2007年09月08日

日本の治療法  ~オーストリア戦~

 病状は同じだが、回復に向かっているのは確か。オーストリア戦の印象だ。

 ボールを支配していながら攻めきれず、PK戦に突入する。結果としてはアジアカップで何度も繰り返された光景が繰り返された。

 だが決定的なチャンス自体は、少なくとも2回はあった。
 そのうち1回は、田中達也のシュートがポストを叩いた22分の場面。遠藤保仁のFKをGKが弾いたこぼれ球に鋭く反応した。もともとこのFKは田中の突破から得たものであり、田中は47分にもドリブル突破からシュートを放っている。アジアカップ後に代表復帰したドリブラーは、敏捷性と動き出しの良さを武器にチャンスを増やしている。
 もう1つは前半ロスタイム。DFラインの穴に飛び出した中村俊輔が、稲本潤一のスルーパスを受けてGKと一対一になった。シュートはGKのファインセーブに阻まれたが、こちらはアジアカップではほとんど見られなかった動き。オーストリアの涼しい気候が「人とボールが動くサッカー」に味方したのか、この日はボールがワンタッチでよくつながり、フリーランニングの質も高かった。

 この2度のチャンスのうち、いずれかが決まっていれば1-0で勝利していたし、両方が決まっていれば2-0の快勝だった。「たら・れば」は禁物とよくいうが、「得点力不足」、「攻撃時の消極性」という日本の問題は、2本のシュートの行き先次第では、あるいは問題にならなかったのかもしれない。

 つまりゴール次第では、チャンスにシュートを打たない選手がいても、バックパスや横パスばかりで手詰まりになっていても、問題にされなかった可能性があるということだ。逆に言えばゴールがなく、またPK戦を戦うことになったからこそ、病状が深刻に見えるのである。

 試合後、オシム監督は「フランクフルトでプレーしている、非常に優秀なFWがいる」と高原直泰の不在を嘆いた。今のところ、高原の抜群の決定力こそが日本にとってのワクチンであり、唯一の治療法であるように思える。
 しかしオシム監督は、「彼だけに頼ることはできない」とも語っている。高原という特効薬があったとしても、今回のようにケガで起用できないこともある以上、問題はチーム全体で解決しなければならない。

 そのヒントになりそうなのが、松井大輔の言葉。フランスを主戦場とし、今回がオシム監督就任後初出場となったドリブラーは言った。

「決定的なシーンが少なくて、確かに 見ていて歯がゆかった。もっとガンガン行っても失うものは何もないのに…。」

 必要なのは、ガンガンいく積極性。松井がいうように、日本代表に失うものは何もない。前に相手がいなければ突き進み、フリーではなくてもラストパスを送り、少しでもコースが開いていればシュートを打つ。スイス戦では、そういう勇気が見たい。

posted by taka911 |22:18 | 日本代表 | コメント(7) | トラックバック(0)
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