2007年11月23日

【U-22】 守り抜いたもの 【サウジ戦】

 気がつけば立ち上がり、拍手を送っていた。試合結果は、0-0の引き分け。しかしピッチ上には、明確な「勝者」が存在していた。

 U-22日本代表が、北京五輪の出場権を獲得した。

 引き分けでも北京五輪出場が決まる状況で迎えたサウジアラビア戦。4-0で快勝したベトナム戦のメンバーを敢えて変更し、青山敏弘(広島)と細貝萌(浦和)が守備的MFに並ぶ陣容を見れば、反町康治監督が「引き分けもやむなし」と考えていることは容易に想像できた。
 序盤はサウジアラビアの身体能力に振り回され、ピンチの連続だった。6分にはゴールライン上で、青山敏が相手のシュートをブロックする危ない場面もあった。一方で細貝がフリーで放ったシュートがGKワリードのスーパーセーブに阻まれるシーンもあって、日本も最初から引き分けを狙っていたわけではない。
 しかし後半ロスタイムに突入する前から水野晃樹(千葉)と柏木陽介(広島)がコーナーフラッグ付近で時間稼ぎに入り、その後は全員が自陣に戻って専守防衛に徹するなど、最後は執念で過去5試合でつかんだアドバンテージを守り抜いた。


 これほど批判され続けたU-22代表も珍しかったのではないかと思う。
 2次予選のうちから、勝っても「内容がない」「気持ちが入っていない」と叩かれ、川淵三郎キャプテンからは「ピチピチ感がない」と切り捨てられた。U-22代表監督の解任論が叫ばれたのは、少なくとも僕が記憶する範囲では初めてのことだ。

 しかしサウジ戦では、見違えるほどの強い気持ちで守り抜いた。
 その象徴が、マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選ばれた柏木だろう。前半から運動量の多さは目を引いていたが、後半になっても衰えず、何度か決定的なチャンスを演出した。消耗は想像に難くない後半終了間際にも右に左に走り回ってプレッシャーをかけ、相手のサイドをつぶした。この試合の文句なしのMOMであり、今後細かいミスを減らし、シュートへの意識を高めれば、もっと良い選手になれると思う。

 ただ今予選のMVPには、水本裕貴(千葉)を推したい。青山直晃(清水)と共に全6試合にフル出場し、ゴール前に堅陣を築いたキャプテン。7得点2失点という数字が示す通り守備力でつかんだ出場権であり、2得点の青山直ほどの派手さがあったわけではないが、豊かなスピードとブレのない判断力で相手を押さえ込み、青山直以上の安定感を誇った。サウジ戦後には鼻骨骨折など度重なる負傷と途中から任されたキャプテンとしての重圧を告白しているが、彼がそれらの困難に打ち勝ってくれたからこそ、日本は北京五輪出場を祝うことができた。タイプは違うが、闘莉王(浦和)、中澤佑二(横浜FM)に続く存在としてA代表にも推したい選手だ。


 強い気持ちで守り抜いて、日本は北京五輪へ行く。彼らは強い意思でアドバンテージを守り抜き、自分たちのプライドを守り抜いた。激しい戦いの中で、成長も見られた。一人でも多くの選手が、この成長を将来へとつなげてくれればと願う。

posted by taka911 |09:31 | 年代別日本代表 | コメント(1) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加