2007年11月07日
西野の申し子・明神智和
「クラブ全体として、さらにステップアップしていく時期にさしかかろうとしていると思う。6年間でさまざまな経験を積むことができた。この経験をもとにクラブとしてさらに、大きく可能性を広げる機会を与えていただいたと思っている」(時事通信より) G大阪の西野朗監督が、新たに2年契約を結んだ。2002年からG大阪の指揮を執る西野監督は、来季が7年目。トニーニョ・セレーゾ監督(鹿島・00~05年)の6年を抜いて、Jリーグの監督最長記録を更新する。 西野監督といえば、「攻撃志向」のイメージが強い。2年前のリーグ制覇は、アラウージョ、フェルナンジーニョ、大黒将志の3トップの攻撃力を軸に、「3点取られても4点取るサッカー」でもぎ取ったもの。今年も「超攻撃」をスローガンに、相手を能動的に崩せる美しいパスワークを展開している。 だがこの人、実は攻撃志向以上に、相当の“リアリスト”(現実主義者)であると思う。今年の強さのベースにあるのは攻撃力よりむしろ、明神智和、橋本英郎に支えられた中盤の守備力。96年のアトランタ五輪では、相手との力関係を冷静に見極めた結果、守備的な布陣を選択し、中田英寿と衝突したエピソードも残っている。 そのアトランタ五輪での選択を、若い選手にあるまじき消極性、として「Cランク」と評価されたのが、今日(こんにち)の攻撃志向につながっている、という話もある。だが現在のG大阪を見る限り、攻撃志向に傾きつつも本来の守備のバランス感覚は失われていない。 その西野監督が、柏時代から常に明神を重宝しているのが象徴的だと思う。かつてトルシエに「10人の明神と1人のクレイジーがいれば勝てる」と言わしめた明神はバランサー、黒子役の代名詞のような存在。来年30歳になるが、危険なスペースをさりげなく埋める戦術眼には磨きがかかる一方で、パスワークに関してはG大阪にきてむしろ上手くなっているのではないか。 現在「オシムの申し子」として鈴木啓太(浦和)がクローズアップされているが、明神もまた水を運ぶ選手であり、ガンバには欠かせない「西野の申し子」だ。 西野監督は「6年間でさまざまな経験を積むことができた」と言い、「この経験をもとにクラブとしてさらに、大きく可能性を広げる機会を与えていただいた」と言う。 今までの経験が、圧倒的な攻撃力で勝ち取った05年のリーグ優勝であり、プレッシングをベースにした今年のナビスコカップ制覇であるとすれば、今後の大きな飛躍とは、プレッシングと攻撃力の高いレベルでの融合ではないか。つまりバランス感覚を維持しながらの攻撃力のさらなる向上だが、そのキーマンが明神であることはいうまでもない。 10人の明神はいなくても、1人の明神はバランスをとって、攻撃サッカーを黒子として支える。
posted by taka911 |05:00 |
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