2007年07月29日

1ヶ月の成果が見たい!   ~アジアカップ韓国戦~

   残念な結果も、積極性増す 
 前回のブログでは私の書き方が悪く上手く伝えられなかったが、今大会の日本代表の問題は、ゴールへ向かう意識の希薄さにあると考えている。パス回しはそれほど悪くない。だが日本は、シュートを打たない。上手くボールを回していても、ゴール前30mで突然ナイーブになってしまう。

 その問題は、(やはりまだ不足はあるが)韓国戦ではかなり改善されていた。横パス、バックパスは未だに多く、もっとミドルシュートを打つべきとも思うが、相手の嫌なところへの走りこみやパスは、サウジアラビア戦よりずっと多かった。そのサウジ戦では2点を奪ったのに、この日は無得点に終わったのはなんとも皮肉なことだが、不運もあったし、韓国の執念もあった。PK戦で敗れ、4位に終わったのは残念だが、最後の決定力、さらに言えばラストパスやクロスでのもう一工夫があれば、得点できていたのではないかと思う。それにしても残念な結果だ。


   固定されたメンバー、パターン化された交代
 さて、アジアカップの6試合が終わり、2勝3分1敗という公式記録が残った(PKは引き分け扱い)。もちろん満足できる数字ではないが、6月30日までJリーグ戦があり、準備期間が極端に短かったことを考えれば、及第点をつけられる成績であり、内容だったのではないだろうか。

 さて、準備期間の短さに加え、東南アジアの蒸し暑い気候という悪条件の中、オシム監督はほとんどメンバーを固定して戦った。3位決定戦の前には疲労を考慮してフレッシュな選手を使うのではとの報道もあったが、結局は巻誠一郎が山岸智に変わっただけで、従来のレギュラーメンバーがそろって先発した。また交代選手も、羽生直剛、佐藤寿人、矢野貴章と、オーストラリア戦、サウジ戦と全く同じ選手がチョイスされた。

 このように固定された先発メンバー、パターン化された交代には疑問が残るし、采配に不満が叫ばれても仕方がない。ただ今大会に関しては、オシム監督は持ち駒を増やすことよりも、コア・メンバー同士の連携を成熟させることを選んだのではないか。その成果が結果に直結することはなかったが、ほとんどメンバーを固定し、交代も極力せずに一ヶ月間、練習と試合を繰り返した今大会の意義は、決して小さくないはずだ。


  1ヶ月を、今後につなげろ!
 そのため後藤健生氏に「ハノイ合宿」と表現された今大会だったが、せっかくの長期合宿も、今後につながらなければ全く意味がない。今大会では、合宿の成果は試合に表れなかった。個人の問題か戦術の問題か、フィニッシュに課題を残したまま終わった。だがこれほどの長期間を強化に使えたのは、オシム監督就任後では初めてのことだった。この1ヶ月を今後につなげることが、不本意な成績に終わったアジアカップの何よりの意義になる。今後の日本代表が、この1ヶ月での成長を見せてくれることを期待している。

posted by taka911 |02:13 | 日本代表 | コメント(5) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月26日

2度あることは3度ある。4度目も。だが5度目は……  ~アジアカップ準決勝~

   ジリジリと……
 久々に、日本代表の試合を観ていてジリジリとする思いをした。じれったい。1点ビハインドの状況下で、引いた相手を崩せないまま、ただ時間だけが過ぎていく。そんな試合は、久しくなかった。ジーコ前監督時代には、何度も見た。「神様」が監督だった頃には、ジリジリの先にドラマがあって、そこにカタルシスがあった。
 だがアジアカップ準決勝、サウジアラビア戦では、何も起こらなかった。ビハインドのまま試合が終わり、やるせない思いだけが残った。こんな思いは、いつ以来か……。


   2度あることは3度ある
 この敗戦は、オシム監督が就任して一年を迎える日本代表にとって3敗目になる。そもそもこのチームは敗北経験に乏しく、相手にリードを許した試合自体がその他に2試合しかない。

