2008年11月22日
WBC日本代表を、候補に挙がった中日ドラゴンズ所属の全選手が辞退したことが波紋を呼んでいる。
候補48選手のうち、中日所属の選手は4選手。その全員が辞退したほか、追加で打診のあった1選手も、代表を辞退したというのだ。
サッカーでいえば、浦和かG大阪、あるいは鹿島あたりの選手が、(程度の不明瞭な)負傷や調整の不安を理由に、そろって1、2月の代表戦の参加を辞退した、といったところだろうか。なるほど他のチームのファンとしては、納得できるはずがない。
だがあくまで他人事として、チーム全体の利益を考えていえば、
「出たくない選手は、出なければ良い」
と思うのだ。まあ本当に、他人事だから言えることですが。
野球もサッカーも人間がやるもので、チームは生き物だから、能力の高い選手が集まれば強いチームができる「パワプロ」や「ウイイレ」とは違う。結構にメンタルに左右されるものだから、チームが一丸になっているか、いないかの違いは大きい。
前回のWBC、王JAPANの時も、出場辞退が続出した。各球団もさして協力的でなく、WBCの大会としての価値もよく分からないままに参加した選手たちは、日本を背負って戦う事を心から誇りに思っていて、心から勝ちたいと思っている選手たちだったに違いない。誤審問題や、奇跡の準決勝進出など、チームを一つにするようなイベントも重なったが、チーム全員が同じ方向を向いていたからこその優勝だと強く感じさせられたものだった。
反面、今年の北京五輪では、チームの雰囲気はあまり良くなかったと聞く。チームの雰囲気が悪いときは上手くいかないのはサッカーもいっしょで、一昨年、惨敗したドイツワールドカップなどは、チーム内の不和を物語るエピソードがいくつか漏れ聞こえてきた。
長い歴史を紐解けば、例外はいくつか見つけられるが、グラウンドの外で一丸になりきれてないチームは、グラウンドの中でも上手くいかないことが多い。
だから僕は、
「代表に参加したくないなら、どうぞご自由に」
と思うのだ。どんなに実力のある選手であっても、中途半端な気持ちで代表に参加するのなら、いらない。同じ目標(=勝利)をもっている選手が集まり、同じ目標のために全力で戦ったほうが良いに決まっている。
まあ、レッズやガンバの選手が同じことをしたら、絶対文句いうとは思いますけど。
posted by taka |23:16 |
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2008年11月17日
昨夜の「やべっちFC」で、エメルソンが日本代表のキーマンに長谷部誠を挙げていた。
エメルソンといえば、長谷部が20歳でJリーグベストイレブンに選ばれた04年当時の浦和のエースストライカー。 圧倒的なスピードでJリーグを席巻した彼のゴールの中には、長谷部のアシストによるものも少なくなかったと記憶している。
カタールへの電撃移籍、年齢詐称、カタール代表での国籍問題など、トラブルメーカーとしても知られるエメルソンは、
「バランスも取れるし、攻撃に変化も付けられる」
と長谷部の万能性を高く評価していた。
なるほど今の長谷部は万能だ。元は攻撃的MFだけに、04年当時はドリブルやスルーパスなど攻撃センスが光っていたが、その後はレッズやドイツで、守備でのタフさやバランス感覚に研きをかけてきた。
能力をグラフにすれば、いびつだった五角形なり六角形が、徐々に正多角形へと近づいていった感じ。それは間違いなく成長なのだが、04年当時の長谷部を知る者としては、物足りなく感じることも。攻撃面に特化していた頃に見せていた、大胆な中央突破(例えば、04年2ndステージの磐田戦)や、強引なスルーパスは、年々みられなくなっていった。
確かにそれらはリスクの大きいプレーで、知性を身に付けるごとにリスクを避けるようになったのは「大人のプレーヤー」になった証と言えるのかもしれない。
ただ、04年をピークにゴール・アシスト数を減らして浦和を去り、ドイツでも安定感を評価される一方、攻撃面での不満から先発落ちしたと報じられるなど、以前の彼からすれば信じられないことだった。
