2007年10月29日
「多摩川クラシコ」を観てきた。結果は0-7。ここ7試合で6勝1敗と好調の今のFC東京なら、2-5で敗れたアウェーゲームと同じ愚を繰り返すことはないだろうと思っていた。が、前半終了時のスコアは同じく0-4。
AFCアジアチャンピオンズ・リーグでグループステージを突破し、ナビスコカップで決勝まで進出して、強豪クラブへの階段を猛スピードで昇っている川崎フロンターレに、力の差を見せ付けられた。
共に1999年にJ2に加盟し、翌2000年にJ1へ昇格。JFL時代からの激闘に、多摩川を挟んだ地理的な近さもあって、両チームの対戦は今年から「多摩川クラシコ」と命名された。
2戦合計2-12と、上記の川崎Fの活躍から、FC東京の「格下」感が漂うが、過去の実績を見ると、イメージと実際の格がかけ離れていることに気づく。
00年に同時にJ1に昇格した両チームだが、同年、川崎FはJ2に降格。FC東京が一度も降格していないのに対し、川崎Fは01年から04年までの4シーズンをJ2で戦っている。
またタイトルについても、川崎Fはまだ0だが、FC東京は04年にナビスコカップを獲得している。「格下」どころか、過去に目を向ければ、実績ではむしろFC東京の方が上回っているのだ。
ただ、未来に目を向けると、また違った展望が見えてくる。
上記の通り、川崎Fは、急速に強豪クラブへの階段を昇っている。今年浦和と共に果たしたACLのグループステージ突破は、日本のクラブとしては始めてのこと。選手層は決して厚くないが、ナビスコカップでも決勝に進出しており、確実にチーム力を増してきている。
一方のFC東京は、Jリーグで年間4位になった03年、ナビスコカップを制し、リーグでも年間8位の04年をピークに、チーム力は低下の一途をたどっている。最近の好調で、その04年以来の年間順位1ケタも見えてきたが、ライバルに0-7で打ちのめされた。
大敗の原因は、一つや二つではないだろう。その中で気になったのは、プレーの雑さ。序盤は勢いよく攻め込む場面もあったのだが、パスが微妙にブレてタッチラインを割ったり、トラップが大きくなって次のプレーへの移行が遅くなったりと、小さなミスが目立った。
一方の川崎Fは、そのあたりがすごく丁寧。つまらないミスが少ないから、チョン・テセのパワーや、ジュニーニョのスピードが活きてくる。
その川崎Fが、11月3日にナビスコカップ決勝を戦う。かつてFC東京はこの大会を制したが、ステップアップのキッカケとすることはできなかった。
川崎Fは、どうか。
可能性はあると思う。2003年にナビスコカップで初のタイトルを制した浦和が、その後タイトルの常連チームになったように。川崎Fもまた、この大会をキッカケに、本格的に強豪の仲間入りをしても不思議はない。
一方、FC東京はどうか。雑なプレーが蔓延し、戦わない姿勢が容認されるこのチームは、そのあたりを変えない限り、今のような不安定な戦いが続くに違いない。その先に待っている未来は、「クラシコ」を冠するのには余りにも恥ずかしい、大きな差を付けられたライバルの姿だ。
posted by taka911 |04:13 |
Jリーグ |
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2007年10月19日
イビチャ・オシム監督の日本代表は、3つの階層から成り立っている。
A=常に招集され、先発候補となる選手
B=出場機会は少ないが、常に招集されている選手
C=調子次第で入れ替わるメンバー
Aグループに属するのは、エジプト戦で先発した前田遼一(磐田)、大久保嘉人(C大阪)以外の9選手の他、DF闘莉王(浦和)、MF中村俊輔(セルティック)、FW高原直泰(フランクフルト)、巻誠一郎(千葉)といったあたりか。あるいは稲本潤一(フランクフルト)も、ここに含めていいかもしれない。
Bグループは、GK楢崎正剛(名古屋)、DF坪井慶介(浦和)、MF今野泰幸(FC東京)、橋本英郎(G大阪)、FW矢野貴章(新潟)らが挙げられる。エジプト戦後、橋本、今野についてオシムは、
「出場機会あるなしにかかわらず、彼は長い時間をわれわれと過ごしてきて、トレーニングもまじめにやっていた。しかしチーム内には競争があるので、これまでチャンスがなかった」