 その2試合とは、アジアカップでの先の2試合、ベトナム戦とオーストラリア戦だ。しかしこの2試合では、それぞれ巻誠一郎、高原直泰のゴールですぐに追いついている。このサウジ戦でも先制点を許したが、すぐさま中澤佑二が同点弾を決め、後半開始早々に勝ち越しを許しても、わずか6分後に阿部勇樹のファインゴールで追いついた。
 2度あることは3度ある。また、4度目もあった。


   動かなかった試合
 だが、5度目はなかった。

 マレクに3点目を許してからの30分余り。逃げ切りに入ったサウジを相手に、日本はボールを保持してはいたが、ついに同点ゴールは生まれなかった。
 もっともボールを持ちながら最後の30mを崩せなかったのは、同点を狙った最後の30分だけではなかった。サウジがゲームの流れに乗れなかった、前半の最初の25分。この時間帯でもやはりゴール前を突破できずに、サウジに落ち着く時間を与えて先制点を許した。

 最後の局面で崩せず、逆に失点した理由は複数あり、それに付随して疑問も生まれてくる。直前のキリンカップで見せた駒野友一のクロスの精度を生かすには、左より右のサイドバックで起用したほうが良いのではないか。センターバック阿部に本職ではないハンデはなかったか。2人の中村と遠藤保仁、3人のコンダクターを並べた中盤が手詰まりになったとき、誰が局面の打開を引き受けるのか(ミドルシュートが打て、縦への推進力もある中村憲剛が引き受けることが多かった)……。


   向こう側にある、カタルシスへ
 それぞれの疑問については、3位決定戦が終わり、大会が終わってから考察したい。ただ、敗れたこの試合にしても、ジーコ前監督時代にはほとんど見られなかった大きなサイドチェンジやワンタッチパスで可能性は感じさせている。

 そしてその可能性は、同じような「じれったさ」を味わったオシムジャパン初めての敗戦――アジアカップ予選でのサウジ戦(アウェー)よりも、確実に大きくなっている。戦術が浸透し、パスワークがスムーズになったという意味においても、攻め上がった闘莉王を有効活用できなかったチームが、中澤の高さを武器に押し込んだという点においても、チームは成長している。

 後は可能性を、いかにゴールという結果に昇華させられるか。それはつまり、チームが一つ上の次元へと進化することを意味する。敗戦を乗り越え、壁をぶち破れ。その向こう側には必ずや、カタルシスが待っているはずだ。

posted by taka911 |00:56 | 日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月21日

相応しい役割  ~アジアカップ・オーストラリア戦~

 試合直後のTVインタビューで、オシム監督が
「大体はゲーム内容の悪い方がPK戦で勝つものだが、今日はオーストラリアよりは日本の方が始めから終わりまでいい内容で試合をしていた」
と語っていたのが印象的だった。同感である。試合内容が良いチーム――というより、より長くボールを支配していたチームが試合を決めるゴールを奪えず、PK戦で敗れる。あるいは、カウンターでの一発に沈む。そうした類の試合は、オシムよりずっと観戦歴の乏しい私だって何試合も見てきている。
 しかしアジアカップ・決勝トーナメント1回戦、日本対オーストラリアは、そういう試合にはならなかった。終始ボールを支配しながら、肝心の得点を奪えなかった日本だが、1-1からのPK戦に勝利し、準決勝進出を決めた。


   鮮やかな同点弾と、頼れる守護神
 一進一退の前半から一転、後半は日本のペースで試合が進んでいた。暑さにオーストラリアが消耗したのだろう。それだけに68分にアロイージに先制ゴールを決められたのは嫌な展開だった。

 数少ないチャンスを確実に決めたオーストラリアと、攻め込みながら決めきれない日本。しかしその構図は、わずか3分後に頼れるエースによって断ち切られた。

 中村俊輔のクロスを、巻誠一郎が頭で落としたボールの処理で、オーストラリアのDFとGKが戸惑った刹那。スッと現れた高原直泰が、ゴールに背を向けた状態から深い切り返しで反転してGKと一対一になると、脇の下を射抜いて豪快に決めた。UAE戦後に「殺し屋の本能がある」と指揮官に絶賛されたエースの、鮮やかな同点弾。切り返しの鋭さといい、狭いシュートコースに正確かつ強烈に打ち込む技術といい、ワールドクラスと呼ぶに相応しい一発だった。