今の代表の中で、長谷部の貢献は決して小さくない。中盤の底で走り回り、チームの攻守をつなぐ働きをしている。ただ一方で、かつての「やんちゃ」さは、陰を潜めているように思う。
今の遠藤保仁とのコンビで、長谷部がやんちゃに振る舞うのは危険すぎる。しかし、やんちゃに攻撃参加する長谷部を、もう一度見てみたい、とも思う。
今の知性に、かつてのやんちゃさが加われば、監督やチームメートにに好かれながら相手にも嫌われる、理想的な選手になると思うのだが。
posted by taka |16:44 |
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2008年11月14日
シリアが「仮想カタール」というには歯ごたえ不足で、日本の方も中盤のレギュラー4人を欠いたシリア戦は、「代役の見極め」のための試合となった。
というのも、守備の要であるGK楢崎正剛とDF中澤佑二が、いずれも負傷でカタール戦を欠場することになったからだ。この2人に闘莉王を加えた逆三角形で3次予選の後半から最終予選までを戦い抜いてきただけに、個々の能力や連携の確認のための実戦は、このカタール戦が最初で最後の機会となる。
楢崎の代わりにゴールを守った川口能活は、安定した動きで、カタール戦に向け何の不安も残さなかった。もともとは3月にバーレーンに敗れるまで、一貫して代表の正GKを務めていた選手。そのバーレーン戦でミスをしてポジションを失っていただけに、そのミスを思い出して不安になる方もいらっしゃるだろうが、2度のワールドカップ最終予選を経験しているベテラン以上に、安心してゴールマウスを任せられる選手はいないだろう。
一方、中澤の代役には不安が残る。第一候補となる寺田周平は、空中戦でファウルを連発して、岡田監督に苦言を呈された。昨年のアジアカップでカタールと引き分けた試合では、FKから手痛い一発を浴びた。それだけに彼の手癖の悪さが心配だ。
第2候補となりそうなのは阿部勇樹。対アジアにおいてセンターバックとして一定の実績があり、闘莉王との連携でも浦和で共にプレーしている分、一日の長がある。ただ前述のアジアカップでのFKは、阿部の不用意なオブストラクション(進路妨害)によって与えたものだった。こちらは手癖の悪さよりずっと修正しやすいもので、阿部もこの1年間で、センターバックとしての経験値をグッと高めてきた。岡田監督の高さへのこだわりを考えると寺田の先発が濃厚だが、阿部のほうが計算しやすいように僕は思う。
第3候補はここまで国際Aマッチ3試合に出場している高木和道だが、未だ代表でのフル出場はなく、無失点もない。経験も実績も乏しい彼を、いきなり先発で起用することはまずないだろう。シリア戦でも闘莉王との交代で入ったため、ファーストチョイスである闘莉王との連携を確かめることができなかった。
そのほかの選手では、中村憲剛は単なる遠藤の代役にとどまらない実力を見せたし、大久保嘉人も、左サイドでは消えている時間帯も多いが、ウズベキスタン戦ではアシスト、シリア戦ではゴールと結果を出し続けている。
彼らがこの調子なら、長谷部や松井も、「合流したから即スタメン」とはいかないと思う。練習で健全な競争をした結果、ポジションを勝ち取るべきで、そうした健全なポジション争いが、チームを活性化させ、成長させるのだと思う。
センターバックを始め、他のポジションでも健全なポジション争いを、高いレベルでできるようなら、日本代表はもっと強くなっていく。
posted by taka |13:42 |
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2008年10月16日
クリスチアーノ・ロナウド(マンチェスター・U)を擁するポルトガル代表が、ホームでアルバニア代表と引き分けた。
あくまで参考にしかならない、といわれるFIFAランキングではあるが、参考までにいうと、ウズベキスタン(70位)よりもアルバニア(83位)のほうが下。世界ナンバー1プレーヤーを擁する強豪ポルトガルにだって取りこぼしはあるし、ブラジルやアルゼンチンだって、南米予選を全勝で勝ち抜いてくるわけではない。
