2008年03月15日
「点」と「線」 ~浦和対名古屋~
選手一人ひとりが伸び伸びとピッチを駆け回った名古屋と、先週の開幕戦から引き続いて空回りしている印象が抜けない浦和。2-0というスコアも納得のゲームだった。 印象の違いは、「フォローの手厚さ」の違いによるものだと思う。よく使われる言葉で言い換えれば「連動性」。流行の言葉で言うなら人とボールが動くか、どうか。 名古屋のフォローは手厚かった。ヨンセンがポストプレーに入れば、あるいはマギヌンがボールを持てば。玉田啓司や小川佳純が動き出し、サイドバックが駆け上がってくる。ボールホルダーから常に2本、3本の「線」が引けるからこそ相手が迷い、長身(186cm)のヨンセンのリーチや高さ、マギヌンの技術が生きてくる。 一方の浦和は、個々人が「点」でしかなかった。 前半のみで代えられてしまった高原直泰が、左サイドから中央に切り込んで打開を図ったとき。後半途中から登場の梅崎司が、ドリブルでゴールに迫ったとき。そこから引ける線は一本あるかないかで、名古屋に比べ、連動性は余りにも乏しかった。ポンテやワシントンなら「点」でも大きく、その間に引かれる「線」も太かったから何とかなったのかもしれないが、高原や梅崎では苦しい。 浦和の前線の個人能力が他チームに比べ劣っているわけではない。永井雄一郎や田中達也でも控えになるくらいだから、J全体ではむしろ高いほうだろう。問題はそれを、チームとして生かせていないことにある。 名古屋はすでに、やりたいサッカーが見える。ジェフ千葉で、日本代表で「考えて走る」と言い続けたイビチャ・オシムと、「人とボールと動くのがフットボールだ」と言い切り欧州屈指の美しいサッカーを見せるアーセナルを率いるアーセン・ベンゲル。その両監督の影響を強く受けるストイコビッチは、監督としては初心者ながら、すでにボールと人を動かしている。 一方の浦和はどうか。 攻撃のかたちは未だ見えない。昨シーズン、いかに個の力に依存してきたかがわかる。 今年も個の力に頼る他ないのであれば、オジェックには少なくとも、誰が最も点を取れる可能性が高いのか、どの組み合わせがゴールに最も近づけるのかを見極めてほしい。高原とエジミウソンの2トップの下に山田暢久のかたちがベストなのか。永井と代えるべきは、エジミウソンではなく高原だったのか。梅崎、田中投入のタイミングは遅くはないか。全てを検討してほしい。 選手のほうでは、上手くいかなくても、集中力を切らしてはいけない。監督への不満があるかもしれない。上手くいかない苛立ちも当然あるだろう。 だが都築龍太のパスを小川にさらわれた2失点目のようなプレーは絶対にいけない。あれは都築の個人的なミスというより、浦和の歯車が狂っていることを象徴しているプレーに思えた。
posted by taka |17:43 |
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