2007年10月17日

収穫と宿題と  ~エジプト戦レビュー~

 前日会見で新戦力のテストをほのめかしたオシム監督だったが、エジプト戦の先発には、見慣れた9人の名前が並んでいた。見慣れない2人は、大久保嘉人(神戸)と前田遼一(磐田)。2トップに起用されたのは、カメルーン戦以来、2度目の先発となる2人だった。

 中村俊輔(セルティック)の不在を除けば、アジアカップとほぼ同じ構成の中盤から後ろに、初めての組み合わせとなる2トップ。その顔ぶれに込められたオシム監督の狙いは、以下の2つか。

・得点力向上のための、人材発掘
・「コア・メンバー」の力試し

 前者に関しては、大久保、前田の両者が結果を出し、大きな成果を上げた。ジーコ監督時代から代表でのノーゴールが続いていた大久保は、強引に前を向く鋭さと強烈なシュートで、ついに代表初ゴール。42分には遠藤のクロスにタイミングよく走り込み、ヘディングシュートを決めた。
 前田は、何度か決定機を逃したが、53分に「3度目の正直」と言わんばかりに得点。その後チャンスをものにできない場面が続き、決定力に課題を残したが、その正確な足元の技術は巻誠一郎(千葉)や矢野貴章(新潟)にはないものだ。

 一方後者に関しては、ベストメンバーで来日しなかったエジプト代表が、「力試し」というには明らかに歯応え不足だった。3点目(前田)を決めてから1点を失うまでの試合運びには不満を残したが、DFラインの安定感、中盤のパスワークは、期待を上回るものでも下回るものでもなかった。コア・メンバーについて、あえて収穫を探すなら、攻撃面で物足りなさを残していた両サイドバックが直接絡む形で、4点目が生まれたことくらいだろう。

 収穫以上に気になったのは、来年に持ち越された宿題の数々だ。前日会見でオシム自身が語った、川口能活と中澤佑二の後継者問題はどうなるのか。それに付随してだが、中澤、阿部勇樹(浦和)、闘莉王(浦和=今回は選外)に続く第4のセンターバックは誰になるのか。加地、駒野以外の専門職が招集すらされていない、サイドバックのバックアップはどうするのか。絶大な信頼を置いている鈴木啓太(浦和)だが、彼の不在時には、誰が代役を務めるのか。

 前線では、複数の選手が試されている。高原直泰(フランクフルト)以外に絶対的な存在はいないが、計算できる選手は多い。今回得点した大久保、前田は、「計算できる」というレベルを超え、新たな可能性を感じさせた。
 だが果たして、後列はどうなるのか。「絶対的な存在」は多いが、計算できる選手が少ない今の状況は、決して望ましいものではないと思う。負傷、出場停止など、不慮の事態が起こる危険性に満ちたワールドカップ予選を戦い抜く上では、特に。
 来年は1月から始動し、ワールドカップ予選を前に、2試合を戦う日本代表。そこで守備の新戦力のテスト(常に招集されていながら、出場機会が少なかった選手も含め)は、行われて然るべきだが……。

posted by taka911 |20:41 | 日本代表 | コメント(2) |
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この記事に対するコメント一覧
Re:収穫と宿題と  ~エジプト戦レビュー~

確かに、そうですね。
オフェンスのオプションはこれでひとまず揃ったかなって気はしますが、
ディフェンスラインのバックアップが心持たないというかいない。。。
でも多分オシムの中では、U-22世代を考えてるんじゃないでしょうか。
水本、青山あたりは入ってくる気がしますね。
サイドに関しては、内田あたりを使うんでしょうかね。
左サイドは微妙ですけど。。。
後ろが充実してくれれば今野、阿部が自然と啓太のポジションができるのでいいんではないかな。
GKに関してはW杯予選が始まるまで、川島を使って欲しいですねー。

posted by がいち | 2007-10-18 09:34

コメントありがとうございます

がいちさん>
全くその通りですね。特にセンターバックに関しては、U-22代表の青山、水本以外に試すべき選手がいなかった……という評価だったのかもしれません。彼らが本格合流してくれば、自然と層は厚くなりますね。
川島は経験さえ積めば、「川口・楢崎」時代に終止符を打てる才能だと思うのですが。起用してほしいです。

posted by taka | 2007-10-18 13:09

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