それを踏まえると、決して悲観的になるような結果ではない、と思う反面、今後が心配になる要素もあったウズベキスタンとの引き分けだった。
心配になる要素を一つ挙げると、闘莉王(浦和)が諸刃の剣になる危険性だ。彼自身、能力は、凄く高い。空中戦ではほとんど競り勝っていたし、終盤にゴール前に上がった時の迫力はさすがだった。
ただ、彼が攻めあがった際のカバーリングには遅れが目立った。その結果中澤佑二(横浜FM)が孤立し、相手FWと一対一になる場面も。そこでしっかり止める中澤はさすがだが、彼が抜かれた際のカバーはどうなっているのか。後列の面々を見てみると、守備的MFの長谷部誠(ヴォルフスブルク)、遠藤保仁(G大阪)は守備よりも攻撃に特徴のある選手だし、右サイドバックの内田篤人(鹿島)も、失点シーンで中央のカバーリングのもろさを露呈している。
先発メンバーでは唯一、左サイドバックの阿部勇樹(浦和)が闘莉王のオーバーラップのケアに気を配っていた印象で、交代選手では稲本潤一(フランクフルト)がカバーを命じられて入ってきて、その期待に応えていたが、それでも危険な場面は少なくなかった。闘莉王の攻撃力を活かさない手は無いだけに、連携をさらに高める必要はあるだろう。もっとも闘莉王にも、中盤でフラフラしているくらいなら、前線に上がるのか、DFラインでしっかり守るのか、はっきりせんかい、とは思ったが。
また、岡田采配にも気になる点はあって、今回でいえば、交代のカードの切り方。稲本については中村憲剛(川崎F)との比較で、闘莉王のカバーを考えて選んだとのことだったが、ならばなぜ、興梠慎三(鹿島)を入れたのか。投入直後こそ良いドリブル突破を見せていた興梠だったが、その後闘莉王を前線に上げたパワープレーがメインになってからは、攻撃に絡む場面がほとんどなかった。パワープレーに出るのならば、興梠や岡崎慎司(清水)よりも、巻誠一郎(千葉)のほうが適していたのではないか。その巻がベンチ外だった、というのには首を傾げたくなる。
最後に、もう一つ。岡田監督は試合後の会見で、「内容は悪くなかった」といったという。このコメントは、先のUAE戦に続いてのもので、事実、内容は悲観的になるほどに悪いものではなかった。
しかしだからこそ、勝ちきれない現状がもどかしい。たとえばジーコ監督時代には、内容は今以上に悪くても、勝ちきっているげーむはいくつかあった。しかし今は、内容は最悪ではなくても、勝ちきれない試合が続いている。
勝ちきれないのは試合運びの問題なのか、決定力の問題なのか。まあ、その原因分析は岡田監督がしっかりしているだろうし、それがしっかりしていれば、それほど大きな問題ではないのだろうが。
posted by taka |12:07 |
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2008年10月10日
<GK&DF>森重見送りの「?」も寺田、高木は安定
「オリンピックを見た限りでは、ポジショニングなどに不満がありますけど、どこまでできるか分からないぶん、期待も大きいですよ」というのが、岡田武史監督の森重評(『週刊サッカーマガジン』インタビューより)。
その森重真人(大分)のスタメン起用を予想する声もあったが、フタを空けてみればベテランの寺田周平(川崎F)が先発し、中澤佑二(横浜FM)とコンビを組んだ。
日本代表のセンターバックは、中澤、闘莉王(浦和)のコンビがチームの中心になっている一方、彼らに続く「第3のセンターバック」の不在が一つの問題になっている。そこで森重にかかる期待も大きかったのだが、岡田監督が選んだのは5月のパラグアイで実績のある寺田のほうだった。
寺田は前半のみで退いたが、パフォーマンスは実に安定していた。後半から代わって入った高木和道(清水)も、硬さの見られたウルグアイ戦から一転、代表2戦目のこのUAE戦では、落ち着いた対応を見せた。2人とも、攻め込まれる展開での抵抗力は未知数だが、アジア予選ではオーストラリア戦を除いて、日本がボールを支配する時間帯が長くなるはず。五輪の3試合を通じて、人への強さとポテンシャルの高さを見せた森重のデビューを見送ったのは疑問だが、アジアレベルでは寺田、高木の高さと安定感がレギュラー不在の危機を救ってくれるtと思う。
