2007年06月03日

捨てない人、ベッカム

 反町康治現U-22日本代表監督が、新潟の監督を勇退したばかりだった昨年2月の話。当時解説者だった反町さんは、日本対米国戦で巻の代表初ゴールをアシストした加地のクロスを、サッカーマガジンのレビューの中で「捨てクロス」と表現した。

「捨てクロス」とは、中央をろくに見ずに入れるクロスのこと。反町さんいわく、しっかりと狙って蹴ったクロスは相手DFにとっても軌道が読みやすいため、こちらの方が得点に結びつく確率が高いという。新潟の監督時代にも「中央を見ずに上げろ」と指示していたというから驚きだ。

 さて、ブラジル戦でイングランド代表に復帰し、いきなりジョン・テリーのゴールをアシストしたデビット・ベッカム。彼はクロスを「捨てない」。右サイドでボールを受けると、中央をじっくり見てからクロスを送る。
 
 それでもアシストの山を築けるのは、「止める・蹴る」の基本技術が本当に高いから。パスを受けると、一番ボールを蹴りやすいポイントにファーストタッチでしっかりとコントロールし、左腕を大きく振り上げる独特のキックフォームからラストパスを送る。その一連の流れはリプレーを見るように一定で、さながら精密機械。捨てクロスとは対照的に、ボクシングでいえばテレフォンパンチ、「さあ、今からクロスを上げますよ」と言っているようなものなのだが、防ぐことは極めて難しい。

 ベッカムは「捨てない」。だが捨てる必要もない。あれだけ正確な技術があるのなら、意表を突くことなく、しっかり狙って蹴ったほうが得点率は上だろう。

 そのベッカムは、今年の夏から米国に移籍する。あれほど一定のフォームで蹴れる彼が、努力を重ねてきたことは想像に難くない。彼は間違いなく、米国のサッカー選手にとって最高の手本になる。

 それはつまり、かつてJリーグにドゥンガや、ジョルジーニョらがいたように。米国が少しうらやましい。

posted by taka911 |00:10 | 人物 | コメント(2) | トラックバック(0)
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Re:捨てない人、ベッカム

ベッカム、本当に良かったですね! 私は英国BBCで見ていましたが、試合前にコメンテーターのアラン・シアラーがベッカムをとても高く評価していて、本当かなーと自分では疑問に思っていたんですが、試合を見て考えを改めざるを得ないことに気がつきました。ディフェンスも危ない局面では体を張っていて、そういうときは声援もすごかったですし。彼のロングフィードはびっかびかに輝いていました。イングランド代表で活躍するベッカムをこれからも見たいです。

posted by londoner | 2007-06-03 10:34

Re:捨てない人、ベッカム

「好調な時のベッカムに勝る右サイドの中盤の選手はいない。」マクラーレンの試合後の言葉。おいっ、とツッコミたくなる・・・。前評判の高さからは考えられない低調なパフォーマンスと結果しか残せなかったドイツW杯のイングランド代表の中で、唯一といっていい程輝きを放っていたベッカム。その後、世代交代と言う戦術以前の問題でベッカムを代表から外したのがマクラーレン・・・ここ数年のベッカムほど不当な評価を受けている選手はいないのではないだろうか。ドイツW杯前の不要論、一時のRマドリーでの扱い、現イングランド代表での扱い・・・しかしそれらの全てに、言葉ではなくプレーによって自らの価値を示してきたベッカム。解任が囁かれていたカペッロに続きマクラーレンさえも救ってくれそうな活躍である。いいかげんに必要不可欠な選手だと認めても良いのではなかろうか。その偉大なプレーヤーであり、メディアスターでもあるベッカムがメディア大国アメリカのクラブ、LAギャラクシーに移籍する。サッカー不毛の地などと言われてきたが、現在子供達には人気のスポーツになってきてるらしいし、代表もメキシコに勝つ位だから決して弱くはない。W杯でも実績あるしね。ただ、国内での人気を決定付ける為に足りない最大の要因、世界的スターの不在。それを補う為のベッカムの移籍。その移籍の為に費やされた莫大な金額。実力とカリスマ性十分のメディアスターベッカムとアメリカのマスメディアの戦略。これが上手く噛み合えばMLSの飛躍的な進歩も十分考えられる・・・。っと途中からカッテに創造してみました。長々と失礼しました・・・

posted by ハーイヤベッチ | 2007-06-03 16:06

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