2007年12月17日

病とフットボール

「この本を出版するにあたって、エコノミークラス症候群のことを、少しでも多くの人に知ってもらって、予防につながれば嬉しいし、現在この病気と戦っている人には、病気になってもサッカーを続けている人間がいるんだぞ、ということを知ってもらいたい。自分次第でどうにでもなるんだ、ということを伝えたいのです。
 それと同時に、高原直泰というひとりのサッカー選手が、ブンデスリーガで、日本代表で何を考え、何を感じてプレーしているかも知ってもらいたいという思いもあります」

 本日紹介する本は、『病とフットボール -エコノミークラス症候群との闘い-』(角川SSC新書)。フランクフルト(ドイツ)でプレーする日本代表のエース・ストライカーの高原選手の初の著書です。
 最初に引用したのは、この本の「はじめに」から。少々長くはなりましたが、まずはこの本に込められた高原選手の想いを知っていただこうと思いました。
 タイトルの通り、この本は高原選手の病気――エコノミークラス症候群の話がまずは中心になります。
 ただサッカーを始めたきっかけからハンブルガーSV時代の苦悩、フランクルトでのゴールラッシュまでが詳細に語られていて、サッカーファンの方にとっても十分に楽しめる内容になっていると思いました。

「フットボール」の話で面白かったのは、海外での成功の秘訣と、日本代表の今後の強化案。HSVで3年半の苦難から、チームの年間MVPに選ばれたフランクルトでの活躍まで、様々な経験をした高原選手の声だけに説得力があります。
「病」の話では、病気によって出場できなかった02年日韓ワールドカップ、04年アテネ五輪の2大会の詳細が語られています。今も毎日薬を飲み、自ら注射を打っているという高原選手に驚かされました。

 病気と共に生きていく覚悟を決め、今度3度目の発症があれば引退する決意を固めているという高原選手。この本は語り言葉で書かれていて非常に読みやすく、高原選手が語りかけてくる言葉の一つ一つの力強さから、勇気をもらえる本です。

 高原選手を好きではない方も、高原を好きになれる。
 高原選手を好きな人は、もっと好きになれる。

 そういう素晴らしい本だと思いますので、興味を持たれた方は是非ご一読ください。

posted by taka911 |20:57 | 本の紹介 | コメント(3) | トラックバック(0)
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2007年12月13日

季刊サッカー批評 issue37

 オシムの大きな横顔に、「オシムが教えてくれた」のキャッチコピー。

 表紙を見るだけでオシムを総括するのにふさわしいと思われた「期間サッカー批評」の最新号を、今日は皆様にお勧めします。
 オシムが好きだった方にも、そうでなかった方にも、「オシムが教えてくれたこと」が何だったのかを考える上では、最高のテキストになるのではないでしょうか。

 価格は933円+税。僕は双葉社の回し者でも何でもないので、堂々と
「立ち読みでも構いません」
と書きます(双葉者の方、すいません!)。

 ただ立ち読みでもいいので、一人でも多くの方に
「オシムが注いだ愛情/木村元彦」
「1年半でオシムが残したもの/西部謙司」
を読んでいただきたいと思います。

 木村さんと言えば、ベストセラー『オシムの言葉』の著者。日本で一番オシムのことを知っている人物と言っていいでしょう。その木村さんの、川淵会長、セルジオ越後への怒り。そして木村さんが伝える「人間・オシム」。
 「怒り」の部分がやや多かった印象はありますが、「オシムが注いだ愛情」に背く行為をした2人が、木村さんには許せなかったのでしょう。木村さんは間違いなく、オシムに愛を注いでいます。

 西部さんの「1年半でオシムが残したもの」も非常に面白かったです。倒れる直前に見ていた試合が、バーミンガム・ダービー。日本人不在、強豪の対戦でもない試合を見ていたことから、オシム監督の本質に迫っています。「正直、何かを伝えきるには、1年半では短すぎる」という西部氏の言葉が印象的でした。

 僕としては、この2本のコラムだけでも、1000円を出した甲斐があったと思っています。まだ読んでいない方にも、是非ご覧になっていただきたい1冊です。

posted by taka911 |12:03 | 本の紹介 | コメント(6) | トラックバック(0)
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