<MF>連携か見合わない場面あるも、稲本は○
稲本潤一(フランクフルト)の“代表デビュー戦”は、「◎」とまではいかないまでも、なかなかの出来だったと思う。岡田監督も、「ボール際をつぶしに行く、マイボールにならなくても必ず前にボールをこぼしてくれた。これに関しては素晴らしかったと思っています」と、稲本のプレーを高く評価。初戦からいきなり持ち味を出せるのは、欧州で7シーズン、計6クラブでプレーしてきた彼の順応力の成せる業だろう。
ただし攻撃面では、「2列目からの飛び出しというところで、あと一歩で(タイミングが)合わなかったことが2、3回ありました」と岡田監督もいうように、息の合わない場面が見られた。後半には飛び出しが、玉田圭司(名古屋)のドリブルと重なってしまう場面も。遠藤保仁(G大阪)が合流するウズベキスタン戦でも先発するかは長谷部誠(ヴォルフスブルク)との争いになるが、試合を重ねてチームメートとの相互理解を深めれば、さらに良くなるのではないか。
<FW>岡崎、興梠の猛アピールで、ベンチ入り18人は混戦に
岡田監督は『週刊サッカーマガジン』のインタビューの中で、金崎夢生(大分)について
「今の中盤の選手層からすると、現段階で呼ぶ選手ではないだろうというだけで、将来的にはすごく面白い選手だと思っています」
と語っている。
裏を返せば、現段階で新戦力を3人呼んだFWについては、今の選手層に満足しているわけではないということか。今回岡田監督は、佐藤寿人(広島)、巻誠一郎(千葉)という実績ある2人を差し置いて岡崎慎司(清水)を先発させ、興梠慎三(鹿島)を交代の1番手として送り込んだ。
岡崎、興梠ともに、期待にたがわぬプレーを見せたと言えるだろう。岡崎は中村俊輔(セルティック)から、その献身的なプレーを絶賛され、興梠は30分強の出場ながら、持ち前のスピードを武器に次々とチャンスを生み出した。
もっとも、新戦力を積極的にテストしながらも、玉田、大久保嘉人(神戸)も継続して先発起用したあたりには、岡田監督の彼らへの厚い信頼が窺える。だが得点力を高く評価される大久保は、51分の決定機をミス。そのあたりを、岡田監督はどう評価しているのか。チャンスを決めきれない、という場面は岡崎にも、興梠にもあったが……。
posted by taka |09:30 |
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2008年08月25日
稲本潤一(フランクフルト)が、日本代表に復帰した。
稲本の選出は、オシム監督時代の昨年10月、欧州遠征以来。そのオシム前監督が欧州組の選出に慎重だったのに対し、岡田武史監督が長谷部誠(ヴォルフルブルク)を定着させ、本田圭佑(VVV)、小野伸二(ボーフム)をテストするなど欧州組を重宝していることを思えば、遅すぎるように思える初選出だ。
さて、稲本がポジション争いに加わる守備的MFのポジションだが、岡田監督は守備力よりもむしろ攻撃力に魅力のある選手を6月の3次予選では並べた。基本的には、長谷部と遠藤保仁(G大阪)のコンビ。長谷部が警告のため欠場した最後のバーレーン戦でも、代役はパサータイプの中村憲剛だった。
気になるのは、相手国のレベルが上がる最終予選でも、カウンターの対応に難がある「攻撃的な守備的MF」コンビを続けるか、どうかだ。
個人的には、続けないだろう、と思う。コートジボワール、パラグアイという、格上2ヵ国と対戦した、5月のキリンカップ。岡田監督は中盤の一角に、今野泰幸(FC東京)や鈴木啓太(浦和)といった、守備力に優れた選手を起用していた。先のウルグアイ戦でも、岡田監督は守備力に優れ、ロングキックと高さというプラスαを持つ青木剛(鹿島)を代表デビューさせ、長谷部とのコンビでテストしている。
