2007年12月16日
決別の2ゴール
2人がまだ、東京Vに在籍していた頃だったと思う。以前相馬崇人が、 「ワシントンはヘディングはそんなに得意じゃないから、ハイクロスより低い足元へのクロスが有効」 という趣旨のことをインタビューで語っていた。 日本での、レッズでの最後の2ゴールは、ヘディングによるものだった。 189cmと長身のワシントンだが、相馬の言葉通り、決してヘディングを武器にした選手ではなかった。だが相馬の「ハイクロス」に合わせ、長谷部誠のFKに合わせて、クラブワールドカップ3位決定戦で2ゴールを決めた。 「本当にお世話になっているし、感謝している。一生忘れないサポーターです。最後の試合だったし、サポーターに恩返しするつもりで臨んだ」 フルミネンセ(ブラジル)への移籍が決まっているワシントンの決別の2ゴールが、浦和を大会3位に導いた。 ストライカーの教科書のような選手だった。 前年に浦和を退団したエメルソンのようなスピードがあったわけではない。シュートを打ちやすい場所にしっかりコントロールするファーストタッチの巧みさと冷静かつ正確なシュートで、エメルソンを上回るペースでゴールを量産した。 こうした要素は、日本人にも真似できるものだと思う。体躯に恵まれてはいたが、決してそれに頼っていたわけではなく、身体の「幅」とボディーバランスの良さを利用したボールキープは、むしろ「自分を良く知っている」という印象だった。 32歳になる今年は運動量の減少から批判されることもあった。また退団の原因となったオジェックとの確執からか、それまでの模範的なイメージから一転、決して褒められたものではない言動も見られた。 だがストライカーとしての本能は錆びつきず、Jリーグでは26試合出場で16得点。ACL、クラブワールドカップでは、勝負を決める印象的なゴールで勝利をもたらした。 シュートを打ちやすい場所に、正確にボールをコントロールすること。強烈ではなくとも、GKの取れない場所に冷静にキックすること。そして己を知ること。ワシントンは、我々日本人にストライカーとは何かを教えてくれる存在だった。 来年からその雄姿を見られなくなるのが残念でならない。
posted by taka |21:13 |
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