 その後、高原はPK戦で外してしまうが、ここで本領を発揮したのがGK川口能活。一本目、二本目のシュートを連続で止めて、一気に流れを引き寄せた。ここまでほとんど守備機会がない試合が続いていたが、前回大会のヨルダン戦を髣髴とさせるPKストップで存在感を放った。やはりこの男、集中した時のセービングは凄まじい。頼れる守護神である。


   粘った守備陣、その主役は……
 ただこの日の勝利の立役者としては、この男の名を挙げないわけにはいかないだろう。ゴール前に鬼神のごとく立ちはだかり、ピンチにも身体を張ってクリア。終盤には攻撃にも参加して脅威となった中澤佑二だ。キリンカップから数えると5試合連続になる阿部とのコンビも落ち着いてきて、失点場面以外では相手2トップを完封。時折映し出されたビドゥカの苛立った表情が、その存在の大きさを証明していた。全くこの男が代表に復帰していなければと思うとぞっとする。最後に試合を決めるPKを蹴ったのは、チームの精神的支柱として相応しい役割だった。

続きを読む...

posted by taka911 |23:16 | 日本代表 | コメント(7) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月20日

3+1人、それぞれの7年。

 川口能活、中澤佑二、中村俊輔。2000年、2004年の2連覇に貢献し、今大会でもメンバーに名を連ねて、アジアカップ3連覇を目指す選手たちだ。

 3人、という数字が多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれだろう。ただ監督が変わり、時代が変わり、そして彼ら自身が変わっていく中で、7年に渡って代表に名を連ねている事実だけでも、彼らが素晴らしい選手である事実の証明には十分だろう。7年前の決勝・サウジアラビア戦で中村のFKから決勝点を奪った望月重良は、すでにユニフォームを脱いでいる。7年とはそれだけの年月だ。


 ただ彼らの7年とて、決して順風満帆だったわけではない。7年前の2000年大会当時を振り返っても、川口はトルシエに「楢崎正剛の控え」と位置付けられており、直前のシドニーオリンピックでオーバーエージに指名されたのも楢崎だった。アジアカップでの活躍も、そのシドニー五輪で楢崎が負傷し、アジアカップを欠場したからだった。対照的にシドニー五輪でレギュラーだった中澤は、松田直樹の巻き返しに遭ってアジアカップではバックアップに甘んじた。一方、シドニー五輪、アジアカップの両方で不動のレギュラーだった中村にしても、不本意な左サイドでのプレーを強いられた。アジアカップではMVP・名波の気遣いで自由にプレーし、ベストイレブンに選ばれるが、左サイドでの起用はその後も続き、2002年ワールドカップでは選外となってしまった。

 この3人の中で、02年ワールドカップメンバーに名を連ねたのは川口だけ。その川口にしても、楢崎に正GKの座を譲った。その後ジーコに監督が代わり、海を渡った中村は全幅の信頼を受けることになるが、川口は控えのままで、中澤に至ってはしばらく声さえかからなかった。

 その後急激に地位を確立していくのは川口ではなく、中澤の方だった。2003年、岡田武史監督の下急成長し、横浜FMの完全優勝に貢献した中澤は、シーズン終盤にジーコ監督就任後初招集されると、程なくしてセンターバックの一角を確保し、2004年アジアカップでは鉄壁の守備に加えて3得点も挙げて「影のMVP」と呼ばれた。この大会でのヨルダンとのPK戦が記憶に新しい川口は、海外での不遇で調子を落としていたが、負傷した楢崎の代役で出た直近のワールドカップ予選インド戦での活躍から正GKに返り咲き、優勝に貢献した。ただし大会公式のMVPに選ばれたのは中村。コンディション不良で活躍できない試合もあったが、要所で印象的なゴール・アシストを記録した。