つまりこれまでの傾向から言えば、警戒すべき相手との試合では、必ず守備力の高い選手を中盤の底で起用しているのだ。3次予選では長谷部と遠藤、遠藤と中村憲を並べて戦ったバーレーンに、最終予選では敬意を払うのか、それは分からないが、互角以上の力を持つオーストラリアとの対戦となれば、岡田監督も中盤の守備を強化しないわけにはいかないのだろうか。
中盤再編。
そこでクローズアップされてくるのが稲本だ。2002年ワールドカップでの2得点もあって攻撃のイメージが強い稲本だが、強いフィジカルを生かしたボール奪取力もかなりのもの。ガラタサライ(トルコ)時代にはバランサーとして、1ボランチも務め上げている。
長谷部、遠藤のコンビに割って入って、攻撃力を損ねることなく守備を強化できる可能性のある人材は恐らく、稲本くらいのものだろう。海外リーグ所属による参加のしにくさやコンディショニングの難しさはあるが、稲本が最終予選を戦う上で選択肢に入ってくるのは当然のことのように思われる。
その稲本を先のウルグアイ戦で招集しなかったことには疑問が残るが、青木のテストを優先したのか、稲本なら直前の準備期間でもある程度やれると判断したのか。いずれにしても攻撃力と守備力を高次元で兼ね備える稲本が、最終予選に向け、守備の強化が不可欠な中盤のキーマンになりそうだ。
posted by taka |20:24 |
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2008年08月16日
ノルウェー戦の後半、中国戦と1試合半、なでしこJAPANの素晴らしい戦いを見て、「どうして男子にこれができないか?」と思う。前線からの組織だったプレスに、常に2つ以上のパスコースを確保するボールホルダーへの周到なフォロー。豊富な運動量をベースにしたこのスタイルは、果たして男子にも応用できないものか。
そんなことを考えながら、同時に、「U-23の男子代表と、年齢制限のない女子代表との安易な比較には、意味がない」とも思う。ナイジェリア戦で連敗を喫した後、内田篤人(鹿島)が
「満男さん(小笠原=鹿島)のような中心選手がいなかった」
と嘆いたというが、女子代表には、澤穂希がいる。中心選手不在のU-23代表と違って、なでしこJAPANには澤という確固たる中心選手がいて、彼女が成熟した大人のプレーヤーとして、チーム全体を引き締めている。
男子にも成熟した大人のプレーヤーが必要ならば、オーバーエージを使えば良かった。それは確かにそうなのだが、遠藤保仁(G大阪)と大久保嘉人(神戸)を加えていれば、と嘆く事も、彼らを加えても決して「戦う大人の集団」にはならなかったと仮定することも今回の目的ではないので、オーバーエージについてこれ以上書くのはやめておく。
むしろ今回、記しておきたいのは、澤への感動であり、尊敬の念だ。
中国戦の澤のプレーは文句のつけようのない、完璧に近いものだった。
身長差をジャンプのタイミングとポジション取りの巧みさで制し、コーナーキックに頭で合わせて先制ゴールを決めたのは言わずもがな。2、3人に囲まれながらスルスルとかわしてスルーパスを狙ったり、味方が苦しい時にボールを預かって悠々と展開したり。かと思えば、一対一の間合いの妙で高いボール奪取力を発揮したり、鋭い出足と読みの良さでパスカットをしたり。感心したのは後半終了間際のプレーで、味方のパスミスになりそうなところで必死に足を伸ばしてボールを取り戻したプレーが1回、敵陣深くの相手の縦パスをカットしたプレーが1回あった。苦しい時間帯、厳しい日程の中での試合で、2点のリードがあってすでに試合の大勢は決まっていた。その時間帯にも澤は足を止めず、気持ちを切らさずに相手のわずかな反撃の芽を摘みとった。パスカット自体の見事さもさることながら、その精神力が素晴らしい。
イメージとしては、フィニッシャー、プレーメーカー、中盤の潰し屋(汚れ役)の3役を、一人でこなしている感じ。さらに周囲に指示を送り、チームを鼓舞するリーダーでもあるのだから、本当に頭の下がる思いだ。
僕は男子を含めても、ここ10年の日本サッカーで、澤ほど完璧に近いプレーヤーを知らない。その澤をアタッカーからボランチにコンバートし、攻守に連動性のある組織的なチームに仕上げた佐々木監督の手腕も素晴らしいが、快進撃の中心に澤穂希がいることを、改めて強調しておきたい。
