2007年09月10日
ブラジル10番比較論
<カカとメッシ、1つの玉座に2人=バロンドール候補> 上記のリンク記事によると、スペインの『エル・ムンド・デポルティボ』紙は「バロンドールはメッシとカカーの争いになる」と報じたようだが、実際には十中八九、カカーが受賞するだろう。 ACミランをチャンピオンズ・リーグ優勝に導いたカカーの昨季を振り返れば、ロナウジーニョよりずっとコンスタントで、スポーツマンとしてのピッチ内外での振る舞いはクリスチャーノ・ロナウドより遥かに模範的で、ミランの勝利への貢献はメッシのバルサへのそれより大きかった。残る数ヶ月で「何か」――例えば、2000年にバロンドールをほぼ手中に収めていたジダンが、相手選手への頭突きでフィーゴに栄冠を譲ったような――が起きない限りは、カカーが初のバロンドールを手にするだろう。カカーの人柄を考えれば、「何か」が起こる可能性は限りなく低いが……。 さて、今年のバロンドールはカカーでほぼ決まりだろうが、キャリア全体を通してみても、カカーはジダンの後継者、つまり「世界最高」の名を継ぐに相応しい選手になりつつある。 カカーの比較相手としては、C・ロナウドやメッシよりも、ロナウジーニョが相応しいと私は思う。前者2人がドイツ・ワールドカップ後に選手として一段階も二段階もステップアップした感があり、今後2、3年、今以上の活躍を続けられるか、継続して見守っていく必要があるのに対し、今年は不調だった(といっても、昨季スペインリーグで21得点)ロナウジーニョは、ここ数年「世界最高」の名を欲しいままにしていた選手だからだ。 ロナウジーニョがカカーより優れている点、それはボールテクニックだ。カカーも優れた技術を持つ選手だが、身体の一部のようにボールを扱うロナウジーニョは、この分野では依然として世界一の選手だ。 たとえ2、3人がかりでも、ロナウジーニョからボールを奪うのは難しく、トップスピードに乗った彼のドリブルを止めるのは不可能に近い。正確なキックを持つ彼にとっては、セットプレーもレパートリーの1つであり、FK、PKでは高い確率でゴールを陥れる。 一方、判断力ではカカーが上をいく。優れた戦術眼を持つカカーはいつでも適切なプレーを瞬時に判断し、すぐさまそれを実行する。また優れた判断ゆえか、守備での貢献度、パスを受ける動きの巧みさでも、カカーが上をいく。 それを的確に表現したのが、下記のアンチェロッティ(ACミラン監督)の言葉だ。 「バルセロナのロナウジーニョは、テクニックと創造性だけならカカーを上回る。ただし、足元へのパスばかりをほしがり、そのあともドリブル突破を仕掛けるだけだ。オフ・ザ・ボールのプレーは皆無に近く、ダイナミズムはゼロに近い。純粋なボールスキルで世界の頂点に君臨しているのは間違いなく、スペクタクルでもあるが、勝利をもたらす力はカカーほどではない」(ワールドサッカーダイジェスト誌より) 自チームの選手への多少の贔屓はあるだろうが、これに賛同する人は、私だけではないはずだ。 とはいえ、この2人が世界最高レベルの選手であることを否定する人はいないだろう。この2人を擁するブラジル代表、選択できるドゥンガ監督は、全くうらやましい限りだ。 ただ、もし仮に私がサッカーチームの監督で、2人のうちどちらか一方を自分のチームに加えられるなら、私はカカーを選ぶ。カカーの方がより効率的で、戦術的で、故に今後10年のサッカーの変化の方向に一致していると考えられるからだ。そして恐らくドゥンガも、同様の理由でロナウジーニョよりカカーを好み、今後も重宝していくのではないだろうか。
posted by taka911 |20:58 |
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