と語り、交代出場の理由について
「彼らの努力、まじめさへの褒美だと考えてもらってもいい」
と話しており、Bグループへの信頼もまた厚いと考えてよさそうだ。オシムは同時に、
「彼らを含めて11人以上のレギュラーを私は考えている」とも言っている。
Cグループは流動的で、ポジションの特性上、攻撃の選手が多い。FWでいえば、田中達也(浦和)、大久保、前田といったあたりが、この枠を争っている。
これらのグループの間に、明確な線引きは存在する。だがその線を乗り越えることは、容易ではないがありうる。
この一年で一気にジャンプアップしたのが、MF中村憲剛(川崎F)。代表デビューからまだ一年しか立っていないが、中盤の底からの正確なパスで、今や代表に欠かせない存在となっている。
同じ川崎Fでは、今年から新加入のGK川島永嗣がBグループとして定着した。昨年まで在籍した名古屋では楢崎の控えだった川島は、代表デビューこそならなかったが、練習では好セーブを連発しているという。キックの精度も川口、楢崎を凌ぐと評判で、近い将来、川口から正守護神の座を奪っても不思議はない。
さて来年は、いよいよワールドカップ3次予選がスタートする。この過程で、誰がジャンプアップしてくるのか。
期待できそうなのが前田と大久保で、エジプト戦で代表初ゴールを挙げた彼らが、Bグループ、Aグループとして争いに食い込んでくるのは十分に考えられる。実際、カメルーン戦で代表初ゴールを挙げた山瀬功治(横浜FM)は、その後も出場こそないが、常に選出されている。
一方で、呼ばれなくなった選手もいる。Aグループからの転落は、海外移籍したアレックス(ザルツブルク)以外にないが、Bグループでは、昨年は欠かさず選出されていた田中隼磨(横浜FM)が候補キャンプに呼ばれたきりで、負傷で出遅れた長谷部誠(浦和)に至っては、合宿にすら選ばれなかった。昨年チーム得点王の我那覇和樹(川崎F)も、最近は声が掛かっていない。Bグループとして定着していた佐藤寿人(広島)もまた、エジプト戦の選外で一気に立場が危うくなった。
来年は、誰がジャンプアップし、誰が外されていくのか。U-22世代が本格合流するであろう来年には、選手にはよりシビアな目が向けられることになる。
競争を勝ち抜く上で選手に求められているのは、クラブチームでのコンスタントな活躍と、代表での「努力、まじめさ」。それらを備えた選手が、「11人以上」と幅広く見積もられたレギュラーメンバーとして、チームを支えていくに違いない。
posted by taka911 |11:45 |
日本代表 |
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2007年10月18日
かつて代表監督を務めたトルシエやジーコは、この国には
「守備の文化がない」
と嘆いた。だがU-22代表の、北京五輪最終予選ここまで3試合の試合運びはどうだろう。試合の立ち上がりや、前半の終了間際といった嫌らしい時間帯に1点を取り、それを粘り強く、上手く時間を使って守り抜く戦い振りは、「日本版カテナチオ」と形容したくなるしたたかさだった。
このチームの勝ちパターンは“1-0”であり、それはつまり、かつて「守備の文化がない」と批判された国にはおおよそ似つかわしくないスコアだ。
この最終予選の天王山と見られていた第4節、アウェーのカタール戦でも、日本はその勝ちパターンに則って、ほぼ完璧に試合を運んでいた。
序盤は勢い良く、相手の出鼻をくじくように。カタールが日本の激しいプレスに慣れ、逆に日本が相手の縦に早いゲームに付き合わされる展開になっても、青山直晃(清水)、水本裕貴(千葉)の鉄壁のセンターバックコンビが、落ち着きを失わずに一つ一つ相手のアタックを封じていく。
試合が動いたのは、前半ももう終わろうかという43分。本田圭佑(名古屋)のドリブル突破、李忠成(柏)の頑張りでゲームが落ち着きを取り戻した矢先に、CKから青山直が決めた。恐らくここまでのゲーム運びは、反町康治監督のプラン通り。本田圭と相手GKが競り合ったこぼれ球が青山直の目前にこぼれる幸運はあったが、幸運が「こぼれてきた」というより、「引き寄せた」と言いたくなるようなゲームの流れだった。
