田俊哉(現名古屋)、福西崇史(現東京V)といったタレントを中盤に擁し、華麗なパスワークを展開するチームだった。そして高原は、結果を残したオシムジャパンを「当時の磐田によく似たサッカー」と形容している。
パスサッカーを好む高原が、時に「7人で守り3人で攻めるサッカー」ともいわれる浦和で、果たしてゴールを量産できるのか。
他チームのサポーターとしては、こうやって疑問の一つも挟みたくなる。もっとも昨季のフランクフルトのサッカーを思えば、これも杞憂に終わりそうだが……。

posted by taka |09:14 | Jリーグ | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年01月04日

岡田語録(3)あきらめない姿勢

 不器用で不格好かもしれない。しかしひたむきに最後まであきらめない姿勢は、サポーターを裏切ることはない。(中略) 
 純粋に勝ちたい。チームのために勝ちたい。そう信じて戦う者の姿は人の心を打つと思う。どんなに下手なサッカーでも、だ。その原点があった上で、華麗さやファンタジーがあるのではないか。
 理屈でないものに突き動かされて戦いに臨む。そうした選手たちが生まれにくい現代の日本にあって、ピッチ上での強烈なリーダーが必要なのだと強く思う。と同時にお互いに要求し合えるコミュニケーションの大切さ。今シーズンを戦いながら、私はそれを確信した。(週刊サッカーマガジン2003年12月23日号「岡田監督独占手記」より)



 2003年、岡田武史監督の下でJリーグを完全優勝した横浜FMは、どんな苦境に陥っても、最後まであきらめずに戦い抜くチームだった。
 それを象徴するのが、優勝を決めた最終節、磐田戦。前半の開始早々にGK榎本哲也が退場し、70分以上も数的不利での戦いを強いられたが、前年度王者の磐田を相手に粘り強く応戦。同点で迎えた後半ロスタイムに久保が決勝点を決めて、逆転で2ndステージ優勝を手にした。
 岡田は02年ワールドカップでの、アイルランドの戦いに感銘を受けたという。アイルランドより美しいサッカーをするチームはあったが、カーン擁するドイツを相手に後半ロスタイムに同点に追いつくなど、ことがむしゃらさでは群を抜くチームだった。

 岡田のこの言葉を読みながら、私は04年アジアカップでのジーコジャパンの戦いを思い出した。ジーコのチームは、戦術的には拙いチームだった。だが最後まであきらめない姿勢で優勝を勝ち取ったチームは、その過程でドラマを生み、感動をもたらしてくれた。
 そのチームが、ドイツワールドカップでは何とも頼りなく、執念を感じさせなかったのが虚しい。岡田の言葉を踏まえると、「お互いに要求し合えるコミュニケーション」に欠け、「ピッチ上での強烈なリーダー」が孤立したことが、ドイツワールドカップでチームが一つになれなかった原因なのかもしれない。

 さて、岡田ジャパン。私は岡田に、オシム以上の理論を求めるのは酷だと思っている。だが一方で、「理屈でないものに突き動かされて戦いに臨む」ような、「ひたむきであきらめないチーム」を作ることに関しては、岡田の方が上ではないかと期待してもいる。
 もちろん、日本代表が「不器用で不格好なチーム」では困るのだが。

posted by taka |18:35 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年01月01日

サッカー選手として、FWとして

 良くも悪くも、実に柳沢らしいプレーだと、私は2度笑った。

 1回目は、パスを出した瞬間。本山雅志とのパス交換から右サイドを突破した柳沢は、中央に切り込むと、シュートを打たずに左サイドにボールを送った。
 そのボールの行く先には、一見、誰もいないように思えた。だがバックスピンをかけていたのか、失速したボールには後方からダニーロが走り込んでいて、試合を決定付ける2点目が決まった。この瞬間、柳沢の視野の広さと技術に感嘆し、2度目の笑いがこぼれた。

 ドリブルでゴールに向かい、DFと相対しながらも、視界にはダニーロを捉える。そしてトップスピードで走り込むダニーロが、スピードを殺さずにシュートを打てる優しいパス。この一連のプレーに、柳沢の優れた技術を見た。

 ただ同時に、優れたサッカー選手がイコール、優れたFWではないことを考える。

 最終的には、DFにシュートコースを塞がれていた。パスの選択が間違っていたとは思わないし、またゴールに結びついているのだから不正解などとは言えない。
 だがもしも、高原直泰だったら、あるいはマルキーニョスだったらどうか。サイドを突破した時点でゴールに一直線に迫り、結果的にシュートコースを防がれたとしても、強引にシュートを打っていたのではないか。

 FWは時にエゴイストでなければならない、とよく言われる。だが柳沢にエゴはない。強引さとは無縁の男だ。
 それが彼の良いところであり、物足りなさを覚える部分でもある。このプレーを見た素直な感想を書けば、
「柳沢は優れたサッカー選手ではあるが、ストライカーではない」
と改めて思った。

 さて、移籍志願をしているという柳沢。個人的には鹿島の顔である彼には残留してほしいが、もし移籍するなら強力なストライカーのいるクラブが良い。
 30歳になった柳沢だが、知性と技術は相変わらず。強烈なストライカーと活かし活かされる関係を築けるようなら、まだまだ一年を通して面白い存在になるのでは。

posted by taka |19:12 | Jリーグ | コメント(13) | トラックバック(0)
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