posted by taka |11:03 |
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2008年02月24日
韓国戦まで、約1ヵ月で6試合。イビチャ・オシム監督前監督が約1年半で20試合だから、岡田武史監督はかなりのハイペースでスタートを切ったことになる。
タイ戦への準備の意味合いが強く、ほぼメンバーを固定して戦ったタイ戦までの3試合。負傷者の続出もあって、監督の意図の有無に関わらずテストに近いメンバー構成になった東アジア選手権。
その6試合を終え、台頭と停滞の両方を感じる。
わずかな期間ながら、岡田監督の下で日本代表には各ポジションに新戦力が台頭した。
FWには、1トップでも粘り強くプレーした田代有三(鹿島)。MFには、従来の2列目の選手とは一線を画するスタイルで破格の得点力を見せた山瀬功治(横浜FM)。両サイドでは若い内田篤人(鹿島)、安田理大(G大阪)が生き生きとプレーし、GKは川島英嗣(川崎F)が代表デビューした。
ただし、守備的MF、センターバックのポジション争いには、未だ停滞感が漂っている。
ボランチには鈴木啓太(浦和)。センターバックには中澤佑二(横浜FM)、阿部勇樹(浦和)。新戦力を積極的に起用した岡田監督だったが残念ながら6試合を終えても、彼らを脅かしそうな選手は現れなかった。
気になるのはセンターバックだ。韓国戦で中澤が圧倒的な存在感を見せたが、中澤が奮闘すればするほど、彼以外のDFのだらしなさも際立つ。
北朝鮮戦で失点に絡んでから出番がなかった水本裕貴(G大阪)には、もっとやれるだろうと思う。岩政大樹(鹿島)は今回は負傷で途中帰国してしまったが、一度は代表で見てみたい選手だ。彼らが奮闘し、中澤におんぶに抱っこの現状を抜け出せれば、阿部も、今野泰幸(FC東京)もボランチでプレーできて、鈴木啓太の代えがいない状況も改善されるのではないか。
すっかり「ベテラン」と呼ばれる年齢になった中澤の負担を減らし、怪我がちの闘莉王(浦和)を脅かすセンターバックの台頭が今後望まれる。
posted by taka |21:48 |
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2008年02月21日
ひどい試合だった。いや、日本の選手が何度となく不当な「暴力」によってうずくまり、中国の選手には正当な罰が与えられないのを、果たして“サッカーの試合”と呼び、試合中の出来事として片付けて良いものか。
重慶での中国戦は、見ていてひどく不愉快なものだった。
中国戦から強引に収穫を探すとすれば、田代有三(鹿島)の台頭と、2人のボランチの安心感。
先の北朝鮮戦から2試合連続の先発出場となった田代は、献身的な守備とボールキープで、1トップを務め上げられる事を証明して見せた。後半終了間際の見事なゴールを存在しないオフサイドで取り消されたのは、不運としか言いようがない。彼としては是が非でも結果(=代表初ゴール)がほしいところだったが……。
また岡田監督就任後は初めて中盤の底で中村憲剛(川崎F)と並び立った鈴木啓太(浦和)は、前線まで飛び出すダイナミズムを取り戻した。これまで1人でボランチを務めていた鈴木には、多大な守備の負担がかかっていたが、しかし彼一人では背負いきれず、中盤にスペースを空けてしまうことが少なくなかった。しかし中村憲がフォローに入ることで、守備でもつなぎでも、中盤の安定感はグッと増した。今後、前線の組み合わせがどうなるにしても、ボランチは1人より2人の方が良さそうだ。
しかしいくら収穫を得たところで、中国があれでは大会そのものの意義が揺らいでしまう。
各クラブは、余り望ましくない状況で選手を出している。ワールドカップ予選、東アジア選手権の両方に招集された選手は、これまでほとんど所属クラブの練習に参加していない。他の選手に比べて試合勘はあるかもしれないが、来月8日の開幕までは2週間しかない。中には監督が代わった選手、移籍した選手もいるが、これは準備期間として短くないか。これではJリーグ軽視といわれても仕方がない。