 その後も紆余曲折はあったが、昨年のワールドカップでは中心選手としてプレーし、今もオシムジャパンのキーマンとなっている3人。もはや「ベテラン」と呼ばれる域に差し掛かり、衰えを心配される年齢になったが、それでも成長を続けているのは尊敬に値する。川口はミスが減り、冷静さを増してずっと安心して見ていられるキーパーになったし、中澤は持ち前の高さや一対一の強さに加えて、危険な位置に自ら飛び込んでいけるDFになった。中村は筋力のアップやスタミナの充実によるものか、試合ごとの波がずっと少なくなり、守備にも貢献できるようになって「消えている」時間がほとんどなくなった。

 GKにDF、MF。各ポジションにそれぞれ経験があって頼れる選手を置いているところが、オシムジャパンの肝か。3大会連続出場は不在のFWにも、頼れるベテランが一人いる。2000年大会では5得点で西澤明訓と並んでチーム得点王、大会ベストイレブンにも選ばれた高原直泰だ。2004年大会は山本昌邦監督からアテネ五輪のオーバーエージに指名され、アジアカップ出場を見送った高原。2002年ワールドカップに引き続き、そのアテネ五輪もエコノミークラス症候群で出場を見送り、昨年のドイツワールドカップでも無得点に終わった高原にとって、今大会は久々に「日本のエース」として申し分のない活躍を見せている大会だ。

 そしてこの4人、昨年のワールドカップ初戦、オーストラリア戦でもそろって先発出場している。アジアカップ決勝トーナメント一回戦での再戦は、格好のリベンジの舞台だろう。各ポジションのセンターラインにそろう経験豊富な選手が、チームを難敵への勝利に、大会3連覇に牽引する。もちろん、期待して良いだろう。

posted by taka911 |00:35 | 日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月16日

快勝が覆う問題  -アジアカップ第3戦ー

 先のUAEとの試合後に、オシム監督は言った。
「我々の方がボールを動かし、相手を疲れさせることが出来た」
高温多湿。ベトナムの、過酷な状況下の試合である。ボールを動かすことで相手を動かし、疲れさせることは今大会、非常に重要になる。

 ただしこの日の相手は、開催国のベトナム。この気候に慣れているチームが相手では、ボールを動かす効果も半減といったところだろう。


   技術の賜物
 しかし終わってみれば4-1と、日本は終始相手を圧倒して勝利を収めた。

 大差がついた理由は、何より「個人能力の差」に尽きる。駒野と遠藤のパス交換から中村俊が右足で決めた3点目は鮮やかだったが、その他の得点は「後は決めるだけ」という状況を巻にプレゼントした中村俊と遠藤の技術の賜物。また遠藤が直接決めた2点目のFKの場面では、左右の名手をそろえる日本の強みが出た。


   忘れてはいけない問題
 ただし、3試合を終えて課題も出てきた。

 攻撃に関しては、さほど問題はないだろう。3試合で8点を取った攻撃は、2トップに変更したUAE戦以降、しっかりつなぐところとスピードアップするところのメリハリが出てきた。カタールのように自陣深くに引いてくる相手をどう崩すか、という問題は残るが、高原、中村俊の試合を決める力はアジアでは群を抜いている。ここにきて遠藤も調子を上げており、得点力は申し分ない。

 一方、守備は問題だ。

 この大会、日本はここまで完封がない。それは不用意なミスから中盤で奪われ、ショートカウンターでゴールに迫られる場面が多いからだ。まずは集中力の欠如だが、カウンターの対応にも難がある。中盤、両サイドバックの構成上、どうしても鈴木に多大な負担がかかるが、鈴木がDFラインに吸収されると、どうしても中盤でプレスがかからなくなってしまう。ベトナムの技術の低さに助けられたが、この日もフリーでミドルシュートを許す場面が目立った。

 これは連携のまずさにも起因しているのだが、今大会、オシム監督はメンバーをほぼ固定している。それでも連携に不安があるのだから、出場停止や負傷者が出た場合には、どうなってしまうのか。快勝は問題を覆うが、決して忘れてはいけない。もちろん、オシムは問題を直視しているだろうが。