だが後半、ゲームは引っ繰り返される。77分、CKのこぼれ球をヒールキックで押し込まれると、後半ロスタイムにPKを与えてしまい、痛恨の逆転負け。
もはや見慣れた光景となった後半終了間際の立て続けの失点で、日本はグループCの首位の座を明け渡した。
「守備の文化がない」
逃げ切り体制に入っていながら追いつかれ、終了間際についに勝ち点1まで失うゲームを見せられると、トルシエやジーコの言葉を噛み締めずにはいられない。
もっともこの日の2失点は、いずれも崩されたものではなかった。1点目はCKのこぼれ球を押し込まれた、事故のような失点で、不確実なサッカーでは避けられないもの(日本の青山直のゴールも、そういう性質のものだったが)。
2点目のPKは、伊野波雅彦(FC東京)の不注意なプレーによるものだった。
そこに至るまでの、押し込まれてしまった試合運びに反省すべき点はあるが、青山直と水本のコンビが崩されたわけではない。「守備の文化」はないかもしれないが、このチームはまだ、守備力を拠り所にしていて良いと思う。
むしろ問題は、押し気味に進めていた後半30分までに、追加点を奪えなかったことではないか。いつになく積極的に仕掛けた本田圭も、キープ力でタメを作った家長昭博(G大阪)も、素早い攻守の切り替えでチームを動かした柏木陽介(広島)も、シュートを打つべき時に打たない場面が目立った。
攻撃から感じられたのは2点目を奪い、とどめを刺そうとする意思よりも、できるだけ時間を使って安全に試合を終えようという消極性。ここまで3試合はそれで良かったが、今日に限っては、その消極的な姿勢の代償を払うことになった。
逃げ切りを謀って、そのまま逃げ切るしたたかさも時には必要だ。実際日本のチームであっても、かつての鹿島アントラーズにはそれがあった。だがU-22代表には、若い選手らしい溌溂とゴールに迫る積極性を望みたい。
攻めろ、U-22日本代表!
消極的な動きはもう見たくない。思い切りの良いプレーで残り2試合を連勝し、北京に行ってほしい。柏木がいうとおり、「落ち込んでいる暇はない」のである。
posted by taka911 |03:11 |
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2007年10月17日
前日会見で新戦力のテストをほのめかしたオシム監督だったが、エジプト戦の先発には、見慣れた9人の名前が並んでいた。見慣れない2人は、大久保嘉人(神戸)と前田遼一(磐田)。2トップに起用されたのは、カメルーン戦以来、2度目の先発となる2人だった。
中村俊輔(セルティック)の不在を除けば、アジアカップとほぼ同じ構成の中盤から後ろに、初めての組み合わせとなる2トップ。その顔ぶれに込められたオシム監督の狙いは、以下の2つか。
・得点力向上のための、人材発掘
・「コア・メンバー」の力試し
前者に関しては、大久保、前田の両者が結果を出し、大きな成果を上げた。ジーコ監督時代から代表でのノーゴールが続いていた大久保は、強引に前を向く鋭さと強烈なシュートで、ついに代表初ゴール。42分には遠藤のクロスにタイミングよく走り込み、ヘディングシュートを決めた。
前田は、何度か決定機を逃したが、53分に「3度目の正直」と言わんばかりに得点。その後チャンスをものにできない場面が続き、決定力に課題を残したが、その正確な足元の技術は巻誠一郎(千葉)や矢野貴章(新潟)にはないものだ。
一方後者に関しては、ベストメンバーで来日しなかったエジプト代表が、「力試し」というには明らかに歯応え不足だった。3点目(前田)を決めてから1点を失うまでの試合運びには不満を残したが、DFラインの安定感、中盤のパスワークは、期待を上回るものでも下回るものでもなかった。コア・メンバーについて、あえて収穫を探すなら、攻撃面で物足りなさを残していた両サイドバックが直接絡む形で、4点目が生まれたことくらいだろう。