なのに選手が負傷して帰ってくる危険性がある。中国のラフプレーは目に余るもので、相手DFラインの裏に抜け出した安田理大(G大阪)には、GKから飛び蹴りが浴びせられた。途中ズボンをたくし上げた遠藤保仁(G大阪)の太ももには、スパイクの跡がくっきり。
しかし主審は、余りにも中国に甘かった。安田への行為はレッドカードが出て然るべきだがイエローカードどまりで、遠藤への行為にはカードすらなかった。第3国ではなく、北朝鮮からやってきた主審は安田へのファウルの他に、前半終了間際の田代への危険なタックルにもレッドカードを提示するべきだったが、中国には4枚(日本が2枚だったから、たった2倍!)のイエローカードを与えただけだったのである。
これはサッカーを汚す行為という他ない。中国のラフプレーも、日本の選手を守る意識が全くない主審の判定も。こんなサッカーを汚す大会に、日本は、Jリーグチームの準備を遅らせ、選手を傷つけるリスクを侵してまで、参加する必要があるのだろうか。
サッカーを守るために、日本サッカー協会の検討を強く望む。
posted by taka |17:18 |
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2008年02月18日
「個人名は挙げられませんが、いろんなバックアップの選手を、違うポジションで試すことができた。自分なりに、これぐらいできるんだとある程度、見当をつけることはできました」
どうやら我が国の代表監督は、昨日の北朝鮮戦、ひいてはこの東アジア選手権を本気に勝ちにいっているわけではないらしい。もちろん、負けても良いというわけではないだろう。だがどうやら、「テストの機会」として、この東アジア選手権を3試合1セットで考えているようだ、というのが正直な感想だ。
岡田武史監督は「個人名は上げられませんが」と言ったが、試された選手はおおよそ見当がつく。たとえば、川島英嗣(川崎F)。あるいは水本裕貴(G大阪)、田代有三(鹿島)。加地亮(G大阪)は従来の右ではなく左サイドで起用され、安田理大は所属のG大阪より攻撃的な位置に投入された。
不慣れな位置でプレーする選手がいて、代表自体に不慣れな選手も混在する日本代表は、終始ぎこちなさを感じさせた。左サイドにとまどいを隠せない加地に、噛み合わない2トップ。失点は鄭大世(川崎F)の個人技が光ったものだったが、水本が簡単に振り切られ、中澤佑二(横浜FM)のカバーが遅れたものだった。
今回のテストで合格点を出したのは、田代、前田遼一(磐田)、安田の3人だろう。
代表デビュー戦で先発出場した田代は、なかなかボールに絡めない時間もあったが、体を張ってボールをキープし、強引にシュートへと持ち込む゛強さ”を見せた。「あんなに滞空時間の長い選手は生まれて初めて見た」とオリベイラ監督(鹿島)をして言わしめたジャンプ力は脅威で、同僚の内田篤人(鹿島)以外もそれを生かせるようなボールを送っていれば、もっと彼の持ち味が出ていたのではないだろうか。
今年に入ってからの代表戦3試合で出番がなかった前田は、GKが弾いたボールをヘディングで押し込み、貴重な同点ゴール。昨年11月のエジプト戦では3度あった決定機を一度しか決められなかったが、勝負強さを見せつけた。技術的には元々すぐれたものを持っているだけに、これを機に高原・巻超えを狙ってほしい。
「今回はミチが一番勝負できるので」と期待されて送り込まれた安田は68分、緩急をつけたドリブルで左サイドを突破し、前田の同点ゴールを生んだ。今回は山岸智(川崎F)に代わって左MFで投入された安田だが、クラブでは左サイドバックでプレーする。その左サイドバックは駒野友一(磐田)がオシム時代から定着し、北朝鮮戦では加地がテストされた手薄なポジション。攻撃力をアピールした安田が、残り2試合で守備力の不安をかき消せれば、数年来の人材難が解決に向かうが……。
posted by taka |17:30 |
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