続きを読む...

posted by taka911 |21:48 | 日本代表 | コメント(6) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月14日

後味悪い快勝 ~アジアカップUAE戦~

   変貌した日本と相手
 カタール戦で終了間際に追いつかれたショックは、微塵も見られなかった。
 あるいは、「ショックがチームを引き締めた」と言ったほうが適切なのかもしれない。日本は4日前とは別のチームのようにタフに、ゴールを目指して戦い、UAEに3-1で快勝した。精神面の充実を強調したのは、終了直後の遠藤保仁。
「いつもどおり体を張って、絶対勝って次につなげたいという気持ちがあった。その強い気持ちが、前半に表れた」

 ただし、変わっていたのは日本だけではない。UAEが、カタールのように自陣深くに引いて戦わなかったのも、日本にとって幸いだった。そのためスペースはずっと広く、飛び出した遠藤、加地亮、駒野友一へのサイドチェンジが攻撃のスピードアップのきっかけとなった。2点目、3点目はいずれも、サイドチェンジを交えた大きな展開から生まれたもの。今後も暑い東南アジアでの試合が続くアジアカップでは、このような相手を揺さぶる長短のパスワークが鍵になるだろう。


   後味の悪い快勝
 ただこの試合、後味はあまり良くなかった。その理由は恐らく、後半に1点を失ったからだけではないだろう。

 前半の終了間際から後半開始直後の、スコアが3-0になった時間帯から、UAEのプレーは荒れた。3点目のPKの判定が余りにも微妙だったことが、イライラに拍車をかけたのだろう。日本の選手を傷つけようとしているような悪質なタックルや、パスを出した選手へのアフターでのアタックが目に付いた。それはサイードが退場になった53分を境にほとんど見られなくなったのだが、もっと早い段階でそれぞれに適切な罰を与えていれば、もう少し違ったゲームになったのではないだろうか。

 この試合、UAEに出たイエローカードは4枚。日本は中村俊輔と川口能活が、それぞれ遅延行為で警告を受けた。これが私には到底納得できない。PKを蹴ろうとしていた中村俊も、ゴールキックの準備をしていた川口も、それほど時間をかけてボールをセットしていたわけではない。その彼らへの罰と、日本の選手に向けられたUAEの危険なタックルへの罰とが、なぜ同等だというのか。いや悪質な暴力行為の中には、罰せられないものさえあった。

 もっともこのような判定が珍しいことかと言えば、アジアカップにおいては不思議なことではない。原因は近い国同士の「兄弟ゲンカ」に感情が絡んでしまうからなのか、ただ単にレフェリングの技術不足にあるのか。いずれにしても、「アジアだから」の一言で審判の不可解な判定を看過していては、アジアサッカーの発展など望めない。

 一案としては、欧州、あるいは南米から審判団を派遣してもらうこと。それができないなら、せめて審判団を1カ国の人間で固め、意思の疎通を円滑にするべきではないだろうか。


続きを読む...

posted by taka911 |13:33 | 日本代表 | コメント(8) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月09日

危険なスタート ~アジアカップ初戦~

   必然の同点
 アジアカップ初戦、日本はカタールと引き分けた。1-1。先制点を奪うも終了間際に追いつかれ、勝ち点2を失った格好である。試合後のインタビューでは、高原も、川口も、そしてオシム監督までもが悔しさを滲ませていた。FK以外ではシュートを打てなかったカタールに対し、日本の決定機は少なくとも3回。内容で圧倒しながら、日本はカタールに勝ちきれなかった。

 先制点までは悪い試合ではなかった。圧倒的にボールを支配しながら攻めきれない展開が続いてはいたが、守備に徹する相手にはよくある事。そんな中で迎えた56分のチャンスを山岸が外して、少々嫌なムードが漂ったが、直後の60分に今野の見事なクロスから高原が巧みに決めた。