収穫以上に気になったのは、来年に持ち越された宿題の数々だ。前日会見でオシム自身が語った、川口能活と中澤佑二の後継者問題はどうなるのか。それに付随してだが、中澤、阿部勇樹(浦和)、闘莉王(浦和=今回は選外)に続く第4のセンターバックは誰になるのか。加地、駒野以外の専門職が招集すらされていない、サイドバックのバックアップはどうするのか。絶大な信頼を置いている鈴木啓太(浦和)だが、彼の不在時には、誰が代役を務めるのか。
前線では、複数の選手が試されている。高原直泰(フランクフルト)以外に絶対的な存在はいないが、計算できる選手は多い。今回得点した大久保、前田は、「計算できる」というレベルを超え、新たな可能性を感じさせた。
だが果たして、後列はどうなるのか。「絶対的な存在」は多いが、計算できる選手が少ない今の状況は、決して望ましいものではないと思う。負傷、出場停止など、不慮の事態が起こる危険性に満ちたワールドカップ予選を戦い抜く上では、特に。
来年は1月から始動し、ワールドカップ予選を前に、2試合を戦う日本代表。そこで守備の新戦力のテスト(常に招集されていながら、出場機会が少なかった選手も含め)は、行われて然るべきだが……。
posted by taka911 |20:41 |
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2007年10月10日
平山相太(FC東京)がわからない。
これまで何度、彼のプレーに失望させられたことか。以前、解説者の金田喜稔さんがTV中継の中で
「18歳の時が一番良かったと思っている」
と言ったことがあったが、全く同感だ。18歳でワールドユースに出て(03年)2得点し、高校選手権で次々と得点記録を塗り替えたときには「すごいストライカーが出てきたものだ」と驚いたが、その後の彼はどうだったか。
ヘラクレスでチーム得点王(8点)になった時こそスケールの大きさを感じたが、それ以外は失望の連続。経験値、実績からいえばU-22代表を引っ張って然るべき存在なのだが、守備での貢献度の低さと好不調の波の激しさがネックになり、森島康仁(C大阪)にポジションを奪われている。
しかしJリーグでの最近のゴールシーンを見ていると、能力の高さを感じずにはいられない。
今季初ゴールは磐田戦でのPKによるものだったが、横浜FC戦での5人抜きゴールは見事。先日の横浜FM戦では、那須大亮を頭1つ分上回る驚異の打点からヘディングシュートを決めた。
控えに甘んじているのは、FC東京でも同様。守備にこぼれ球にがむしゃらに走り回り、ゴール前で独特の得点感覚を見せる赤嶺真吾が進境著しいが、平山はその赤嶺、ルーカスに次ぐ第3FWと位置付けられている。
ただし、その赤嶺より300分近く出場時間は少ないが、ゴール数では赤嶺の4点に対し平山が5点と上をいっている。先述の5人抜きゴールには横浜FCの守備の拙さを揶揄する声もあるが、85分に投入されての出来事であり、短い時間でしっかりと結果を残しているのだ。
思えば五輪2次予選でも、5試合5得点と結果は残していた。決定機を多く逃して批判も多かったが、得点能力の高さは示している。
果たして平山の真価は、得点力の高いストライカーなのか。あるいは運動量が少なく、守備では貢献できない、ポストプレーで起点になれない、ボールを呼び込む動きも不足している「もっさり」した平山が、本当の平山なのか。
いずれにしろ、現代サッカーの変化は実感する。
かつてサッカーには、
「ストライカーは89分寝ていても、点を取りさえすれば良い」
という言葉があった。だが点を取っても平山は酷評され、点を取れなくても森島、赤嶺はハードワークを評価される。
よりフィジカルで戦術的なものになりつつある現代サッカーの中で、平山は生き残れるのか。もちろん、点を取れない試合では本当に「90分寝ている」平山には、改善すべき課題が数多くある。ただ寝ている試合とは別人のごとき動きで、意外なほど得点も重ねている。監督にとって計算できない、使いづらい選手には違いないし、よくわからない選手ではあるが、潜在能力は間違いなく高いと思う。
それが“もの”になるかは別にして。
posted by taka911 |00:30 |
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