2008年03月03日

08J注目選手(1)名波浩

 ここ数年は毎年覚悟しているが、今年こそついにラストイヤーかな、と思う。C大阪、東京Vでのプレーを経て1年半ぶりに磐田に復帰した名波浩のことだ。

 正直に告白するが、サッカーを真剣に観始まる前、僕は名波が好きではなかった。今見直すとしょうがないプレーなのだが、フランスワールドカップのアルゼンチン戦で「バティのゴールをアシスト」(後に名波はこう表現している)したり、ベネチアで満足に出場機会を得られなかったりと、マイナスイメージが強かったからだ。
 しかしその後、サッカーにのめり込むうちに、僕は名波の虜になった。強烈な印象を残したのは、2000年アジアカップの初戦、サウジアラビア戦。この試合で名波は1得点2アシストを記録するのだが、決定的な仕事をするのと同時に、献身的に守備をし、こぼれ球を数多く拾ってもいた。
「シドニー五輪での明神(智和=現G大阪)をイメージした」
これが試合後の名波の弁。この大会で名波はMVPを受賞するのだが、そのパフォーマンスは圧巻の一言だった。

 その翌年、サイコロの5の目のように並ぶ中盤の、文字通り中央に名波を配置する「N-BOX」で、磐田は最強時代を迎える。だがシーズンも中盤に差し掛かる頃に、名波は膝の負傷で離脱。その後復帰するも、そのシーズンは「毎試合後に、膝に溜まった水を抜いていた」と聞く。
 その後現在まで、名波が1シーズンをフルに戦い抜いたことはない。

 直近で名波を観たのは、昨シーズン開幕前のFC東京対東京Vのプレシーズンマッチ。未だ活きのいい服部年宏に対し、名波の運動量が驚くほど少なかったのをよく覚えている。
 だが、優れたパスセンスとポジション取りの確かさは、決して失われるものではないだろう。何よりそうした戦術眼こそが、名波の最大の魅力だと僕は思っている。

 かつて名波は、
「ヒデ(中田英寿=引退)が自由にやっているように見えるかもしれないけど、俺が後ろから操ってるんだよね」
と語ったことがある。中村俊輔との関係についても、前出のアジアカップの際に、
「彼の良さが出るように、ポジションチェンジを繰り返した」
と言った。僕は名波のパスに込められたメッセージを読み取ろうとし、ポジション取りの意図を考える。それがたまらなく楽しい。名波にはそうした味わいがある。

 磐田の黄金期を知る選手は、もうほとんどいなくなってしまった。先の「N-BOX」でいえば、奥大介が引退し、藤田俊哉(名古屋)、服部、福西崇史(東京V)が移籍。中盤の選手で残っているのは、当時まだ若手だった河村崇大(川崎Fから復帰)、西紀寛くらいのものだ。
 それだけに名波の経験がものをいうはずだ。彼にとって、ラストイヤーが幸せなものになるることを願っている。

posted by taka |14:22 | Jリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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