 問題はその後の時間帯だ。1点を守ろうと慎重になったのか、攻めの姿勢が弱まり、不用意なミスが散見された。その末の同点ゴールは不運な事故ではあったが、全くの偶然によるものではない。経験に乏しい選手が、ナイーブさを露呈した、必然のゴールだった。


   危険なスタート
 この試合結果は、グループBに混沌をもたらす。戦前に「最も力の落ちるチーム」と見られていた開催国・ベトナムが唯一勝ち点3を手にし、優勝候補・日本は勝ち点1。カタールは日本相手に得た勝ち点1でライバルUAEにアドバンテージを得たが、退場した10番ヤセル、ムソビッチ監督を出場停止で欠くことになった。

 先行きの読めないグループの中では、日本も全く油断はできない。日本はこの試合で、試合運びのナイーブさと決定力の不足を露呈してしまった。遠藤、中村俊がフリーランニングに乏しく、ダイナミズムに欠けるのも気になる。それを補うためにも、私は2トップを採用すべきと考えるが、どうなるだろうか。

続きを読む...

posted by taka911 |21:28 | 日本代表 | コメント(7) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月06日

がんばるチーム、がんばる選手  ~U-20コスタリカ戦~

 前半戦を終えた今年のJリーグにおける最大の驚きは、アルビレックス新潟が3位で18節を終え、中断期間を迎えたことだった。前評判は決して高くなかった。それどころか、降格候補に挙げる人さえ少なくなかったと記憶している。

 だが、U-20コスタリカ戦に先発出場し、勝利に貢献した新潟所属の2人、田中亜土夢と河原和寿を見ていたら、新潟が上位にいる理由もわかる気がした。

 2人はとにかく、走る。河原は森島のように体躯に恵まれたわけではないし、田中は梅崎ほど決定的な仕事ができるわけではない。でも走る。フォローに走って、守備に走って、ルーズボールに走って、チームを助けることができる。「チームのためにがんばれる選手だな」というのが、2人に共通する印象である。

 この「チームのためにがんばれる」という言葉は曖昧で曲者だ。「チームのためにがんばっていない選手なんているの?」と聞かれたら、首を傾げるしかない。だからきっと、これはイメージの話になる。同じようにチームのためにがんばっていても、ジダンよりマケレレの方が、ロナウジーニョよりカカーの方が、俊輔より鈴木啓太の方が、チームのためにがんばっているように見える。それはきっとイメージの問題であり、プレースタイルの問題なのだ。

 新潟はみんな、チームのためにがんばる。U-20代表の2人、田中も河原もそうだし、A代表の矢野貴章もそういう選手だ。そういう選手を集めているのか、新潟というチームがそうさせるのか。いずれにしても、新潟はそういうチームカラーを持っている。

 その新潟の田中が中盤で、河原が最前線で動き回って、チームが苦しい中でもパスコースを作り、こぼれ球を拾い、身体を張ってボールキープする。そういう働きは決して派手ではなく、河原は報われず、田中は得点ばかりがクローズアップされる。それでも彼らは、多分次の試合でも同じように走り、森島や梅崎ほど注目されなかったとしても、チームを助け続ける。

 そういう選手を抱え、育む新潟が、3位につけている。正解だと僕は思う。

続きを読む...

posted by taka911 |02:50 | 年代別日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月03日

3本の矢 ~U-20スコットランド戦~

 ブームになっている「ビリーズブートキャンプ」の動作から、片膝をついて弓矢を放つ。「槙野と昨日やっていた」と森島が振り返ったゴールパフォーマンスは、U-20スコットランド代表を相手に3度繰り返された。3点目を奪った直後に1点を返されたが、3-1のスコア以上の快勝。U-20ワールドカップ決勝トーナメント進出に向け、U-20日本代表が好発進を切った。


   3本の矢のように
 弓矢を放つゴールパフォーマンスは、現在13得点でJリーグの得点王をひた走るサンフレッチェ広島の35歳、ウェズレイに敬意を表してのものだという。ウェズレイがこのパフォーマンスを考案したのは、チーム名の由来が「3本の矢」(3+フレッチェ=イタリア語で矢の意)にあると知ったから。「1本の矢はたやすく折れるが、3本ならなかなか折れない」と団結の大切さを説いた有名な挿話だ。
 この試合、日本は矢を束ねていた。ボールホルダーを複数の選手がサポートすることで、数的有利を作り、体格に優れるスコットランドをスピードとスキルでかく乱した。

 象徴的なのは梅崎司(大分)の得点場面。得点それ自体は、自らボール奪取した梅崎の個人技によるものだった。だが良いミドルシュートが打てたのは、右で田中亜土夢がスペースに走りこみ、左で河原がマークを引き付ける動きをしたからだ。3得点のうち、他の2得点は相手のミス絡みだったが、このような良いフリーランニングが味方の選択肢を増やし、それが敵を迷わせる場面はこの試合中、何度も見られた。


   将来のプロトタイプ
 このような良いサポートを上手く活用する「人とボールが動くサッカー」こそが、A代表オシム監督が目指すものであり、日本人の身体的特徴にも適したものであることは疑いの余地もない。「3本の矢サッカー」、と書くと私のネーミングセンスの無さがばれるが、スコットランドの大男を手玉に取ったこの日のU-20代表の動きは、将来の日本代表のプロトタイプになる気がする。

 それを実現できたのは、梅崎、田中、柏木陽介と、A代表の中村俊輔、憲剛、遠藤保仁を機動力では上回る選手が中盤にそろっているから。このあたりから、北京五輪代表はもちろん、2010年南アフリカワールドカップのメンバーに何人か入ってくるようなら面白いのだが……。

続きを読む...

posted by taka911 |02:41 | 年代別日本代表 | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

2007年07月02日

二つの不安

   コア・メンバーが名を連ねる
 フタを開けてみれば、選出は至極順当なものだった。アジアカップメンバー23人のことである。

GK川口、楢崎、川島
DF中澤、坪井、加地、駒野
MF中村俊、橋本、羽生、遠藤、中村憲、鈴木、阿部、今野、山岸、太田、水野
FW高原、播戸、巻、佐藤、矢野

 名を連ねたのは、オシム監督就任後の代表で中核を担ってきた「コア・メンバー」が中心。そこに中澤、楢崎らの復帰組、中村俊と高原の海外組を加え、大会3連覇に挑む。
 その中で数少ない例外が、フィールドプレーヤーで唯一国際Aマッチ出場歴がない太田吉彰(磐田)だ。キリンカップで選外だったのも、負傷の加地を除けば唯一となる。
 その最大の魅力は、瞬発力と持久力をハイレベルで兼ね備えた走力。爆発的なダッシュを、尽きることないスタミナで90分続けることができる。本職の右サイドは激戦区で、加地、駒野が争い、水野も控えるが、突破力では頭一つ抜きん出た存在であり、途中出場で流れを変える存在として期待できそうだ。


   不安残す2つのポジション
 右サイドの充実の反面、左サイドはやや心もとない。
 今回のメンバー中、クラブチームで左サイドでプレーしているのは山岸くらい。その他駒野、阿部、今野、橋本も左サイドでプレー可能だが、左利きは一人もいない。
 また、センターバックの選手層にも不安が残る。
 メンバー中、センターバックのスペシャリストは中澤、坪井の2人だけ。阿部、今野のDF起用はありそうだが、3バック、4バックの併用となるとやや枚数不足だ。
 
 数ヶ月前、スポーツ新聞に「オシム監督が左利きの左サイドバックと背の高いセンターバックの不在を嘆いている」という趣旨の記事が載ったことがあった。共にセンターバックの「コアメンバー」だった闘莉王、水本の負傷離脱があったとはいえ、それが今なお解決していないことは、今回のメンバーを見れば明らかだろう。

 今後はその人材発掘が待たれるが、今大会で臨まれるのは、阿部、今野、駒野といった「ポリバレント」な選手が、その多様性で単純な人数不足をカバーすること。それができなければ、3連覇など夢のまた夢だろう。

posted by taka911 |02:38 | 日本代表 | コメント(2) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加